宅地建物取引業法 第57条(責任準備金の計上)
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- 指定保証機関は、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるときは、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額を、事業年度ごとに責任準備金として計上しなければならない。
- 一当該保証契約の保証期間のうちまだ経過していない期間に対応する保証料の総額に相当する金額
- 二当該事業年度において受け取つた保証料の総額から当該保証料に係る保証契約に基づいて支払つた保証金(当該保証金の支払に基づく保証委託者からの収入金を除く。)、当該保証料に係る保証契約のために積み立てるべき支払備金及び当該事業年度の事業費の合計額を控除した残額に相当する金額
- 2.指定保証機関が前項の規定により責任準備金を計上した場合においては、その計上した金額は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の規定によるその計上した事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
- 3.前項の規定により損金の額に算入された責任準備金の金額は、法人税法の規定によるその翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
この条文の基本情報
責任準備金の計上とは何ですか?
定義責任準備金の計上とは、宅地建物取引業法第57条に定められた規定で、「指定保証機関は、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるときは、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額を、事業年度ごとに責任準備金として計上しなければな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第57条(責任準備金の計上)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第57条の条文原文は「指定保証機関は、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるときは、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額を、事業年度ごとに責任準備金として計上しなければな…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第57条は第三節 指定保証機関に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第57条の前の条は宅地建物取引業法第56条です。
- 宅地建物取引業法第57条の次の条は宅地建物取引業法第58条です。
- 宅地建物取引業法第57条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第57条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第57条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/57
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法57条は、指定保証機関に未経過保証契約の責任準備金計上を義務づける。1号と2号のうち多い金額を計上し、当年度は損金、翌年度は益金に算入する。
Q · 手付金を保証してくれる会社って、ちゃんとお金を積んでいるんですか?
はい。宅建業法57条が責任準備金の計上を義務づけています
宅地建物取引業法57条により、指定保証機関は事業年度末に未経過の保証契約があるとき、1号(未経過期間対応の保証料総額)と2号(当期受取保証料から支払保証金・支払備金・事業費を控除した残額)のうち多い方を責任準備金として計上しなければなりません。2項でその金額は当該事業年度の損金に算入され、3項で翌事業年度の益金に戻されます。つまり恒久的な減税ではなく課税の繰延べであり、国は税収を一年待つ代わりに保証の支払原資を社内に留めさせています。
解説
新築マンションの契約で、引渡し前に手付金500万円を売主業者に預けたとする。その業者が翌月に倒産したら、その500万円はどこから戻ってくるのか。答えの一つが指定保証機関であり、本条はその保証機関の財布の中身を規律している。受け取った保証料のうち、保証期間がまだ経過していない部分は、現金が手元にあっても利益として使ってはならない。責任準備金として計上させ、しかも二つの計算式のうち多い方を採らせる。さらに2項と3項で、積んだ金額はその事業年度の損金に算入し、翌事業年度に益金へ戻す。国は税収を一年待ってでも、積立を先にさせているということだ。重要事項説明で聞き流した「保全措置」という言葉の背後には、この会計規律が立っている。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法57条は、指定保証機関の責任準備金計上義務を定める規定である。事業年度末に未経過の保証契約がある場合、未経過期間に対応する保証料の総額と、当期受取保証料から支払保証金・支払備金・事業費を控除した残額のうち多い金額を責任準備金として計上させ、その額を当該年度の損金、翌年度の益金に算入する洗替方式を採る。
よくある質問 AI による整理
Q1責任準備金とは何ですか?
保証期間がまだ経過していない契約について、将来の支払に備えて計上する会計上の負債です。宅建業法57条1項が指定保証機関に計上を義務づけています。
Q2指定保証機関とは何ですか?
宅地建物取引業者が受領する手付金等について保証を引き受ける、国土交通大臣の指定を受けた法人です。保全措置の受け皿の一つとなります。
Q3責任準備金はいつ計上しますか?
事業年度末が基準時です。決算日時点で未経過の保証契約があるかを判定し、事業年度ごとに計上します(宅建業法57条1項)。
Q4責任準備金の計算方法は?
1号は未経過期間に対応する保証料の総額、2号は当期受取保証料から支払保証金・支払備金・当期事業費を控除した残額。両方を試算し多い方を採ります。
Q5責任準備金は損金になりますか?
なります。宅建業法57条2項が法人税法上の損金算入を認めています。ただし3項で翌事業年度に益金へ戻す洗替方式です。
Q6責任準備金と支払備金の違いは?
支払備金は既に発生した支払事由に対する見積計上、責任準備金は未経過期間のリスクに対する計上です。2号では支払備金が控除項目になります。
Q7責任準備金を積まないと違法ですか?
宅建業法57条1項は「計上しなければならない」と定める義務規定であり、不足計上は業法上の監督対象となります。税務上の否認とは別ルートです。
Q8手付金の保証は誰に請求しますか?
保証委託契約方式なら、保証書に記載された指定保証機関に直接請求します。同時に売主の破産手続における債権届出も検討してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1手付金は保証してもらってるって言われたんですけど、その保証会社が潰れたらどうなるんですか?
指定保証機関は国土交通大臣の指定を受け、本条で未経過保証料相当額を毎期責任準備金として積む義務を負う。ただし積立は会計上の負債計上であり、あなたの手付金が個別に隔離されているわけではない。実務のポイント:保全措置には保証や保険のほか、完成物件なら指定保管機関による寄託(第41条の2)がある。寄託は資金そのものが第三者へ移るため、倒産隔離の強さが違う。どの方式かを説明の場で必ず聞く
Q2責任準備金って、経理でよく聞く引当金と何が違うんですか?
引当金は将来の費用や損失の見積計上で、税務上認められる範囲が限られる。本条の責任準備金は法律が計上を命じ、2項で損金算入まで担保している点が違う。ただし3項で翌事業年度に益金へ戻す洗替方式であり、恒久的な減税ではなく繰延べにすぎない。実務のポイント:洗替である以上、実質的な節税額は毎期の積立増加分だけである。保証残高が横ばいの機関では税負担はほぼ動かない
Q3二つの金額のうち多い方って、普通どっちが大きくなるんですか?
1号は未経過期間に対応する保証料の総額、2号は当期に受け取った保証料から支払保証金・支払備金・当期事業費を控除した残額である。事故が少なく事業費も軽い年は2号が膨らみ、保証金の支払が多い年は1号が上回る。多い方を採るのは、どちらの計算でも安全側へ倒すためである。実務のポイント:期末直前に事業費の計上時期を動かすと2号の金額が変わる。税務調査で最初に見られるのはそこである
間違えやすい点 AI による整理
- 「保証機関が積んでいるお金は自分の手付金だ」という問いの立て方自体が誤っている。責任準備金は特定の契約ごとに現金を隔離する仕組みではなく、会計上の負債計上である。だから、自分の手付金が金庫のどこかに置かれていると考えると、倒産隔離の強さを読み違える
- 2項の損金算入だけを見て「保証機関は節税できる」と理解している人は多いが、3項が効く。翌事業年度に必ず益金へ戻す洗替方式であり、恒久的な減税ではなく課税の繰延べにすぎない。節税効果は毎期の積立増加分に限られ、保証残高が横ばいなら税負担は実質変わらない
- 受け取った保証料は、事業者から見れば提供したサービスの対価である。だが法律から見れば、未経過期間に対応する部分は将来の支払に備えて他人のために抱えている負債である。この落差を意識せずに保証料を当期の利益として配当や賞与に回すと、事故が集中した年に支払能力が足りなくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 宅建業法57条:指定保証機関の責任準備金計上義務(財務規律) | 宅建業法41条:手付金等の保全措置(取引規制) 宅建業法25条:営業保証金の供託(業者自身の担保) |
| 名宛人 | 指定保証機関 | 宅地建物取引業者(売主) 宅地建物取引業者 |
| 買主から見た効果 | 保証の支払原資が確保され、間接的に回収可能性が高まる | 保全措置なしでは手付金等の受領を拒める 営業保証金から弁済を受けられる |
| 税務上の扱い | 計上額は損金算入(2項)、翌期に益金算入(3項)の洗替 | 税務上の特則なし 供託金は資産計上、損金算入されない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保証機関型ではなく、不動産仲介業者に営業保証金の提存を求める構成が中心。未経過リスクの準備金規律は保険法側に置かれている
韓国も責任準備金の積立義務を保険業法に集約し、住宅分譲の前払保全は住宅都市保証公社(HUG)の保証制度が担う
ドイツは versicherungstechnische Rückstellungen として保険技術的引当金を商法典と監督法で規律。未経過保険料引当金(Beitragsüberträge)が本条1号に近い
米国は州保険監督法により statutory reserves を規律。不動産前払金の保全はエスクロー制度が中心で、保証機関の準備金規制とは経路が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、手付金800万円を払った3週間後に売主業者が破産手続開始の申立てをしたら? 最初に開くべきは売買契約書ではなく、重要事項説明書の保全措置欄である。そこに指定保証機関の名があるかどうかで、返還を求める相手が破産管財人になるか保証機関になるかが変わる。破産手続の債権届出期間を逃せば、配当の列に並ぶことすらできない
- 決算日まであと10日。指定保証機関の経理担当であるあなたは、1号の未経過保証料方式と2号の残額方式のどちらが大きいか、まだ試算していない。多い方を採らなかった決算書は、業法上の計上義務違反であると同時に、翌期の益金戻入れ(3項)の基礎まで狂わせる
- 取引先の宅地建物取引業者から「保全措置は済んでいます」と口頭で告げられた。あなたは保証書の写しを求めた。相手が渋った時点で、その取引は色が変わる
- 友人が新築マンションの契約でもめていて、手付金は戻るのかと相談してきた。そこで聞くべき質問は「いくら払った?」ではなく「保全措置は何方式?」である。金額ではなく方式が、回収経路と相手方を決める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手付金等を渡す前に、重要事項説明書で保全措置の方式(保証委託契約、保険、寄託)と相手方の名称を確認し、控えを保管する2. 保証委託契約なら保証書の交付を受けるまで金銭を渡さない。第41条は保全措置を講じた後でなければ受領できないと定めており、講じられていなければ支払を拒める3. 売主が倒産したら、保証書記載の指定保証機関へ直接請求する4. 同時に、破産手続の債権届出も並行して行う
訴えられた側:1. 責任準備金は1号と2号の両方を必ず試算し、多い方を採用した計算過程を決算調書に残す2. 2号の控除項目(支払保証金、支払備金、事業費)の期間帰属を証憑で固める。ここが更正の入口になる3. 3項の益金戻入れを翌期に確実に処理する。戻し漏れは翌期の過少申告になる4. 積立不足を指摘された場合、国土交通大臣による業法上の監督と税務上の否認は別ルートであることを整理し、対応窓口を分ける
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。計上義務の基準時は各事業年度末であり、決算確定時に判定される。税務上の更正・決定は法定申告期限から原則5年、偽りその他不正の行為があれば7年(国税通則法70条)。保証契約に基づく請求権は特定の時効規定がなく、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できると知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される。(最新の改正状況をご確認ください)
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