宅地建物取引業法 第58条(支払備金の積立て)
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- 指定保証機関は、決算期ごとに、次の各号の一に掲げる金額がある場合においては、支払備金として当該各号に掲げる金額を積み立てなければならない。
- 一保証契約に基づいて支払うべき保証金その他の金額のうちに決算期までにその支払が終わらないものがある場合においては、その金額
- 二保証契約に基づいて支払う義務が生じたと認められる保証金その他の金額がある場合においては、その支払うべきものと認められる金額
- 三現に保証金その他の金額について訴訟が係属しているために支払つていないものがある場合においては、その金額
この条文の基本情報
支払備金の積立てとは何ですか?
定義支払備金の積立てとは、宅地建物取引業法第58条に定められた規定で、「指定保証機関は、決算期ごとに、次の各号の一に掲げる金額がある場合においては、支払備金として当該各号に掲げる金額を積み立てなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第58条(支払備金の積立て)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第58条の条文原文は「指定保証機関は、決算期ごとに、次の各号の一に掲げる金額がある場合においては、支払備金として当該各号に掲げる金額を積み立てなければならない。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第58条は第三節 指定保証機関に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第58条の前の条は宅地建物取引業法第57条です。
- 宅地建物取引業法第58条の次の条は宅地建物取引業法第59条です。
- 宅地建物取引業法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法58条は、指定保証機関に決算期ごとの支払備金の積立てを義務づける。未払い分、支払義務が生じたと認められる分に加え、訴訟係属中で未払いの金額も積立対象となる。
Q · 保証機関と裁判で争っている間、保証金は完全に宙に浮くんですか?
訴訟中でも積立義務があり、資金がないという説明は通りません
宅地建物取引業法58条により、指定保証機関は決算期ごとに支払備金を積み立てる義務を負います。対象は、決算期までに支払が終わっていない保証金等(1号)、支払義務が生じたと認められる金額(2号)、訴訟が係属しているために支払っていない金額(3号)の三区分です。重要なのは3号で、機関と裁判で争っている最中でも、敗訴時に支払う原資を帳簿上で確保させられています。したがって「訴訟中なので資金を用意できない」という説明は、制度上成り立ちません。
解説
完成前のマンションに手付金と中間金で一千万円を入れた。その売主が着工の途中で倒産する。あなたを救うのが宅地建物取引業法41条の保全措置であり、その保証の担い手として国土交通大臣が指定するのが指定保証機関である。58条は、その機関の財布の中身を規律している。決算期ごとに、まだ払い終えていない保証金、支払義務が生じたと認められる金額、そして訴訟で争っている最中の金額、この三つを支払備金として積み立てよと命じる。効いてくるのは三号目だ。あなたが機関と法廷で争っている間も、機関側は負けたときに払う金を帳簿の上で確保する義務を負っている。資金繰りを理由に支払を先送りするという構図が、制度上そもそも成立しにくい。あなたの請求権には、相手の貸借対照表に先に席が取ってある。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法58条は、同法41条の手付金等の保全措置を担う指定保証機関の財務規律を定める規定であり、決算期ごとに、決算期までに支払が終わっていない保証金等、支払義務が生じたと認められる金額、訴訟係属中のため未払いの金額の三号について、支払備金として積み立てることを義務づける。
手順
- 1.保全措置の担い手を特定する 重要事項説明書と契約書を開き、保全措置の欄が銀行等の保証委託契約か、保険会社の保証保険契約か、指定保証機関かを確認する。担い手の商号と契約番号を控え、請求先を最初に確定させる
- 2.金額未確定でも書面で通知する 売主の倒産や工事停止を知った時点で、金額が確定していなくても保証の担い手へ書面で通知する。58条2号の「支払う義務が生じたと認められる金額」は相手側の認識で動くため、通知が積立対象化の起点になる
- 3.決算期末までに請求金額を特定する 相手方の決算期を調べ、その締めまでに請求金額を書面で特定する。金額が特定されれば1号または2号の積立対象となり、社内で今期の帳簿に載る債務へ格上げされる
- 4.支払保留の回答には58条3号を示す 訴訟中を理由に支払を保留すると回答された場合、58条3号が訴訟係属中の金額こそ支払備金の積立対象と定めている点を指摘し、論点を原資の有無から義務の有無へ移す
- 5.内容証明郵便で請求日を固定する 請求内容と請求日を内容証明郵便で固定し、消滅時効の起算点と相手方の認識時期を証拠化する。以後の交渉と訴訟で、いつ積立対象になったかを立証できる状態にしておく
よくある質問 AI による整理
Q1支払備金とは何ですか?
保証や保険の担い手が、まだ支払っていない債務を決算書上の負債として計上するために積み立てる金額です。宅地建物取引業法58条は指定保証機関にこの積立てを義務づけています。
Q2指定保証機関とは何ですか?
宅地建物取引業法41条に基づき、手付金等の保全措置の担い手として国土交通大臣が指定する者です。銀行等や保険会社と並ぶ保証の受け皿で、58条以下で財務規律が課されます。
Q3手付金等の保全措置はいくらから必要ですか?
未完成物件では、手付金等が代金の5パーセント以下かつ1000万円以下なら保全措置は不要です。この基準を超えると、業者は保全措置を講じなければ手付金等を受領できません。
Q4完成物件の保全措置の基準は違いますか?
違います。完成物件は代金の10パーセント以下かつ1000万円以下なら保全措置は不要です。未完成物件の5パーセント基準より緩く、同じ金額でも扱いが分かれます。
Q5保証機関が支払を渋ったらどうすればいいですか?
請求金額を書面で特定し、58条2号・3号の積立対象であることを指摘します。訴訟係属中でも積立義務がある以上、支払原資がないという説明は制度上成り立ちません。
Q6支払備金を積み立てないと保証機関はどうなりますか?
宅地建物取引業法は指定保証機関を国土交通大臣の監督下に置いており、積立義務違反は監督上の措置や指定の取消しにつながる問題として扱われます。会計処理にとどまる話ではありません。
Q7営業保証金と手付金等の保全措置はどう違いますか?
営業保証金(25条)は業者が供託する一般的な取引損害の担保、保全措置(41条)は前払いした手付金等そのものを返す仕組みです。目的も請求ルートも別系統です。
Q8保全措置がされていない契約は無効ですか?
契約自体が無効になるわけではありません。ただし41条により買主は手付金等を支払わないことができ、この不払いは債務不履行にも解除事由にもなりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1手付金を払う前に、保全措置がちゃんとされてるかってどこで確認するんですか?
契約前に交付される重要事項説明書(宅地建物取引業法35条)に保全措置の概要が記載される。銀行等か保険会社か指定保証機関か、担い手の名前まで確認する。実務のポイント:41条の「手付金等」には代金の一部として引渡し前に支払う中間金も含まれる。手付金だけを5パーセント以下に抑えて保全不要に見せる設計でも、中間金を足せば基準を超えて保全義務が生じる場面がある。合算で計算し直す買主はほとんどいない
Q2保証機関と揉めて裁判になったら、その間お金は完全に塩漬けですか?
帳簿の上では塩漬けではない。58条3号は、訴訟が係属しているために支払っていない金額を支払備金として積み立てよと明記している。争っている最中でも、機関側は敗訴時の支払原資を確保させられている。実務のポイント:支払備金は決算書に表れる数字であり、監督官庁の目に触れる位置にある。積み上がった支払備金は機関側にとって説明コストになるため、長期化そのものが相手にも不利に働く
Q3売主が保全措置をやってくれない場合、こっちは払うしかないんですか?
払わなくてよい。41条は、業者が保全措置を講じない場合、買主は手付金等を支払わないことができると定めている。この不払いは債務不履行にならず、契約解除の理由にもされない。実務のポイント:先に払ってしまうと、この拒絶権は使い切られて消える。支払期日の圧力に押されて振り込む前に、保全措置の実施を書面で確認する順序を崩さないことが分水嶺になる
Q4指定保証機関って、実際に街で見かける名前なんですか?
41条1項は銀行等のほかに国土交通大臣が指定する者を保証の担い手として認めており、それが指定保証機関である。実務で目にする保全措置は銀行の保証委託契約か損害保険会社の保証保険契約が中心である。実務のポイント:重要事項説明書に書かれた保証の担い手の名称を見れば、どの枠組みが使われているかが判別できる。担い手が空欄や未定のまま契約日を迎える案件は、その一点だけで警戒に値する(指定の最新状況は国土交通省の公表資料でご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「保証機関が倒産したらどうなるのか」という問いを立てる人が多いが、問いの立て方がずれている。58条が規律するのは倒産の前段階、つまり払うべき金を払わないまま健全な決算書を作れてしまう状態である。倒産の心配より先に、争っている最中の金額まで積立対象になっているかを見るのが実務の視点だ
- 保全措置の存在は知っていても、対象になる金額の線引きを知らない人が圧倒的に多い。未完成物件では手付金等が代金の5パーセント以下かつ一千万円以下なら保全措置は義務ではなく、完成物件では10パーセント以下かつ一千万円以下なら不要である。この線の下では、58条の積立が守ってくれる相手方すら存在しない
- あなたから見れば支払備金は経理部門の会計処理にすぎない。だが法律から見れば、それはあなたの請求権が相手の財務諸表上に実在するかどうかの判定である。この落差を知らないまま「今は資金がない」という説明を受け入れると、制度が用意した原資に手を伸ばさずに交渉を終えることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 58条:指定保証機関の支払備金の積立て(保証する側の財務) | 41条:宅地建物取引業者による手付金等の保全措置(取引の入口) 25条:宅地建物取引業者による営業保証金の供託(開業の入口) |
| 守られる場面 | 保証機関に請求したが未払い・係争中である場面 | 売主が倒産し前払いした手付金等が戻らない場面 業者との取引一般で損害が生じた場面 |
| 買主から見た使い方 | 支払保留の説明を崩す根拠として提示する | 保全措置がなければ手付金等の支払を拒める 27条に基づき供託所へ還付請求する |
| 義務の周期 | 決算期ごとに繰り返し発生する継続的義務 | 手付金等を受領する前の一回的義務 営業開始前および不足時の補充義務 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は前払金保護を預売屋の履約担保機制と経紀業の営業保証金で分担し、担い手側の準備金規律は保険法に置く。日本のように業法内で保証機関の積立義務を書き切る構成ではない
韓国は分譲保証を専門機関が担い、その財務規律は保険業法の責任準備金規定に依拠する。業法と会計規律が別法典に分かれる点で日本と構造が異なる
ドイツは前払金の受領自体を MaBV で厳格に制限し、保証を出す銀行側は銀行監督法制で規律する。買主保護の重心が受領制限側にある
米国は前払金をエスクロー口座で第三者に保管させる方式が中心で、保証機関の準備金規制は州保険法に委ねられる。日本の58条に相当する単一条文はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 引渡し予定日の三週間前、売主のデベロッパーが民事再生を申し立てた。あなたが払った手付金と中間金は合計一千五百万円。まず引っ張り出すべきは契約書ではなく重要事項説明書で、保全措置の欄に書かれた保証の担い手に請求を出す。ここから先は相手の決算期がいつかで、あなたの請求が帳簿に載るタイミングが変わる。残り時間の感覚を持っている買主とそうでない買主で、初動が二週間違う
- もし保証機関から「現在訴訟が係属しているため支払を保留する」と回答が来たらどうなる。58条3号は、まさにその訴訟係属中の金額を支払備金として積み立てよと命じている。払えない状態ではなく、払う準備を法律上させられている状態である
- あなたが指定保証機関の経理を担当している。決算期末、請求書はまだ届いていないが、保証先の宅地建物取引業者が事実上事業を停止したという情報が入った。2号の「支払う義務が生じたと認められる」はこの局面を指す。請求書の到着を待って計上を先送りすれば、積立義務違反として監督上の問題に直結する
- 友人が新築マンションの契約直前に相談してきた。あなたが見るべきは価格でも金利でもなく、重要事項説明書の保全措置欄である。誰が保証するのか、その相手の財務がどう規律されているのか、58条まで遡って説明できれば、友人は契約日までに質問を一つ増やせる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 重要事項説明書と契約書で保全措置の種類と保証の担い手を特定する。銀行等の保証委託契約か、保証保険契約か、指定保証機関か2. 売主の倒産や工事停止を知った時点で、金額が未確定でも書面で通知する。58条2号は「支払う義務が生じたと認められる金額」を積立対象とするため、通知が相手側の認識を作る3. 支払を渋られたら58条3号を示し、訴訟係属中でも積立義務があることを確認させる4. 内容証明郵便で請求日を固定し、時効の起算点を明確にしておく
訴えられた側:1. 決算期末の締めで、未払い、義務発生を認定した分、訴訟係属中の三区分を漏れなく洗い出す。争う姿勢と積立は別問題であり、争っているから積まないという処理は58条3号に正面から反する2. 積立と並行して支払義務の有無を法的に整理し、争点と会計処理を切り分けた記録を残す3. 売主側の宅地建物取引業者であれば、41条の保全措置を講じないまま手付金等を受領した事実がないか確認する。受領していれば買主側に支払拒絶権が生じている
時効(請求できる期限):58条自体には期限がなく、決算期ごとという周期そのものが義務の起算点になる。買主が保証契約に基づいて請求する権利には特定の時効がなく、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。起算点は保証事故の発生と、それを知った時点である(最新の改正状況をご確認ください)
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