農地法 第14条(立入調査)
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- 農業委員会は、農業委員会等に関する法律第三十五条第一項の規定による立入調査のほか、第七条第一項の規定による買収をするため必要があるときは、委員、推進委員(同法第十七条第一項に規定する推進委員をいう。次項において同じ。)又は職員に法人の事務所その他の事業場に立ち入らせて必要な調査をさせることができる。
- 2.前項の規定により立入調査をする委員、推進委員又は職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
- 3.第一項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
この条文の基本情報
立入調査とは何ですか?
定義立入調査とは、農地法第14条に定められた規定で、「農業委員会は、農業委員会等に関する法律第三十五条第一項の規定による立入調査のほか、第七条第一項の規定による買収をするため必要があるときは、委員、推進委員(同法第…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第14条(立入調査)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第14条の条文原文は「農業委員会は、農業委員会等に関する法律第三十五条第一項の規定による立入調査のほか、第七条第一項の規定による買収をするため必要があるときは、委員、推進委員(同法第…」で始まります。
- 農地法第14条は第二章 権利移動及び転用の制限等に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第14条の前の条は農地法第13条です。
- 農地法第14条の次の条は農地法第15条です。
- 農地法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法14条は、農業委員会が7条1項の国による買収のため必要なとき、委員・推進委員・職員を法人の事務所等に立ち入らせ調査させることができると定める。犯罪捜査には使えない。
Q · 農業委員会が「買収のための立入調査」に来たら、何を確認すればいい?
身分証明書の提示と根拠条文の確認が出発点
農地法14条1項により、農業委員会は国の買収(7条1項)のため必要があるとき、委員・推進委員・職員を法人の事務所その他の事業場に立ち入らせて調査できます。調査員は身分証明書を携帯し提示する義務を負い(2項)、この権限は犯罪捜査のためのものではありません(3項)。根拠が本条か農業委員会等に関する法律35条かを確認し、同時に農地所有適格法人の要件を自己点検して、7条の期限に備えることが重要です。
解説
農業委員会が法人の事務所に入れる根拠は一本ではない。農業委員会等に関する法律35条による一般的な立入調査とは別に、農地法14条は「国が農地を買収するために必要なとき」に限った専用の入口を用意している。その裏にある7条の仕組みを知っておきたい。農地所有適格法人が議決権の過半、役員の過半、常時従事といった要件を一つでも失うと、その法人が持つ農地も、他人から借りて耕している農地も、原則として国が買収する。14条の調査は、要件が崩れているかを事実で確かめるための目である。押さえるべき防御線は三つある。調査員は身分証明書を携帯し、提示する義務を負う(2項)。入れる場所は法人の事務所その他の事業場に限られる。そして刑事事件の捜査に流用できる権限ではない(3項)。調査票が届いた段階で、もう要件の回復期限を数え始める局面に入っている
法的な位置づけ
農地法14条は、農地所有適格法人の要件欠如に伴う国の買収(7条1項)の準備として、農業委員会が委員、推進委員または職員を法人の事務所その他の事業場に立ち入らせ、必要な調査をさせる権限を定める規定である。調査員には身分証明書の携帯・提示義務が課され、権限を犯罪捜査目的で用いることは否定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.調査員の身分と根拠条文を確認する 来訪した委員・推進委員・職員に身分証明書の提示を求め(14条2項)、調査の根拠が農地法14条(買収のため)か農業委員会等に関する法律35条かを確認し、日時・氏名とあわせて記録する。
- 2.立入範囲を確認する 立入りの対象が法人の事務所その他の事業場であることを確認し、調査対象の書類と場所を特定する。範囲が不明確なときは、その場で質問して記録に残す。
- 3.農地所有適格法人の要件を自己点検する 議決権の構成、役員の常時従事、農作業への従事日数などを、株主名簿・役員名簿・作業日誌と照らし合わせ、2条3項の要件を満たしているかを確認する。
- 4.要件割れがあれば回復策を組む 構成員の入替え、株式の買戻し、役員体制の見直しなど、要件を回復する手段を弁護士・司法書士と検討し、勧告後の猶予期間(7条4項)の中で実行計画を作る。
- 5.公示後は期限内に要件回復を届け出る 7条の公示があった場合、公示の翌日から3か月以内に要件回復を届け出れば公示が取り消されます(7条5項)。この期限を最優先で管理する。
よくある質問 AI による整理
Q1農地法14条の立入調査とは?
国が農地所有適格法人の農地を買収する(7条1項)ために必要なとき、農業委員会が法人の事務所その他の事業場に立ち入って行う調査です。
Q2農地法 立入調査 誰が来る?
農業委員会の委員、農地利用最適化推進委員(農業委員会等に関する法律17条1項)または職員です。いずれも身分証明書を携帯し提示する義務があります(14条2項)。
Q3農業委員会 立入調査 自宅まで入れる?
本条で立ち入れるのは「法人の事務所その他の事業場」です。条文上、役員の私宅は対象として挙げられていません。
Q4農地所有適格法人 要件 満たさなくなったらどうなる?
農業委員会の勧告(6条2項)を経て、国の買収手続(7条)が進む可能性があります。公示後一定期間内の要件回復の届出などで回避の余地があります。
Q5農業法人 株 相続 農地 どうなる?
農業に従事しない相続人が株を取得すると議決権の要件が崩れることがあります。その結果、法人の農地が7条の買収対象になりうるため、事前の議決権設計が重要です。
Q6農業法人に農地を貸している地主も影響を受ける?
受けます。7条1項の買収対象には、法人が耕作に使っている他人所有の農地も含まれます(一部の貸借を除く)。法人の要件割れは地主の農地にも及びます。
Q7立入調査の身分証明書を見せてもらえないときは?
14条2項は調査員に身分証明書の携帯と関係者への提示を義務づけています。提示を求め、応じない場合はその経緯を記録しておくことが手続上の備えになります。
Q8農地 国の買収 取消訴訟 期限は?
買収処分の取消訴訟は、原則として処分があったことを知った日から6か月以内に提起する必要があります(行政事件訴訟法14条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1立入調査って断ったら罰金とられるんですか?
確認できた範囲では、農地法の罰則で調査妨害を処罰しているのは49条1項の調査(65条)であり、14条の調査拒否を直接罰する規定は置かれていない。ただし、委員会は6条の報告書や登記で要件割れを認定できる。実務のポイント:拒否で得られるのは数週間の時間だけで、その間に要件回復の準備をしなければ意味がない。むしろ協力しながら回復計画を示す法人のほうが、勧告の段階で止まりやすい
Q2調査で見せた資料が、あとで警察に回ったりしないですか?
14条3項は、この立入調査の権限を犯罪捜査のためのものと解してはならないと明記している。調査を刑事捜査の代わりに使うことは許されない。もっとも、適法に得た資料が後の刑事手続でどこまで使えるかは、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:虚偽報告(68条)の痕跡が残る書類は、調査より先に弁護士と整理しておく。提出してから慌てても遅い
間違えやすい点 AI による整理
- 「立入調査を断れば罰金になる」と身構える人が多い。しかし、確認できた範囲では、農地法の罰則(64条から69条)が処罰するのは49条1項の調査妨害(65条)であり、14条の調査拒否を直接罰する規定は置かれていない。だからといって拒否が得になるわけではない。委員会は報告書や登記、株主情報など他の資料で要件割れを認定でき、拒否した事実が交渉上の信頼を削るだけに終わりやすい
- 「立入調査は法人の問題で、土地を貸しているだけの自分には関係ない」と考える地主は少なくない。法律から見れば、7条1項の買収対象には法人以外の者が所有し、その法人が耕作に使っている農地も含まれる(3条3項の解除条件付き貸借など一部を除く)。法人の事務所で行われる調査は、あなたの田の行方を決める調査でもある
- 「調査で何か見つかれば、すぐ農地を取り上げられる」というのは、問いの立て方が違う。14条は事実を確かめる入口にすぎない。その後に勧告(6条2項)、勧告から三か月の公示猶予(7条4項)、公示から三か月以内の要件回復の届出(7条5項)、さらに三か月の譲渡・解約による回避(7条8項)と、何段もの出口が用意されている。危険なのは調査そのものではなく、出口の期限を知らないまま過ごすことである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置 | 農地法14条:買収前の事実確認(立入調査) | 農地法6条:毎年の報告と勧告(前段) 農地法7条:国による買収(後段) |
| 主体 | 農業委員会(委員・推進委員・職員が実施) | 報告は法人、勧告は農業委員会 国 |
| 対象 | 法人の事務所その他の事業場 | 農地所有適格法人の事業の状況等 法人所有の農地と、法人が耕作に使う他人所有の農地(一部除く) |
| 従わない場合の効果 | 本条の調査拒否を直接罰する規定は確認範囲では見当たらない | 報告しない・虚偽報告は30万円以下の過料(68条) 期限内に回復・譲渡等がなければ買収へ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は私法人による耕地取得を原則制限し、農企業法人などには許可制で取得を認める。取得後の要件割れに対して国が買収する仕組みは日本ほど明確ではない
ドイツは農地の譲渡に行政許可を要求し、取引の入口で非農業者への集中を抑える。日本のように取得後の要件割れを事後に買収する仕組みとは発想が異なる
フランスは経営構造の統制(contrôle des structures)とSAFERの先買権で農地の行き先を管理する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 株主名簿と作業日誌を見せてほしいと言って、農業委員会の職員が予告なく法人の事務所に来たらどうするか。まず身分証明書の提示を求め、調査の根拠が14条(買収の準備)なのか、農業委員会等に関する法律35条なのかを確かめる。根拠によって、その先に待つ手続の重さがまるで違う
- あなたは地元の農業法人に田を貸している地主だ。その法人の創業者が亡くなり、株が農業をしない都会の子に相続された。議決権の過半要件が崩れれば、あなたが所有する田まで国の買収対象になりうる(7条1項)。公示からの残り時間は三か月しかない
- 食品メーカーが農業法人の株を買い増した。翌月、農業委員会から立入調査の連絡が来た。偶然ではない
- あなたは農業法人の代表として、要件割れを把握しながら毎年の報告(6条1項)で常時従事者の数を盛ってきた。立入調査で作業日誌と照合されれば食い違いはすぐに見つかる。虚偽報告は30万円以下の過料(68条)、加えて買収手続が動き出す
取るべき行動
被害を受けた側:法人に農地を貸している地主や構成員の立場なら、1. 法人に対して、立入調査の根拠と要件割れの有無を書面で説明するよう求める2. 7条2項の公示が出たら、事務所での縦覧(公示の翌日から一か月)で自分の土地が載っているかを確かめる3. 法人の要件回復が見込めなければ、7条8項の期間内に賃貸借の解約などで農地を自分の手元に戻す選択を検討する。解約には原則として18条1項の知事の許可が要るため、早めに農業委員会へ相談する
訴えられた側:調査を受ける法人の側なら、1. 調査員に身分証明書の提示を求め、根拠が14条か、農業委員会等に関する法律35条かを確認して記録する2. 立入りは事務所その他の事業場の範囲にとどまる。役員の自宅などには及ばないことを押さえる3. 株主構成、役員の常時従事、農作業の日数の三点を自己点検し、崩れていれば構成員の入れ替えや株式の買い戻しで回復策を組む4. 公示後は三か月以内の要件回復の届出(7条5項)を最優先にする
時効(請求できる期限):本条自体に時効や期限はない。ただし連動する期限は厳しい。勧告の翌日から三か月は公示しない(7条4項)、公示の翌日から一か月は縦覧(7条2項)、公示の翌日から三か月以内なら要件回復の届出で公示が取り消される(7条5項)、その満了の翌日から三か月以内なら譲渡・解約によって買収を回避できる(7条8項)。買収処分を争う取消訴訟は、処分を知った日から六か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)農業委員会等に関する法律等の改正(要確認) 農地利用最適化推進委員の制度新設に伴い、調査主体に推進委員(同法17条1項)が加えられたとみられる。改正年と文言変更の範囲は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成27年(2015年) 改正:農業委員会制度の改革により農地利用最適化推進委員が新設され、調査を担う者として推進委員が条文に加えられたとみられる。文言変更の範囲は原典での確認が必要。
- 農地法 第7条調査目的となる国の買収の要件と期限
- 農地法 第6条毎年の報告と勧告、調査の前段
- 農地法 第2条農地所有適格法人の要件の定義
- 農地法 第65条49条の調査妨害のみ処罰、本条は対象外
- 農地法 第68条6条の虚偽報告に対する過料
- 農業委員会等に関する法律 第35条委員会の一般的な立入調査権限
- 農業委員会等に関する法律 第17条調査を担う推進委員の定義
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