宅地建物取引業法 第68条(宅地建物取引士としてすべき事務の禁止等)
クイックジャンプ
- 都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。
- 一宅地建物取引業者に自己が専任の宅地建物取引士として従事している事務所以外の事務所の専任の宅地建物取引士である旨の表示をすることを許し、当該宅地建物取引業者がその旨の表示をしたとき。
- 二他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して宅地建物取引士である旨の表示をしたとき。
- 三宅地建物取引士として行う事務に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
- 2.都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が前項各号のいずれかに該当する場合又は同項若しくは次項の規定による指示に従わない場合においては、当該宅地建物取引士に対し、一年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を行うことを禁止することができる。
- 3.都道府県知事は、当該都道府県の区域内において、他の都道府県知事の登録を受けている宅地建物取引士が第一項各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。
- 4.都道府県知事は、当該都道府県の区域内において、他の都道府県知事の登録を受けている宅地建物取引士が第一項各号のいずれかに該当する場合又は同項若しくは前項の規定による指示に従わない場合においては、当該宅地建物取引士に対し、一年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を行うことを禁止することができる。
この条文の基本情報
宅地建物取引士としてすべき事務の禁止等とは何ですか?
定義宅地建物取引士としてすべき事務の禁止等とは、宅地建物取引業法第68条に定められた規定で、「都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第68条(宅地建物取引士としてすべき事務の禁止等)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第68条の条文原文は「都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該宅地建物取引士に対し、必要な指示をすることができる。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第68条は第六章 監督に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第68条の前の条は宅地建物取引業法第67条の2です。
- 宅地建物取引業法第68条の次の条は宅地建物取引業法第68条の2です。
- 宅地建物取引業法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法68条は、都道府県知事が宅地建物取引士個人に対し、名義貸しや不正行為を理由として指示処分、または1年以内の事務禁止処分を課せることを定める規定である。
Q · 会社が処分されなければ、宅建士個人は安全ですか?
安全ではありません。個人への処分は別枠で走ります
宅地建物取引業法68条は、宅地建物取引士個人を名宛人とする指示処分・事務禁止処分を定めます。業者への65条処分とは要件も手続も別で、会社が無処分でも個人だけが1年以内の事務禁止を受けることがあります。引き金は、他事務所の専任である旨の表示の許諾(1項1号)、名義使用の許諾(同2号)、事務に関する不正または著しく不当な行為(同3号)です。事務禁止に違反すれば登録消除となり、その後5年間は登録できません(68条の2、18条)。
解説
宅地建物取引業者への処分と、宅地建物取引士個人への処分は、別々のレールを走っている。68条が扱うのは後者、つまりあなた個人の資格そのものだ。勤務先が業務停止を食らってもあなたの登録が無傷ということはありうるし、逆に会社が無傷でもあなただけが1年の事務禁止を受けることもある。引き金は三つ。専任として従事していない事務所の専任だと表示させたとき、他人に自分の名義を使わせたとき、宅地建物取引士としての事務に関し不正または著しく不当な行為をしたとき。さらに見落とされるのが3項・4項だ。登録している知事だけでなく、行為があった都道府県の知事も、他県登録のあなたを直接処分できる。東京都の登録のまま神奈川の現場で線を踏めば、神奈川県知事が動く。事務禁止を受ければ宅地建物取引士証を交付知事へ提出する義務が生じ(22条の2)、事務禁止に違反すれば登録消除、その後5年間は登録できない(68条の2、18条)。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法68条は、宅地建物取引士個人に対する監督処分を定める規定である。都道府県知事は、他事務所の専任である旨の表示の許諾、名義使用の許諾、事務に関する不正または著しく不当な行為に該当する場合に、必要な指示をし、または1年以内の期間を定めて事務の禁止を命じることができる。行為地の知事は他県登録者にも処分権限を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.聴聞通知書の根拠条項と原因事実を逐語で確認 通知書に書かれた「予定される処分の内容」「根拠条項」「原因となる事実」を一字ずつ確認する。68条1項の1号・2号(表示・名義の許諾)か3号(不正または著しく不当な行為)かで、争うべき点がまったく変わる
- 2.行政手続法18条で文書閲覧を請求 聴聞通知を受けた翌日には文書閲覧を請求し、行政側が何を証拠として掴んでいるかを先に確認する。期日直前の請求では読み込む時間がなく、反論を組み立てられない
- 3.争点に応じた証拠を整理 1号・2号なら「表示することを許した」承諾の有無を示す資料(届出書類、メール、LINE 履歴)を、3号なら行為の評価を左右する経緯資料を日付順に整理する
- 4.聴聞期日に出頭して陳述 期日に出頭し、原因事実の認否と主張を述べる。出頭が難しい場合でも陳述書と証拠書類を提出する。無反応なら行政は手元資料だけで1年の事務禁止を決められる
- 5.処分後は宅建士証を提出し、不服申立期限を管理 事務禁止処分を受けたら22条の2により宅地建物取引士証を交付知事へ速やかに提出する。処分を争う場合も提出義務は別に生じる。審査請求3か月、取消訴訟6か月の期限をカレンダーに落とす
よくある質問 AI による整理
Q1宅建士の事務禁止処分とは何ですか?
宅地建物取引業法68条2項により、都道府県知事が1年以内の期間を定めて、宅地建物取引士としてすべき事務を行うことを禁止する処分です。重要事項説明も37条書面への記名もできなくなります。
Q2宅建士の名義貸しはバレますか?
相手業者への立入検査や報告徴収から発覚する例が多いとされます。1項2号は許諾と表示の事実だけで要件を満たすため、業務未従事・無報酬でも処分対象になりえます。
Q3宅建士の処分は会社の処分と別ですか?
別です。業者への処分は65条・66条、宅地建物取引士個人への処分は68条・68条の2が根拠で、要件も手続も独立して進行します。片方だけが処分されることもあります。
Q4事務禁止処分を受けたら宅建士証はどうなりますか?
宅地建物取引業法22条の2により、交付を受けた都道府県知事に速やかに宅地建物取引士証を提出する義務が生じます。提出を怠ると過料の対象になります。
Q5宅建士の登録消除後、いつから再登録できますか?
事務禁止違反等で登録を消除された場合、18条1項により消除の日から5年を経過しなければ再登録できません。その間は専任として数えられません。
Q6他県で違反したら処分するのはどの知事ですか?
68条3項・4項により、行為があった都道府県の知事が、他県登録の宅地建物取引士に対しても直接指示や事務禁止を出せます。登録先の判断を待つ必要はありません。
Q7宅建士の処分に聴聞は必要ですか?
必要です。宅地建物取引業法69条が指示処分を含めて聴聞を義務付け、その審理を公開とすることで、行政の一方的な認定を抑えています。
Q8宅建士の処分に不服がある場合はどうしますか?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は同じく6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)に申し立てます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1名義を貸しただけで、実際には何もしてないんですけど、それでもアウトですか?
アウトになりえます。1項2号の要件は「他人に自己の名義の使用を許し、その他人が宅地建物取引士である旨の表示をしたとき」で、あなたが業務をしたか、報酬を受けたかは要件に入っていません。許諾と表示が揃えば入口に立ちます。実務のポイント:原因事実の多くは相手業者への立入検査から芋づる式に出てきます。相手の調査が始まった段階で自ら登録先に申し出た方が、聴聞での情状は明確に違う
Q2指示処分と事務禁止処分って、どのくらい違うんですか?
重さが段違いです。指示は是正を求めるもので資格自体は生きていますが、事務禁止は1年以内の期間、重要事項説明も37条書面への記名も一切できなくなります(2項)。専任として数えられないので勤務先の設置義務にも穴が空く。実務のポイント:指示に従った記録を必ず残すこと。指示に従わなかったという事実は、2項で事務禁止を課す独立した理由になる
Q3東京で登録してるのに、大阪の知事から処分の話が来ることってあるんですか?
あります。3項・4項が、他の都道府県知事の登録を受けている宅地建物取引士であっても、自分の区域内での該当行為なら指示や事務禁止を出せると定めているからです。登録先の判断を待つ必要はありません。実務のポイント:全国で営業する業者に所属していると、行為地ごとに複数の都道府県が並行して調査することがある。「登録先の県にだけ説明すれば済む」という発想は通用しない
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が処分されなければ自分は安全か」という問いの立て方そのものが誤っている。68条の名宛人は宅地建物取引士個人であり、業者への65条処分とは要件も手続も別に走る。会社が指示処分で済んでもあなただけが1年の事務禁止を受けることがあるし、その逆もある。守るべき対象を「会社」と設定した時点で、自分の登録の防衛が視界から消える。
- 名義貸しがまずいことは誰でも知っている。知られていないのは、その先の連鎖の長さだ。事務禁止処分に違反すれば登録消除(68条の2第1項4号)、消除されれば5年間は再登録できない(18条1項)。その間、専任として数えられないため、不動産業に籍を置いても契約の中核業務から外れる。一度の便宜が5年分の職歴に穴を開ける。
- あなたから見れば「会社に頼まれて断れなかった」だが、条文から見れば「表示することを許した」であり、許諾があったかどうかだけが問われる。強要されたか、報酬を得たか、実際に業務をしたかは要件に入っていない。この落差が、被害者のつもりでいた人を処分の名宛人に変える。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 68条:宅地建物取引士個人 | 65条:宅地建物取引業者(法人・個人事業者) 68条の2:宅地建物取引士個人(登録消除) |
| 処分の内容 | 指示処分、または1年以内の事務禁止 | 指示処分、または1年以内の業務停止 登録の消除(資格そのものの喪失) |
| 主な発動事由 | 他事務所の専任表示の許諾、名義使用の許諾、事務に関する不正・著しく不当な行為 | 業法違反、業務に関し取引関係者に損害を与える行為等 18条の欠格事由該当、不正登録、事務禁止処分違反等 |
| 処分後の効果 | 宅地建物取引士証の提出義務(22条の2)、専任として算入不可 | 停止期間中の営業不可、公告の対象 消除の日から5年間は再登録不可(18条1項) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も経紀人員個人への処分と経紀業者への処分を分離し、証照を他人に使用させる行為を独立の処分事由とする点で構造が近い
韓国は市・道知事が公認仲介士の資格を6か月以内の期間で停止できると定める。停止期間の上限が日本より短い点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 独立を目指す後輩に「登録だけ貸してくれ」と頼まれ、宅地建物取引士証のコピーを渡した。後輩の会社が専任として届け出た瞬間、1項2号のスイッチが入る。一円も受け取っていなくても、名義の使用を許した事実だけで要件は満たされる。
- もし、勤務先が人手不足を理由に、あなたを別の支店の専任としても届け出ていたら? 1項1号が処分するのは「表示することを許した」宅地建物取引士の側だ。会社が勝手にやったと言い張っても、届出書類にあなたの承諾の痕跡が残っていれば、あなた個人が名宛人になる。会社への65条処分と、あなたへの68条処分は同時並行で走る。
- 聴聞の通知書が届いた。そこには予定される処分の内容、根拠条項、原因となる事実が書かれている(行政手続法15条1項)。期日までの日数は限られ、その間に文書閲覧を請求して(同法18条)行政側が何を証拠にしているかを見ておくかどうかで、当日の反論の質が決まる。出頭せず陳述書も出さなければ、都道府県は手元の資料だけで1年の事務禁止を決められる。
- 東京都知事の登録のまま、神奈川の物件で重要事項説明の一部を省いた。処分主体は東京都知事だけではない。行為地の神奈川県知事が3項・4項で直接あなたに指示や事務禁止を出せる。処分をした県は登録先の都道府県に通知するので、東京都の登録簿にも残る。
- 契約直前に、担当者が持ってきた宅地建物取引士証の氏名と、重要事項説明をした人物の顔が一致しない。買主側のあなたは、その場で説明を止めさせる根拠を持っている。名義を使わせた側の宅地建物取引士も、1項2号の処分対象になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書、重要事項説明書、名刺、メールや LINE の履歴を日付順に整理する2. 相手の宅地建物取引士の氏名と登録番号を宅地建物取引士証で特定する。名刺の肩書だけでは足りない3. 登録先だけでなく、行為があった都道府県の宅地建物取引業担当課へ申し出る。3項・4項があるので他県登録でも行為地の知事が動ける4. 同じ事実は業者への65条処分の端緒にもなるので併せて申告し、金銭的損害の回復は民法709条による民事請求として別軌道で進める
訴えられた側:1. 聴聞通知書の「根拠条項」と「原因となる事実」を逐語で確認する。1項の何号かで防御線が変わる2. 行政手続法18条で文書閲覧を請求し、行政側の証拠を先に見る3. 1号・2号なら「表示することを許した」という承諾の有無、3号なら行為の評価そのものを争点にする4. 期日には出頭して陳述する。難しければ陳述書と証拠書類を提出する5. 事務禁止が出たら宅地建物取引士証を速やかに提出する。処分を争う場合でも提出義務は別で、放置すると過料が上乗せされる
時効(請求できる期限):68条の処分自体に特定の時効はない。期限は処分の後に走る。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は同じく6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。事務禁止は1年以内の期間を定めて課され、違反すれば登録消除、消除の日から5年間は再登録できない(68条の2、18条1項)。宅地建物取引士証の提出は処分を受けたら「速やかに」(22条の2)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年)4月1日施行 資格名称が「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」へ変更され、本条の文言も全面的に置き換えられた。併せて業務処理の原則・信用失墜行為の禁止などの規定が整備され、1項3号の「不正又は著しく不当な行為」の判断にもこれらの規範が参照されるようになった
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:資格名称が「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」へ変更され、本条の文言も全面的に置き換えられた。平成27年(2015年)4月1日施行
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める