農地法 第68条
クイックジャンプ
第六条第一項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の過料に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第68条は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第68条の条文原文は「第六条第一項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 農地法第68条は第六章 罰則に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第68条の前の条は農地法第67条です。
- 農地法第68条の次の条は農地法第69条です。
- 農地法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法68条は、農地所有適格法人が6条1項の事業状況報告(決算後3か月以内)を怠り、または虚偽報告をした場合に30万円以下の過料を科す規定である。
Q · 農業法人が農業委員会への年次報告を怠ると、何が起きるの?
最大30万円の過料。要件割れなら勧告・買収の入口にもなる
農地法68条により、農地所有適格法人が6条1項の事業状況報告(毎事業年度終了後3か月以内)をしない、または虚偽の報告をした場合、30万円以下の過料の対象になります。過料は刑罰ではなく前科はつきません。ただし報告をきっかけに要件(役員・売上・議決権)の充足状況が確認され、要件を欠くおそれがあれば農業委員会の勧告(6条2項)、要件を欠けば国による農地の買収(7条)へ進む可能性があります。
解説
罰則そのものは軽い。30万円以下の過料(刑罰ではなく、裁判所が科す行政上の金銭制裁で、前科はつかない)にすぎない。本当に見るべきなのは、その手前にある報告義務である。農地法6条1項により、農地を所有できる法人(農地所有適格法人)は、毎事業年度の終了後3か月以内に、事業の状況などを農業委員会へ報告しなければならない。この報告書は、農業委員会があなたの法人を年に一度点検する資料になる。役員の過半が農業に常時従事しているか、売上高の過半が農業か、議決権の過半を農業関係者が持っているか、といった要件を満たしているかがここで確認される。報告をしない、または数字を飾って提出した場合、まず30万円以下の過料の対象になる。それ以上に重いのは、実態との食い違いが後で見つかったときである。要件を欠くおそれがあれば農業委員会から勧告(6条2項)を受け、要件を欠いたままなら国による農地の買収(7条)に進む可能性がある。決算を締めた後の3か月は、税務申告と農業委員会への報告をセットで管理する期間と考えたほうがよい。
法的な位置づけ
農地法68条は、農地所有適格法人に課される事業状況報告義務(同法6条1項)の実効性を担保する過料規定であり、報告をしない者または虚偽の報告をした者に対し、三十万円以下の過料を科す旨を定める。過料は行政上の秩序罰であって刑罰ではなく、非訟事件手続法の手続に基づき裁判所が決定する。
よくある質問 AI による整理
Q1農地所有適格法人の報告期限はいつまで?
毎事業年度の終了後3か月以内です(農地法6条1項)。3月決算なら6月末が期限となり、所在地の農業委員会に提出します。
Q2農業委員会への報告書には何を書く?
事業の状況のほか、役員の農業従事状況、売上高の構成、議決権の構成など、農地所有適格法人の要件充足を確認できる事項を記載します。
Q3過料と罰金の違いは?
罰金は刑罰で前科がつきますが、過料は行政上の秩序罰で前科はつきません。農地法68条の制裁は過料で、裁判所が非訟事件として決定します。
Q4農地法の過料は誰が決める?
農業委員会や行政が直接科すのではなく、通知を受けた裁判所が非訟事件手続法に基づいて決定します。上限は30万円です。
Q5農業法人の報告書は前年のコピーで出してもいい?
内容が事実と違えば虚偽報告と評価される余地があります。役員や出資構成の変更があった年は、必ず最新の実態に合わせて記入すべきです。
Q6農地所有適格法人の要件を満たさなくなったらどうなる?
要件を欠くおそれがあれば農業委員会から勧告を受け(6条2項)、要件を欠いたままなら国による農地の買収(7条)に進む可能性があります。
Q7農業法人の報告様式はどこで入手できる?
法人所在地の農業委員会事務局で入手・確認するのが確実です。記載方法も事前に事務局に相談しておくと、記載漏れを防げます。
Q8農業法人の報告期限を過ぎてしまったら?
督促や裁判所への通知を待たず、すぐに提出して遅延理由を書面で説明するのが基本です。初動の早さが、その後の扱いに影響しうるとされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1報告を出し忘れたら、いきなり30万円取られるんですか?
いきなりではない。過料は農業委員会や行政が直接取るものではなく、通知を受けた裁判所が非訟事件の手続で決める(農地法68条、非訟事件手続法119条以下)。上限が30万円で、実際の額は事情を考慮して決まる。実務のポイント:まず農業委員会から提出の督促が来るのが通例である。その段階で速やかに出せば、裁判所への通知まで進まずに済むことが多いとされる
Q2過料を払えば、それで終わりですか?
過料の手続はそれで終わる。ただし報告義務が消えるわけではなく、要件の確認も別に続く。要件を満たさなくなるおそれがあれば勧告(6条2項)、要件を欠けば国による買収(7条)という別の流れがある。実務のポイント:本当のリスクは金額ではなく、報告の欠落をきっかけに法人の実態が調べ直されることである。毎年きちんと出している法人は、そもそも点検の対象になりにくい
Q3役員の従事日数をちょっと多めに書くくらいなら、バレませんよね?
虚偽の報告も68条で過料の対象になる。農業委員会は現地確認や地域の情報をもとに実態を把握しており、地元では誰が畑に出ているかが意外とよく知られている。実務のポイント:日数を盛るより、実際に従事できる人を役員か重要な使用人に加える体制に組み直すほうが安全で、長期的にも安上がりである
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料ならたいしたことはない」と考えるのは半分だけ正しい。過料は刑罰ではないので前科はつかない。ただし、報告の欠落や虚偽で農業委員会の目が向けば、要件の充足状況そのものが調べられる。過料より、要件を欠いた場合の勧告(6条2項)と国による買収(7条)のほうがはるかに重い
- 「報告すべきなのは農地を借りている法人も同じだ」という理解は、問いの立て方がずれている。68条が罰するのは、6条1項の農地所有適格法人の報告義務違反である。農地をリースで借りるだけの一般法人には別の枠組みがあり、どの義務が自分に当てはまるかを先に確かめる必要がある
- 経営者は報告を「役所への事務手続」と見ているが、法律から見れば、農地所有の特権を維持するための自己申告である。この見方の差に気づかないまま役員や出資構成を動かすと、知らないうちに要件割れの状態で報告することになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 農地法68条:報告義務違反への過料(制裁) | 農地法6条:年次報告義務と要件割れのおそれへの勧告 農地法7条:要件を欠いた法人の農地の国による買収 |
| 発動のきっかけ | 報告をしない、または虚偽の報告をした | 毎事業年度終了(報告)/要件を欠くおそれ(勧告) 農地所有適格法人の要件を欠くに至った |
| 法人への影響の重さ | 30万円以下の過料(刑罰ではなく前科なし) | 報告の負担と、勧告による是正の要請 農地そのものを失う可能性(最も重い) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は農企業機構による耕地取得を事前許可制で規律する。日本のような毎年の自己申告と過料による担保とは制度設計が異なる
韓国も農業法人による農地所有を要件付きで認め、義務違反に과태료(過料)を置く点で日本と類似する
ドイツは農地取引そのものを官庁の許可に係らせる事前規制が中心で、法人の年次報告による事後点検は日本ほど前面に出ない
米国連邦法は外国人による農地保有に報告義務を課し、不報告・虚偽報告に民事制裁金を科す。報告義務を金銭制裁で担保する構造は日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 3月決算の農業法人を経営していて、税理士に法人税の申告は任せたが、農業委員会への報告は誰の担当でもなかった。6月末が期限、今日はすでに6月20日。様式の入手と役員ごとの従事日数の集計を、残り10日で済ませなければならない
- もし役員の一人が実際にはほとんど農作業をしていないのに、報告書に「常時従事」と書いたらどうなる? 虚偽報告として過料の対象になる。さらに、実態として要件を満たしていないことが農業委員会に見えたとき、勧告から国による買収(7条)へと進む入口になる
- あなたが外部の出資者を受け入れて、農業法人に新しい役員を迎えた。議決権の構成が変わったのに、翌年の報告書は前年のコピーで出した。数字を偽るつもりはなくても、内容が事実と違えば虚偽報告と評価される余地がある
- 地元の農業委員会から、報告書が出ていないという連絡が来た。慌てて提出すればまだ間に合う段階である
取るべき行動
被害を受けた側:(本条は被害者を想定しない罰則であるため、ここでは法人の管理担当者の視点で書く)1. 事業年度終了日から3か月後を報告期限として社内カレンダーに登録2. 役員ごとの農業従事日数、売上構成、議決権の構成を毎年同じ表で集計3. 前年の報告書を写さず、変更点を洗い出してから記入4. 様式と記載方法は、所在地の農業委員会事務局で事前に確認する
訴えられた側:1. 未提出を指摘されたら、すぐに提出して遅延の理由を書面で説明する2. 虚偽と指摘された記載は、誤記なのか実態の変化なのかを切り分け、訂正報告を出す3. 要件割れのおそれがある場合は、役員構成や議決権を是正する計画を併せて示し、勧告や買収への進行を止めることを優先する4. 裁判所から過料の決定を受けた場合は即時抗告の可否を確認する(非訟事件手続法の手続)
時効(請求できる期限):報告期限は毎事業年度の終了後3か月以内(農地法6条1項)。過料の制裁そのものの期間制限については法令上の明文がなく、実務上、解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:過料は行政上の秩序罰であり刑罰ではないため、刑法総則の適用はなく、裁判所が非訟事件手続により科す。報告義務違反に過料を置くことで、法人の経営を過度に萎縮させずに年次点検の実効性を確保している
- 農地法 第6条本条が担保する報告義務の本体
- 農地法 第2条農地所有適格法人の要件を定義
- 農地法 第7条要件を欠いた法人の農地を国が買収
- 農地法 第3条法人が農地を取得する際の許可
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄裁判所
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める