宅地建物取引業法 第60条(契約締結の禁止)
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指定保証機関は、その者が宅地建物取引業者との間において締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額をこえることとなるときは、保証委託契約を締結してはならない。
この条文の基本情報
契約締結の禁止とは何ですか?
定義契約締結の禁止とは、宅地建物取引業法第60条に定められた規定で、「指定保証機関は、その者が宅地建物取引業者との間において締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額をこえることとなるときは、保証委託契約を締…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第60条(契約締結の禁止)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第60条の条文原文は「指定保証機関は、その者が宅地建物取引業者との間において締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額をこえることとなるときは、保証委託契約を締…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第60条は第三節 指定保証機関に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第60条の前の条は宅地建物取引業法第59条です。
- 宅地建物取引業法第60条の次の条は宅地建物取引業法第61条です。
- 宅地建物取引業法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法60条は、指定保証機関の保証債務の合計額が政令で定める額を超えることとなるときは、保証委託契約を締結してはならないと定める規定である。
Q · 手付金を守ってくれる保証機関って、いくらでも保証を引き受けられるんですか?
いいえ。引受総額に政令の上限があり、超えると新規契約は禁止です
宅地建物取引業法60条は、指定保証機関が宅地建物取引業者と締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が、政令で定める額を超えることとなるときは、保証委託契約を締結してはならないと定めています。買主から見れば、手付金等の保全措置(同法41条)の受け皿が枯渇しうることを意味します。ただし枠が埋まっている場合でも、保険会社との保証保険契約や、完成物件なら指定保管機関との手付金等寄託契約という別方式が残されているため、取引が当然に流れるわけではありません。
解説
新築マンションの契約日に払う手付金500万円。それが売主の倒産で消えずに済むのは、宅地建物取引業法41条が保全措置を義務づけているからだ。その受け皿の一つが指定保証機関で、業者に代わって返還債務を保証する。ところが60条は、その保証機関のほうに天井を設けた。引き受けた保証債務の合計額が政令で定める額を超えることになるなら、新たな保証委託契約を締結してはならない。理由は単純で、保証する側が倒れれば保全措置は紙切れになるからだ。つまりこの一条は、保証機関の財務体力を法律で縛り、あなたの手付金の後ろ側を支えている。売主が「保全措置は講じています」と言ったとき、あなたが確かめるべきは書面の有無だけではない。誰が、どの方式で保証しているかである。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法60条は、指定保証機関に対する引受総額の量的規制を定める規定である。同機関が宅地建物取引業者と締結する保証委託契約に係る保証債務の額の合計額が政令で定める額を超えることとなる場合、新たな保証委託契約の締結を禁止する。同法41条の手付金等の保全措置の実効性を、保証を提供する側の財務健全性から担保する。
手順
- 1.重要事項説明で保全措置の方式と相手方を特定する 重要事項説明書と契約書から手付金等の保全措置の条項を抜き出し、保証委託契約・保証保険契約・手付金等寄託契約のどれか、相手方の名称は何かを口頭で確認して記録する。有無だけを聞いても請求先は特定できない
- 2.保証委託契約方式なら保証機関へ保証の存否を照会する 相手方が指定保証機関である場合、物件名・契約日・手付金額を添えて、自分の取引についての保証の存否と保証書の交付状況を直接照会する。売主の破産手続開始後は管財人経由となり数か月止まるため、不安が出た時点で動く
- 3.方式変更を提案されたら新方式の書面を受領してから入金する 保証機関の枠を理由に保証保険契約や手付金等寄託契約への切替えを提案された場合、切替え自体は違法ではない。ただし新しい保全措置の書面を受け取る前に振り込むと保護の空白期間が生じるため、書面到達を入金の条件にする
- 4.保全措置がないまま請求されたら免許権者へ申し出る 保全措置を講じないまま手付金等を求められたら支払を拒み、宅地建物取引業法41条違反として免許権者である国土交通大臣または都道府県知事に申し出る。売主が破綻した場合は営業保証金や保証協会の弁済業務保証金からの還付も並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1指定保証機関とは何ですか?
宅地建物取引業者に代わって手付金等の返還債務を保証する機関で、国土交通大臣の指定を受けたものをいいます。同法41条の保全措置の受け皿の一つとして機能します。
Q2手付金等の保全措置にはどんな方式がありますか?
銀行等または指定保証機関との保証委託契約、保険会社との保証保険契約、そして完成物件の場合の指定保管機関との手付金等寄託契約の三系統があります。方式ごとに請求先が異なります。
Q3宅建業法60条の政令で定める額はいくらですか?
金額は宅地建物取引業法施行令に委任されており、改正されうる可変値です。具体額は e-Gov 法令検索で現行の施行令を確認してください。条文本体には金額の記載がありません。
Q4指定保証機関を監督しているのはどこですか?
宅地建物取引業法の主管である国土交通省です。指定の付与も取消しも同省の権限で、60条違反は監督上の処分に結びつきます。
Q560条に違反した保証機関はどうなりますか?
上限を超える保証委託契約の締結は禁止行為に当たり、監督上の処分、最も重い場合は指定の取消しにつながりえます。買主に対して直接の請求権を生じさせる規定ではありません。
Q6保全措置なしで手付金を請求されたら断れますか?
断れます。同法41条は保全措置を講じた後でなければ手付金等を受領できないと定め、買主は保全措置が講じられるまで支払を拒むことができます。
Q7保証委託契約の保証料は誰が払うのですか?
保証を委託するのは宅地建物取引業者であるため、保証料の一次的な負担者は売主業者です。ただし販売価格や諸費用に転嫁される形で買主が実質負担することもあります。
Q8指定保証機関が保証するのは手付金の全額ですか?
保証の範囲は保全措置の対象となる手付金等の額に対応し、契約書と保証書の記載で確定します。受領済みの手付金等が対象で、損害賠償や逸失利益までは当然には含まれません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1手付金って、いくらから保全措置が必要になるんですか?
未完成物件は代金の5%または1,000万円を超えるとき、完成物件は10%または1,000万円を超えるときに保全措置が義務づけられる(宅地建物取引業法41条、41条の2)。実務のポイント:手付金等には契約後引渡し前に支払う中間金も含まれるので、名目を変えても義務は外れない。外れるのは所有権移転登記後の支払いだけで、支払スケジュールが登記日をまたぐ設計になっていたら、その意図を疑ってよい
Q2保証機関の枠がいっぱいだと言われたら、契約は流れるんですか?
流れる必要はない。41条の保全措置は保証委託契約のほかに保険会社との保証保険契約があり、完成物件なら指定保管機関との手付金等寄託契約も選べる。60条が塞ぐのは保証機関側の一本だけだ。実務のポイント:方式が切り替わると保証料の負担者も書面の様式も変わる。切替えの提案が来たら、新しい保全措置の書面を受け取ってから入金する。書面より先に振り込んだ瞬間、保護の空白が生まれる
Q360条に違反して結ばれた保証契約は、無効になるんですか?
保証委託契約そのものが当然に無効になるとは限らない。60条は保証機関に対する取締規定であり、違反は指定の取消しなど監督上の処分に結びつく性質のものだ。私法上の効力を直ちに失わせる規定ではないというのが一般的な理解だが、実務上、解釈が分かれている論点でもある。実務のポイント:買主にとって切実なのは無効論ではなく、上限を超えた保証機関が本当に払えるのかという回収可能性の話である
Q4保証機関が払えなくなったら、買主はもう何も取り戻せないんですか?
保全措置の相手方が倒れても、売主である宅地建物取引業者に対する債権は残る。取引により生じた債権については、営業保証金(宅地建物取引業法25条以下)または保証協会の弁済業務保証金からの還付を申し立てる道がある。実務のポイント:還付には限度額があり、供託額を超える請求が集中すれば按分になる。申立ての早さが回収率を左右するので、破綻の報を聞いた日に免許権者へ問い合わせる
間違えやすい点 AI による整理
- 「保全措置は取られていますか」という問いの立て方が、すでに半分外している。41条の保全措置は方式が複数あり、銀行等との保証委託契約、保険会社との保証保険契約、完成物件なら指定保管機関との手付金等寄託契約に分かれる。問うべきは有無ではなく方式と相手方で、そこまで聞いて初めて、いざというときの請求先が特定できる
- 保証機関に引受けの限度があること自体は業界では知られている。だが限度が「一件ごと」ではなく「保証債務の額の合計額」に掛かっている点までは意識されていない。だから大型分譲の集中期には、財務が健全な業者であっても保証委託契約が結べない局面が生じる。契約できない理由が、あなたの物件や売主の信用とは無関係に発生しうる
- 買主から見れば60条は自分に何の権利も与えない条文に見える。法律から見れば、これは保証機関の側に締結禁止という不作為義務を課した規定で、違反は監督上の処分に結びつく。この落差が意味するのは、直接振りかざす条文ではなく、保証の質を国が裏側で維持する仕組みだということだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の名宛人 | 60条:指定保証機関(保証を提供する側) | 41条:宅地建物取引業者(売主側) 25条:宅地建物取引業者(免許取得の前提として) |
| 買主への効果 | 直接の請求権はなし。保証の質を裏側で維持する | 保全措置が講じられるまで手付金等の支払を拒める 取引により生じた債権について供託金からの還付を申し立てられる |
| 発動する場面 | 保証債務の合計額が政令の額を超えることとなるとき | 手付金等が一定割合または一定額を超えるとき 業者が債務を履行できず、買主が債権を回収できないとき |
| 違反・不足時の帰結 | 監督上の処分、最も重い場合は指定の取消し | 業務停止等の監督処分、買主の支払拒絶 還付は供託額が限度。請求集中時は按分となりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は予約販売住宅について、不動産開発信託・価金返還保証・価金信託・同業連帯担保・公会連帯保証といった複数方式から選択させる。方式を並列させる設計は日本の41条と近いが、保証提供者側の引受総額に対する法定の上限規制という切り口は日本ほど明確ではない
韓国は分譲保証を公的機関である HUG に集中させ、保証総額の管理も同機関の健全性規制の中で行う。民間の指定機関を複数置きつつ法律で総額の天井を課す日本と、制度設計の重心が異なる
ドイツは Bauträger(開発業者)に対し、購入者からの前受金について保証や担保の提供を義務づける。規律の名宛人が業者側に置かれており、保証提供機関の引受総額を法律で直接制限する構造ではない
米国は連邦統一法を持たず、州ごとにブローカーの預り金の分別管理義務として規律する。第三者保証機関を制度化して総額規制をかける発想は一般的ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし契約日当日、売主から「保証機関の枠が足りないので保証保険契約に切り替えます」と言われたら? 方式が変わること自体は違法ではない。だが41条の要件を満たす書面を受け取るまで、手付金を振り込んではならない。方式変更の説明が曖昧なまま入金し、後になって保全措置の空白期間があったと知る買主は現実にいる
- あなたが指定保証機関の引受担当で、期末の駆け込み案件が積み上がっている。保証債務の合計額が政令の上限に迫っているのに、大口の業者から強い要請が来る。ここで一件を通した瞬間、60条違反となり、指定の取消しという最も重い結果に直結する
- 売主は中堅デベロッパー。手付金800万円、引渡しは1年後。保全措置の相手方が誰かを、契約書のどこで確認するか即答できるか
- 引渡しまであと40日、売主の資金繰りの噂が流れ始めた。保全措置が保証委託契約なら、保証機関に自分の物件について保証の存否を直接照会できる。動きが遅れて売主が破産手続に入れば、確認は破産管財人経由となり、数か月単位で止まる
- 友人が「手付金は保全されているから大丈夫」と言ってきた。あなたが返すべき問いは一つ、保全の相手方は銀行か、保険会社か、指定保証機関か。方式によって、いざというときの請求先も手続も違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書と重要事項説明書から保全措置の条項を抜き出し、方式と相手方の名称を特定する2. 保証委託契約なら、保証機関へ自分の物件についての保証の存否を直接照会する3. 売主が保全措置を講じないまま手付金を求めてきたら、宅地建物取引業法41条違反として免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)に申し出る4. 支払済みで売主が破綻したら、保全措置の相手方に請求すると同時に、営業保証金(同法25条)や保証協会の弁済業務保証金からの還付を並行して検討する
訴えられた側:1. 引受残高を政令上限との関係で日次管理し、締結可否の判定を営業ラインから切り離す2. 上限に接近したら、業者側へ保証保険契約など他の保全方式への切替えを早期に案内し、契約日直前の混乱を避ける3. 上限超過の疑いがある契約を締結していた場合は、自主的に監督官庁へ報告する。60条違反は指定の取消しに直結しうるため、隠したまま発覚した場合の帰結が最も重い
時効(請求できる期限):60条自体に期間の定めはない。買主が保証委託契約に基づく保証債務の履行を求める場合は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)による。営業保証金の還付や保証協会への認証申立ては別途の手続期限があるため、売主の破綻を知った日に並行して確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:60条は指定保証機関に対する取締規定であり、違反は指定の取消しを含む監督上の処分に結びつく。上限を超えて締結された保証委託契約の私法上の効力を当然に失わせる規定ではないと解されるが、実務上は解釈の分かれる論点である
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