出入国管理及び難民認定法 第55条の84(出国命令に係る審査)
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- 入国警備官は、容疑者が出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるときは、第三十九条第一項の規定にかかわらず、当該容疑者に係る違反事件を入国審査官に引き継がなければならない。
- 2.入国審査官は、前項の規定により違反事件の引継ぎを受けたときは、当該容疑者が出国命令対象者に該当するかどうかを速やかに審査しなければならない。
- 3.入国審査官は、審査の結果、当該容疑者が出国命令対象者に該当すると認定したときは、速やかに主任審査官にその旨を知らせなければならない。
- 4.入国審査官は、当該容疑者が退去強制対象者に該当すると疑うに足りる相当の理由があるときは、その旨を入国警備官に通知するとともに、当該違反事件を入国警備官に差し戻すものとする。
この条文の基本情報
出国命令に係る審査とは何ですか?
定義出国命令に係る審査とは、出入国管理及び難民認定法第55条の84に定められた規定で、「入国警備官は、容疑者が出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるときは、第三十九条第一項の規定にかかわらず、当該容疑者に係る違反事件を入国審査官に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の84(出国命令に係る審査)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の84の条文原文は「入国警備官は、容疑者が出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるときは、第三十九条第一項の規定にかかわらず、当該容疑者に係る違反事件を入国審査官に…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の84は第五章の三 出国命令に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の84の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の83です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の84の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の85です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の84には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の84 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の84(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_84
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法55条の84は、出国命令対象者と認める相当の理由がある容疑者を収容せず入国審査官へ引き継ぐ手続を定める。退去強制の疑いが生じれば入国警備官へ差し戻される。
Q · オーバーステイで自分から入管に出頭したら、その場で収容されるの?
要件を満たせば収容されず、入国審査官の審査に回されます
入管法55条の84第1項により、入国警備官は、容疑者が出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるときは、39条1項の収容令書による収容をせずに違反事件を入国審査官へ引き継がなければなりません。ただし、入国審査官が退去強制対象者と疑うに足りる相当の理由があると判断すれば、事件は入国警備官へ差し戻され(4項)、通常の退去強制手続に戻ります。
解説
在留期限を三か月過ぎた在留カードを財布に入れたまま、入管の窓口に自分から立てるかどうか。その一歩の手前に置かれているのが本条である。通常、入国警備官は退去強制対象者と疑うに足りる相当の理由があれば、収容令書によって身柄を収容できる(39条1項)。ところが本条1項は「第三十九条第一項の規定にかかわらず」と正面から書き、出国命令対象者に当たる相当の理由があるときは、収容せずに違反事件を入国審査官へ引き継げと命じている。収容を経由しない線路が、条文の中に敷かれているということだ。2項と3項で入国審査官が速やかに審査し、該当すれば主任審査官へ上げる。ただし4項がある。退去強制対象者と疑うに足りる相当の理由が出てくれば、事件は入国警備官へ差し戻される。あなたが自分の手で動かせるのは、その差戻しの材料を出頭前に潰しておくことだけだ。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法第55条の84は、出国命令制度における違反調査から審査への移行手続を定める規定である。入国警備官は、出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由がある容疑者について、収容令書による収容を経ずに違反事件を入国審査官へ引き継ぎ、入国審査官は速やかにその該当性を審査する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出国命令対象者の要件を自己確認する 不法残留以外の退去強制事由がないか、一定の罪での懲役・禁錮歴や過去の退去強制・出国命令歴がないかを、入管法24条の3の要件に照らして確認する
- 2.事実関係を時系列で整理し弁護士に相談する 入国日、在留資格と期限、就労先、前科前歴の有無を時系列でまとめ、入管業務に強い弁護士に差戻しリスクを事前に点検してもらう
- 3.旅券と帰国便を準備する 速やかに出国する見込みが要件となるため、旅券の有効期限を確認し、必要なら本国大使館で更新手続を行い、帰国便の手配の目途をつける
- 4.摘発前に地方出入国在留管理官署へ自ら出頭する 居住地を管轄する地方出入国在留管理官署に自ら出頭して申し出る。入国警備官の違反調査の後、要件を満たすと認められれば収容されずに入国審査官へ引き継がれる
よくある質問 AI による整理
Q1出国命令とは何ですか?
自ら出頭した不法残留者など一定の要件を満たす外国人に対し、収容を経ずに期限を定めて出国を命じる制度です。上陸拒否期間は原則1年に短縮されます。
Q2オーバーステイ 出頭 収容される?
出国命令対象者に当たる相当の理由があれば、入管法55条の84第1項により収容令書による収容は行われず、入国審査官の審査に回されます。
Q3出国命令の審査はどれくらいかかる?
条文上は「速やかに」とだけ定められ、日数の定めはありません。出国命令が出た後の出国期限は15日を超えない範囲で指定されます。
Q4出国命令の対象外になるのはどんな人?
窃盗等の一定の罪で懲役・禁錮に処せられた人、過去に退去強制や出国命令を受けた人、不法残留以外の退去強制事由がある人などは対象外となります。
Q5出国命令を出すのは誰ですか?
入国審査官ではなく主任審査官です。入国審査官は審査で該当すると認定し、主任審査官にその旨を知らせる役割にとどまります(本条3項)。
Q6出国命令の審査から差し戻されたらどうなる?
事件は入国警備官に戻り、通常の退去強制手続に移ります。収容令書による収容の対象となり、上陸拒否期間は原則5年となる可能性があります。
Q7不法残留の人を雇っていたら違法?
不法就労と知りながら働かせると不法就労助長罪(入管法73条の2)に問われえます。本人を早期の出頭に促すことは雇用側のリスク遮断にもなります。
Q8出国命令は弁護士に相談すべき?
前科や過去の退去強制歴がある場合は差戻しのリスクがあるため、出頭前に入管業務に強い弁護士へ相談し事実関係を整理しておくのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分から入管に行ったら、その場で捕まって収容されちゃうんじゃないですか?
出国命令対象者に当たる相当の理由があれば、本条1項が39条1項の収容権限を外し、入国警備官は収容せず入国審査官へ引き継ぐ義務を負う。ただし要件(24条の3)を欠けば4項で差し戻される。実務のポイント:過去の前科前歴・退去強制歴・就労の有無を時系列にまとめて持参する人と、手ぶらで行く人とでは審査の速さも結論も変わる。審査官は目の前の資料でしか判断できない
Q2出国命令で帰ったら、もう日本には二度と来られないんですか?
上陸拒否期間は1年(5条1項9号ロ)。1年が過ぎれば、新たな在留資格の要件を満たす限り申請自体はできる。退去強制なら原則5年、退去強制歴があれば10年だ。実務のポイント:退去強制歴は、以後どの在留資格の審査でも説明を求められる記録として残り続ける。同じ帰国でも、どちらの手続で出たかが後の申請書に何度も顔を出す(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「不法残留がバレたらどうなるか」という問いの立て方そのものがずれている。法が用意した分岐は「バレる前に自分から出るか、バレてから出されるか」であり、結果が同じ出国でも前者は上陸拒否1年、後者は原則5年になる。問うべきは結末ではなく入口の選び方だ
- 出国命令は自分を審査した入国審査官が出すものだと思われがちだが、命令を出すのは主任審査官である(55条の3)。本条3項が定めるのは、審査官が該当すると認定して主任審査官に知らせるところまでにすぎない。誰が決裁者かを取り違えると、誰に何を伝えるべきかも間違える
- 引継ぎさえ受ければ出国命令は確定すると理解している人は、4項を読んでいない。入国審査官は退去強制対象者と疑うに足りる相当の理由があれば、事件を入国警備官へ差し戻す。一度乗ったはずの線路から降ろされる仕組みが、同じ条文の中に書き込まれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の担い手 | 入国警備官から入国審査官へ引継ぎ(55条の84) | 入国警備官が収容令書により収容(39条) 収容後に入国審査官が退去強制事由を審査(45条) |
| 身柄の扱い | 収容令書による収容を経ない | 収容令書による身柄の収容 収容を前提に審査が進む |
| 行き着く結論 | 出国命令(上陸拒否期間 原則1年) | 退去強制手続へ 退去強制(上陸拒否期間 原則5年) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では逾期停留者が自行到案した場合、禁止入国期間を短縮する運用がある。自発的出国に誘因を与える発想は日本と共通する
韓国の출국명령は強制退去より軽い処分として出国期限を定めて出国を命じる制度で、日本の出国命令と構造が近い
ドイツは送還予告にあわせて自発的出国期間(Ausreisefrist)を設定し、期間内に出国すれば強制送還を避けられる
米国の Voluntary Departure は自費で期限内に出国すれば退去命令の記録を避けられる制度で、再入国制限の軽減という誘因設計が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在留期限が切れて四か月、明日にでも出頭しようかと迷っている間に、路上で職務質問を受けて在留カードの提示を求められたらどうなるか。摘発された時点で「自ら出頭した」という要件(24条の3)は満たせなくなり、本条1項の引継ぎルートは原則として閉じる。迷っている日数がそのまま、上陸拒否1年と5年の分かれ目を削っていく
- あなたが飲食店の店長で、シフトに入れているアルバイトの一人が在留期限を過ぎていると気付いた。黙って働かせ続ければ不法就労助長罪(73条の2)が自分に跳ね返る。本人を出頭ルートに乗せる動きは、本人の収容回避と、あなた自身の刑事リスクの遮断を同時に進めることになる。雇う側から見ても、この条文は他人事ではない
- 入管から呼出しを受けた友人に付き添った。担当が入国警備官から入国審査官に代わった瞬間、手続はすでに出国命令の線路へ切り替わっている。その切替えの根拠が本条1項だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 摘発前に動く。自ら出頭した事実が出国命令対象者の要件(24条の3)の入口になる。2. 出頭前に、退去強制対象者と疑われる材料(窃盗等の前科、過去の退去強制歴、偽造書類の使用)を洗い出し、該当しないと説明できる資料を時系列で揃える。ここが4項の差戻しを防ぐ唯一の勝負どころだ。3. 旅券の有効性と帰国便の手配を先に確認する。速やかに出国できる見込みが要件に含まれる。4. 家族に在留資格者がいるなら在留特別許可の可能性も並行検討し、出頭前に入管業務に強い弁護士へ相談する
訴えられた側:すでに収容令書が出た、または4項で差し戻された場合、出国命令のルートは原則として閉じている。1. 差戻しの理由がどの事実か(前科、退去強制歴、就労内容)を特定する。2. 事実誤認があれば入国審査官の審査(45条)と口頭審理の段階で争う。3. 収容が続くなら仮放免の申請を検討する。4. 在留を望むなら、退去強制手続の中で在留特別許可を求める方向へ早く切り替える。出国命令に固執するより、切替えの判断を早く下した方が結果は軽くなる
時効(請求できる期限):本条自体に日数の定めはなく、引継ぎも審査も「速やかに」とだけ書かれている。実質の時間圧は二つある。出国命令が出れば出国期限は15日を超えない範囲で指定される(55条の3)。そして「自ら出頭した」という要件は摘発された瞬間に満たせなくなるため、法定の期限より先に事実上の締切が来る(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 出国命令制度の創設に伴い新設された条文群の一部。自ら出頭した不法残留者について、収容を経ずに入国審査官へ違反事件を引き継ぐ審査手続を設けた。その後の改正(在留カード制度導入、令和5年改正による監理措置制度の新設等)が本条の文言に及んでいるかは未検証であり、人的確認が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:出国命令制度の創設に伴い、自ら出頭した不法残留者について収容を経ずに入国審査官へ違反事件を引き継ぐ審査手続として新設された。その後の改正による条番号・文言の変動は e-Gov で要確認
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