航空法 第110条(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)
クイックジャンプ
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、次条第一項の認可を受けて行う次に掲げる行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるとき、一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより利用者の利益を不当に害することとなるとき、又は第百十一条の三第四項の規定による公示があつた後一月を経過したとき(同条第三項の請求に応じ、国土交通大臣が第百十一条の二の規定による処分をした場合を除く。)は、この限りでない。
- 一航空輸送需要の減少により事業の継続が困難と見込まれる本邦内の各地間の路線において地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するため、当該路線において二以上の航空運送事業者が事業を経営している場合に本邦航空運送事業者が他の航空運送事業者と行う共同経営に関する協定の締結
- 二本邦内の地点と本邦外の地点との間の路線又は本邦外の各地間の路線において公衆の利便を増進するため、本邦航空運送事業者が他の航空運送事業者と行う連絡運輸に関する契約、運賃協定その他の運輸に関する協定の締結
この条文の基本情報
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外とは何ですか?
定義私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外とは、航空法第110条に定められた規定で、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、次条第一項の認可を受けて行う次に掲げる行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるとき、一定の取…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第110条(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第110条の条文原文は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、次条第一項の認可を受けて行う次に掲げる行為には、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いるとき、一定の取…」で始まります。
- 航空法第110条は第七章 航空運送事業等に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第110条の前の条は航空法第109条です。
- 航空法第110条の次の条は航空法第111条です。
- 航空法第110条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第110条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第110条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/110
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法110条は、国土交通大臣の認可を受けた地方路線の共同経営協定と国際線の運賃協定等に独禁法を適用しないと定める。ただし不公正な取引方法を用いる場合は除外されない。
Q · 航空会社同士が運賃をそろえるのって、カルテルで違法じゃないの?
国交大臣の認可を受けた協定なら合法、なければ通常のカルテル
航空法110条により、国土交通大臣の認可を受けて結ぶ協定に限り独占禁止法は適用されません。対象は、需要が減って存続が難しい国内路線で二社以上が運航する場合の共同経営協定と、国際線の連絡運輸・運賃協定などです。ただし、不公正な取引方法を用いる場合や利用者の利益を不当に害する場合は除外されず、公正取引委員会の公示から一か月を経過した場合も原則として除外が外れます。
解説
航空会社同士が運賃をそろえ、便数を割り振る。ほかの業界なら公正取引委員会の立入検査を招くカルテルそのものだが、航空法110条はそれを条件付きで合法にする。対象は二つだけである。一つは、需要が細って事業の継続が難しい国内路線で、二社以上が飛んでいる場合に地域住民の足を守るために結ぶ共同経営協定。もう一つは、国際線や海外の区間で、乗継(連絡運輸)や運賃協定によって利用者の利便を高める協定。どちらも国土交通大臣の認可(111条)を受けて結ぶものに限られる。押さえるべきは但書のほうだ。不公正な取引方法(独禁法が禁じる差別的な取扱いや不当な拘束など)を使えば、除外は消える。競争を実質的に制限して利用者の利益を不当に害しても消える。さらに公正取引委員会が公示してから一か月たてば、国土交通大臣がその請求に応じて処分した場合を除き、除外は消える。航空の「合法カルテル」は免罪符ではなく、三つの安全装置が付いた条件付きの通行証にすぎない。
法的な位置づけ
航空法110条は、国土交通大臣の認可を受けた航空運送事業者間の協定の締結に限り、独占禁止法の適用を除外する規定である。対象は、需要減少で存続が困難な国内路線における共同経営協定と、国際線の連絡運輸契約・運賃協定その他の運輸協定の二類型であり、不公正な取引方法の使用等の場合には除外が及ばない。
よくある質問 AI による整理
Q1航空法110条とは何ですか?
国土交通大臣の認可を受けた航空会社間の一定の協定について、独占禁止法の適用を除外する規定です。地方路線の共同経営と国際線の運賃協定等が対象です。
Q2航空会社の共同事業は独禁法違反になる?
国土交通大臣の認可を受けた協定の範囲内なら独禁法は適用されません。認可がない、または認可の範囲を超える合意は通常のカルテルとして違法になりえます。
Q3航空券の値段が各社同じなのは違法?
価格が同じというだけでは違法とは限りません。認可協定によるものか、独自判断の結果かで評価が分かれます。認可のない価格の申し合わせは不当な取引制限にあたりえます。
Q4独禁法の適用除外はどんな業界にある?
航空のほか、海運(海上運送法28条)など特定業種に個別法で設けられています。いずれも所管大臣の認可などを条件とする限定的な制度です。
Q5航空の運賃協定を認可するのは誰?
国土交通大臣です(航空法111条1項)。認可後に基準を満たさなくなれば、変更命令や認可取消しの対象になります(同111条の2)。
Q6公正取引委員会は認可協定に口を出せる?
出せます。航空法111条の3に基づき国土交通大臣に処分を請求でき、公示から一か月を経過すると、大臣が処分した場合を除き適用除外が外れます。
Q7地方路線の共同運航は認可が必要?
独禁法の適用除外を受けるには国土交通大臣の認可が必要です。認可前に運賃や座席配分を具体的に詰めると、除外の保護の外になるおそれがあります。
Q8認可協定でも独禁法違反になるのはどんなとき?
不公正な取引方法を用いる場合、競争を実質的に制限して利用者の利益を不当に害する場合、公取委の公示後一か月が経過した場合です(航空法110条但書)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1航空会社が共同事業をやると、結局運賃が上がるんじゃないの?
その懸念に備えて、認可の基準として「利用者の利益を不当に害さないこと」「協定の目的に照らして必要最小限であること」などが定められている(航空法111条)。基準を満たさなくなれば、国土交通大臣は変更を命じたり認可を取り消したりできる(111条の2)。実務のポイント:国際線の共同事業の認可には、定期的な報告義務などの条件が付いた例がある。運賃に疑問があるなら、認可時の条件と実際の運用を比べるのが最短の切り口になる
Q2地元の路線が二社の調整で減便された。文句を言う先はどこ?
まず国交省に、その協定が認可を受けたものか、認可の範囲内かを確認する。そのうえで利用者の利益が不当に害されていると考えるなら、公正取引委員会に情報を提供するルートがある。公正取引委員会は国土交通大臣に処分を請求できる(航空法111条の3)。実務のポイント:所管官庁の国交省は路線維持を優先しがちである。競争の観点を持ち込むなら公正取引委員会のほうが効く。利用者の声を数字(運賃推移、乗れなかった便)で示すと、取り上げられやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「航空会社は独禁法の外にいる」と思われがちだが、実際は逆である。除外されるのは国土交通大臣の認可を受けた特定の協定の締結だけで、航空会社の日常の価格設定や販売活動には独禁法がそのまま適用される。しかも不公正な取引方法を使った場合は、認可協定であっても保護されない
- 「国交省が認可したのだから公正取引委員会は口を出せない」という問いの立て方自体が誤っている。航空法は公正取引委員会に、国土交通大臣への処分請求と公示の権限を与えている(111条の3)。公示から一か月で除外が外れる仕組みがあるので、認可は所管官庁が一度きりで与えるお墨付きではなく、二つの官庁の綱引きの上に乗った暫定的な状態である
- 利用者から見れば運賃協定は値上げの装置に見える。しかし法律から見れば、二社以上の便をまたぐ乗継運賃を成り立たせ、地方路線を消さないための土台でもある。この落差を理解しないまま「カルテルだ」と批判しても、認可要件のどこに当てはまらないのかを示せなければ、行政も公正取引委員会も動かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 航空法110条:独禁法適用除外の効果と限界 | 航空法111条:協定締結の認可と認可基準 航空法111条の3:公取委の処分請求と公示 |
| 中心となる主体 | 協定を結ぶ航空運送事業者 | 国土交通大臣(認可権者) 公正取引委員会(請求・公示) |
| 除外が外れる・効力が変わる契機 | 不公正な取引方法、利用者利益の不当な侵害、公示後一か月の経過 | 基準に適合しなくなった場合は111条の2の変更命令・取消しへ 公示により一か月のカウントが始まる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は航空専用の除外規定ではなく、競争法の一般規定で聯合行為を原則禁止し、公平交易委員会の許可による例外を認める枠組み
韓国も共同行為を原則禁止とし、公正取引委員会の認可による例外を設ける一般規定型
EU・ドイツは事前認可ではなく、要件を満たせば当然に適用除外となる自己評価型の法定例外制度
米国は運輸省が航空会社間協定を承認し反トラスト免除を与える制度があり、国際線のジョイントベンチャーで用いられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 需要が細った地方路線で二社が便の時間をずらし合い、運賃もほぼ同じになった。これは談合なのか? 国土交通大臣の認可を受けた共同経営協定であれば独禁法は適用されない。認可がなければ、ただの不当な取引制限である。まず確かめるのは「認可の有無」だ
- あなたは地域航空会社の経営企画担当で、競合と赤字路線の共同運航を話し合っている。認可申請の前に、会議で将来の運賃水準や座席の配分を具体的に詰めてしまった。110条が守るのは「認可を受けて行う」協定の締結であり、認可前のすり合わせは保護の外にある。議事録の一行が、そのまま公正取引委員会の証拠になりうる
- 成田から北米の地方都市まで、二社の便を一枚の航空券で乗り継げる。その裏では、国際線の連絡運輸・運賃協定に独禁法がかからないという条文が働いている
- 公正取引委員会が、ある認可協定について国土交通大臣に処分を請求し、その旨を公示した。国土交通大臣が処分しなければ、公示から一か月で除外は消える。協定当事者の航空会社に残された時間はおよそ三十日。その間に協定を見直すか、独禁法違反として正面から問われる状態を受け入れるかを決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 問題の協定が国土交通大臣の認可を受けたものか、国交省の公表資料などで確認する2. 認可がなければ、通常のカルテルとして公正取引委員会へ申告する(独禁法45条) 3. 認可協定であっても、不公正な取引方法や利用者利益の不当な侵害を示す事実(運賃の推移、減便の経緯、他社の排除)を具体的に集め、公正取引委員会に提出する。111条の3による処分請求の端緒になりうる4. 損害が数値で示せるなら、民事の損害賠償(民法709条、独禁法25条)も検討する
訴えられた側:1. 協定の内容が認可の範囲内に収まっているか、条項ごとに照合する。認可外の合意は保護されない2. 運賃や販売で、特定の旅行会社や競合を差別的に扱う運用がないか点検する。不公正な取引方法は認可があっても除外されない3. 公正取引委員会の公示があった場合は、一か月以内に国交省と協定の変更を協議し、必要なら自主的に条項を削る4. 協議記録と必要最小限性の根拠を整理し、弁護士と独禁法の観点から再評価する
時効(請求できる期限):本条固有の時効はないが、公正取引委員会の公示から一か月を経過すると適用除外が外れる(国土交通大臣が111条の2による処分をした場合を除く)。独禁法違反に対する排除措置命令・課徴金納付命令は、違反行為がなくなった日から7年以内に行うことができる(独禁法7条2項など)。独禁法25条の損害賠償請求権は排除措置命令等の確定日から3年で消滅する(同26条2項)。民法709条による請求は損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。(最新の改正状況をご確認ください)
- 航空法 第111条協定締結の認可と認可基準
- 航空法 第111条の2認可協定の変更命令・認可取消し
- 航空法 第111条の3公取委の処分請求と公示
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第3条不当な取引制限の禁止、除外の対象
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条不公正な取引方法の禁止、除外されない
- 海上運送法 第28条海運協定の独禁法適用除外、同型の制度
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める