要点宅地建物取引業法 29 条は、本店移転で最寄りの供託所が変わった場合、金銭のみの供託なら保管替えを請求し、有価証券を含むなら移転後の供託所に新たに全額を供託すべきことを定める。
Q · 本店を引っ越したら、営業保証金はもう一度払い直しになるんですか?
金銭のみの供託なら保管替え、有価証券を含むなら供託し直しです
宅地建物取引業法 29 条 1 項は、本店(主たる事務所)を移転して最寄りの供託所が変更した場合の手続を二つに分けます。金銭のみで営業保証金を供託しているときは、遅滞なく費用を予納して、現に供託している供託所に対し保管替えを請求します。有価証券を含むときは保管替えができず、移転後の最寄りの供託所に新たに全額を供託することになり、旧供託分は 30 条の取戻しを経て戻ります。同条 2 項は 25 条 2 項・3 項を準用するため、供託した旨を免許権者に届け出るまで、移転先で事業を開始することはできません。
本店を隣の駅前ビルに移す。ただの引っ越しに見えるその一手が、宅建業者にとっては資金繰りの分岐点になる。営業保証金は本店最寄りの供託所に、支店分(1か所500万円)まで含めて全額が集められている(25条1項、施行令2条の4)。本店が動いて最寄りの供託所が変われば、保証金も動かさなければならない。ここで運命を分けるのが供託の中身だ。金銭のみで供託していれば、費用を予納して元の供託所に保管替えを請求するだけで済む。ところが有価証券が一部でも混じっていれば保管替えは使えず、移転後の最寄り供託所に新たに全額を供託し直す義務が生じる。旧供託分が手元に戻るのは、その後の取戻し手続を経てからだ。本店に支店3か所なら2,500万円、それが一時的に5,000万円になる。契約書でも訴訟でもなく、供託書の一枚が会社の現金を止める。
宅地建物取引業法 29 条は、主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変更した場合における営業保証金の移管手続を定める規定である。供託物が金銭のみの場合は従前の供託所への保管替え請求、有価証券を含む場合は移転後の最寄りの供託所への新規供託を義務づけ、同条 2 項は 25 条 2 項・3 項を準用して届出と事業開始の順序を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
供託した営業保証金を、元の供託所から移転後の本店最寄りの供託所へ移してもらう手続です。宅建業法 29 条 1 項前段が根拠で、金銭のみで供託している場合に限って使えます。
条文に具体的な日数の定めはありません。ただし事務所所在地の変更届は変更の日から 30 日以内(同法 9 条)と明確な期限があるため、実務ではこの 30 日から供託手続を逆算します。
宅地建物取引業法 9 条により、変更の日から 30 日以内に免許権者へ届け出ます。これは供託の「遅滞なく」とは別の、日数が明示された義務です。
主たる事務所 1,000 万円、従たる事務所 1 か所につき 500 万円で、全額を本店最寄りの供託所に供託します(宅建業法 25 条 1 項、施行令 2 条の 4)。最新額は現行規定をご確認ください。
主たる事務所の所在地を管轄区域とする法務局・地方法務局とその支局等のうち、最も近いものです。同じ市内の移転でも最寄り供託所が変わらなければ、29 条の出番はありません。
現に営業保証金を供託している元の供託所です(29 条 1 項)。移転先の新しい供託所の窓口に出向いても手続は進みません。請求先の取り違えは実務で最も多い誤りです。
適用されません。29 条は「主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合」の規定です。支店の増設・移転は供託額や変更届の問題として別に処理します。
有価証券を含み新たに供託し直した場合、旧供託分は宅建業法 30 条の取戻し手続を経てから戻ります。取戻し事由や公告の要否を含む要件は供託所への事前確認が前提です。
金銭のみで供託していれば保管替えの請求(29条1項前段)で済み、追加の元本は不要で費用の予納だけである。有価証券を含むなら移転後の最寄り供託所へ新たに全額を供託し(同項後段)、旧供託分は30条の取戻しを経るまで戻らない。支店分も本店最寄りの供託所に集約されている(25条1項)ため、支店が多いほど一時負担は膨らむ。業界裏話ヒント:取戻しの入金までには相応の日数がかかる。移転の資金計画では、つなぎ資金を先に押さえておく
移転前に供託物を金銭のみへ差し替えておけば、29条1項前段の保管替え請求が使える。差替えの可否や手順は供託所の運用にかかわるため、事前の照会が前提になる。もう一つの道は保証協会への加入で、社員になれば営業保証金の供託義務自体が外れる(64条の13)。業界裏話ヒント:移転計画は半年前から動く案件が多いのに、供託の中身を移転先探しと同時に点検する業者はほとんどいない。順番を変えるだけで数千万円の拘束が消える
そうとは限らない。29条2項が25条2項・3項を準用しており、供託した旨を免許権者に届け出て、その届出の後でなければ事業を開始できないと解される。届出を怠ったまま営業すれば65条の監督処分(指示、業務停止)の対象になりうる。業界裏話ヒント:登記変更、変更届、供託の届出は担当者も窓口もばらばらになりやすい。三つの順番を取り違えると、営業できない空白期間を自分で作ることになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 29 条:本店移転で最寄り供託所が変更したときの移管 | — |
| 義務の内容 | 金銭のみ=保管替え請求/有価証券を含む=新規供託 | — |
| 期限 | 遅滞なく(日数の明示なし) | — |
| 資金インパクト | 有価証券を含むと全額を一時的に二重拘束 | — |
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