道路法 第22条の3(道路啓開計画)
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- 交通上密接な関連を有する道路(以下「密接関連道路」という。)の管理を行う二以上の道路管理者(以下「密接関連道路管理者」という。)は、第二十八条の二第一項に規定する協議会における協議を行つた結果、大規模な災害が発生した場合における緊急輸送の確保を図るための密接関連道路の維持(道路の啓開のために行うものに限る。以下この条において同じ。)を効果的に行うため必要があると認めるときは、共同して、当該協議会における協議を経て、当該災害が発生した場合における当該密接関連道路の円滑かつ迅速な啓開のための計画(以下「道路啓開計画」という。)を定めるものとする。
- 2.道路啓開計画においては、おおむね次に掲げる事項を定めるものとする。
- 一対象となる災害の種類
- 二前号に掲げる災害(以下この条において「対象災害」という。)が発生した場合における密接関連道路の維持の実施に関する目標
- 三前号の維持を優先的に実施する必要のある密接関連道路の路線及び区間
- 四対象災害が発生した場合における密接関連道路の維持の方法に関する事項
- 五対象災害が発生した場合における密接関連道路の維持に必要な資材及び建設機械の備蓄又は調達に関する事項
- 六密接関連道路の維持を効果的に行うための訓練に関する事項
- 七対象災害が発生した場合における密接関連道路の被害の状況に関する情報の収集及び伝達の方法に関する事項
- 八前各号に掲げるもののほか、道路啓開計画の実施に関し必要な事項
- 3.前項第四号に掲げる事項には、対象災害が発生した場合において道路管理者(密接関連道路管理者であるものに限る。)がその管理する道路以外の密接関連道路の維持を行うことができることを定めることができる。
- 4.道路啓開計画は、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二条第九号に規定する防災業務計画及び同条第十号に規定する地域防災計画との調和が保たれたものでなければならない。
- 5.密接関連道路管理者は、道路啓開計画を定めたときは、遅滞なく、国土交通大臣である密接関連道路管理者にあつてはこれを公表するものとし、国土交通大臣以外の密接関連道路管理者にあつてはこれを公表するよう努めなければならない。
- 6.密接関連道路管理者は、定期的に、その定めた道路啓開計画について、調査、分析及び評価を行うよう努めるとともに、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
- 7.第一項及び第五項の規定は、道路啓開計画の変更について準用する。
この条文の基本情報
道路啓開計画とは何ですか?
定義道路啓開計画とは、道路法第22条の3に定められた規定で、「交通上密接な関連を有する道路(以下「密接関連道路」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路法第22条の3(道路啓開計画)は、日本の道路法に含まれる条文です。
- 道路法第22条の3の条文原文は「交通上密接な関連を有する道路(以下「密接関連道路」という。」で始まります。
- 道路法第22条の3は第一節 道路管理者に置かれています。
- 道路法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 道路法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路法第22条の3の前の条は道路法第22条の2です。
- 道路法第22条の3の次の条は道路法第23条です。
- 道路法第22条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第22条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180 - 本サイト収録
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第22条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000180/22_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路法22条の3は、交通上密接に関連する道路の管理者が協議会での協議を経て共同で道路啓開計画を定め、大規模災害時の緊急輸送路を迅速に確保する仕組みを定める。
Q · 大地震のあと、どの道路から先に通れるようになるの?
管理者が共同で事前に決めた優先区間から開く
道路法22条の3により、国・都道府県・市町村など複数の道路管理者は、協議会での協議を経て「道路啓開計画」を共同で定めます。計画には対象災害、優先的に啓開する路線・区間、資材や建設機械の調達、訓練、被害情報の伝達方法などを書き込みます。発災後はこの優先順位に沿って緊急車両が通れる幅が確保されます。国土交通大臣が定めた計画は公表義務があり、それ以外の管理者は公表の努力義務を負います。
解説
大地震のあと、最初に必要になるのは道路の「復旧」ではない。「啓開」である。がれきや倒木、放置車両をどけて、救急車と物資トラックが通れる一車線をとにかく先に確保する作業を指す。東日本大震災のくしの歯作戦では、内陸の幹線から沿岸へ伸びる複数ルートを先に開けたことで、救援の到着が大きく早まった。一方、令和6年能登半島地震では、半島へ入る道路の寸断が救援の大きな壁になった。本条は、この啓開を「起きてから考える」ものから「起きる前に決めておく」ものに変えた規定である。国道、県道、市町村道と管理者が分かれていても、第28条の2の協議会で協議したうえで、どの災害を想定し、どの路線・区間を優先し、重機や資材をどう調達し、被害情報をどう伝えるかを共同で計画に書き込む。読み落とされやすいのは第3項だ。計画に定めておけば、国が県道のがれきを、県が市道のがれきをどけられる。発災直後の「うちの道ではない」という空白を、事前に埋めておく仕組みである。国土交通大臣は計画を公表しなければならない。あなたの家や会社が優先区間のどの位置にあるか、発災前に確かめられる。
法的な位置づけ
道路法第22条の3は道路啓開計画を定める規定であり、交通上密接な関連を有する道路を管理する二以上の道路管理者が、同法第28条の2の協議会での協議を経て、大規模災害時の緊急輸送確保のため、対象災害、優先区間、維持の方法、資材・建設機械の備蓄や調達、訓練、被害情報の収集・伝達等を共同で計画化する制度である。
手順・フロー
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手順
- 1.協議会で啓開の必要性を協議する 密接関連道路の管理者が、道路法28条の2第1項の協議会で、大規模災害時の緊急輸送確保のため共同での啓開計画が必要かどうかを協議する
- 2.対象災害と優先区間を決める 対象となる災害の種類、維持の目標、優先的に啓開する路線・区間を定める。病院や物流拠点、沿岸部へのアクセスなど緊急輸送の需要から逆算する
- 3.資材・重機の調達と相互支援を定める 資材・建設機械の備蓄や調達先、災害協定業者の割当てを整理する。必要であれば、他の管理者の道路を維持できる旨(第3項)を盛り込み、費用負担や指揮系統を詰める
- 4.地域防災計画との調和を確認する 災害対策基本法の防災業務計画・地域防災計画と矛盾がないか照合する(第4項)
- 5.計画を公表する 計画を定めたら遅滞なく公表する。国土交通大臣は義務、それ以外の管理者は努力義務(第5項)
- 6.訓練・評価を行い計画を見直す 訓練を実施し、定期的に調査・分析・評価を行う。必要があれば協議会での協議を経て変更し、変更後も公表する(第6項・第7項)
よくある質問 AI による整理
Q1道路啓開とは何ですか?
災害後にがれきや倒木、放置車両を取り除き、緊急車両が通れる最低限の通路を確保する作業です。舗装の補修などの本格的な復旧とは区別されます。
Q2道路啓開計画は誰が作るのですか?
交通上密接に関連する道路を管理する二以上の道路管理者(国・都道府県・市町村など)が、道路法28条の2の協議会で協議したうえで共同で定めます。
Q3道路啓開計画には何が書かれていますか?
対象災害の種類、維持の目標、優先する路線・区間、維持の方法、資材・建設機械の備蓄や調達、訓練、被害情報の収集・伝達方法などです(22条の3第2項)。
Q4道路啓開計画は公表されますか?
国土交通大臣が定めた計画は遅滞なく公表する義務があります。都道府県や市町村など大臣以外の管理者は、公表の努力義務にとどまります。
Q5国が県道や市道のがれきを撤去できますか?
計画に定めておけば可能です。22条の3第3項は、計画の維持方法として、管理者が自分の管理する道路以外の密接関連道路を維持できる旨を定められるとしています。
Q6道路啓開計画と地域防災計画の関係は?
道路啓開計画は、災害対策基本法2条の防災業務計画・地域防災計画と調和が保たれたものでなければなりません(22条の3第4項)。
Q7道路啓開計画は見直されますか?
管理者は定期的に調査・分析・評価を行うよう努め、必要があれば変更します。変更時も協議会での協議と公表の規定が準用されます。
Q8くしの歯作戦とは何ですか?
東日本大震災で行われた道路啓開の方式で、内陸の幹線から沿岸部へ伸びる複数ルートを優先的に開け、救援ルートを早期に確保しました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの町の道路啓開計画って、どこで見られるの?
本条5項により、国土交通大臣が定める計画には公表義務があるため、各地方整備局のサイトで探すのが近道である。都道府県や市町村分は公表が努力義務にとどまるため、見つからなければ防災担当課に直接問い合わせる。実務のポイント:計画本体が公表されていなくても、協議会の資料や議事概要が公開されていることがある。優先路線の図はそちらに載っている場合が多い
Q2災害のとき勝手に車を動かされて傷がついた。弁償してもらえる?
啓開のための車両移動は、災害対策基本法76条の6に基づき、道路管理者がやむを得ない限度で車を破損してもよいとされている。そのため違法な損壊として争うのは難しい。ただし同法には損失補償の規定がある(同法82条、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:補償は請求しないと動かない。移動された場所と日時の写真を残し、まず自治体の窓口で申請先を確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 道路が通れるようになれば元どおりだと受け取られやすい。だが啓開は、緊急車両が通る最低限の幅を確保する作業にすぎない。舗装の補修や二車線化といった本格的な復旧は、そのあと別に進む。啓開済みと発表された道に一般車で入ると、救援の流れをふさぐ側に回ることになる
- 計画があるなら自分の地域も守られている、と考えるのは早い。計画は優先する路線・区間を選ぶ文書でもある。裏を返せば、後回しになる区間がはっきり書かれている。後回しの区間に住む人や事業者にとっては、自力でしのぐ日数を見積もるための資料として使える
- 「行政の内部計画だから一般人には関係ない」という見方は、管理者側の視点でしかない。法律の側から見ると、本条は災害対策基本法の地域防災計画との調和を求め、国土交通大臣には公表を義務づけている。住民や企業の自主防災とつながるように作られた制度であり、読まないまま放っておくのは住民側の損失になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 道路法22条の3:災害時の道路啓開計画の共同策定 | 道路法28条の2:道路管理者等で構成する協議会 道路法42条:道路管理者の維持・修繕義務 |
| 主体 | 二以上の密接関連道路管理者が共同で | 道路管理者と関係者で組織する協議会 各道路管理者が自分の管理する道路について |
| 管理区分を越えた作業 | 計画に定めれば、他の管理者の道路の啓開も可(第3項) | 協議の場の設置であり、作業権限そのものは定めない 原則として自分の管理する道路に限られる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では災害防救法に基づく各級の災害防救計画の中で道路の搶通(啓開)が扱われる。道路管理者間の共同計画を独立した条文で定める規定は確認できていない
韓国は災害安全管理基本法の安全管理計画の枠組みで対応している。道路の応急開通を単独の共同計画として法定しているかは要確認
米国では連邦の災害支援法がデブリ撤去への連邦支援を規定する。州・地方政府が主体となり、FEMA が費用を支援する構造である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 沿岸部に物流倉庫を持つ会社の総務担当として BCP を作っている。地域の道路啓開計画を確認すると、倉庫前の市道は優先区間に入っていなかった。幹線から倉庫まで、自社で重機を手配する前提で計画を組み直すことになる
- 発災当日、避難する途中で渋滞が動かなくなり、車を道路に置いたまま歩いて避難した。翌日戻ると、車は路肩に移され、バンパーが壊れていた。誰の判断で、補償はどこに求められる?
- 市役所の防災担当になって3か月。県と国道事務所から協議会の開催案内が届き、次回までに市道の優先区間案を出してほしいと言われた。地域防災計画との整合をとる作業で、残りは3週間しかない
- 災害協定を結ぶ地元建設会社の社長。計画には重機の調達先として自社名が載っている。だが油圧ショベルのオペレーターは2人しかおらず、そのうち1人は来月退職する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 国土交通省の地方整備局や都道府県のサイトで、地域の道路啓開計画が公表されていないか確認する(国土交通大臣分は公表義務あり、それ以外は努力義務) 2. 自宅・事業所から優先区間までの距離を地図で測り、自力で移動・待機する日数を見積もる3. 優先区間から外れていて重要施設(病院・介護施設等)がある場合は、自治体の防災担当に計画見直しの要望を書面で出す4. 発災時に車が移動・損傷されたら、移動した主体と日時を記録し、補償の窓口を自治体に問い合わせる
訴えられた側:1. 道路管理者側の担当者は、協議会での協議経過と地域防災計画との整合を記録に残す。後から優先順位の妥当性を問われたときの根拠になる2. 計画に第3項の他管理者による維持を盛り込む場合、費用負担や指揮系統を協定で詰めておく3. 災害協定を結ぶ建設業者は、計画上の割当てと実際の保有重機・人員の差を平時に申告する4. 定期的な評価と訓練の実施記録を残し、管理瑕疵(国家賠償法2条)を主張されたときに備える
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の時効はない。計画の策定・公表には「遅滞なく」の時間的要請がある。道路管理の瑕疵を理由に国家賠償(国家賠償法2条)を求める場合は、国家賠償法4条を通じて民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)、不法行為の時から20年で請求できなくなる
- 道路法 第28条の2計画策定の前提となる協議会
- 道路法 第42条道路管理者の維持修繕義務
- 道路法 第13条国道の管理主体の区分(現行効力を要確認)
- 災害対策基本法 第2条防災業務計画・地域防災計画の定義
- 災害対策基本法 第76条の6道路管理者による車両移動の権限
- 国家賠償法 第2条道路管理の瑕疵による賠償責任
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