道路法 第42条(道路の維持又は修繕)
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- 道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もつて一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。
- 2.道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、政令で定める。
- 3.前項の技術的基準は、道路の修繕を効率的に行うための点検に関する基準を含むものでなければならない。
この条文の基本情報
道路の維持又は修繕とは何ですか?
定義道路の維持又は修繕とは、道路法第42条に定められた規定で、「道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もつて一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路法第42条(道路の維持又は修繕)は、日本の道路法に含まれる条文です。
- 道路法第42条の条文原文は「道路管理者は、道路を常時良好な状態に保つように維持し、修繕し、もつて一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。」で始まります。
- 道路法第42条は第四節 道路の保全等に置かれています。
- 道路法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 道路法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路法第42条の前の条は道路法第41条です。
- 道路法第42条の次の条は道路法第43条です。
- 道路法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180 - 本サイト収録
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000180/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路法42条は、道路管理者に道路を常時良好な状態に保つ維持・修繕の努力義務を課し、その技術的基準を政令に委ね、点検基準を必ず含めるよう定める規定である。
Q · 道路の穴で車が壊れたら、道路の管理者に賠償を請求できる?
できる。管理瑕疵があれば国家賠償法2条で請求可能
道路法42条は、道路管理者に道路を常時良好な状態に保つ維持・修繕を求めています。道路が通常備えるべき安全性を欠き、それによって損害が生じた場合、管理者は国家賠償法2条により賠償責任を負います。この責任に管理者の過失は不要で、予算不足も免責理由になりません(最判昭和45年8月20日)。ただし利用者側の前方不注視などは過失相殺で減額要素となり、危険発生直後で補修の時間的余裕がなかった場合は責任が否定されることがあります。
解説
道路の穴でタイヤが裂けた。ほとんどの人は「運が悪かった」で済ませるが、その穴を放置したのが誰なのか、法律ははっきり決めている。道路法42条1項は、国道なら国や都道府県、市道なら市というように、その道路の道路管理者に「常時良好な状態」を保つための維持と修繕を求める。条文の文言は「努めなければならない」と柔らかい。しかし手入れが行き届かず、道路が通常備えるべき安全性を欠いた結果あなたが損害を受ければ、管理者は国家賠償法2条によって賠償責任を負う。最高裁は、この責任に管理者の過失は要らず、予算不足も免責の理由にならないと判断している(最判昭和45.8.20、高知落石事件)。3項は2012年の笹子トンネル天井板崩落事故を受けて加えられた点検基準の規定である。これを受けて省令が、橋やトンネルに5年に1回の近接目視点検を課した。あなたが毎日渡る橋にも、点検記録と健全度の判定が残っているはずだ。
法的な位置づけ
道路法42条は道路の維持・修繕に関する規定であり、道路管理者が道路を常時良好な状態に保つよう維持し修繕する努力義務を定める。維持修繕の技術的基準は政令(道路法施行令35条の2)に委任され、その基準には道路の修繕を効率的に行うための点検に関する基準を含めることが義務付けられている。
手順
- 1.補修前に現場を記録する 穴や落石の位置・大きさ・深さを、メジャーを当てて撮影する。街灯の暗さ、警告表示やカラーコーンの有無も写す。管理者は通報後数日で補修することが多いため、事故当日か翌朝までに行う
- 2.道路管理者を特定して通報する 道路台帳や道路緊急ダイヤル(#9910)で国・都道府県・市町村のどこが管理者かを確認し、事故を通報する。受付日時と担当者名を控える
- 3.損害資料をそろえて書面で請求する 修理見積書、診断書、領収書、休業損害の資料をそろえ、国家賠償法2条に基づく損害賠償請求を管理者に書面で提出する
- 4.点検記録・通報履歴を情報公開請求で取り寄せる 過失割合や瑕疵の有無で争いになった場合、その道路のパトロール記録、点検記録、過去の補修要望や通報記録を情報公開請求で入手し、予見可能性を示す材料として再交渉に使う
- 5.交渉決裂なら訴訟を検討する 示談が成立しない場合、請求額が60万円以下なら少額訴訟、それを超える場合は通常訴訟を検討する。時効(損害と加害者を知った時から3年、人身は5年)に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1道路管理者とは誰のことですか?
道路の種類ごとに法律で決まった管理主体です。国道の指定区間は国土交通大臣、指定区間外は都道府県や政令市、都道府県道は都道府県、市町村道は市町村が管理します(道路法13条ほか)。
Q2道路の穴を見つけたらどこに通報すればいい?
国土交通省の道路緊急ダイヤル「#9910」に通報すれば、管理者が分からなくても担当につないでもらえます。通報の日時と受付者名を控えておくと、後で記録として役立ちます。
Q3道路の管理瑕疵とは何ですか?
道路が通常備えるべき安全性を欠いている状態をいいます。国家賠償法2条の責任要件で、管理者に過失があったかどうかは問われません。
Q4道路事故の国家賠償請求はいつまでにする必要がありますか?
損害と加害者を知った時から3年(人身損害は5年)、事故の時から20年で時効消滅します(国家賠償法4条、民法724条・724条の2)。証拠保全は事故直後が勝負です。
Q5私道の穴で事故にあったら誰の責任ですか?
道路法42条は道路法上の道路にしか適用されません。私道なら所有者や占有者の工作物責任(民法717条)の問題になります。まず道路台帳で認定道路かどうかを確認します。
Q6橋やトンネルの5年に1回の点検はいつから始まりましたか?
2012年の笹子トンネル天井板崩落事故を受けた2013年の道路法改正と、翌年の省令整備により、橋・トンネル等の5年に1回の近接目視点検が義務化されました。
Q7道路法42条に違反すると罰則はありますか?
本条に罰則はありません。ただし維持修繕や点検を怠った事実は、国家賠償訴訟で管理瑕疵を裏付ける材料となり、結果的に賠償責任として跳ね返ります。
Q8道路の陥没事故で過失相殺されるのはどんな場合?
前方不注視、速度超過、夜間の無灯火走行などが典型です。国家賠償法4条で民法722条2項が準用され、利用者側の落ち度に応じて賠償額が減らされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1道路の穴でタイヤがパンクしたんだけど、本当に市が弁償してくれるの?
請求はできる。道路法42条で維持修繕を担う管理者は、道路が通常備えるべき安全性を欠いていれば、国家賠償法2条に基づき賠償責任を負う。ただし、穴の規模や交通量、あなたの運転状況によって、全額認められるとは限らない。実務のポイント:自治体の多くは賠償責任保険に入っており、実際に査定するのは保険会社である。争点はほぼ過失割合なので、穴の深さを写した写真があるかどうかで提示額が変わる
Q2国道で事故った場合、文句を言う先は国?県?
道路法13条により、一般国道のうち指定区間は国土交通大臣(実務では各地の国道事務所)、指定区間外は都道府県や政令指定都市が管理する。同じ国道でも区間によって相手が違う。実務のポイント:管理者が分からなくても、国土交通省の道路緊急ダイヤル(#9910)に通報すれば担当につないでもらえる。そのとき通報の日時を控えておけば、後で記録として使える
Q3落石や倒木みたいな自然のせいでも、役所の責任になるの?
なりうる。高知落石事件(最判昭和45.8.20)は、防護柵の設置などを怠った管理瑕疵を認め、予算不足を理由とする免責も否定した。一方で、事故の直前に危険が生じ、管理者に元へ戻す時間的余裕がなかった場合は、責任が否定されることがある(最判昭和50.6.26)。実務のポイント:分かれ目は「危険が生じてから事故までの時間」である。同じ場所で以前にも落石があったという過去の記録が、予見可能性を立証する決め手になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の不注意だったのか、運が悪かったのか」と考え込むこと自体が、問いの立て方としてずれている。法律が問うのは、その穴や落石の危険がある状態の道路が、通常備えるべき安全性を欠いていたかどうかであり、管理者に落ち度があったかどうかではない(国家賠償法2条、最判昭和45.8.20)。あなたの不注意は過失相殺で額を減らす要素にはなるが、請求の入口を閉ざすものではない
- 「努めなければならない」は努力義務だから実効性がない、と読むのは浅い。たしかに本条に罰則はない。しかし維持修繕の水準は政令(道路法施行令35条の2)と省令で具体化されており、点検を怠ったり判定後の措置を放置したりした事実は、賠償訴訟で管理瑕疵を裏付ける材料になりうる。努力義務の顔をしながら、実務では賠償責任をはかる物差しとして働いている
- 利用者から見れば道路は一本につながっている。しかし法律から見ると、国道、都道府県道、市町村道で管理者が違い、同じ国道でも指定区間かどうかで国の管理か都道府県の管理かが分かれる(道路法13条)。請求先を間違えれば、たらい回しにされているうちに証拠も時間も消えていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 道路法42条:道路を常時良好な状態に保つ維持・修繕の努力義務 | 道路法46条:破損等で危険なときの通行禁止・制限 道路法13条:国道の管理者区分(指定区間は国、それ以外は都道府県等) |
| 利用者にとっての意味 | 管理水準の物差しとなり、国家賠償法2条の管理瑕疵判断の土台になる | 危険箇所を放置せず通行止めにしたかが、事故時の対応評価に関わる 賠償請求や通報の相手先を特定する根拠になる |
| 管理者の行為の性質 | 継続的・計画的な維持修繕と点検(平時の義務) | 危険発生時の応急的な通行規制(緊急時の権限) 管理主体の割り振り(組織上の規定) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公共設施の設置・管理の欠缺について国の無過失責任を定め、道路の穴による事故は同条の典型事例とされる
韓国も営造物の設置・管理の瑕疵による国家賠償を定め、日本の国家賠償法2条と構造が近い
ドイツは道路建設負担(Straßenbaulast)として維持義務を定め、事故責任は交通安全確保義務違反として職務責任の枠組みで扱われる
米国は連邦補助道路の維持義務と全国橋梁点検制度を定めるが、道路欠陥による賠償は州法と主権免責の扱いに左右される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夜の市道で、自転車ごと路面の陥没に突っ込み鎖骨を折った。穴の周りにはカラーコーン一つなかった。道路管理者である市には、国家賠償法2条で治療費と休業損害を請求できる。ただ、市側はほぼ確実に「前方不注視」を持ち出してくる。穴の大きさ、深さ、街灯の暗さを翌朝までに撮っておけるかどうかで、過失割合が変わる
- 毎日渡っている古い橋が、点検で「早期措置段階」と判定されたまま何年も補修されていなかったら、どうなる? 判定区分と点検記録は、情報公開請求で取り寄せられることが多い。崩れる前に、議会質問や住民要望で補修の順番を動かす材料になる
- 町役場の道路担当になって一年目のあなたに、住民から「あそこの穴が危ない」と電話が入った。パトロール予定表に書き込んだだけで、その日は終わった。二週間後、その穴でバイクが転倒する。通報を受けていたという事実は、役所が危険を予見できたことを示す材料として重くのしかかる
- 山沿いの県道で落石がボンネットを直撃した。物損の賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年で時効になる。しかし現場の痕跡は、管理者が片付けた翌日には消える
- 自宅前の道路が陥没したので市に連絡したら、「そこは私道です」と言われた。42条が縛るのは道路法上の道路だけである。私道なら、所有者の工作物責任(民法717条)の問題になる。まず市の道路台帳で、認定された市道かどうかを確かめる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 現場を保存する。穴や落石の位置、大きさ、深さを、メジャーを当てて撮影する。周辺の照明や警告表示が無かったことも写す2. 道路台帳や道路緊急ダイヤル(#9910)で管理者を特定し、事故を通報して受付日時と担当者名を控える3. 修理見積書、診断書、領収書をそろえて、国家賠償法2条に基づく請求を書面で出す4. 過失割合で揉めたら、情報公開請求で点検記録と過去の通報記録を取り寄せ、それをもとに再交渉する。それでも決裂すれば、少額訴訟や通常訴訟を検討する
訴えられた側:1. 道路管理者の立場なら、事故の報告を受けた時点で現場の状態、パトロール記録、過去の通報と対応の記録を保全する2. 危険を予見できなかったこと、または補修する時間的余裕がなかったことを示す事実を整理する(最判昭和50.6.26) 3. 利用者に前方不注視や速度超過があれば、過失相殺(国家賠償法4条、民法722条2項)を主張する4. 賠償責任保険への報告と、議会の議決または専決処分の手続を、並行して進める
時効(請求できる期限):国家賠償法4条で民法の規定が準用される。損害と加害者(道路管理者)を知った時から3年(人の生命または身体を害した場合は5年、民法724条、724条の2)、事故の時から20年で消滅する。管理者が補修すると現場の証拠はすぐに消えるため、実際に動けるのは事故後の数日間である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・判例(客観説):国家賠償法2条の瑕疵は、営造物が通常有すべき安全性を欠いている客観的状態をいい、管理者の過失を要しない。ただし予見可能性・回避可能性を欠く場合は瑕疵が否定されうる
努力義務規定の機能論:道路法42条1項は努力義務の形式をとるが、政令・省令で具体化された維持修繕・点検基準は、管理瑕疵判断における管理水準の参照基準として機能すると理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正 平成24年(2012年)12月の笹子トンネル天井板崩落事故を受けた道路法改正で、技術的基準に点検に関する基準を含めることを定める3項が加えられたと理解されている。改正の総回数と項番号の変遷は要検証
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:現行道路法の制定に伴い、道路管理者の維持修繕義務と技術的基準の政令委任が定められた
- 2.平成25年(2013年) 改正:笹子トンネル天井板崩落事故を受けた道路法改正で、技術的基準に点検に関する基準を含めることを求める規定が加えられた
- 道路法 第13条国道の管理者区分、請求先の特定
- 道路法 第28条道路台帳の調製、認定道路の確認手段
- 道路法 第46条破損等による危険時の通行禁止・制限
- 道路法 第49条管理費用の道路管理者負担原則
- 国家賠償法 第2条道路の管理瑕疵による無過失賠償責任
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