宅地建物取引業法 第13条(名義貸しの禁止)
クイックジャンプ
- 宅地建物取引業者は、自己の名義をもつて、他人に宅地建物取引業を営ませてはならない。
- 2.宅地建物取引業者は、自己の名義をもつて、他人に、宅地建物取引業を営む旨の表示をさせ、又は宅地建物取引業を営む目的をもつてする広告をさせてはならない。
この条文の基本情報
名義貸しの禁止とは何ですか?
定義名義貸しの禁止とは、宅地建物取引業法第13条に定められた規定で、「宅地建物取引業者は、自己の名義をもつて、他人に宅地建物取引業を営ませてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第13条(名義貸しの禁止)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第13条の条文原文は「宅地建物取引業者は、自己の名義をもつて、他人に宅地建物取引業を営ませてはならない。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第13条は第二章 免許に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第13条の前の条は宅地建物取引業法第12条です。
- 宅地建物取引業法第13条の次の条は宅地建物取引業法第14条です。
- 宅地建物取引業法第13条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第13条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第13条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法13条は、宅建業者が自己の名義で他人に宅建業を営ませること、および営業する旨の表示・広告をさせることを禁じる。取引が成立していなくても違反は成立する。
Q · 知り合いの業者に会社の名前だけ貸すのは、本当にダメなんですか?
名義料の有無も件数も関係なく、名前を出させた時点で違反です
宅地建物取引業法13条1項は、宅建業者が自己の名義で他人に宅建業を営ませることを禁じ、2項は自己の名義で営業する旨の表示や広告をさせることを禁じています。2項が別に置かれているため、取引が一件も成立していなくても、看板を掲げさせた、チラシに社名を載せさせた段階で違反は完成します。制裁は刑事(79条:3年以下の拘禁刑と300万円以下の罰金の併科)、行政(65条の業務停止、66条の免許取消し)、民事(商法14条・会社法9条の名板貸し責任)の三方向から届きます。
解説
不動産業界には昔から「免許を貸す」商売がある。月々の名義料と引き換えに、免許のない者に自社の看板で取引をさせる。宅地建物取引業法13条が正面から禁じているのがこれだ。1項は営業させることを、2項は営業する旨の表示や広告をさせることを禁じる。表示・広告を別項に切り出したところが肝で、取引が一件も成立していなくても、看板を掲げさせただけ、チラシに社名を載せさせただけで違反は完成する。制裁は三方向から来る。刑事は79条で3年以下の拘禁刑と300万円以下の罰金の併科。行政は65条の業務停止、情状が特に重ければ66条の免許取消し。さらに民事では商法14条・会社法9条の名板貸し責任が働き、名義を借りた者が客に与えた損害を、あなたが連帯して払うことになる。「名前を貸しただけ」で済む場面は、この条文の周りにひとつもない。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法13条は名義貸しの禁止を定める規定であり、宅地建物取引業者が自己の名義をもって他人に宅地建物取引業を営ませる行為(1項)と、自己の名義で他人に営業する旨の表示または広告をさせる行為(2項)を禁止する。免許制度上の責任主体と実際の行為者の一致を担保し、違反は罰則および監督処分の対象となる。
手順
- 1.名義使用の依頼はその場でメールに落とす 同業者や知人から「名前だけ貸してくれ」と頼まれたら、口頭で断るだけで終わらせず、断りの意思をメールか書面で残す。記録がないと、相手が勝手に名義を使い始めたとき「黙認していた」と評価されうる
- 2.自社名の露出を棚卸しする 看板、名刺、契約書名義、チラシ、ウェブ広告、Google マップの店舗情報の順に、自社名が誰の手で使われているかを洗い出す。廃業・支店閉鎖後の消し忘れは2項の「表示をさせた」の外形になりうる
- 3.無断使用を発見したら使用中止の内容証明を出す 元従業員や取引先が自社名を使い続けていると分かったら、内容証明郵便で使用中止を通知し、到達日付を確定させる。認識した日と中止させた日の記録が、監督処分の量定で唯一効く材料になる
- 4.苦情が届く前に免許権者へ自主報告する 都道府県知事または国土交通大臣に対し、経緯と中止措置を自ら報告する。苦情が先に届いた後の同じ説明は言い訳になるが、自主的な申告が先なら業務停止の期間の量定に情状として反映されうる
- 5.提携・FC 契約に免許確認義務を組み込む フランチャイズや業務提携の書面に、相手方の免許番号と有効期間を定期確認する条項を入れる。加盟店の免許が更新されないまま営業が続けば、本部側が「営ませた」側に回るため、確認記録が防波堤になる
よくある質問 AI による整理
Q1宅建業法の名義貸しとは?
宅地建物取引業者が自己の名義で他人に宅建業を営ませたり、営業する旨の表示・広告をさせたりする行為です。宅地建物取引業法13条が1項・2項で正面から禁止しています。
Q2無免許で宅地建物取引業を営むとどうなる?
宅地建物取引業法12条1項違反となり、79条により3年以下の拘禁刑と300万円以下の罰金の併科まであります。名義を貸した業者側も13条違反で同じ法定刑の枠に置かれます。
Q3宅建の名義貸しはばれる?
取引相手からの苦情、免許権者への申出、更新審査時の実態確認、広告や看板の突合せなどが端緒になります。処分の量定では、いつ気付きいつ中止したかの時系列が重視されます。
Q4名板貸し責任とは?
自己の商号使用を他人に許した者が、その外観を信頼した相手方に対し、他人と連帯して取引上の債務を負う責任です。商法14条・会社法9条が根拠で、名義貸しの民事側の帰結にあたります。
Q5宅建業の免許を取り消されたら何年で再取得できる?
免許取消しの日から5年間は免許を受けられません(宅地建物取引業法5条1項)。名義貸しで66条の取消しを受けると、事業の再開そのものが5年止まります。
Q6元従業員が退職後も会社名を使い続けている場合は違反?
黙認は「表示をさせた」に当たりうるため、13条2項違反となる余地があります。使用中止を通知した日付の記録が、業者側を守る唯一の証拠になります。
Q7名義貸しを見つけたらどこに通報する?
免許権者、つまり都道府県知事または国土交通大臣に申出をします。取引で損害を受けた場合は、看板を掲げていた免許業者に名板貸し責任として請求することも可能です。
Q8名義貸しの時効は何年?
刑事の公訴時効は79条・81条いずれも3年です(刑事訴訟法250条2項)。監督処分に時効の定めはなく、過去の名義貸しが免許の更新審査で持ち出されることもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一件だけ、知り合いに名前を使わせるのもダメなんですか?
件数は要件ではない。13条1項は「営ませてはならない」と定めるだけで、回数も報酬の有無も条文上は問われない。2項に至っては表示や広告をさせた段階で完成する。実務のポイント:処分の量定で効くのは件数より「いつ気付き、いつ止めたか」の時系列だ。気付いた日と中止させた日を示す書面があるかどうかで、業務停止の期間が変わってくる。
Q2名義料をもらってなければ、貸したことにはならないですよね?
ならない、とは言えない。13条に対価の要件はなく、無償の便宜でも「営ませた」と評価されうる。罰則は79条で3年以下の拘禁刑と300万円以下の罰金の併科まである。実務のポイント:無償のケースほど記録が残らず、後から「頼まれて断った」のか「黙認した」のかを証明できない。対価の有無ではなく、断った証拠の有無が結論を分ける。
Q3借りた側と貸した側、どっちが重い罰になるんですか?
法定刑の枠は同じだ。無免許で営んだ側は12条1項違反、名義を貸した側は13条1項違反で、いずれも79条により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、併科もある。実務のポイント:違うのは失うものだ。借りた側にはもともと免許がないが、貸した側は66条で免許を取り消されると、取消しの日から5年間は免許を受けられない(宅地建物取引業法5条1項)。事業の再開そのものが止まる。
Q4フランチャイズやグループ会社で看板を共有するのは大丈夫ですか?
各社が自ら免許を受けて営業していれば名義貸しではない。問題になるのは、免許のない法人や個人が、免許業者の商号で契約書名義・重要事項説明・広告を出す場合だ。実務のポイント:実務の判断基準は国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」の13条関係にある。監督官庁との折衝では、条文より先にこの運用指針の文言が持ち出される。
間違えやすい点 AI による整理
- 名義貸しが違反だと知っている人は多い。知られていないのは重さのほうだ。13条1項違反は79条により3年以下の拘禁刑と300万円以下の罰金の併科まであり、無免許営業(12条1項)とまったく同じ法定刑の枠に置かれている。貸した側と借りた側は、刑の重さでは同格に扱われる。
- 「バレなければいい」「一件だけなら」という問いの立て方自体が誤っている。名義貸しは取引の成立を要件としない。2項は表示させること、広告させることを独立に禁じており、看板やチラシの段階で違反は完成している。問われるのは「何件やったか」ではなく「名前を出させたか」だ。
- あなたから見れば、知人を助けるための一時的な便宜。免許権者から見れば、監督の届かない業者を市場に流入させた行為。消費者から見れば、責任を取る相手が誰なのか分からなくなった状態。この三つの落差が、処分の量定であなたの言い分を通らなくさせる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 禁止される行為 | 13条1項:自己の名義で他人に宅建業を営ませること | 13条2項:自己の名義で営業する旨の表示・広告をさせること 12条1項:免許を受けずに自ら宅建業を営むこと |
| 罰則 | 79条:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科可) | 81条:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科可) 79条:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科可) |
| 取引成立の要否 | 不要。他人に営ませた事実で足りる | 不要。看板・チラシに名前を出させた段階で完成 不要。無免許で営業した事実で足りる |
| 監督処分 | 65条の指示・業務停止、情状が特に重ければ66条の免許取消し | 65条の指示・業務停止、情状が特に重ければ66条の免許取消し 無免許者には免許がないため監督処分の対象外、刑事責任のみ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も経紀業の免許(許可)制を採り、經紀業が他人に名義や證照を使用させることを禁じる。制裁は行政罰中心で、日本のような拘禁刑の枠は限定的
韓国は登録証・資格証の「대여(貸与)」を条文の見出しに掲げ、貸した側と借りた側の双方を処罰する。日本13条とほぼ同型の立法
ドイツは不動産仲介を営業許可制とし、名義貸しを独立の禁止規定に切り出していない。無許可営業の規制と一般的な営業法の枠内で処理される
米国は州法ごとに免許制を敷き、無免許者に業務を行わせたり報酬を支払ったりする行為を免許停止・取消し事由とする。連邦統一法はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 廃業を決めた同業者から「免許が切れるまで、うちの案件をおたくの名前で回させてくれ」と頼まれた。断り切れず一件だけ通した。その一件で買主と揉め、免許権者に苦情が届くまで残り30日。
- もし、退職した元従業員があなたの会社名入りの名刺と看板をそのまま使い続けていたら? 黙認は「表示をさせた」に当たりうる。2項違反は81条で1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、併科もある。使用中止を通知した日付だけが、あなたを守る証拠になる。
- 部屋を借りるとき、契約の場に出てきた担当者が、看板の会社の社員ではなかった。手数料を払い、預けた敷金は戻らない。相手の会社に実体はない。このとき看板を貸した免許業者に請求できる根拠が、商法14条の名板貸し責任だ。
- フランチャイズ加盟店として大手ブランドの看板を掲げている。加盟店自身が免許を持っていれば名義貸しではない。だが加盟店の免許が更新されないまま営業が続けば、本部側が「営ませた」側に回る。提携の書面に免許番号と有効期間の確認義務を入れているかどうかが分水嶺になる。
- 勤め先の社長が、知り合いの無免許業者に会社名で広告を出させているのを経理として見てしまった。監督官庁に情報提供すれば会社は業務停止。黙っていれば、その広告費の伝票にあなたの押印が残る。
取るべき行動
被害を受けた側:取引相手が看板の会社の人間ではなかったと気付いたら、まず契約書・重要事項説明書・名刺・振込先の名義を突き合わせる。看板を掲げていた免許業者に対しては商法14条・会社法9条の名板貸し責任で請求でき、同時に免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)へ申出をする。無断で自社名を使われた業者の側なら、使用中止の内容証明を出して日付を作り、苦情が届く前に自ら監督官庁へ報告する。
訴えられた側:まず「営ませた」「表示をさせた」に当たる外形が何件あるかを、看板・広告・名刺・契約書名義の順に洗い出す。故意がなくても黙認は認定材料になるため、認識した時期と中止させた時期の記録を先に固める。刑事(79条・81条)と監督処分(65条・66条)は別軌道で進み、行政の弁明で出した説明は刑事でも使われる前提で組み立てる。弁護士と、宅建業の許認可に強い行政書士の役割を分けて相談する。
時効(請求できる期限):13条自体に期間の定めはない。刑事の公訴時効は、79条・81条いずれも長期5年未満の刑にあたるため3年(刑事訴訟法250条2項)。監督処分に時効の定めはなく、過去の名義貸しが免許の更新審査で持ち出されることもある。名板貸し責任に基づく民事請求は債権として、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年(民法166条)。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める