宅地建物取引業法 第77条(信託会社等に関する特例)
クイックジャンプ
- 第三条から第七条まで、第十二条、第二十五条第七項、第六十六条及び第六十七条第一項の規定は、信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けた信託会社(政令で定めるものを除く。次項及び第三項において同じ。)には、適用しない。
- 2.宅地建物取引業を営む信託会社については、前項に掲げる規定を除き、国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者とみなしてこの法律の規定を適用する。
- 3.信託会社は、宅地建物取引業を営もうとするときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
- 4.信託業務を兼営する金融機関及び第一項の政令で定める信託会社に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
信託会社等に関する特例とは何ですか?
定義信託会社等に関する特例とは、宅地建物取引業法第77条に定められた規定で、「第三条から第七条まで、第十二条、第二十五条第七項、第六十六条及び第六十七条第一項の規定は、信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第77条(信託会社等に関する特例)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第77条の条文原文は「第三条から第七条まで、第十二条、第二十五条第七項、第六十六条及び第六十七条第一項の規定は、信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許…」で始まります。
- 宅地建物取引業法第77条は第七章 雑則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第77条の前の条は宅地建物取引業法第76条です。
- 宅地建物取引業法第77条の次の条は宅地建物取引業法第77条の2です。
- 宅地建物取引業法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法77条は、信託業法の免許を受けた信託会社に宅建業免許の規定を適用せず、届出で足りるとする。ただし2項により宅建業者とみなされ、他の規定は全部適用される。
Q · 信託銀行系の会社が売主で免許番号が書いていないけれど、宅建業法は関係ないの?
免許は不要でも、宅建業者とみなされ他の規定は全部適用されます
宅地建物取引業法77条1項は、信託業法3条・53条1項の免許を受けた信託会社(政令で定めるものを除く)について、免許に関する規定を適用除外としています。3項の届出を国土交通大臣に行えば宅地建物取引業を営めます。ただし2項が「免許を受けた宅地建物取引業者とみなして」残りの規定を適用すると定めるため、重要事項説明(35条)、37条書面、クーリングオフ(37条の2)、専任の宅地建物取引士の設置(31条の3)はいずれも義務として残ります。
解説
分譲マンションのパンフレットに「売主:○○信託株式会社」とあり、免許番号の欄を探しても見つからない。不審な業者を掴んだわけではない。宅地建物取引業法77条1項が、信託業法3条または53条1項の免許を受けた信託会社について、免許に関する規定(3条から7条、12条、25条7項、66条、67条1項)の適用を丸ごと外しているからだ。代わりに3項が求めるのは、国土交通大臣への届出一枚。ここまでなら「規制が緩い相手」と読める。だが本題は2項にある。「免許を受けた宅地建物取引業者とみなして」残りの規定を全部適用する、と宣言しているのだ。重要事項説明(35条)も、37条書面も、クーリングオフ(37条の2)も、手付金等の保全も、専任の宅地建物取引士の設置(31条の3)も、すべてあなたを守るために生きている。外れたのは入口の門だけで、廊下の規則は一つも緩んでいない。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法77条は信託会社の特例を定める規定である。信託業法の免許を受けた信託会社(政令で定めるものを除く)には宅建業免許に関する規定が適用されず、国土交通大臣への届出により宅地建物取引業を営むことができる。もっとも免許規定以外については、国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者とみなして本法の規定が適用される。
よくある質問 AI による整理
Q1宅地建物取引業法77条とは何ですか?
信託会社の特例を定める規定です。信託業法の免許を受けた信託会社には宅建業免許の規定を適用せず、国土交通大臣への届出で宅地建物取引業を営めるようにしています。
Q2信託会社の宅建業の届出先はどこですか?
国土交通大臣です。77条3項が、宅地建物取引業を営もうとするときは国土交通省令の定めるところにより届け出なければならないと定めています。
Q3信託会社に営業保証金の供託義務はありますか?
あります。1項が適用除外にしたのは25条7項のみで、供託義務そのもの(25条1項)は残ります。供託した旨を届け出るまで事業を開始できません。
Q4信託会社にも専任の宅地建物取引士は必要ですか?
必要です。2項により宅建業者とみなされるため、事務所ごとの専任の宅地建物取引士の設置(31条の3)が義務づけられます。免許の有無とは無関係です。
Q5政令で定める信託会社とは何ですか?
1項の括弧書きで特例の対象から外される信託会社を指します。除外に該当する会社は通常どおり宅建業免許が必要で、無免許なら12条違反となります。現行の政令内容は要確認です。
Q6信託業務を兼営する金融機関は宅建業法でどう扱われますか?
4項が、兼営金融機関および1項の政令で定める信託会社に対する本法の適用に関し必要な事項を政令に委ねています。扱いは政令で確認する必要があります。
Q7信託会社は宅建業の免許を取り消されることがありますか?
ありません。1項が66条(免許取消)と67条1項を適用除外にしているためです。国土交通大臣に残るのは65条の指示処分・業務停止処分までです。
Q8信託会社が売主でもクーリングオフはできますか?
できます。2項により宅建業者とみなされるため、37条の2のクーリングオフ規定も適用されます。要件を満たせば告知の日から8日以内に解除できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1信託銀行系の会社が売主のマンション、免許番号が書いてないんですけど大丈夫ですか?
問題ありません。77条1項が、信託業法3条・53条1項の免許を受けた信託会社について宅建業法の免許規定(3条から7条、12条)を適用除外にしているためです。3項の届出を経て、2項により宅建業者とみなされ、35条の重要事項説明などは全部適用されます。実務のポイント:国土交通省の宅建業者検索に名前が出ないのは当然です。実在確認は金融庁が公表する信託会社の免許一覧の側で行う
Q2信託会社の売り方に問題があったら、どこに苦情を持っていけばいいんですか?
二か所あります。2項で宅建業者とみなされるため、国土交通大臣は65条の指示処分・業務停止処分を出せます。ただし免許取消(66条)と67条1項は1項で適用除外なので、宅建業の資格を剥奪する手段は存在しません。実務のポイント:実際に効くのは信託業法に基づく金融庁の監督です。両方に同じ内容を入れた案件は、社内での優先度が明らかに変わる
Q3うちは信託会社なので、宅建業を始めるのに免許は要らないですよね?
1項の政令で除外される信託会社に当たらなければ免許は不要で、3項の届出のみです。ただし営業保証金の供託(25条1項)は残り、供託した旨を届け出るまで事業を開始できません。専任の宅地建物取引士(31条の3)も必要です。実務のポイント:届出書の控えは、取引先の法務審査やデューデリジェンスで提示を求められる場面が実際にある。紛失している会社は、そこで交渉の主導権を落とす
間違えやすい点 AI による整理
- 「免許番号がないのだから怪しい会社では」という問いの立て方そのものがずれている。信託会社は免許を取り損ねているのではなく、法律の側が免許規定の適用を外している。確認すべきは宅建業免許の有無ではなく、信託業法上の免許を持つ会社か、そして3項の届出を済ませているかの二点である
- 免許が不要という点は知られていても、その裏側の意味まで届いていない。1項は66条(免許取消)と67条1項も同時に外している。つまり国土交通大臣が信託会社から宅建業を取り上げる最終手段は存在せず、打てるのは指示・業務停止(65条)まで。最後の引き金は信託業法に基づいて金融庁が引く構造になっている
- 信託会社であれば一律に特例が及ぶと読まれがちだが、1項の括弧書きが「政令で定めるものを除く」と穴を開けている。除外された会社は通常どおり宅建業免許を取らなければならず、4項は信託業務を兼営する金融機関の扱いも政令に委ねている。自社がどちらの側かを政令で確認せずに営業を始めると、無免許営業(12条)の側に落ちる(政令の現行内容をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 免許の要否 | 77条:信託業法の免許を受けた信託会社は宅建業免許不要(3条〜7条を適用除外) | 3条:宅地建物取引業を営むには国土交通大臣または都道府県知事の免許が必要 12条:免許を受けない者の宅地建物取引業の営業を禁止 |
| 参入時の手続 | 77条3項:国土交通大臣への届出(国土交通省令の定めによる) | 3条:免許申請・審査・免許証の交付 12条:手続なし(無免許営業は罰則対象) |
| 取引現場の規制 | 77条2項:宅建業者とみなされ、35条・37条・37条の2・31条の3等が全て適用 | 3条:免許業者として同じ規定が適用 12条:無免許営業自体が違法 |
| 監督処分の上限 | 77条1項:66条・67条1項が除外され、残るのは65条の指示・業務停止まで | 3条:免許取消(66条)まで到達しうる 12条:刑事罰および66条系の処分対象 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は不動産仲介業を登録制とし、信託業の兼営業務は信託業法で規律する。日本77条のような単一条文による免許規定の一括適用除外は確認できず、対応は機能的類似にとどまる(要検証)
ドイツも不動産仲介業を許可制としつつ、銀行法上の免許を受けた金融機関等を許可の適用対象から外す構造をとる。監督の重複を避ける発想が日本77条と近い(現行条項番号・除外範囲は要確認)
米国は州法ごとに broker license を課しつつ、銀行・信託会社・受託者としての行為を適用除外とする例が多い。連邦統一法はなく、州により範囲が大きく異なる(要検証)
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、決済まであと3日という段階で、売主の信託会社が77条3項の届出を済ませていないと分かったら? それだけで売買契約が当然に無効になるわけではない。だが監督官庁への説明を要する状態であることに変わりはなく、値引き交渉や引渡条件の見直しを持ちかけるテーブルで、あなたの側の重量が一段増す
- 信託会社の不動産部門に配属され、前任者から「うちは免許が要らないから宅建業法は基本関係ない」と引き継がれる。これは半分正しく、半分は致命的に誤っている。77条2項がある以上、専任の宅地建物取引士の設置も重要事項説明も義務であり、怠れば国土交通大臣の業務停止処分(65条)が飛んでくる
- 信託銀行系の会社が売主の物件を契約する当日、重要事項説明を読み上げたのは名刺に「宅地建物取引士」の記載がない担当者だった。免許のない会社なのだから宅建士も不要だろう、とあなたが黙って納得した瞬間、35条違反を自分から見逃したことになる
- 友人が「売主が信託会社で免許番号がない、詐欺じゃないか」と深夜に連絡してくる。あなたは1項の適用除外と2項のみなし規定を三分で説明し、確認すべきは国土交通省の宅建業者検索ではなく、金融庁が公表する信託会社の免許一覧のほうだと教えられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書と重要事項説明書で売主が信託会社かを確認し、宅地建物取引士の記名の有無をチェックする2. 免許番号の不存在それ自体は違法ではないが、35条の説明を宅建士以外が行っていれば明確な違反である3. 国土交通省への申告と、金融庁の信託会社監督部局への情報提供を同時に行う4. クーリングオフ(37条の2)の対象取引なら、告知を受けた日から8日以内に書面または電磁的記録で。信託会社が相手でも2項により同じく使える
訴えられた側:1. まず自社が1項の政令で除外される信託会社に当たらないかを確認する。該当すれば通常の免許申請が必要になる2. 該当しなければ、宅建業を営もうとする段階で3項の届出を国土交通大臣へ、様式は国土交通省令に従う3. 免許が不要でも営業保証金の供託義務(25条1項)は残り、供託した旨の届出をするまで事業を開始できない4. 事務所ごとの専任宅地建物取引士、標識掲示、35条・37条書面、自ら売主となる場合の各規制はすべて適用される前提で体制を組む
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、3項の届出にも法定の日数制限はない。ただし営業保証金を供託し、その旨を届け出るまで事業を開始できない(25条5項)という順序の縛りがある。取引上の争いは、クーリングオフが告知から8日(37条の2)、契約不適合の通知が不適合を知った時から1年(民法566条)、一般の債権が権利行使できると知った時から5年(民法166条)で切れる
改正沿革 AI による整理
- 引用法令の変遷(要人的検証) 現行条文が「信託業法(平成十六年法律第百五十四号)」を引用し、同法53条1項(外国信託会社関係)を並記している点から、信託業法の全部改正に伴い引用が改められたと読める。ただし本条の新設時期、各項の追加時期、条番号の移動履歴について確証がないため、改正回数の断定を避ける
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める