要点宅地建物取引業法62条は、指定保証機関に対し国土交通大臣が指示、指定の取消し、6か月以内の業務停止を命じられると定める。指示と業務停止には聴聞が必要となる。
Q · 指定保証機関が受ける「指示」って、行政指導みたいなものですか?
名称は指示でも聴聞つきの不利益処分で、争える期限が走ります
宅地建物取引業法62条1項の指示は、行政手続法2条4号の不利益処分です。だからこそ同条3項は、行政手続法13条1項の意見陳述手続の区分にかかわらず聴聞を行わなければならないと定めています。指示に従わないことは、それ自体が2項の取消事由となり、指定の取消しや6か月以内の手付金等保証事業の停止に直結します。処分を受けた側は、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内という期限のなかで争うことになります。
青田買い、つまり工事完了前のマンションを契約したとき、あなたが払う手付金の安全は、宅地建物取引業法41条の保全措置にぶら下がっている。その保全措置の担い手の一つが、国土交通大臣の指定を受けた指定保証機関だ。62条は、その機関が関係者に損害を与えたとき、不誠実な行為をしたとき、他の法令に違反したときに、大臣が必要な指示を出せると定め、さらに不正な手段で指定を受けた場合や指示に従わなかった場合には、指定の取消しか6か月以内の業務停止を命じられるとする。多くの人が読み落とすのは3項だ。指示という柔らかい響きの処分であっても、大臣は必ず聴聞を開かなければならない。弁明の機会の付与では足りない。聴聞になれば、処分を受ける側は行政手続法18条の文書閲覧請求権を持ち、役所が握っている不利益処分の原因となる事実の資料を見られる。名称は指示でも、法的には争える処分であり、手続保障が一段高く設定されている。この一行の差が、反論できるかどうかを分ける。
宅地建物取引業法62条は、手付金等の保全措置を担う指定保証機関に対する国土交通大臣の監督処分を定める規定である。1項は関係者への損害、不誠実な行為、他法令違反を理由とする指示を、2項は不正な手段による指定取得や指示への不服従等を理由とする指定の取消しおよび6か月以内の業務停止を規定し、3項は指示と業務停止について聴聞を義務づける。
手付金等保証事業を営むものとして国土交通大臣の指定を受けた機関です。宅地建物取引業者が受け取る手付金等の保全措置の担い手の一つで、宅地建物取引業法62条により大臣の監督下に置かれます。
工事完了前の物件は代金の5%または1,000万円を超えるとき、完成物件は代金の10%または1,000万円を超えるときに保全措置が必要です。根拠は宅地建物取引業法41条・41条の2です。
6か月以内です。宅地建物取引業法62条2項は、国土交通大臣が指定の取消しか、6か月以内の期間を定めた手付金等保証事業の全部または一部の停止を選べると定めています。
是正を求められるだけでなく、従わなかったこと自体が62条2項の取消事由になります。指示は次の段階である指定取消し・業務停止への引き金であり、放置は最も危険な対応です。
名宛人が違います。62条は指定保証機関への処分、宅地建物取引業者への指示・業務停止・免許取消しは別の条文が定めます。保証の担い手と保証を利用する業者では、監督の系統が分かれています。
国土交通省が公表する監督処分情報から確認できます。重要事項説明書に記載された保全措置の相手方の名称を控え、その名称で処分の有無を照会するのが実務的な手順です。
処分前です。62条3項により、大臣は指示をしようとするとき、また業務停止を命じようとするときに聴聞を行わなければなりません。処分後の不服申立てとは別に、事前の手続保障が置かれています。
争えます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内です。実務上の主戦場は裁量権の逸脱・濫用(行政事件訴訟法30条)になります。
違う。1項の指示は行政手続法2条4号の不利益処分であり、だからこそ3項が聴聞を義務づけている。従わなければ、それ自体が2項の取消事由となり、指定の取消しや業務停止に直結する。業界裏話ヒント:行政指導なら従う義務はなく取消訴訟の対象にもならないが、処分なら審査請求と取消訴訟の期限が走り出す。名称ではなく、聴聞や弁明の機会が用意されているかどうかで見分けるのが実務の目印だ
指定の取消しは、その機関が今後この制度の担い手であり続ける資格を失わせる処分であって、成立済みの保証契約の私法上の効力を当然に消すものではない。危ないのは、売主業者が保全措置を講じ直さないまま次の手付金等を求めてくる場面で、そのときは41条により支払いを拒める。業界裏話ヒント:保証証書の原本は契約書と同じ引き出しに入れておく。処分の有無より、証書が手元にあるかどうかで動ける速さが変わる
決定的に違う。聴聞は口頭でのやりとりが原則で、行政手続法18条の文書閲覧請求権が使え、役所が持つ不利益処分の原因となる事実の資料を見られる。弁明の機会の付与は原則として書面提出のみで、閲覧権はない。62条3項は、通常なら弁明で足りるはずの指示にまで聴聞を義務づけている。業界裏話ヒント:閲覧できるのは聴聞の通知から終結までの間だけ。この窓を逃すと、訴訟段階で文書提出命令という重い手続を踏むことになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人 | 62条:指定保証機関(保全の担い手) | — |
| 内容 | 必要な指示/指定の取消し/6か月以内の業務停止 | — |
| 手続保障 | 指示・業務停止のいずれにも聴聞が義務(3項)、16条の15第3項〜第5項を準用(4項) | — |
| 従わないときの帰結 | 指示への不服従が2項の取消事由となり、指定取消し・業務停止に接続 | — |
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