宅地建物取引業法 第64条の23(指定の取消し等の場合の営業保証金の供託)
クイックジャンプ
宅地建物取引業保証協会が第六十四条の二第一項の規定による指定を取り消され、又は解散した場合においては、当該宅地建物取引業保証協会の社員であつた宅地建物取引業者は、前条第二項の規定による公示の日から二週間以内に、第二十五条第一項から第三項までの規定により営業保証金を供託しなければならない。この場合においては、同条第四項の規定の適用があるものとする。
この条文の基本情報
指定の取消し等の場合の営業保証金の供託とは何ですか?
定義指定の取消し等の場合の営業保証金の供託とは、宅地建物取引業法第64条の23に定められた規定で、「宅地建物取引業保証協会が第六十四条の二第一項の規定による指定を取り消され、又は解散した場合においては、当該宅地建物取引業保証協会の社員であつた宅地建物取引業者は…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第64条の23(指定の取消し等の場合の営業保証金の供託)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第64条の23の条文原文は「宅地建物取引業保証協会が第六十四条の二第一項の規定による指定を取り消され、又は解散した場合においては、当該宅地建物取引業保証協会の社員であつた宅地建物取引業者は…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第64条の23は第五章の二 宅地建物取引業保証協会に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第64条の23の前の条は宅地建物取引業法第64条の22です。
- 宅地建物取引業法第64条の23の次の条は宅地建物取引業法第64条の24です。
- 宅地建物取引業法第64条の23には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第64条の23 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第64条の23(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/64_23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法64条の23は、保証協会が指定取消し又は解散となった場合、社員であった宅建業者は公示の日から2週間以内に営業保証金を供託しなければならないと定める。
Q · 加入している保証協会が解散したら、宅建業者は何をしないといけないんですか?
公示の日から2週間以内に営業保証金を供託し、届出まで営業停止です
宅地建物取引業法64条の23により、保証協会が第64条の2第1項の指定を取り消され、又は解散した場合、その社員であった宅地建物取引業者は、前条第2項の公示の日から2週間以内に、第25条第1項から第3項までの規定により営業保証金を供託しなければなりません。額は主たる事務所1000万円、その他の事務所ごとに500万円(宅地建物取引業法施行令2条の4)です。さらに同条第4項が適用されるため、免許権者へ供託の届出をするまでは事業を開始できません。起算点は解散決議日や取消処分日ではなく、公示の日である点が実務上の要です。
解説
分担金60万円の領収書を金庫にしまった日から、宅地建物取引業者は営業保証金1000万円を積まずに済む立場になる。だがこの差額940万円は免除されたのではない。保証協会が存続する限り猶予されているだけだ。64条の23はその猶予が切れる瞬間を規定している。協会が第64条の2第1項の指定を取り消されるか、解散したとき、前条第2項の公示の日から2週間以内に、あなたは第25条第1項から第3項までの規定により営業保証金を供託しなければならない。主たる事務所1000万円、支店は1つにつき500万円(宅地建物取引業法施行令2条の4)。支店が2つあれば2000万円である。しかも供託だけでは足りない。同条第4項が適用されるため、免許権者に供託した旨を届け出るまで事業を開始できない。2週間で数千万円を用立てられなければ、あなたの免許は生きたまま業務が止まる。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法第64条の23は、宅地建物取引業保証協会が第64条の2第1項の指定を取り消され、又は解散した場合における、社員であった宅地建物取引業者の営業保証金供託義務を定める規定である。供託期限は前条第2項の公示の日から2週間であり、額および供託物は第25条第1項から第3項までによる。同条第4項の適用により、免許権者への届出前の事業開始は禁止される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起算点となる公示の日を確定する 解散決議日でも大臣の取消処分日でもなく、64条の22第2項の規定による公示の日が2週間の起算点である。公示の日付を書面で記録し、期限日をカレンダーに固定する
- 2.必要供託額を算定する 主たる事務所1000万円、その他の事務所ごとに500万円で算定する(25条2項、宅地建物取引業法施行令2条の4)。案内所等を含め、供託時点の事務所数を登記簿と免許申請内容の双方で突き合わせる
- 3.現金か有価証券かを決めて資金を確保する 25条3項により国債・地方債・政府保証債等の有価証券でも供託できる。国債は額面どおり、地方債・政府保証債は額面の90パーセント等の評価となるため、保有証券の評価後の額で不足がないか検算する
- 4.主たる事務所のもよりの供託所へ供託する 全事務所分をまとめて主たる事務所のもよりの供託所へ供託する。供託書の記載事項に誤りがあると差し替えで日数を失うため、事前に供託所へ書式照会しておく
- 5.免許権者へ供託の届出を行い、受付印を確保する 供託後ただちに免許権者へ届け出る。25条4項により届出前は事業を開始できないため、届出書の受付印を取るまでは新規契約を成立させない。売上より届出を先に置く
よくある質問 AI による整理
Q1宅地建物取引業保証協会とは何ですか?
国土交通大臣の指定を受け、宅建業者から弁済業務保証金分担金を集めて一括供託し、取引相手への還付業務を担う団体です。加入すれば個社での営業保証金供託が不要になります。
Q2営業保証金はどこの供託所に供託しますか?
主たる事務所のもよりの供託所(法務局または地方法務局等)に、全事務所分をまとめて供託します。支店ごとに現地の供託所へ分けて納めるものではありません。
Q3営業保証金を供託したあと何をすればいいですか?
供託書の写しを添えて免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)へ届け出ます。25条4項により、この届出をするまでは事業を開始できません。
Q4自分から保証協会を脱退した場合の期限は?
64条の15により、社員の地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託する必要があります。協会消滅時の2週間より短く、起算点も公示日ではなく地位喪失日です。
Q52週間以内に供託しなかったらどうなりますか?
供託と届出を欠いたまま事業を続ければ25条4項違反となり、指示処分や業務停止処分、悪質な場合は免許取消しの対象になりえます。免許自体は残っても営業ができません。
Q6納めた弁済業務保証金分担金は返ってきますか?
社員の地位を失った場合、弁済業務保証金分担金は所定の手続により返還されうる仕組みが設けられています。ただし還付充当分などの控除があり、返還時期も供託期限には間に合いません。
Q7指定取消し・解散の公示はどこで確認できますか?
64条の22第2項の規定による公示で確認します。この公示日が2週間の起算点となるため、報道や協会からの通知ではなく公示そのものの日付を押さえる必要があります。
Q8協会が消滅したら取引の相手方は還付を受けられませんか?
社員の地位を失う前に成立した取引に基づく債権は弁済業務保証金からの還付対象とされています(64条の8)。ただし協会清算時の実務運用には前例が乏しく、扱いが分かれる領域です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保証協会って、実際に潰れることなんてあるんですか?
指定を受けた保証協会が取り消されたり解散した実例は日本ではほぼ存在せず、だからこそ64条の23は眠ったままの条文である。ただし条文が存在する以上、法は起こりうる事態として設計している。実務のポイント:前例がないということは、いざ発動したときの実務運用も判例も存在しないということだ。数万社が同時に供託所へ殺到する事態を、供託実務が2週間でさばける保証はどこにもない。早く動いた者から順に処理される
Q22週間で1000万円なんて現金で用意できません。分割や猶予はないんですか?
本条にも25条にも分割や猶予の規定はない。ただし供託は現金に限らず、国債・地方債・政府保証債などの有価証券でも可能である(25条3項)。国債は額面金額どおり、地方債・政府保証債は額面の90パーセントで評価される。実務のポイント:現金を動かさずに済ませたいなら、平時から国債を保有しておくという選択肢がある。決算書の遊休資金を普通預金で寝かせるか国債で持つかは、この局面で意味が変わる
Q3別の保証協会に入り直せば、供託しなくて済むんじゃないですか?
理屈としてはそのとおりで、他の保証協会の社員になれば供託義務の局面を回避でき、既に供託した後であっても所定の手続により営業保証金を取り戻せる場合がある(30条)。問題は時間だ。加入審査は通常1か月以上を要し、2週間には収まらない。実務のポイント:協会の財務に懸念が出た報道段階で他協会へ並行申請を出しておけば間に合う。公示を見てから動く業者は、必ず供託を経由することになる(最新の加入要件をご確認ください)
Q4うちは支店が3つあります。全部で供託額はいくらになりますか?
主たる事務所1000万円、その他の事務所は1つにつき500万円なので、支店3つなら合計2500万円である(25条2項、宅地建物取引業法施行令2条の4)。分担金であれば60万円+30万円×3で150万円だったから、約16倍の跳ね上がりになる。実務のポイント:この倍率は事務所を増やすほど効いてくる。多店舗展開の宅建業者ほど協会消滅リスクの絶対額が大きいのに、支店開設の投資回収計算にこの偶発債務を入れている会社はほとんどない
間違えやすい点 AI による整理
- 「協会に入れば営業保証金は免除される」という理解の仕方そのものが誤っている。制度の正体は免除ではなく代替であり、協会が業界全体の弁済業務保証金をまとめて供託することで個社の供託を肩代わりしている構造だ。肩代わりしている主体が消えれば、義務は元の持ち主に戻る。免除だと思っていた人だけが、公示の日に初めてそれを知る
- 2週間という期限は条文を読めば誰でも分かる。だが多くの業者が計算していないのは、その2週間が公示日起算の暦日であるという点だ。土日祝を除けば実働は10日前後、金融機関の融資審査、不動産の担保設定、有価証券の名義確認、そのどれもが10日で終わる保証はない。期限の存在を知っていることと、期限内に動ける体制があることは全く別の水準である
- 取引の相手方から見れば「協会加入業者だから安心、営業保証金を積んでいない業者は不安」という見え方をする。だが法律から見れば、還付を受けられる限度額は営業保証金に相当する額の範囲内であり(64条の8)、保護の上限は同じだ。違うのは平時の保護水準ではなく、協会が消えた場合の空白リスクを協会加入業者の取引相手だけが負うという一点である。この落差は業者側からも消費者側からも見えにくい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 供託義務の発生原因 | 64条の23:保証協会の指定取消し又は解散 | 64条の15:自らの脱退等による社員の地位喪失 25条:免許取得後の営業開始前(原始的供託) |
| 期限と起算点 | 前条2項の公示の日から2週間以内 | 社員の地位を失った日から1週間以内 免許を受けた日から3か月以内に供託・届出をしないと免許取消しの対象 |
| 供託額 | 25条1項から3項による(主たる事務所1000万円+その他の事務所ごと500万円) | 同左(25条の規定による供託) 主たる事務所1000万円+その他の事務所ごと500万円 |
| 届出前の営業可否 | 25条4項が適用され、届出まで事業を開始できない | 同様に25条の規定により届出が必要 届出をした後でなければ事業を開始できない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は経紀業者が営業保證金を全国聯合会の営業保證基金専戸へ繳存する方式で、日本の協会一括供託に近い。基金運営主体が消滅した場合の個社復帰義務は日本ほど明文化されていない
韓国は開業公認仲介士に損害賠償責任の保障(공제加入または保証保険、供託)を義務づけ、協会の공제事業がその受け皿となる。保険・共済型で、供託一本の日本より選択肢が広い
ドイツは仲介・デベロッパーに顧客資金の保全(銀行保証・保険)を求める方式で、業界団体による一括供託という構造を採らない
米国は州ごとにブローカー保証証券または州営の回復基金を採用。基金は州が運営するため、日本のように民間協会の消滅を想定した個社復帰条項は一般に置かれない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし加入している保証協会に指定取消しの公示が出たら、あなたの手元にある資金はいくらか。本店と支店2つで2000万円、それを14日で。銀行の稟議は通常それより長い。公示を見てから電話をかけ始める業者と、平時から極度枠を確保していた業者で、生死が分かれる
- 支店開設を検討している段階で、この条文を知っているかどうかが投資判断を変える。支店1つの増設は分担金30万円の追加で済むように見えるが、協会消滅時の潜在債務は500万円増える。バランスシートに載らないこの偶発債務を、あなたは今まで計算に入れていなかった
- 消費者として中古マンションの手付金500万円を払った翌週、売主業者が加入する協会に解散の公示が出た。あなたの還付請求先はどうなるのか。地位喪失前の取引による債権は弁済業務保証金からの還付対象とされているが(64条の8)、協会解散時の清算実務には前例がなく、実務上の取扱いは解釈が分かれる領域である
- 同業の友人から「協会が危ないらしい、どうすればいい」と相談される。あなたは3分で答えられる。まず公示日を確認、次に有価証券供託が使えるか(25条3項)、そして他協会への加入審査が2週間で間に合うか、この3点だと
- 2週間の期限を1日過ぎた。供託はしたが届出が遅れた。この状態で契約を1本まとめてしまえば、25条4項違反として指示処分や業務停止処分の対象になりうる。売上より先に、届出書の受付印を取りに行く順番を間違えてはならない
取るべき行動
被害を受けた側:取引の相手方として不安を感じたら、1. 契約書と手付金の領収書、業者の免許番号、加入協会名を保全する2. 公示があった場合、地位喪失前に成立した取引の債権として弁済業務保証金からの還付を主張できるか(64条の8)を、協会または免許権者の窓口に文書で照会する3. 並行して当該業者が2週間以内に営業保証金を供託したかを免許権者に確認、供託されていれば還付請求(27条)の対象になる4. 業者の資力自体が危ういなら、手付金等の保全措置の有無も同時に確認する
訴えられた側:宅地建物取引業者として供託義務を負ったら、1. 起算日を確定する。解散決議日でも取消処分日でもなく、前条第2項の公示の日である2. 全事務所数から必要額を算定(主たる事務所1000万円+従たる事務所ごと500万円) 3. 現金が足りなければ有価証券供託を検討(25条3項、国債は額面どおり、地方債・政府保証債は額面の90パーセント等の評価) 4. 供託後ただちに免許権者へ届出、届出前に契約を成立させない5. 他の保証協会への加入が間に合うなら、供託後でも所定の手続により営業保証金の取戻しが可能な場合がある(30条、最新の規定をご確認ください)
時効(請求できる期限):前条第2項の規定による公示の日から2週間以内(本条)。起算点は協会の解散決議日でも大臣の取消処分日でもなく、公示の日である点に注意。なお自ら協会を脱退して社員の地位を失った場合は、地位を失った日から1週間以内(64条の15)とさらに短い。供託しても届出を済ませるまでは25条4項により事業を開始できない
学説
通説:保証協会制度は営業保証金供託義務の免除ではなく代替であり、協会が一括して弁済業務保証金を供託することで個社の供託を肩代わりする構造と解される。したがって協会が消滅すれば義務は本来の主体である宅建業者に復帰し、64条の23はその復帰の時期と方法を定める規定と位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和47年(1972年) 新設:宅地建物取引業法の改正により宅地建物取引業保証協会および弁済業務保証金の制度が創設され、協会消滅時に社員であった業者へ営業保証金供託義務を復帰させる規定が併せて設けられた(各改正の詳細および現行条番号は e-Gov の改正沿革でご確認ください)
- 宅地建物取引業法 第25条営業保証金の供託義務、額、有価証券、届出前の事業開始禁止
- 宅地建物取引業法 第64条の15社員の地位喪失時は1週間以内の供託、本条より短期
- 宅地建物取引業法 第64条の22指定取消し等の公示、本条の起算点を定める
- 宅地建物取引業法 第64条の8弁済業務保証金からの還付、保護上限は営業保証金相当額
- 宅地建物取引業法 第30条営業保証金の取戻し、他協会加入時の資金回収
- 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 第11条新築住宅売主に別途の資力確保措置を課す特則
- 供託法 第1条供託手続の一般法、本条の供託実務の基礎
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める