道路法 第4条(私権の制限)
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道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない。但し、所有権を移転し、又は抵当権を設定し、若しくは移転することを妨げない。
この条文の基本情報
私権の制限とは何ですか?
定義私権の制限とは、道路法第4条に定められた規定で、「道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない。但し、所有権を移転し、又は抵当権を設定し、若しくは移転することを妨げない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路法第4条(私権の制限)は、日本の道路法に含まれる条文です。
- 道路法第4条の条文原文は「道路を構成する敷地、支壁その他の物件については、私権を行使することができない。但し、所有権を移転し、又は抵当権を設定し、若しくは移転することを妨げない。」で始まります。
- 道路法第4条は第一章 総則に置かれています。
- 道路法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 道路法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路法第4条の前の条は道路法第3条の2です。
- 道路法第4条の次の条は道路法第5条です。
- 道路法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180 - 本サイト収録
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000180/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路法4条は、道路を構成する敷地や支壁などについて私権を行使できないと定める。ただし、所有権の移転と抵当権の設定・移転は妨げられない。
Q · 自分名義の土地が市道になっていたら、塀を立てたり駐車場として貸したりできるの?
原則できない。例外は売却と抵当権の設定・移転だけ
道路法4条により、道路を構成する敷地や支壁などについては私権を行使できません。所有者であっても、柵や塀を立てる、駐車場として貸す、道路管理者に明渡しを求めるといったことはできません。例外は但書の二つで、所有権の移転(売却・贈与)と抵当権の設定・移転は許されます。道路が廃止されれば私権は回復します。管理者が権原を取得していない場合は、買取りの申入れなどを検討する余地があります。
解説
登記簿の名義はあなたのままで、毎日その上を車が走っている。そうした土地について、法律上あなたに残っている権利はごくわずかである。道路法4条は、道路を構成する敷地や支壁(道路を支える擁壁)などについて「私権を行使することができない」と定めている。私権とは、所有者として土地を使い、貸し、明渡しを求める権利のことである。そのため、通行を止めるために柵を立てることはできない。月極駐車場として貸すことも、道路管理者(国・都道府県・市町村など)に「出て行け」と求めることもできない。例外は但書の二つだけである。所有権を移転すること(売る・贈る)と、抵当権を設定・移転することは妨げられない。つまり、名義は消えないが中身は空洞になる。ここで行動が分かれる。「仕方ない」で終わらせる人もいれば、道路管理者がその土地を使う正当な根拠(権原)を取得しているかを調べる人もいる。買収は済んでいて登記だけが漏れているのか。それとも一度も買収されていないのか。後者であれば、買取りの申入れや使用料相当額の請求を検討する余地がある(どこまで請求できるかは実務上、解釈が分かれている)。
法的な位置づけ
道路法4条の私権制限とは、道路法上の道路を構成する敷地、支壁その他の物件について、所有者等が使用・収益・妨害排除などの私法上の権利を行使できないとする規律である。所有権の移転と抵当権の設定・移転は例外として許容され、道路の廃止等により道路を構成しなくなれば制限は解除される。
手順
- 1.登記簿と公図で土地の位置と地目を確認する 法務局で登記事項証明書と公図を取得し、地目(公衆用道路など)、面積、所有者名義、道路との位置関係を確認する。相続案件では被相続人名義の土地を名寄帳とあわせて洗い出す
- 2.道路管理者で道路台帳と道路区域図を閲覧する 市町村道なら市町村、都道府県道なら都道府県の道路管理担当課で道路台帳と区域図を閲覧し、対象地が道路区域に含まれるか、供用開始の時期はいつかを確認する
- 3.権原取得の記録を書面で照会する 買収・寄付・使用貸借など、道路管理者が対象地について権原を取得した記録の有無を書面で照会する。買収済みで登記だけが漏れている場合と、未買収の場合とで、その後の対応が分かれる
- 4.専門家に相談し買取りを申し入れる 未買収であることが判明したら、土地家屋調査士に境界・面積を確認してもらい、弁護士と方針を決める。そのうえで道路管理者に内容証明郵便で買取りを申し入れ、交渉の記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1公衆用道路とはどういう土地ですか?
登記簿の地目の一つで、一般の通行に使われている土地を指します。公衆用道路の地目が付いていても道路法上の道路とは限らず、私道の場合もあります。
Q2道路法4条の私権の制限とは?
道路を構成する敷地や支壁について、所有者が使用・収益・明渡請求などの権利を行使できなくなることです。売却と抵当権の設定・移転は例外として認められます。
Q3市道になっている自分の土地に固定資産税はかかる?
公共の用に供する道路は地方税法348条で固定資産税が非課税とされます。そのため課税明細に載らず、相続時に見落とされやすくなります。
Q4道路敷地の自分の土地に塀を立てたら違法?
道路区域内で供用中の部分には私権を行使できないため、無断で塀を立てると道路法71条の監督処分で撤去を命じられることがあります。
Q5道路になっている土地だけ相続放棄できる?
できません。相続放棄は相続財産全体についてするもので、特定の土地だけを選んで放棄することはできません。遺産分割協議で取得者を決める方法を検討します。
Q6未買収の道路敷地について使用料を請求できる?
管理者が権原を取得しないまま供用している場合、使用料相当額を請求できるかは解釈が分かれています。一般消滅時効にもかかるため、早めに専門家へ相談すべきです。
Q7道路敷地を担保に融資を受けられる?
抵当権の設定は道路法4条但書で認められます。ただし競落人も私権を行使できないため、金融機関の担保評価は極めて低くなるのが通常です。
Q8私道にも道路法4条は適用される?
適用されません。対象は道路法上の道路(高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道)です。私道には建築基準法など別の規律がかかります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1道路になってる自分の土地って、そもそも売れるの?
売れる。道路法4条の但書が、所有権の移転を明文で許しているからである。ただし買主も私権を行使できないため、一般の市場で買い手はほぼ付かない。現実的な買い手は道路管理者本人である。実務のポイント:「寄付してください」と言われてそのまま応じる人が多いが、未買収地であれば有償での買取りを前提に交渉を始める余地がある
Q2何十年も道路として使われてたら、市のものになっちゃうの?
道路管理者が取得時効(民法162条)を主張する例はあり、認められるかどうかは占有の態様によって分かれる。逆に、私人が供用中の道路敷地を時効取得することは、公用廃止がない限り原則として難しい(最高裁昭和51年判決が黙示の公用廃止の要件を示している)。実務のポイント:時効の主張をされる前に買取りを申し入れて記録を残しておくと、管理者の「所有の意思」を争う材料になる
Q3道路が廃止されたら、土地は戻ってくるの?
私権の制限は、道路を構成している限りにおいて働くものである。路線の廃止や区域の変更で道路でなくなれば、所有者は通常どおり私権を行使できる。管理者の側で権原を取得していた部分は、不用物件として扱われる(道路法92条)。実務のポイント:バイパスの開通で旧道が廃止される計画は、議会資料に先に載る。近隣の地権者が最初にそれに気付けるかどうかで、その後の交渉の主導権が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の土地が道路として使われている、だから道路法4条の話だ」という問いの立て方自体が誤っていることが多い。4条が適用されるのは、道路法上の道路(高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道)として道路区域が決定され、供用が開始されたものに限られる。私道や建築基準法上の位置指定道路は4条の対象ではない。ただし対象外であっても、建築基準法44条の建築制限や、通行の利益を保護した最高裁判例による制約は別途かかる
- 「私権が使えないなら、所有権はないのと同じだ」と考える人が多いが、実はそうではない。但書のとおり売却と抵当権の設定は可能であり、道路が廃止されれば私権は完全に復活する。さらに、道路管理者が権原を取得しないまま供用している場合は、使用料相当額の請求や買取りの交渉材料として所有権が生きてくる
- あなたから見れば「先祖代々の土地を勝手に道路にされた被害者」かもしれない。しかし法律から見ると、あなたは「供用中の道路に私権を主張できない者」である。この視点の落差を理解しないまま柵を立てたり通行を妨げたりすると、あなたは監督処分や罰則を受ける側に回る。正当な不満は、道路管理者との協議や訴訟という経路でしか通らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 道路法4条:道路を構成する敷地・支壁その他の物件に対する私権の行使 | 道路法18条:道路区域の決定と供用の開始 道路法32条:道路の占用の許可 |
| 所有者にとっての意味 | 名義と処分権(売却・抵当)は残るが、使用・収益・明渡請求はできない | 区域決定と供用開始によって私権制限がかかる範囲と時期が決まる 道路を私的に使いたい場合は所有者でも占用許可を受ける必要がある |
| 所有者が確認すべきこと | 対象地が道路を構成しているか、管理者が権原を取得しているか | 道路台帳・区域図上の区域と供用開始日 占用物件・占用期間・占用料などの許可条件 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、私有地が既成道路として公衆の通行に供されると公用地役関係が成立し、所有者は通行を妨げられないとされる。一方で、国家は徴収して補償すべきであるとされており、補償の観点が明示されている点が日本と対照的である。
韓国の道路法も、道路を構成する敷地・擁壁等に対する私権の行使を禁じ、所有権の移転と抵当権の設定を例外とする。日本とほぼ同じ構造である。
ドイツでは道路の公用指定(Widmung)によって公法上の制約が私所有権に重なる。指定には原則として所有者の同意や権原の取得が求められる。
米国では、所有者による公衆への供用(dedication)や公的地役権の成立によって、私有地上に公道が成立しうる。州ごとに扱いが異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父の遺産を整理していたら、地目「公衆用道路」の土地28平方メートルが出てきた。相続放棄を判断できる期限(民法915条、原則として相続開始を知った時から3か月)は残り3週間しかない。売れるのか、税金はかかるのか、市が買い取ってくれるのか。この期限内に市役所の道路管理課で道路台帳を確認し、その土地が道路区域に入っているかと買収の経緯を聞いておかないと、判断材料がそろわないまま期限を迎える
- 家の前の市道の端50センチがうちの土地だと測量で分かったら、ブロック塀をそこまで出してもいいのか? 答えは否である。道路区域に入って供用が始まっている限り、あなたは私権を行使できない。無許可で塀を出せば、道路管理者から監督処分(道路法71条)で撤去を命じられる側に回る。境界を主張する正しい手順は、塀を立てることではなく、道路管理者との境界確定協議である
- 中古住宅の重要事項説明で「敷地の一部が市道敷地」と読み上げられた。その部分は駐車スペースにも庭にも使えない。坪単価で払う価格に、その面積が含まれていないかを確認する
- 事業資金の融資を受けようとして、道路敷地になっている土地を担保に出した。但書により抵当権は設定できる。しかし競売で買った人も私権を行使できないため、銀行の担保評価はほぼゼロになる。「抵当権を設定できる」と「担保価値がある」はまったく別の話である
- 自宅の裏手にある高さ3メートルの擁壁が、実は県道を支える支壁として道路区域に含まれていた。建て替えのついでに擁壁を削って敷地を広げる計画は、その時点で成り立たなくなる。設計士に図面を引かせる前に、道路区域図を取り寄せておくべきだった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 道路管理者(市町村道なら市町村の道路管理課)で道路台帳と道路区域図を閲覧し、自分の土地が道路区域に入っているか、供用開始日はいつかを確認する2. 買収・寄付・使用貸借など、管理者が権原を取得した記録の有無を書面で照会する3. 未買収であれば、買取りの申入れを内容証明郵便で送る。使用料相当額の請求ができるかは解釈が分かれるため、土地家屋調査士と弁護士に相談する4. 相続案件であれば、放棄期限の前に上記を終わらせる
訴えられた側:1. 道路管理者から撤去や原状回復を求められたら、まず対象地が道路区域内かどうかを区域図で確認する。区域外であれば、それを争点にする2. 区域内であれば、自力で抵抗せずに指示に従い、そのうえで権原の有無と境界を協議の場で争う3. 監督処分(道路法71条)を受けた場合は、処分書に記載された救済教示欄(審査請求・取消訴訟の期限)を最初に読む
時効(請求できる期限):道路法4条そのものに特定の時効はない。ただし未買収地の使用料相当額を請求する場合、その請求権には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。過去分は古い月から順に時効で消えていく。監督処分を争う場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、6か月以内に取消訴訟を提起する(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)
学説
私所有権説(通説):道路などの公物の敷地にも私人の所有権が成立しうることを前提に、公の目的に必要な限度で私権の行使を制限するという構成。道路法4条は、売却と抵当権を残す点でこの考え方を体現しているとされる。
権原なき供用をめぐる見解:道路管理者が権原を取得しないまま供用している場合でも本条の私権制限は及ぶと解しつつ、所有者に使用料相当額や損害賠償の請求を認めるか、どこまで認めるかについては見解が分かれている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:現行道路法(昭和27年法律第180号)の制定により、道路を構成する敷地・支壁等への私権制限と、所有権移転・抵当権の例外を定めた。
- 道路法 第18条道路区域決定と供用開始、制限の起点
- 道路法 第32条道路占用許可、私的利用の唯一の窓口
- 道路法 第71条監督処分による撤去・原状回復命令
- 道路法 第91条道路予定区域への私権制限準用(現行効力を要確認)
- 道路法 第92条道路廃止後の不用物件の管理
- 民法 第206条所有権の使用収益処分権を道路で制限
- 地方税法 第348条公共の用に供する道路の固定資産税非課税
- 建築基準法 第42条建築基準法上の道路定義、私道との区別
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