出入国管理及び難民認定法 第52条の2(収容に代わる監理措置)
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- 前条第八項の規定による審査をする主任審査官は、退去強制を受ける者(収容されている者又は仮放免されている者を除く。)が逃亡し、又は不法就労活動をするおそれの程度、収容によりその者が受ける不利益の程度その他の事情を考慮し、送還可能のときまでその者を収容しないことが相当と認めるときは、その者を監理措置(次条に規定する監理人による監理に付する措置をいう。以下この節において同じ。)に付する旨の決定をするものとする。この場合においては、監理措置に付される者に対し、住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他逃亡及び不法就労活動を防止するために必要と認める条件(以下この節において「監理措置条件」という。)を付するものとする。
- 2.主任審査官は、前項の決定をする場合において、監理措置に付される者による逃亡又は不法就労活動を防止するために必要と認めるときは、三百万円を超えない範囲内で法務省令で定める額の保証金を法務省令で定める期限までに納付することを条件とすることができる。
- 3.主任審査官は、第一項の決定をしたときは、入国警備官に対し、その旨を通知するものとする。
- 4.退去強制を受ける者(収容されている者又は仮放免されている者に限る。次項において同じ。)は、法務省令で定めるところにより、主任審査官に対し、自己を監理措置に付することを請求することができる。
- 5.主任審査官は、前項の請求により又は職権で、退去強制を受ける者が逃亡し、又は不法就労活動をするおそれの程度、収容によりその者が受ける不利益の程度その他の事情を考慮し、送還可能のときまでその者を放免することが相当と認めるときは、その者を放免して監理措置に付する旨の決定をするものとする。この場合においては、監理措置に付される者に対し、監理措置条件を付するものとし、また、その者による逃亡又は不法就労活動を防止するために必要と認めるときは、三百万円を超えない範囲内で法務省令で定める額の保証金を納付させることができる。
- 6.監理措置決定(第一項又は前項の決定をいう。以下この節において同じ。)をする場合には、主任審査官は、法務省令で定めるところにより、被監理者(監理措置に付される者をいう。以下この節において同じ。)に対し監理措置に付された条件を記載した監理措置決定通知書を、監理人に対しその謄本を、それぞれ交付するものとする。
- 7.第四十四条の二第五項の規定は第四項の請求について、同条第八項及び第九項の規定は第五項の決定について、それぞれ準用する。
- 8.被監理者に対する第七十条の規定の適用については、第一項又は第五項の規定により監理措置に付されている間は、被監理者は、同条第一項第三号から第三号の三まで、第五号及び第七号から第八号の四までに規定する残留する者又は出国しない者に該当しないものとみなし、その者のその間の在留は、同条第二項に規定する不法に在留することに該当しないものとみなす。
この条文の基本情報
収容に代わる監理措置とは何ですか?
定義収容に代わる監理措置とは、出入国管理及び難民認定法第52条の2に定められた規定で、「前条第八項の規定による審査をする主任審査官は、退去強制を受ける者(収容されている者又は仮放免されている者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第52条の2(収容に代わる監理措置)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第52条の2の条文原文は「前条第八項の規定による審査をする主任審査官は、退去強制を受ける者(収容されている者又は仮放免されている者を除く。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第52条の2は第四節 退去強制令書の執行に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第52条の2の前の条は出入国管理及び難民認定法第52条です。
- 出入国管理及び難民認定法第52条の2の次の条は出入国管理及び難民認定法第52条の3です。
- 出入国管理及び難民認定法第52条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第52条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第52条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/52_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法52条の2は、退去強制を受ける者を収容せず監理人の監理下で社会内に置く監理措置を定める。収容中・仮放免中の者は自ら請求できる。
Q · 収容されている本人から、監理措置にしてほしいと求めることはできる?
できる。第4項が本人の請求権を定めている
入管法52条の2第4項により、収容されている者または仮放免されている者は、法務省令の定めに従い、主任審査官に対して自己を監理措置に付すよう請求できます。主任審査官は逃亡・不法就労のおそれの程度、収容による不利益の程度その他の事情を考慮し、相当と認めるときは放免して監理措置に付す決定をします。保証金(300万円以下)は必要と認めるときに限り条件とされます。
解説
入管収容の世界に、2024年6月10日、まったく新しい選択肢が生まれた。監理措置である。従来、退去強制の対象となった人には「収容」か「仮放免」しかなかった。仮放免は入管の恩恵的な裁量で、いつ取り消されるか分からない不安定な地位だった。本条が作ったのは、収容せずに社会の中で待つことを正面から認める制度である。しかもあなたが知っておくべき核心は第4項だ。すでに収容されている人、仮放免中の人は、主任審査官に対して「自分を監理措置に付してほしい」と自ら請求できる。入管が動くのを待つ必要がない。さらに第8項は見落とされがちだが決定的である。監理措置期間中の在留は、不法残留罪(入管法70条)に「該当しないものとみなす」。つまり監理措置下では、日々積み重なる刑事責任の時計が止まる。保証金は300万円が上限で、従来の仮放免と同じ水準だが、納付は義務ではなく「必要と認めるとき」の条件にすぎない。
法的な位置づけ
監理措置とは、出入国管理及び難民認定法52条の2に基づき、主任審査官が、退去強制を受ける者について逃亡・不法就労のおそれ、収容による不利益の程度その他の事情を考慮し、送還可能のときまで収容せず、監理人による監理に付する措置をいう。住居・行動範囲の制限や出頭義務などの監理措置条件が付され、300万円以下の保証金を条件とすることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求の方式を確認する 収容施設の職員または地方出入国在留管理局の窓口で、第4項に基づく監理措置請求の書式と、法務省令が定める提出方法を確認する
- 2.監理人候補を確保する 次条(52条の3)の要件を満たす監理人候補(親族・支援者・弁護士など)に、届出義務などの負担を説明したうえで引受けの可否を確認する
- 3.逃亡・不法就労のおそれが低いことを示す資料を揃える 安定した居住先、家族関係、生活費の手当て、過去の出頭実績など、主任審査官の考慮要素に直結する客観資料を集める
- 4.収容による不利益を示す資料を添えて請求する 健康状態や家族状況など収容による不利益を示す資料を添付し、主任審査官に請求書を提出する。事情の変化があれば、そのたびに資料を更新する
- 5.決定通知書の条件と保証金期限を確認する 監理措置決定通知書に記載された住居・行動範囲・出頭義務などの条件を確認し、保証金が条件とされた場合は法務省令で定める期限と金額を書面で確かめる
よくある質問 AI による整理
Q1監理措置とは何ですか?
退去強制を受ける外国人を収容せず、監理人の監理のもとで社会内に置く制度です。入管法52条の2などが根拠で、2024年6月10日に施行されました。
Q2監理措置の請求方法は?
収容中または仮放免中の本人が、法務省令の定める方式で主任審査官に請求します(第4項)。居住先や身元引受人など、逃亡のおそれが低いことを示す資料を添えるのが実務の基本です。
Q3監理措置はいつから始まった制度?
令和5年(2023年)の入管法改正で新設され、2024年6月10日に施行されました。それ以前は収容か仮放免しか選択肢がありませんでした。
Q4監理措置条件とはどんな内容?
住居と行動範囲の制限、呼出しに対する出頭義務、その他逃亡や不法就労を防ぐために必要な条件です(第1項)。内容は監理措置決定通知書に記載されます。
Q5監理措置中に働くことはできる?
退去強制令書が発付された後の監理措置(本条)では、不法就労活動の防止が条件の中心で、原則として就労は認められません。例外の余地は個別事情によります。
Q6監理措置は誰が決める?
地方出入国在留管理局の主任審査官が決定します。本人の請求がなくても、主任審査官が職権で監理措置に付すこともできます(第5項)。
Q7監理措置はいつまで続く?
本条は「送還可能のときまで」と定めており、期間の上限は置かれていません。ただし条件違反などがあれば、別の条文に基づいて取り消されることがあります。
Q8監理措置決定通知書とは?
監理措置に付された条件を記載した書面で、被監理者本人に交付され、監理人にはその謄本が交付されます(第6項)。条件の範囲を確認する基本資料です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監理措置って、要するに仮放免と何が違うんですか?
最大の違いは第8項です。監理措置に付されている間の在留は、入管法70条の不法残留に「該当しないものとみなす」と明記されている。仮放免中は法的には不法残留状態が継続しており、この違いは将来の刑事処分や在留特別許可の判断に効いてきます。実務のポイント:実務家がまず確認するのは、当事者が仮放免中なのか監理措置中なのかという一点。同じ「外にいる」状態でも、刑事責任の積み上がり方が違う
Q2監理人になると、入管に何を報告させられるんですか?
具体的な義務は次条(52条の3)および法務省令が定めますが、被監理者の生活状況に関する届出義務、監理措置条件の遵守状況の報告などが想定されています。違反には過料の制裁があります。実務のポイント:支援団体の中には「監理人にはならない」という方針を明確に打ち出しているところがあります。支援者を入管の監視網に組み込む構造への批判が理由。監理人を探す前に、まずその団体の方針を確認しておかないと、期待していた人に断られて時間を失う
Q3保証金が用意できない場合、監理措置は諦めるしかないですか?
諦める必要はありません。第2項・第5項はいずれも保証金を「条件とすることができる」という裁量規定で、必須要件ではない。逃亡や不法就労のおそれが低いと判断されれば、保証金なしの決定もありえます。実務のポイント:保証金額は逃亡のおそれの評価と連動するので、請求時に居住の安定性・家族関係・過去の出頭実績を厚く示すほど、保証金が低く設定されるか不要とされる方向に動く。金策より先に、資料の厚みを作る方が効く
Q4監理措置の決定を断られたら、不服を言う方法はありますか?
監理措置の決定・不決定に対する不服申立ての枠組みは限定的で、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟や義務付け訴訟の可否については実務上、解釈が分かれている段階です。実務のポイント:制度が2024年6月施行と新しいため、判例の蓄積がまだ薄い。だからこそ最初の裁判例を作りに行く弁護士がいる。争う価値のある事案かどうかは、入管訴訟の経験がある弁護士に事案ごとに判断してもらうのが現実的
間違えやすい点 AI による整理
- 「監理措置は仮放免の名前が変わっただけ」と思われがちだが、法的性質が根本的に違う。仮放免は入管の恩恵的裁量による一時的な釈放で、いつでも取り消せる。監理措置は主任審査官の決定という法的行為であり、要件と手続が法定されている。さらに決定的な違いが第8項で、監理措置期間中は不法残留罪が成立しないとみなされる。仮放免にこの規定はない
- 「監理措置を受けるには保証金300万円が必要」と多くの人が誤解している。条文をよく読めば、第2項も第5項も「条件とすることができる」「納付させることができる」であって、義務ではない。逃亡や不法就労のおそれが低いと判断されれば、保証金なしの監理措置もありうる。300万円は上限額であって、標準額ではない
- 監理措置の申請は「弁護士がいないとできない」という前提で諦めている当事者が多いが、その問いの立て方が違う。第4項の請求は本人ができる。問題は請求できるかどうかではなく、逃亡のおそれが低いことを示す資料(安定した居住先、身元引受人、家族関係、健康状態、これまでの出頭状況)をどれだけ揃えられるかだ。資料集めは支援者でもできる
- 支援者の視点では「監理人になって助けてあげる」だが、法律の視点では「監理人は入管に対して届出義務を負う立場」になる。この落差を理解せずに引き受けると、被監理者の生活状況を入管に報告する役割と、当事者を守りたい気持ちの間で引き裂かれる。監理人制度が国連の人権機関から批判されている理由がここにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる段階 | 52条の2:退去強制令書の発付後、退去強制を受ける者 | 44条の2:収容令書による収容の前段階の容疑者 54条:仮放免(収容されている者の一時的な解放) |
| 本人による請求 | 収容中・仮放免中の者は請求できる(第4項) | 同条内の請求規定による(手続は本条7項で一部準用) 本人・代理人等による仮放免請求の仕組みあり |
| 監督の仕組み | 監理人による監理+監理措置条件+保証金(任意、上限300万円) | 監理人による監理+監理措置条件 監理人の仕組みはなく、条件と保証金で担保 |
| 不法残留罪との関係 | 措置期間中は70条の不法残留に該当しないとみなす(第8項) | 同様の監理措置下の扱いを別途規定 本条8項のようなみなし規定はない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も暫予收容に代えて具保・責付・限制住居・定期報告などの收容替代處分を定める。行政収容を最小化する方向は日本と共通
韓国は保護の一時解除制度で保証金と住居制限などの条件を付す。監理人のような第三者の監督役は置いていない
ドイツは送還のための収容をより緩やかな手段で足りない場合に限る補充性の原則を明文化している
米国は保釈金(bond)や条件付き釈放に加え、電子監視などの Alternatives to Detention を行政プログラムとして運用している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在留資格を失った状態で東日本入国管理センターに収容されて8か月。持病が悪化し、外部の病院での精密検査が必要だと医師が言っている。第4項に基づき自ら監理措置を請求できる。判断材料は「収容によりその者が受ける不利益の程度」で、健康状態はまさにこの要素だ。診断書と治療計画書を添えて請求書を出す。入管が動くのを待つ必要はない
- もし、あなたが収容されている外国人の日本人配偶者だったら? 監理人になれるのは次条(52条の3)が定める要件を満たす者で、親族・支援者・弁護士などが想定されている。ただし監理人には届出義務が課され、違反すれば過料の対象になる。「助けたい」という気持ちだけで引き受けると、法的義務を背負い込むことになる
- 仮放免中で就労が一切禁止されている状態が3年続いている。監理措置に切り替えても、条件として不法就労活動の防止が明記されている以上、原則として就労は認められない。ただし在留特別許可の申請中など個別事情によっては、就労を認める運用の余地が議論されている(実務上、解釈が分かれている)
- 退去強制令書の発付まであと数日。入管から「収容するか監理措置にするか」の判断が下される。第1項の決定をするのは主任審査官で、判断要素は逃亡のおそれ、不法就労のおそれ、収容による不利益、その他の事情。ここで有利な資料を出せるのは決定前だけだ。決定後の不服申立ての枠組みは限定的で、事前の資料提出が勝負を分ける
- 難民認定申請が3回目で、送還停止効が外れた。収容の危機が現実になったとき、監理措置という受け皿があるかどうかが、あなたが社会にとどまれるかどうかを分ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 収容中または仮放免中なら、第4項に基づく監理措置請求が可能。請求の方式は法務省令(出入国管理及び難民認定法施行規則)が定めるので、入管の窓口または収容施設の職員に請求書式を確認する2. 監理人候補者を確保する。次条(52条の3)の要件を満たす者で、親族・支援団体・弁護士などが想定されている3. 逃亡のおそれが低いことを示す資料を揃える:居住先の賃貸契約、家族の在留資格、収入源、過去の出頭実績4. 収容による不利益を示す資料:診断書、治療経過、未成年の子の状況5. 保証金が条件とされた場合、法務省令の定める期限内に納付しないと決定が失効するリスクがあるので、期限を必ず書面で確認する
訴えられた側:監理人として指定された側の立場であれば:1. 引き受ける前に次条(52条の3)が定める監理人の義務と、違反時の過料の範囲を必ず確認する2. 被監理者の住居・行動範囲の制限が監理措置条件に含まれるので、条件内容を記載した監理措置決定通知書の謄本(第6項)を受領し、内容を精読する3. 支援者としての立場と入管への届出義務が衝突する場面をあらかじめ想定し、弁護士に相談しておく4. 引き受けられないと判断したら、無理に引き受けない。監理人不在を理由に監理措置が否定される場合もあるが、義務違反で自分が制裁を受けるリスクと天秤にかける
時効(請求できる期限):監理措置自体に期間の定めはなく「送還可能のときまで」だが、次条以下で定期的な見直し(3か月ごとの取消しの検討)が制度化されている。保証金を条件とされた場合は、法務省令で定める期限までに納付しなければならない(第2項)。監理措置請求には特定の申請期限はないが、収容期間が長いほど健康被害が累積するため、事実上の時間圧は極めて高い(最新の改正状況および施行規則の詳細をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正、令和6年(2024年)6月10日施行 入管法改正により新設。従来の収容一択の運用を改め、収容に代わる監理措置制度を導入。監理人による社会内での監督、保証金上限300万円、当事者からの監理措置請求権(第4項)、監理措置期間中の不法残留罪の適用除外(第8項)を法定した
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:入管法改正(令和5年法律第56号)で新設され、2024年6月10日施行。収容に代わる監理措置、本人の請求権、保証金上限300万円、措置期間中の不法残留罪に関するみなし規定を定めた
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