要点宅地建物取引業法 58 条は、指定保証機関に決算期ごとの支払備金の積立てを義務づける。未払い分、支払義務が生じたと認められる分に加え、訴訟係属中で未払いの金額も積立対象となる。
Q · 保証機関と裁判で争っている間、保証金は完全に宙に浮くんですか?
訴訟中でも積立義務があり、資金がないという説明は通りません
宅地建物取引業法 58 条により、指定保証機関は決算期ごとに支払備金を積み立てる義務を負います。対象は、決算期までに支払が終わっていない保証金等(1 号)、支払義務が生じたと認められる金額(2 号)、訴訟が係属しているために支払っていない金額(3 号)の三区分です。重要なのは 3 号で、機関と裁判で争っている最中でも、敗訴時に支払う原資を帳簿上で確保させられています。したがって「訴訟中なので資金を用意できない」という説明は、制度上成り立ちません。
完成前のマンションに手付金と中間金で一千万円を入れた。その売主が着工の途中で倒産する。あなたを救うのが宅地建物取引業法41条の保全措置であり、その保証の担い手として国土交通大臣が指定するのが指定保証機関である。58条は、その機関の財布の中身を規律している。決算期ごとに、まだ払い終えていない保証金、支払義務が生じたと認められる金額、そして訴訟で争っている最中の金額、この三つを支払備金として積み立てよと命じる。効いてくるのは三号目だ。あなたが機関と法廷で争っている間も、機関側は負けたときに払う金を帳簿の上で確保する義務を負っている。資金繰りを理由に支払を先送りするという構図が、制度上そもそも成立しにくい。あなたの請求権には、相手の貸借対照表に先に席が取ってある。
宅地建物取引業法 58 条は、同法 41 条の手付金等の保全措置を担う指定保証機関の財務規律を定める規定であり、決算期ごとに、決算期までに支払が終わっていない保証金等、支払義務が生じたと認められる金額、訴訟係属中のため未払いの金額の三号について、支払備金として積み立てることを義務づける。
保証や保険の担い手が、まだ支払っていない債務を決算書上の負債として計上するために積み立てる金額です。宅地建物取引業法 58 条は指定保証機関にこの積立てを義務づけています。
宅地建物取引業法 41 条に基づき、手付金等の保全措置の担い手として国土交通大臣が指定する者です。銀行等や保険会社と並ぶ保証の受け皿で、58 条以下で財務規律が課されます。
未完成物件では、手付金等が代金の 5 パーセント以下かつ 1000 万円以下なら保全措置は不要です。この基準を超えると、業者は保全措置を講じなければ手付金等を受領できません。
違います。完成物件は代金の 10 パーセント以下かつ 1000 万円以下なら保全措置は不要です。未完成物件の 5 パーセント基準より緩く、同じ金額でも扱いが分かれます。
請求金額を書面で特定し、58 条 2 号・3 号の積立対象であることを指摘します。訴訟係属中でも積立義務がある以上、支払原資がないという説明は制度上成り立ちません。
宅地建物取引業法は指定保証機関を国土交通大臣の監督下に置いており、積立義務違反は監督上の措置や指定の取消しにつながる問題として扱われます。会計処理にとどまる話ではありません。
営業保証金(25 条)は業者が供託する一般的な取引損害の担保、保全措置(41 条)は前払いした手付金等そのものを返す仕組みです。目的も請求ルートも別系統です。
契約自体が無効になるわけではありません。ただし 41 条により買主は手付金等を支払わないことができ、この不払いは債務不履行にも解除事由にもなりません。
契約前に交付される重要事項説明書(宅地建物取引業法35条)に保全措置の概要が記載される。銀行等か保険会社か指定保証機関か、担い手の名前まで確認する。業界裏話ヒント:41条の「手付金等」には代金の一部として引渡し前に支払う中間金も含まれる。手付金だけを5パーセント以下に抑えて保全不要に見せる設計でも、中間金を足せば基準を超えて保全義務が生じる場面がある。合算で計算し直す買主はほとんどいない
帳簿の上では塩漬けではない。58条3号は、訴訟が係属しているために支払っていない金額を支払備金として積み立てよと明記している。争っている最中でも、機関側は敗訴時の支払原資を確保させられている。業界裏話ヒント:支払備金は決算書に表れる数字であり、監督官庁の目に触れる位置にある。積み上がった支払備金は機関側にとって説明コストになるため、長期化そのものが相手にも不利に働く
払わなくてよい。41条は、業者が保全措置を講じない場合、買主は手付金等を支払わないことができると定めている。この不払いは債務不履行にならず、契約解除の理由にもされない。業界裏話ヒント:先に払ってしまうと、この拒絶権は使い切られて消える。支払期日の圧力に押されて振り込む前に、保全措置の実施を書面で確認する順序を崩さないことが分水嶺になる
41条1項は銀行等のほかに国土交通大臣が指定する者を保証の担い手として認めており、それが指定保証機関である。実務で目にする保全措置は銀行の保証委託契約か損害保険会社の保証保険契約が中心である。業界裏話ヒント:重要事項説明書に書かれた保証の担い手の名称を見れば、どの枠組みが使われているかが判別できる。担い手が空欄や未定のまま契約日を迎える案件は、その一点だけで警戒に値する(指定の最新状況は国土交通省の公表資料でご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 58 条:指定保証機関の支払備金の積立て(保証する側の財務) | — |
| 守られる場面 | 保証機関に請求したが未払い・係争中である場面 | — |
| 買主から見た使い方 | 支払保留の説明を崩す根拠として提示する | — |
| 義務の周期 | 決算期ごとに繰り返し発生する継続的義務 | — |
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