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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

厚生年金保険法 第78条の5

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実施機関は、裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官に対し、その求めに応じて、第七十八条の二第二項の規定による請求すべき按分割合に関する処分を行うために必要な資料を提供しなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 厚生年金保険法第78条の5は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
  2. 厚生年金保険法第78条の5の条文原文は「実施機関は、裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官に対し、その求めに応じて、第七十八条の二第二項の規定による請求すべき按分割合に関する処分を行うために必要な資料…」で始まります。
  3. 厚生年金保険法第78条の5は第三章の二に置かれています。
  4. 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
  5. 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 厚生年金保険法第78条の5の前の条は厚生年金保険法第78条の4です。
  7. 厚生年金保険法第78条の5の次の条は厚生年金保険法第78条の6です。
  8. 厚生年金保険法第78条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115
  • 本サイト収録厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/78_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点厚生年金保険法78条の5は、実施機関が裁判所の求めに応じ、按分割合の処分に必要な資料を提供する義務を定める。相手方が年金記録を隠しても審判では資料が出る。

Q · 離婚するとき、相手が年金記録を見せてくれなかったら年金分割はできないの?

できます。裁判所が実施機関から資料を取れます

厚生年金保険法78条の5により、実施機関(日本年金機構や共済組合)は、裁判所・受命裁判官・受託裁判官の求めに応じて、按分割合を定める処分に必要な資料を提供する義務を負います。相手方が年金記録の開示を拒んでも、審判に進めば標準報酬の記録は裁判所に届きます。したがって争点は「記録が手に入るか」ではなく「按分割合をいくつにするか」に絞られます。なお離婚前でも、当事者は年金分割のための情報通知書を単独で請求できます。

解説

離婚時の年金分割で、話し合いがまとまらず家庭裁判所に持ち込んだとき。あなたが握るべき事実は、裁判官は手ぶらで按分割合を決めているわけではない、ということだ。厚生年金保険法78条の5は、実施機関(日本年金機構、共済組合など)に対し、裁判所からの求めがあれば按分割合の処分に必要な資料を提供する義務を課している。任意の協力ではなく、法律上の義務である。つまりあなたが自分で相手の年金記録を集めきれなくても、裁判所を経由すれば、実施機関が保有する対象期間標準報酬総額のデータは審判の土俵に載る。逆に言えば、相手方が「記録は出さない」と粘っても、その抵抗には実効性がない。年金分割の審判で本当に争われるのは記録の有無ではなく、その記録を前提に按分割合を0.5にするか否か。あなたの主張の重心は、そこに置くべきだ。

法的な位置づけ

厚生年金保険法78条の5は、実施機関の資料提供義務を定める規定である。実施機関は、裁判所または受命裁判官・受託裁判官の求めに応じ、同法78条の2第2項に基づく按分割合に関する処分を行うために必要な資料を提供しなければならない。離婚時年金分割の審判手続における職権的な情報取得ルートを構成する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.離婚前に情報通知書を単独請求する 年金事務所または共済組合に「年金分割のための情報提供請求書」を提出し、対象期間の標準報酬総額を確認する。配偶者の同意は不要で、離婚前でも請求できる。数字を握った状態で交渉に入るかどうかで主導権が変わる
  2. 2.協議で按分割合の合意を試みる 按分割合(上限0.5)について協議し、合意できれば公正証書または公証人の認証を受けた私署証書として残す。合意書の形式要件を欠くと実施機関が受理しないため、様式の確認は必須
  3. 3.協議決裂なら家庭裁判所に調停・審判を申し立てる 家事事件手続法233条に基づき、按分割合を定める調停または審判を申し立てる。この段階で厚生年金保険法78条の5が働き、裁判所の求めに応じて実施機関が標準報酬の資料を提供するため、相手方の非開示は障害にならない
  4. 4.按分割合の主張を裏付ける事情を自分で立証する 実施機関が提供するのは標準報酬の記録のみで、別居期間・家事育児分担・特殊事情の証拠は出てこない。0.5からの逸脱を主張する側、または逸脱に反論する側が、自ら資料を提出する必要がある
  5. 5.審判確定後、実施機関へ標準報酬改定請求を行う 審判書謄本と確定証明書を添えて、年金事務所または共済組合に標準報酬改定請求書を提出する。原則として離婚等の日の翌日から2年以内。この請求をしなければ分割は実行されない

よくある質問 AI による整理

Q1年金分割の按分割合とは何ですか?

婚姻期間中の厚生年金の標準報酬総額を、当事者間でどの割合に分けるかを示す数値です。実務上0.5が原則的運用で、上限も0.5です。

Q2実施機関とはどこを指しますか?

日本年金機構のほか、国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私学事業団を指します。相手の勤務先により資料提供の窓口が変わります。

Q3年金分割のための情報通知書はどう請求しますか?

年金事務所または共済組合に、年金分割のための情報提供請求書と戸籍謄本等を提出します。離婚前でも配偶者の同意なく単独で請求できます。

Q4年金分割はいつまでに請求すればいいですか?

原則として離婚等の日の翌日から2年です。期間内に審判・調停を申し立てていれば、確定後6か月以内の請求が認められる救済があります。

Q5審判が確定すれば年金は自動的に分割されますか?

されません。審判確定後、実施機関に標準報酬改定請求をして初めて分割が実行されます。この手続を忘れると審判が無駄になります。

Q6国民年金や iDeCo も年金分割の対象ですか?

対象外です。分割されるのは厚生年金の報酬比例部分のみで、基礎年金・企業年金・iDeCo は含まれません。自営業期間も対象になりません。

Q73号分割と合意分割は何が違いますか?

3号分割は2008年4月以降の第3号被保険者期間について、相手の同意なく0.5で分割されます。合意分割は当事者の合意か審判が必要です。

Q8相手が公務員の場合も同じ手続ですか?

同じ枠組みですが、資料提供義務を負う実施機関は共済組合です。2015年10月の被用者年金一元化により厚生年金に統合されています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1夫が年金記録を絶対に見せないって言ってるんですけど、どうしたらいいですか?

見せてもらう必要はない。離婚前でも配偶者の同意なしに年金事務所で「年金分割のための情報通知書」を請求でき、対象期間の標準報酬総額が分かる。さらに審判になれば本条により実施機関が裁判所へ資料を提供する義務を負う。実務のポイント:情報通知書は離婚前に請求すると相手方に通知が行かない扱いを選べる場合がある。窓口で「離婚を検討中で、相手に知られたくない」と伝えて確認すること。数字を握った状態で切り出すのと、握らずに切り出すのでは交渉の位置が違う

Q2審判で裁判所が資料を取るなら、私は何も準備しなくていいんですか?

違う。実施機関が出すのは標準報酬の記録だけで、按分割合の妥当性を裏付ける事情は出てこない。別居期間、家事育児の分担、相手の浪費といった事情はあなたが立証する。実務のポイント:実務上、按分割合は0.5が原則的な運用で、これを下げさせるのは相手方にとって相当に難しい。逆に言えば、あなたが0.5を主張する側なら過剰な準備は不要。労力は財産分与や養育費に回した方がリターンが大きい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「相手が年金記録を出さないと年金分割はできない」という前提そのものが誤り。年金分割の請求と、按分割合を定める審判は別の手続であり、審判に入れば本条により実施機関が裁判所に資料を提供する。あなたが立てるべき問いは「どうやって相手から記録を取るか」ではなく「按分割合をどう主張するか」である
  • 情報通知書を取り寄せれば審判の準備は済むと考えている人は多いが、その深刻度を見誤っている。年金分割のための情報通知書(厚生年金保険法施行規則78条の3以下)は当事者が請求して取得するもので、離婚成立前でも取れる。これを先に取っておくかどうかで、調停での交渉の主導権が完全に変わる。審判で裁判所が資料を取れることと、あなたが交渉段階で数字を握っていることは、まったく別の価値だ
  • 「按分割合は原則0.5」は正しいが、それは審判実務の運用であって条文が定めているわけではない。本条は資料提供の義務を定めるだけで、割合の中身には触れていない。あなたから見れば0.5は当然の権利だが、法律から見れば0.5は裁判所が積み重ねてきた判断の集積である。この落差を理解しないまま「当然もらえる」と構えていると、相手方が特殊事情を主張してきたとき反論の型を持てない
比較の観点この条文ほかの条文
条文が担う役割78条の5:裁判所への資料提供義務(審判の情報基盤)78条の2:按分割合の請求と審判(分割の本体手続)
78条の4:対象期間標準報酬総額の情報提供(当事者への提供)
情報の受け手裁判所・受命裁判官・受託裁判官実施機関(当事者の請求を受ける側)
当事者本人(情報通知書として受領)
発動の契機裁判所からの求め(職権的ルート)当事者の請求または家庭裁判所への申立て
当事者の単独請求(相手方の同意不要)
相手方の非協力への耐性高い(法律上の義務のため拒否が成立しない)合意分割は相手方の同意が必要、決裂時は審判へ
高い(単独請求できるため)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公教人員保険法・公務人員退休資遣撫卹法(退休金の離婚分配請求権)

台湾は労働者一般に対する離婚年金分割制度を持たず、公務員・教職員の退職金についてのみ離婚時分配請求権が認められる。したがって日本の78条の5のような、年金保険者に裁判所への資料提供義務を課す一般規定は存在しない。実務上は民事訴訟法の証拠調べ・機関照会に依存する

韓国
국민연금법 제64조(분할연금)

韓国は婚姻期間5年以上を要件とする分割年金制度を持つ。日本の合意分割と異なり法律上当然に1/2とする構造で、按分割合を裁判所が定める場面が限定されるため、日本の本条に完全対応する資料提供規定は置かれていない

ドイツ
Versorgungsausgleichsgesetz(VersAusglG)§ 4 Auskunftspflicht

ドイツは離婚時年金調整(Versorgungsausgleich)を離婚手続に職権併合し、年金保険者(Versorgungsträger)は家庭裁判所に対し年金権の額を回答する義務を負う。日本の本条はこの構造に最も近いが、ドイツは職権進行で当事者の申立てを要しない点が異なる

アメリカ
ERISA § 206(d)(3)・Qualified Domestic Relations Order(QDRO)

米国は公的年金(Social Security)ではなく私的年金プランを QDRO により分割する枠組みで、プラン管理者が裁判所命令に応じて情報を開示する。公的年金分割を制度化した日独とは出発点が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 協議離婚の話し合いで夫が「俺の年金記録なんて教える義理はない」と言い張っている。もし調停・審判に進んだら、その拒否はどうなるのか? 裁判所が実施機関に求めれば資料は出る。相手の拒否は交渉カードとして機能しない、と分かった時点で交渉の姿勢が変わる
  • 婚姻期間20年、専業主婦だったあなたが年金分割の審判を申し立てた。相手方は「同居していない期間がある」と主張して按分割合を下げようとしてくる。実施機関から出てくるのは標準報酬の記録であって、同居実態の証拠ではない。あなたが自分で集めるべき証拠は何か、この切り分けが勝敗を分ける
  • 相手方の立場に立ってみる。あなたが会社員で、離婚を申し立てられた側だとする。給与額を知られたくないと思っても、審判に入れば標準報酬月額の履歴は裁判所に渡る。隠す前提の戦略は最初から成立しない
  • 離婚成立から2年が迫っている。あと3か月。この期間内に按分割合を定める請求をしないと、分割そのものができなくなる。審判の申立てが期限内なら救済される仕組みはあるが、期限を過ぎてから気付いた人に道はない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 離婚前でも「年金分割のための情報通知書」を年金事務所に請求する、相手の同意は不要2. 協議で0.5の合意ができれば公正証書または合意書(公証人認証)で足りる3. 協議が決裂したら家庭裁判所に年金分割の調停または審判を申し立てる、この段階で本条により裁判所が実施機関から資料を取れる4. 審判確定後、必ず実施機関へ標準報酬改定請求を行う、審判が出ただけでは分割は実行されない

訴えられた側:1. 標準報酬記録は隠せない前提で戦略を組む、隠蔽努力はコストの無駄2. 按分割合を0.5未満にしたいなら、別居期間の長さ、婚姻期間中の特殊な事情を具体的な証拠で示す、ただし実務上0.5からの逸脱は容易ではない3. 3号分割(2008年4月以降の第3号被保険者期間)は相手の請求だけで自動的に0.5になる、この部分は争えない4. 財産分与全体のパッケージで調整する方が現実的

時効(請求できる期限):按分割合を定める請求は、原則として離婚等をした日の翌日から起算して2年(厚生年金保険法78条の2第1項、同法施行令3条の12の2)。期間内に審判・調停の申立てをしていれば、確定後6か月以内に請求できる救済がある。(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条は、按分割合を定める審判の実効性を制度側から担保する手続規定であり、実体的な分割基準には関与しないと解されている。開示先を裁判所に限定し、目的を78条の2第2項の処分に必要な範囲に絞ることで、標準報酬というセンシティブな個人情報の保護と審判の適正な判断の要請を調整している。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:年金制度改革(平成16年改正)により離婚時年金分割制度(合意分割)が導入され、78条の2以下とともに本条が新設された。施行は平成19年(2007年)4月。
  2. 2.平成24年〜平成27年(2012〜2015年) 改正:被用者年金一元化により共済年金が厚生年金に統合され(2015年10月施行)、資料提供義務を負う主体が「社会保険庁長官」等から「実施機関」へと整理された。相手方が公務員・私学教職員の場合、義務主体は各共済組合となる。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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