指定保証機関は、その者が宅地建物取引業者との間において締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額をこえることとなるときは、保証委託契約を締結してはならない。
要点宅地建物取引業法 60 条は、指定保証機関の保証債務の合計額が政令で定める額を超えることとなるときは、保証委託契約を締結してはならないと定める規定である。
Q · 手付金を守ってくれる保証機関って、いくらでも保証を引き受けられるんですか?
いいえ。引受総額に政令の上限があり、超えると新規契約は禁止です
宅地建物取引業法 60 条は、指定保証機関が宅地建物取引業者と締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額を超えることとなるときは、保証委託契約を締結してはならないと定めています。買主から見れば、手付金等の保全措置(同法 41 条)の受け皿が枯渇しうることを意味します。ただし枠が埋まっている場合でも、保険会社との保証保険契約や、完成物件なら指定保管機関との手付金等寄託契約という別方式が残されているため、取引が当然に流れるわけではありません。
新築マンションの契約日に払う手付金 500 万円。それが売主の倒産で消えずに済むのは、宅地建物取引業法 41 条が保全措置を義務づけているからだ。その受け皿の一つが指定保証機関で、業者に代わって返還債務を保証する。ところが 60 条は、その保証機関のほうに天井を設けた。引き受けた保証債務の合計額が政令で定める額を超えることになるなら、新たな保証委託契約を締結してはならない。理由は単純で、保証する側が倒れれば保全措置は紙切れになるからだ。つまりこの一条は、保証機関の財務体力を法律で縛り、あなたの手付金の後ろ側を支えている。売主が「保全措置は講じています」と言ったとき、あなたが確かめるべきは書面の有無だけではない。誰が、どの方式で保証しているかである。
宅地建物取引業法 60 条は、指定保証機関に対する引受総額の量的規制を定める規定である。同機関が宅地建物取引業者と締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が政令で定める額を超えることとなる場合、新たな保証委託契約の締結を禁止する。同法 41 条の手付金等の保全措置の実効性を、保証を提供する側の財務健全性から担保する。
宅地建物取引業者に代わって手付金等の返還債務を保証する機関で、国土交通大臣の指定を受けたものをいいます。同法 41 条の保全措置の受け皿の一つとして機能します。
銀行等または指定保証機関との保証委託契約、保険会社との保証保険契約、そして完成物件の場合の指定保管機関との手付金等寄託契約の三系統があります。方式ごとに請求先が異なります。
金額は宅地建物取引業法施行令に委任されており、改正されうる可変値です。具体額は e-Gov 法令検索で現行の施行令を確認してください。条文本体には金額の記載がありません。
宅地建物取引業法の主管である国土交通省です。指定の付与も取消しも同省の権限で、60 条違反は監督上の処分に結びつきます。
上限を超える保証委託契約の締結は禁止行為に当たり、監督上の処分、最も重い場合は指定の取消しにつながりえます。買主に対して直接の請求権を生じさせる規定ではありません。
断れます。同法 41 条は保全措置を講じた後でなければ手付金等を受領できないと定め、買主は保全措置が講じられるまで支払を拒むことができます。
保証を委託するのは宅地建物取引業者であるため、保証料の一次的な負担者は売主業者です。ただし販売価格や諸費用に転嫁される形で買主が実質負担することもあります。
保証の範囲は保全措置の対象となる手付金等の額に対応し、契約書と保証書の記載で確定します。受領済みの手付金等が対象で、損害賠償や逸失利益までは当然には含まれません。
未完成物件は代金の 5%または 1,000 万円を超えるとき、完成物件は 10%または 1,000 万円を超えるときに保全措置が義務づけられる(宅地建物取引業法 41 条、41 条の 2)。業界裏話ヒント:手付金等には契約後引渡し前に支払う中間金も含まれるので、名目を変えても義務は外れない。外れるのは所有権移転登記後の支払いだけで、支払スケジュールが登記日をまたぐ設計になっていたら、その意図を疑ってよい
流れる必要はない。41 条の保全措置は保証委託契約のほかに保険会社との保証保険契約があり、完成物件なら指定保管機関との手付金等寄託契約も選べる。60 条が塞ぐのは保証機関側の一本だけだ。業界裏話ヒント:方式が切り替わると保証料の負担者も書面の様式も変わる。切替えの提案が来たら、新しい保全措置の書面を受け取ってから入金する。書面より先に振り込んだ瞬間、保護の空白が生まれる
保証委託契約そのものが当然に無効になるとは限らない。60 条は保証機関に対する取締規定であり、違反は指定の取消しなど監督上の処分に結びつく性質のものだ。私法上の効力を直ちに失わせる規定ではないというのが一般的な理解だが、実務上、解釈が分かれている論点でもある。業界裏話ヒント:買主にとって切実なのは無効論ではなく、上限を超えた保証機関が本当に払えるのかという回収可能性の話である
保全措置の相手方が倒れても、売主である宅地建物取引業者に対する債権は残る。取引により生じた債権については、営業保証金(宅地建物取引業法 25 条以下)または保証協会の弁済業務保証金からの還付を申し立てる道がある。業界裏話ヒント:還付には限度額があり、供託額を超える請求が集中すれば按分になる。申立ての早さが回収率を左右するので、破綻の報を聞いた日に免許権者へ問い合わせる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の名宛人 | 60 条:指定保証機関(保証を提供する側) | — |
| 買主への効果 | 直接の請求権はなし。保証の質を裏側で維持する | — |
| 発動する場面 | 保証債務の合計額が政令の額を超えることとなるとき | — |
| 違反・不足時の帰結 | 監督上の処分、最も重い場合は指定の取消し | — |
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