宅地建物取引業法 第61条(改善命令)
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国土交通大臣は、指定保証機関が第五十二条第二号から第四号までの規定に該当することとなつた場合において、買主の利益を保護するため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該指定保証機関に対し、財産の状況又はその事業の運営を改善するため必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
改善命令とは何ですか?
定義改善命令とは、宅地建物取引業法第61条に定められた規定で、「国土交通大臣は、指定保証機関が第五十二条第二号から第四号までの規定に該当することとなつた場合において、買主の利益を保護するため必要かつ適当であると認めるときは、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第61条(改善命令)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第61条の条文原文は「国土交通大臣は、指定保証機関が第五十二条第二号から第四号までの規定に該当することとなつた場合において、買主の利益を保護するため必要かつ適当であると認めるときは、…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第61条は第三節 指定保証機関に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第61条の前の条は宅地建物取引業法第60条です。
- 宅地建物取引業法第61条の次の条は宅地建物取引業法第62条です。
- 宅地建物取引業法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法61条は、指定保証機関が52条2号から4号に該当したとき、国土交通大臣が買主保護に必要な限度で改善措置を命じられると定める。
Q · 手付金を保証してくれる会社自体が危なくなったら、誰が止めてくれるの?
国土交通大臣が改善命令で立て直させます
宅地建物取引業法61条により、指定保証機関が同法52条2号から4号(財産的基礎の不足、定款・事業方法書の法令違反、保証委託契約約款の基準不適合)に該当したとき、国土交通大臣は買主の利益を保護するため必要な限度で、財産の状況または事業運営を改善する措置を命じることができます。この命令は行政指導ではなく処分であり、従わなければ82条6号の罰金100万円以下、62条2項7号の指定取消しまたは6か月以内の業務停止が科されます。
解説
青田買いで払った手付金は、引渡しの日まで売主である宅地建物取引業者の口座にある。倒産すれば消える。だから宅地建物取引業法41条は、工事完了前の物件で代金の5パーセントを超える手付金等を受け取る前に保全措置を義務づけた。その選択肢の一つが、国土交通大臣の指定を受けた保証機関による保証である。ではその保証機関自身が傾いたら、誰が買主を守るのか。それが61条だ。財産的基礎が足りない、定款や事業方法書が法令に反する、保証委託契約約款が省令基準に合わない。この三つ(52条2号から4号)に該当したとき、国土交通大臣は買主の利益を保護するため必要な限度で、財産の状況や事業運営の改善を命じることができる。あなたが受け取った保証書の裏側では、保証人の健康診断が国の権限で続いている。逆にいえば、あなたが確認すべきは「保全措置あり」の一言ではなく、誰が保証人なのかという一行のほうだ。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法61条は、手付金等の保全措置を担う指定保証機関に対する監督規定である。指定保証機関が同法52条2号から4号の指定基準に抵触した場合、国土交通大臣は買主の利益を保護するため必要かつ適当と認めるときに限り、その必要の限度において、財産の状況または事業の運営を改善するため必要な措置を命ずることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.重要事項説明書で保全措置の方式を特定する 重要事項説明書と37条書面の保全措置欄を開き、41条1項1号の保証委託契約か、2号の保証保険契約かを確認する。「保全措置あり」の一言で止めず、方式の号数まで読み取る
- 2.保証人の名称を口に出して確認する 1号方式の場合、保証人が銀行なのか指定保証機関なのかを担当者に確認し、法人名を書面上で特定する。指定保証機関であれば、61条の改善命令が効いてくる相手だと判断できる
- 3.保証を約する書面の原本を保管する 手付金等を支払う前に、保証を約する書面の原本を受領して保管する。書面が交付されない、または保全措置が講じられていないときは、41条4項により手付金等の支払自体を拒める
- 4.保証人の財務に不安があれば処分等の求めを申し出る 決算公告等で保証人の財務悪化が疑われる場合、国土交通省の担当部局へ行政手続法36条の3に基づく処分等の求めを書面で申し出る。何人にも認められた申出であり、行政庁に調査義務が生じる
- 5.指定保証機関側は弁明の機会で改善計画を先出しする 命令を受ける側は、弁明の機会の付与(行政手続法13条1項2号)の段階で自主的な改善計画を提出し、「その必要の限度」の中身を行政と詰める。命令後の是正より命令の射程が狭くなる
よくある質問 AI による整理
Q1宅地建物取引業法61条とは何ですか?
手付金等の保全を担う指定保証機関が指定基準に抵触したとき、国土交通大臣が財産状況や事業運営の改善措置を命じられる監督規定です。買主保護に必要な限度でのみ発動されます。
Q2指定保証機関とは何ですか?
宅地建物取引業法41条1項1号の保証委託契約の相手方として、国土交通大臣の指定を受けた法人です。工事完了前物件の手付金等を保証し、売主が倒産しても買主に返還する役割を担います。
Q3改善命令に従わないとどうなりますか?
82条6号により100万円以下の罰金、さらに62条2項7号により指定の取消しまたは6か月以内の業務停止処分が科されます。改善命令は制裁ではなく最後の猶予期間です。
Q452条2号から4号とはどんな内容ですか?
2号は保証業務を的確に遂行する財産的基礎の不足、3号は定款・事業方法書等の書類が法令に適合しないこと、4号は保証委託契約約款が国土交通省令の基準に適合しないことです。
Q5改善命令はいつまでに争えますか?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条1項)、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条1項)。処分の日から1年で出訴期間が切れます。
Q6保証委託契約と保証保険契約はどう違いますか?
41条1項1号の保証委託契約は銀行や指定保証機関が保証人となる方式、2号の保証保険契約は保険会社との保険契約による方式です。61条が効くのは前者の指定保証機関の場合です。
Q7完成物件の手付金にも61条は適用されますか?
完成物件の手付金等を預かる指定保管機関には、63条の3第2項を通じて61条が準用されます。工事完了前でも完了後でも、同じ改善命令の枠組みが背後にあります。
Q8手付金等の保全措置はいくらから必要ですか?
工事完了前の物件では、手付金等が代金の5パーセントを超えるか政令で定める額を超える場合に保全措置が義務づけられます。この線以下なら41条1項ただし書で保全措置は不要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1マンションの手付金って、保全措置さえあれば絶対に戻ってくるんですか?
戻す仕組みはありますが、前提は保証人の資力です。だから61条は保証機関の財産状況に国が踏み込む権限を置いています。しかも41条1項ただし書により、工事完了前の物件でも手付金等が代金の5パーセント以下かつ政令で定める額以下なら、保全措置そのものが不要です。実務のポイント:この5パーセントの線を意識して手付金額を設定する売主は珍しくない。契約前に手付金と代金の比率を電卓で叩く買主は、ほとんどいない
Q2改善命令って、要するに行政指導みたいなものですよね?
違う。処分性のある行政処分であり、違反すれば82条6号の罰金と62条2項7号の指定取消・6か月以内の業務停止が待っています。実務のポイント:宅地建物取引業法62条3項は「指示」と「業務停止」には聴聞を義務づけているが、61条の改善命令は挙げていない。原則として弁明の機会の付与(行政手続法13条1項2号)にとどまり、書面一往復で命令が固まりうる。言いたいことは弁明書に全部書き切るしかない
Q3買主の立場で、保証してくれる会社が危ないと思ったら何かできますか?
61条の名宛人は保証機関であり、買主に命令を出させる申請権はありません。ただし行政手続法36条の3の処分等の求めは何人にも認められ、書面で申し出れば行政庁に調査義務が生じます(応答義務まではない)。実務のポイント:同じ41条1項1号の保証でも、保証人が銀行であるケースが実務では多い。保証書の発行元名を見るだけで、この条文が効いてくる相手かどうかが判別できる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「保全措置が講じられている=安全」だが、法律から見れば安全なのは保証人の資力が続いている限りである。61条という条文が存在すること自体が、保証人も傾きうるという立法者の前提を告白している。この落差に気づかないまま、多くの買主は保証書の発行元を確認せずに数千万円を前払いする
- 改善命令を行政指導の一種と受け止める向きがあるが、これは処分性のある行政処分である。従わなければ82条6号で100万円以下の罰金、62条2項7号で指定取消または業務停止が落ちる。裏を返せば、名宛人には審査請求と取消訴訟で争う道が正面から開かれている。行政指導なら争えず、処分なら争える。この差は決定的だ
- 61条が国土交通大臣の権限であることは知っていても、「その必要の限度において」という一句の重さは見落とされやすい。これは比例原則を条文に書き込んだものであり、命令の内容が買主保護という目的に対して過剰なら、行政事件訴訟法30条の裁量権の逸脱濫用として取り消されうる。条文に埋め込まれた歯止めが、そのまま名宛人の反撃の足場になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動要件 | 61条:52条2号から4号(財産的基礎・書類・約款)に該当 | 62条2項2号:52条1号・6号・7号(資本金・罰金前科・役員欠格)に該当 82条6号:61条の改善命令に違反した事実 |
| 効果 | 財産の状況または事業運営の改善措置を命ずる(猶予段階) | 指定の取消し、または6か月以内の業務停止 100万円以下の罰金(刑事罰) |
| 限界の歯止め | 「買主の利益を保護するため必要かつ適当」かつ「その必要の限度において」の二重制約 | 要件該当が明確なため裁量の余地が狭い 罪刑法定主義により命令の適法性が前提 |
| 争う手段 | 審査請求・取消訴訟(裁量権の逸脱濫用、行政事件訴訟法30条) | 同左(62条3項の聴聞手続が前置される類型あり) 刑事手続での防御(前提となる命令の違法性を争う) |
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、引渡しの三か月前に売主の分譲会社が民事再生を申し立てたら? 支払済みの手付金1,200万円の行方は、あなたが受け取った保証書の発行元で決まる。銀行の保証か、保険会社の保証保険か、国土交通大臣の指定を受けた保証機関か。三つ目だった場合、その機関が61条の改善命令を受けている最中かどうかが、回収の現実味を左右する
- 指定保証機関の経営企画にいるあなたのもとに、国土交通省から改善命令に向けた弁明の機会の通知が届いた。責任準備金の計上が57条の水準に届いていない。弁明書の提出期限は二週間後。命令が出たあとに従えなければ、62条2項7号で指定取消または6か月以内の業務停止、さらに82条6号で100万円以下の罰金。改善命令は制裁ではなく、最後に残された猶予期間である
- 重要事項説明で「手付金の保全措置は講じています」と言われ、あなたは頷いた。誰が保証人になるのかは聞かなかった。その一行を口に出して聞ける買主が、100人のうち何人いるだろうか
- 小規模デベロッパーの営業部長であるあなたは、保証委託先を保証料の安さで選んだ。その保証機関が改善命令を受け、新規の受託を絞り始める。契約済みの分譲案件で保全措置が組めなくなれば、41条4項により買主は手付金等の支払そのものを拒める。資金繰りが先に止まるのはあなたの側だ
- 決算公告を見たら、保証書に名前の載っている保証機関が債務超過寸前だった。買主のあなたは命令の名宛人ではないから何もできない、と思うかもしれない。だが行政手続法36条の3の処分等の求めは、何人にも開かれている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 重要事項説明書と37条書面から保全措置の方式(41条1項1号の保証委託契約か2号の保証保険契約か)と保証人の名称を特定し、保証を約する書面の原本を保管する2. 売主の資金繰りに不安が出たら、売主ではなく保証人へ直接連絡し、保証債務の有効性と請求手順を確認する3. 保証人側の財務に不安があるなら、国土交通省の担当部局へ行政手続法36条の3に基づく処分等の求めを書面で申し出る4. そもそも保全措置が講じられていないなら、41条4項により手付金等の支払自体を拒める
訴えられた側:1. 命令の根拠が52条2号から4号のどれかを特定する。財産的基礎(2号)なら責任準備金57条・支払備金58条・保証基金59条の計上状況、書類(3号)なら定款と事業方法書の記載、約款(4号)なら国土交通省令の基準との差分を洗う2. 弁明の機会で改善計画を先に提出し、命令の射程を「必要の限度」へ絞り込ませる3. 命令が過剰なら審査請求または取消訴訟で裁量権の逸脱濫用を主張する4. 争いながらも命令には従う。違反は82条6号の罰金と62条2項7号の指定取消に直結する
時効(請求できる期限):61条自体に期間の定めはない。命令を争う側は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に国土交通大臣へ審査請求(行政不服審査法18条1項)、または処分があったことを知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条1項、処分の日から1年で出訴期間が切れる同条2項)。改善命令違反による82条6号の罰金は法定刑が罰金のみのため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)中央省庁等改革関係法施行法(平成13年施行) 監督権者の呼称が「建設大臣」から「国土交通大臣」へ変更された。権限の実質に変更はない。指定保証機関制度そのものの創設年および条文の新設・改正の別は要人的検証
改正の年表
- 1.平成11年(1999年)成立・平成13年(2001年)施行 改正:中央省庁等改革関係法施行法により、監督権者の呼称が「建設大臣」から「国土交通大臣」へ変更された。権限の実質に変更はない
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