航空法 第97条(飛行計画及びその承認)
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- 航空機は、計器飛行方式により、航空交通管制圏若しくは航空交通情報圏に係る空港等から出発し、又は航空交通管制区、航空交通管制圏若しくは航空交通情報圏を飛行しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に飛行計画を通報し、その承認を受けなければならない。承認を受けた飛行計画を変更しようとするときも、同様とする。
- 2.航空機は、前項の場合を除き、飛行しようとするとき(国土交通省令で定める場合を除く。)は、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に飛行計画を通報しなければならない。ただし、あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合として国土交通省令で定める場合には、飛行を開始した後でも、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に飛行計画を通報することができる。
- 3.第一項又は前項の規定により、飛行計画の承認を受け、又は飛行計画を通報した航空機は、第九十六条第一項の国土交通大臣の指示に従うほか、飛行計画に従つて航行しなければならない。ただし、通信機の故障があつた場合において国土交通省令で定める方法に従つて航行するときは、この限りでない。
- 4.第一項又は第二項の規定により、飛行計画の承認を受け、又は飛行計画を通報した航空機は、航空交通管制区、航空交通管制圏又は航空交通情報圏において航行している間は、国土交通大臣に当該航空機の位置、飛行状態その他国土交通省令で定める事項を通報しなければならない。
この条文の基本情報
飛行計画及びその承認とは何ですか?
定義飛行計画及びその承認とは、航空法第97条に定められた規定で、「航空機は、計器飛行方式により、航空交通管制圏若しくは航空交通情報圏に係る空港等から出発し、又は航空交通管制区、航空交通管制圏若しくは航空交通情報圏を飛行しようと…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 航空法第97条(飛行計画及びその承認)は、日本の航空法に含まれる条文です。
- 航空法第97条の条文原文は「航空機は、計器飛行方式により、航空交通管制圏若しくは航空交通情報圏に係る空港等から出発し、又は航空交通管制区、航空交通管制圏若しくは航空交通情報圏を飛行しようと…」で始まります。
- 航空法第97条は第一節 航空機の運航に置かれています。
- 航空法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 航空法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 航空法第97条の前の条は航空法第96条の2です。
- 航空法第97条の次の条は航空法第98条です。
- 航空法第97条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第97条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000231 - 本サイト収録
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第97条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000231/97
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点航空法97条は、計器飛行方式で管制圏等を飛ぶ航空機に飛行計画の通報と国土交通大臣の承認を求め、それ以外の飛行にも省令の除外を除き通報を義務付ける。
Q · 自家用機で VFR で飛ぶだけでも、飛行計画を出さないといけないの?
原則必要。省令の除外に当たらなければ通報義務がある
航空法97条2項は、計器飛行方式(IFR)以外の飛行についても、国土交通省令で定める場合を除き、国土交通大臣への飛行計画の通報を義務付けています。IFR で管制圏などを飛ぶ場合は通報に加えて承認が必要です(1項)。通報した後は計画どおりに航行する義務(3項)と、管制区域等での位置通報義務(4項)も生じます。事前の通報が困難な場合として省令で定める場合に限り、飛行開始後の通報も認められます。
解説
空は自由に見えるが、日本の空を飛ぶ航空機は、原則として離陸前に「どこから、どこへ、どの高度で、何時間、何人乗せて」飛ぶかを国土交通大臣に届け出る。航空法97条が定める飛行計画のルールである。義務は二段になっている。計器飛行方式(IFR:計器と管制の指示を頼りに飛ぶ方式)で管制圏などを飛ぶなら「通報+承認」が必要で、承認された計画を変更するときも承認を取り直す。有視界飛行方式(VFR)の自家用機でも、省令で除外される場合を除き「通報」は必須である。見落とされがちなのは3項と4項だ。届け出た計画は「自分を縛る約束」になり、飛行中は管制区域内で位置を報告し続ける義務を負う。もう一つの意味もある。飛行計画を出しておけば、到着の通知(98条)が届かないときに捜索救難を始めてもらう起点になる。出さなかった機体は、山中で消息を絶っても、誰にも気づかれないまま時間だけが過ぎるおそれがある。手間のかかる書類に見えるが、実際には命綱を誰に預けるかの宣言である
法的な位置づけ
航空法第97条は飛行計画に関する規定であり、計器飛行方式で航空交通管制圏・情報圏等を飛行する航空機には飛行計画の通報と国土交通大臣の承認を、それ以外の航空機には省令の除外事由がない限り通報を義務付ける。あわせて、計画に従った航行義務と、管制区域等における位置・飛行状態の通報義務を定める。
手順
- 1.飛行方式と空域を確認する 予定する飛行が計器飛行方式(IFR)か有視界飛行方式(VFR)か、出発空港や経路が航空交通管制圏・情報圏・管制区に係るかを確認する。IFR で該当すれば通報+承認、それ以外は省令の除外事由がない限り通報が必要になる
- 2.飛行計画を作成する 出発地、目的地、経路、巡航高度、所要時間、搭載燃料、搭乗者数、代替空港など、省令で定める事項を記入する。到着予定時刻は捜索救難の起点になるため、楽観的に書きすぎない
- 3.離陸前に通報し、必要なら承認を受ける 飛行開始前に国土交通大臣(航空局の担当機関)へ飛行計画を通報する。IFR で管制圏等に係る場合は承認を受けてから出発する。受付や承認の記録は控えておく
- 4.飛行中は計画どおり航行し、位置を通報する 管制の指示に従いつつ計画どおりに航行し、管制区域等では位置・飛行状態を通報する。経路や目的地を変える必要が生じたら、IFR では改めて承認を受けてから変更する。通信機故障時は省令の方法に従う
- 5.着陸後に到着を通知する 着陸したら確実に到着の通知(98条)を行い、飛行計画を終了させる。通知が届かないと異常と判断され、捜索救難の手続が動き出しうる
よくある質問 AI による整理
Q1飛行計画とは何ですか?
出発地・目的地・経路・高度・所要時間などを、飛行前に国土交通大臣へ届け出る計画です。航空法97条が根拠で、管制と捜索救難の基準になります。
Q2飛行計画はいつまでに出せばいい?
原則として飛行を開始する前に通報します。事前の通報が困難な場合として省令で定める場合に限り、飛行開始後の通報が認められます(97条2項ただし書)。
Q3飛行計画を出さずに飛んだら違法?
省令の除外事由に当たらない限り、通報せずに飛ぶことは97条違反になります。IFR で承認を受けずに管制圏等を飛ぶ場合も同様です。
Q4通信機が故障したら飛行計画どおり飛ぶ必要がある?
3項ただし書により、省令で定める通信機故障時の方法に従って航行すれば、計画からの逸脱は違反になりません。独自判断で飛ぶのは避けるべきです。
Q5飛行中の位置通報は必要?
必要です。97条4項により、計画を通報・承認された航空機は、管制区・管制圏・情報圏を航行する間、位置や飛行状態などを通報しなければなりません。
Q6ドローンも航空法97条の飛行計画が必要?
97条の対象は人が乗る航空機です。無人航空機の飛行計画は別の規定と制度(DIPS での通報など)で扱われるため、根拠条文を取り違えないよう注意が必要です。
Q7飛行計画の承認は誰がする?
条文上は国土交通大臣です。IFR で管制圏等から出発・飛行する場合や、承認済み計画を変更する場合に承認が必要になります。
Q8飛行計画を事後に通報できるのはどんな場合?
あらかじめ通報することが困難な場合として国土交通省令で定める場合に限られます。自分の都合で「後で出す」ことは認められません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1VFR で近場を一周するだけでも、本当に飛行計画って要るんですか?
原則として要る。97条2項は1項以外の飛行にも通報を求めており、除外されるのは国土交通省令で定める場合に限られる。実務のポイント:除外に当たるかを自分の感覚で判断するのが一番危ない。訓練空域や場周飛行などの扱いは省令や運用で細かく決まっているので、所属クラブや運航管理者が使っている基準を一度文書で確認しておく
Q2飛行計画を出したあとに予定が変わったら、どうすればいいですか?
IFR で承認を受けた計画なら、変更にも改めて承認が必要になる(97条1項後段)。飛行中に計画と違う航行をすると3項違反になりうる。実務のポイント:ベテランの機長は、代替空港と燃料の余裕を最初の計画に書き込んでいる。選択肢を事前に計画へ入れておけば、変更の要求が通りやすく、管制とのやり取りも短く済む
Q3飛行計画って結局、役所のための書類じゃないんですか?
管制のためだけの書類ではない。到着の通知(98条)と組み合わさることで、機体が予定どおり着かないことに気づくきっかけになる。実務のポイント:単独飛行で事故が起きると、計画の有無によって捜索開始までの時間が大きく変わる。到着予定時刻を楽観的に書きすぎず、着陸したら確実に到着を通知する。この二つで、命綱の張り具合が決まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「飛行計画は管制のある大型機や IFR だけの話」と思われがちだが、2項は IFR 以外の飛行にも原則として通報義務を課している。除外されるのは省令で定める場合に限られ、自家用小型機や VFR だという理由だけでは免除されない
- 届け出が受理されれば手続は終わりだと考える人は、3項の重さを知らない。届け出た計画には、そのとおり航行する義務がついてくる。高度や経路を勝手に変えれば、書類の不備ではなく航行の違反として扱われうる。最初に作った計画が、離陸した後も自分を縛り続ける
- ドローンを飛ばす人がこの条文を調べることがあるが、問いの立て方がずれている。97条の対象は人が乗る「航空機」であり、無人航空機の飛行計画は別の規定と制度(DIPS での通報など)で扱われる。同じ「飛行計画」という言葉でも、根拠も手続も違う(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 航空法97条:飛行計画の通報・承認と計画どおりの航行 | 航空法96条:管制区等での国土交通大臣の指示への服従 航空法98条:着陸後の到着の通知 |
| 義務が生じる時点 | 原則として飛行開始前(省令の場合のみ開始後も可) | 飛行中、指示を受けた時点 飛行計画を通報した航空機の到着後 |
| 安全上の役割 | 空域内の機体の動きを事前に予見可能にする | リアルタイムで他機との間隔を確保する 未到着の機体を早期に把握し捜索救難の起点とする |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も国際民間航空条約の基準に沿い、飛航計畫の申報を求める。具体的な要件は交通部の規則で定められる
韓国も法律と施行規則の二層構造で飛行計画の提出を義務付ける点で日本と類似する
ドイツでは EU 共通の航空規則 SERA が飛行計画の提出を規律し、国内規則が補完する
米国は IFR での飛行計画と管制承認を義務付ける一方、VFR の飛行計画は多くの場合任意とされ、日本より緩やかである
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 週末に自家用セスナで調布から大島へ。天気も良いし VFR だから届け出はいらないだろう、と考えたとする。97条2項は VFR でも原則通報を求めている。届け出ずに離陸すれば違反になり、事故が起きたときには捜索の起点も存在しない
- IFR で承認を受けた計画で羽田へ向かう途中、目的地の天候が悪化し、代替空港へ向かいたくなった。勝手に針路を変えてよいのか? 承認を受けた計画の変更には改めて承認が要る(1項後段)。まず管制に要求し、許可を受けてから旋回するのが手順である
- あなたは遊覧ヘリ会社の運航管理者。離陸予定まであと30分しかないのに、機長が飛行計画の通報を忘れていたことに気づいた。今すぐ通報しなければ、その便は違反運航になる
- 飛行中に無線機が故障し、管制と一切話せなくなった。計画どおり飛ぶのか、どこかで降りるのか。3項ただし書は、省令の定める通信機故障時の方法に従って航行すれば計画からの逸脱を許している。パニックで独自判断をすれば、他機との衝突リスクを自分で作ることになる
- 友人のパイロットが「ちょっと近場を回るだけだから」と言う。近場でも省令の除外事由に当たらなければ通報は必要だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 管制側の指示ミスや通報処理の不備で飛行に支障が出たと考える場合は、交信記録や受領した承認内容の写し、航跡データを速やかに保存する2. 会社の運航管理部門を通じて、事実関係を国土交通省(航空局)に照会する3. 損害が生じた場合、公務員の過失による賠償は国家賠償法1条の枠組みで検討する4. 証拠の多くは記録保存期間が限られるため、記録の取り寄せを最優先する
訴えられた側:1. 通報漏れや計画からの逸脱を指摘されたら、通報した記録、管制との交信、気象情報を整理する2. 通信機故障や緊急事態による逸脱だった場合は、省令の定める方法に従っていたこと(3項ただし書)を記録で示す3. 2項ただし書の事後通報が認められる場合だったかを確認する4. 罰則や行政処分(技能証明の効力停止など)につながりうるため、航空法務に詳しい弁護士へ早めに相談する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。通報は原則として飛行の開始前に行う(2項ただし書の場合のみ開始後でもよい)。違反に罰金刑が科される場合、公訴時効は原則3年(刑事訴訟法250条2項)。民事の損害賠償には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:航空法の制定により、飛行計画の通報・承認に関する規定が設けられた。その後の改正経緯は e-Gov の改正履歴で要確認
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