航空法 第132条の18(無人航空機の製造、検査等)
クイックジャンプ
- 型式認証又は前条第一項の承認(以下「型式認証等」という。)を受けた者は、当該型式認証等を受けた型式の無人航空機の製造をする場合においては、当該無人航空機がその型式認証等に係る型式に適合するようにしなければならない。
- 2.型式認証等を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、その製造に係る個別の無人航空機について検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。
この条文の基本情報
無人航空機の製造、検査等とは何ですか?
定義無人航空機の製造、検査等とは、航空法第132条の18に定められた規定で、「型式認証又は前条第一項の承認(以下「型式認証等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第132条の18(無人航空機の製造、検査等)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第132条の18の条文原文は「型式認証又は前条第一項の承認(以下「型式認証等」という。」で始まります。
- 航空法第132条の18は第一款に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第132条の18の前の条は航空法第132条の17です。
- 航空法第132条の18の次の条は航空法第132条の19です。
- 航空法第132条の18には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第132条の18 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第132条の18(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/132_18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法132条の18は、型式認証等を受けた者に、製造する無人航空機を認証型式に適合させ、個別機体を検査して検査記録を作成・保存する義務を課す規定である。
Q · 型式認証を取ったドローンメーカーは、量産品を検査しなくてもいいの?
いいえ。型式適合と一台ごとの検査・記録義務が残る
航空法132条の18により、型式認証等を受けた者は、製造する無人航空機をその型式に適合させなければなりません(1項)。さらに国土交通省令に従い、個別の機体ごとに検査を行い、検査記録を作成して保存する義務を負います(2項)。型式認証は設計への審査であり、量産品一台ごとの品質はメーカー自身の検査と記録で担保される仕組みです。
解説
型式認証は「設計図に押された合格印」にすぎない。工場から出てくる一台一台が本当にその設計どおりかは、別の話である。航空法132条の18は、ここを埋めるために置かれた。型式認証、または前条第一項の承認(あわせて「型式認証等」)を受けたメーカーには、二つの義務がある。第一に、製造する無人航空機(ドローン)を認証済みの型式に適合させること。第二に、国土交通省令に従って個別の機体を検査し、検査記録を作成して保存すること。使う側にとって大事なのは、この型式認証が機体認証(一台ごとの安全性のお墨付き)の検査を軽くする前提になっている点である。メーカーの工場検査を信頼するからこそ、国の検査が省略または簡略化される。つまり、あなたが買ったドローンの安全性の一部は、メーカーの棚にある検査記録が支えている。事故が起きたとき最初に問題になるのは、その記録が実在するか、型式どおりに作られていたかである。
法的な位置づけ
航空法132条の18は、無人航空機の型式認証等を受けた者の製造段階における義務を定める規定である。第1項は製造する無人航空機を型式認証等に係る型式に適合させる義務を、第2項は国土交通省令の定めに従い個別の機体を検査し、検査記録を作成・保存する義務を定める。機体認証の検査簡略化を支える前提となる。
よくある質問 AI による整理
Q1ドローンの型式認証とは何ですか?
無人航空機の設計や製造過程が安全基準に適合することを国が型式ごとに確認する制度です。第一種と第二種があり、量産される機体の機体認証の前提になります。
Q2型式認証を受けたメーカーの義務は?
製造する機体を認証された型式に適合させる義務と、省令に従って一台ごとに検査を行い、検査記録を作成・保存する義務を負います(航空法132条の18)。
Q3ドローンの検査記録は誰が保存する?
型式認証等を受けた者、つまり認証を取得したメーカー等です。組立や検査を外注していても、保存義務そのものは認証取得者に残ります。
Q4ドローンの検査記録の保存期間はいつまで?
保存期間や方法は国土交通省令で定められます。条文自体には期間の記載がないため、最新の航空法施行規則で確認する必要があります。
Q5型式に適合しないドローンを出荷したら違法?
型式への適合義務(132条の18第1項)に反するおそれがあります。行政による改善命令や認証の取消し等の監督対象になりうるため、早期の社内検証が重要です。
Q6ドローンの部品変更で型式認証はどうなる?
変更が型式の範囲を超える場合は設計変更の承認手続が必要です。範囲内でも型式への適合を維持する義務は続くため、判断根拠を記録に残すのが実務上の要点です。
Q7機体認証と型式認証の関係は?
型式認証を受けた型式の機体は、機体認証の検査の全部または一部が省略・簡略化されます。その前提がメーカーの個別検査と記録保存の義務です。
Q8メーカーの検査記録は開示請求できる?
本条は開示義務までは定めていません。事故の被害者は任意の開示要求のほか、訴訟では文書提出命令の申立てなどの手段を検討することになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1型式認証を受けたドローンなら、事故が起きてもメーカーは責任を問われないんですか?
そうはならない。型式認証は設計が安全基準を満たすことの確認であり、航空法132条の18は個々の機体を型式に適合させる義務を別にメーカーへ課している。製造段階のミスによる欠陥なら、製造物責任法3条の責任も問題になる。実務のポイント:争点になりやすいのは設計よりも、特定のロットだけで起きた製造不良である。シリアル番号で検査記録をたどれるかが勝負になる
Q2部品をちょっと変えただけでも、認証を取り直さないといけないんですか?
変更が型式の範囲に入るかで変わる。範囲を外れる設計変更には承認の手続が必要になり、その承認も本条でいう「型式認証等」に含まれる(132条の17)。範囲内の変更なら手続はいらないが、型式への適合は維持しなければならない。実務のポイント:トラブルになるのは、範囲内だと判断した根拠が残っていないケースである。判断の理由を一枚の記録に残すだけで、後で説明できるかどうかが変わる
Q3組立を外注してるんですが、検査も外注先に任せていいですか?
検査の作業を委託すること自体は実務上ありうるが、義務を負うのは型式認証等を受けた者、つまりあなたの会社である(132条の18第2項)。外注先の検査が省令の方法を満たしているか、記録を自社で保存できているかの管理責任は残る。実務のポイント:外注契約に検査記録の引渡しと保存の条項がないと、外注先が倒産したとき記録ごと消える
間違えやすい点 AI による整理
- 「型式認証を取れば、あとは量産するだけ」と考えるメーカーは多い。だが認証は出発点であり、量産中ずっと型式に適合させ続ける義務が続く。部品の調達先変更、ファームウェアの更新、組立工程の外注化など、日々の小さな変更がこの義務と衝突しうる
- 検査記録は社内の品質管理の書類にすぎないと思われがちだが、法律上の義務として作成と保存が求められる記録である。事故の原因調査、行政の監督、民事訴訟での立証では、この記録があるかないかでメーカーの立場が根本から変わる。重みは社内の帳票とまったく違う
- ユーザーからすると「認証済みの機体だから安全」という一言で話が終わる。だが法律から見ると、その安全はメーカーが一台ずつ検査し続けているという前提に乗っている。前提が崩れていても、外から買う側には見えない。その見えなさが、事故後の責任追及で初めて表に出る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 航空法132条の18:型式認証等取得者による量産機体の型式適合と個別検査・記録 | 航空法132条の16:無人航空機の型式(設計等)に対する型式認証 航空法132条の13:個々の機体の安全性を確認する機体認証 |
| 義務・手続の主体 | 型式認証等を受けたメーカー等 | 型式認証を申請する設計者・製造者 機体の所有者等(申請者) |
| 制度上の役割 | 量産段階で型式どおりの製造を自己検査で担保する | 設計段階で国が安全基準への適合を審査する 型式認証機は検査の省略・簡略化を受けられる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も遙控無人機の登録・検験制度を設けるが、日本の型式認証取得者に個別検査記録を義務付ける構造との対応関係は個別に確認が必要
EU は C0〜C6のクラス識別と適合性評価・CE マーキングにより、製造者に製品要件への適合を求める製品規制型の仕組みを採る
型式証明を受けた航空機の量産には製造証明と品質管理システムが求められ、設計審査と製造管理を分ける点で日本の分業構造と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 量産ラインでコスト削減のため、モーターを同等性能とされる別メーカー品に差し替えた。設計部門は「性能は同じ」と言う。だが認証を受けた型式と構成が違えば、その機体は型式に適合していない。変更の手続を通さずに出荷した数百台が、全部グレーになる
- 第一種型式認証のある機体を物流ドローンとして導入し、レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)を計画している運航会社のあなた。機体認証の検査が簡略化されたのは、メーカーの個別検査を前提にしているからだ。そのメーカーの検査記録が不十分だと分かったら、自社の運航計画はどうなる?
- 国交省の立入検査まであと5日。品質保証部長のあなたが記録棚を開けると、去年の一時期だけ検査記録が紙とデータに分かれていて、シリアル番号の一部が照合できない。今から記録を後付けすれば改ざんになる。欠けている事実を、どう説明するかを考えるしかない
- 農薬散布で使っていたドローンが落下し、隣家の車を壊した。原因は製造時の配線不良とみられる。所有者は「メーカーの検査記録を出してほしい」と求めることができるのか
- 外注先の組立工場が、検査工程の一部を「立ち会いなし」で済ませていた。気付いたのは出荷後だった。型式認証を受けているのは自社であり、外注先ではない。義務を負うのはあなたの会社である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事故機の機体番号、登録記号、購入時の書類、写真を保全する。機体は修理や廃棄に出さずそのまま保管する2. 型式認証等を受けた型式かを確認し、メーカーに製造時の個別検査記録の開示を書面で求める3. 製造上の欠陥が疑われるなら製造物責任法3条による請求を検討し、国交省への事故報告の有無も確認する4. 開示に応じないときは、弁護士を通じて訴訟上の文書提出命令などを検討する
訴えられた側:1. 問題の機体のシリアル番号に対応する検査記録と、製造時の構成(部品、ファームウェア版)をすぐに特定する2. 型式からの逸脱がないかを社内で検証し、変更があれば変更承認の手続を取っていたかを確認する3. 記録の後付けや修正は絶対にしない。欠落は欠落として経緯を文書化する4. 当局対応は窓口を一本化し、同じロットの機体への影響範囲を先回りして調べ、必要ならリコールを判断する
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。検査記録の保存期間は国土交通省令で定められる(最新の改正状況をご確認ください)。被害者の製造物責任法上の請求は、損害と賠償義務者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、引渡しから10年で消滅する(製造物責任法5条)
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)12月5日施行 無人航空機の機体認証・型式認証制度の創設に伴い新設。レベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)の解禁にあわせ、型式認証等を受けた者に型式への適合義務と個別機体の検査記録義務を課した
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:航空法改正により無人航空機の機体認証・型式認証制度が創設され、本条が新設された。令和4年(2022年)12月5日施行。レベル4飛行の解禁にあわせ、型式認証等取得者に型式適合義務と個別機体の検査記録義務を課した
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