厚生年金保険法 第19条
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- 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。
- 2.被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を一箇月として被保険者期間に算入する。ただし、その月に更に被保険者又は国民年金の被保険者(国民年金法第七条第一項第二号に規定する第二号被保険者を除く。)の資格を取得したときは、この限りでない。
- 3.被保険者の資格を喪失した後、更にその資格を取得した者については、前後の被保険者期間を合算する。
- 4.前三項の規定は、被保険者の種別ごとに適用する。
- 5.同一の月において被保険者の種別に変更があつたときは、前項の規定により適用するものとされた第二項の規定にかかわらず、その月は変更後の被保険者の種別の被保険者であつた月(二回以上にわたり被保険者の種別に変更があつたときは、最後の被保険者の種別の被保険者であつた月)とみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第19条は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第19条の条文原文は「被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。」で始まります。
- 厚生年金保険法第19条は第二節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第19条の前の条は厚生年金保険法第18条の2です。
- 厚生年金保険法第19条の次の条は厚生年金保険法第20条です。
- 厚生年金保険法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第19条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法19条は、被保険者期間を月単位で計算し、資格取得月から資格喪失月の前月までを算入すると定める。資格喪失日は退職日の翌日となるため、月末退職ならその月も算入される。
Q · 厚生年金の加入期間って、働いた日数で計算されるんですか?
日数ではなく月単位。喪失月の前月までが算入されます
厚生年金保険法19条1項により、被保険者期間は月単位で計算され、資格を取得した月から資格を喪失した月の前月までが算入されます。資格喪失日は退職日の翌日(同法14条)であるため、3月31日退職なら喪失は4月となり3月が算入され、3月30日退職なら喪失は3月となり3月は算入されません。資格取得月にそのまま喪失した場合は、2項により1か月として算入されますが、同じ月に更に被保険者資格等を取得したときは但書により算入されません。計算は被保険者の種別ごとに行われます(4項)。
解説
厚生年金の受給額を左右する「被保険者期間」は、日数ではなく月単位で数える。ここに落とし穴がある。資格を取得した月は算入され、資格を喪失した月は算入されない。つまり月末退職か月中退職かで、あなたの年金記録に一か月の差が生まれる。3月31日に退職すれば資格喪失は4月1日、喪失月は4月なので3月は算入される。3月30日に退職すれば喪失は3月31日、3月は算入されない。同じ月の退職で、生涯にわたる年金額が変わる。さらに2項は、入社した月にすぐ辞めた場合でもその月を1か月として算入すると定めるが、同じ月に別の会社で資格を取得したなら二重には数えない。あなたが転職や退職日を決めるとき、人事に言われるまま日付を選んでいるなら、その一日が年金記録を削っている可能性がある。
法的な位置づけ
厚生年金保険法19条は被保険者期間の計算方法を定める規定であり、期間を日単位ではなく月単位で把握し、資格取得月から資格喪失月の前月までを算入する。資格取得月に喪失した場合は1か月として算入し、同月に更に資格を取得したときは算入しない。資格の得喪を繰り返した場合は前後の期間を合算し、これらの計算は被保険者の種別ごとに適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.退職届を出す前に、資格喪失月がどちらになるか確認する カレンダーで退職予定日の翌日が何月かを確認する。翌日が翌月になる月末退職なら退職月が被保険者期間に算入され、翌日が同月内なら算入されない。判断材料は「1か月分の保険料負担」と「その月の国民年金の扱い」の両方
- 2.ねんきんネットで勤務先ごとの加入月数を書き出す ねんきんネットまたはねんきん定期便から、各勤務先の資格取得年月・資格喪失年月・加入月数を一覧化する。自分の入社日・退職日と突き合わせ、喪失月が「退職日の翌日が属する月」になっているかを1件ずつ検算する
- 3.ずれが見つかったら証拠書類を集める 加入月数が記憶と合わない期間について、給与明細、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、在職証明書、健康保険証の写しなど、在職期間と社会保険料控除を示す資料を集める。勤務先が現存するうちに動くほど立証は容易
- 4.年金事務所に記録訂正を申し出る 最寄りの年金事務所に記録照会と訂正の申出を行う。事業主が資格取得届・喪失届を怠っていた場合は事業主への確認と併せて処理される。結果に不服があれば社会保険審査官への審査請求という手段も残る
よくある質問 AI による整理
Q1被保険者期間とは何ですか?
厚生年金の加入期間を月単位で数えたものです。厚生年金保険法19条により、資格を取得した月から資格を喪失した月の前月までが算入され、年金額計算の基礎になります。
Q2厚生年金の資格喪失日はいつになりますか?
退職日の翌日が資格喪失日です(同法14条)。3月31日退職なら喪失日は4月1日、3月30日退職なら喪失日は3月31日となり、19条1項の「喪失月の前月まで」の判定が変わります。
Q3厚生年金の加入月数はどこで確認できますか?
ねんきんネット、毎年届くねんきん定期便、または年金事務所での記録照会で確認できます。勤務先ごとの資格取得年月と喪失年月まで確認すると、月のずれを検算できます。
Q4転職を繰り返した場合、厚生年金の期間は合算されますか?
合算されます。19条3項が、資格を喪失した後に更に資格を取得した者について前後の被保険者期間を合算すると定めています。ただし4項により種別ごとの計算が前提です。
Q5育児休業中の月も被保険者期間に算入されますか?
算入されます。育児休業等期間中は申出により保険料が免除されますが、被保険者資格そのものは継続するため、その月は被保険者期間として数えられます。
Q6被保険者期間と受給資格期間は同じですか?
別物です。19条の被保険者期間は厚生年金の加入月数、受給資格期間は国民年金の納付済期間等も合算した10年の要件です。厚生年金だけで判断すると誤ります。
Q7年金記録が間違っていたらどこに申し出ますか?
年金事務所を経由して厚生労働大臣に訂正請求します。給与明細、源泉徴収票、雇用保険被保険者証など、在職と報酬を裏づける資料を揃えるほど認められやすくなります。
Q870歳を過ぎても厚生年金の被保険者期間は増えますか?
原則として70歳で被保険者資格を喪失するため増えません。ただし受給資格期間を満たさない場合は、高齢任意加入被保険者として加入を継続できる制度があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1月末に辞めるのと月の途中で辞めるので、そんなに違うんですか?
違います。19条1項は資格喪失月の前月までを算入するため、退職日の翌日が資格喪失日となる関係上、月末退職ならその月が算入され、月中退職なら算入されません。実務のポイント:人事が月中退職を勧めるのは、退職月の社会保険料の会社負担分が発生しないからです。会社の経理都合であって、あなたの利益ではない。ただし月末退職ならあなたの保険料負担も1か月分発生するので、記録と負担の両方を並べて判断する
Q2入社してすぐ辞めたのに、1か月分の保険料が引かれていました。間違いでは?
間違いではありません。19条2項が、資格取得月に喪失した場合もその月を1か月として算入すると定めており、保険料も1か月分かかります。実務のポイント:ただし但書があり、同じ月に次の会社で資格を取得したり国民年金1号になったりすると、この月は算入されず、いったん徴収された保険料は還付されます。転職先の入社日が同じ月内なら、還付の対象になっていないか給与明細と年金記録を照合する価値がある
Q3公務員から民間に移ったんですが、期間はまとめて計算されますか?
4項により、被保険者期間の計算は種別ごとに行われます。2015年10月の被用者年金一元化で共済年金は厚生年金に統合され、第1号から第4号までの厚生年金被保険者という種別に整理されました。実務のポイント:種別が違っても厚生年金の加入期間としては通算されますが、種別ごとの期間は加給年金や職域相当部分の経過措置の判定に効いてきます。ねんきん定期便では種別の内訳まで見えないことがあるので、年金事務所で種別別の記録を取り寄せて確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「厚生年金は働いた日数で計算される」と信じている人が多いが、法は月単位でしか数えない。月の29日働いても1日働いても、算入されるのは同じ1か月。逆に月をまたぐ形を作り損ねると、実労働があっても0か月になる
- 退職日の話は「月末退職なら1か月得する」という損得の話だと理解されがちだが、問いの立て方が違う。月末退職では退職月の社会保険料も労使折半で控除される。増えるのは記録だけではなくその月の負担でもある。比べるべきは「1か月の保険料」と「その1か月が生涯年金に与える増分+その月の国民年金の扱い」であり、単純に月末が有利とは限らない
- 「同じ月に転職すれば期間が2か月になる」と考える人がいるが、2項但書がそれを封じる。同じ月に次の資格を取得すれば、その月は後の資格の月として1か月に集約される。期間は重ねて積み上がらない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律している対象 | 19条:期間を「どう数えるか」(月単位・喪失月の前月まで) | 13条:資格を「いつ取得するか」(適用事業所に使用された日) 14条:資格を「いつ喪失するか」(退職日の翌日・70歳到達等) |
| 単位 | 月単位。1日でも1か月でも算入は同じ1か月 | 日単位で取得日を特定 日単位で喪失日を特定 |
| 退職日が1日ずれたときの影響 | 算入月数が1か月増減し、生涯年金額に波及 | 入社日の属する月から算入が始まる 喪失日の属する月が変わり19条の判定が反転 |
| 連動する効果 | 43条の年金額計算、81条の保険料徴収月数の基礎 | 資格取得届の提出義務が発生 資格喪失届の提出義務・国民年金への種別変更が発生 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の労保年金も保険年資を月単位で積み上げ、月末離職か月中離職かで加保月数が変わる点は日本と同じ構造。ただし労退新制(個人口座方式)は提繳額ベースのため、月単位の切れ目が年金額に与える影響は日本より小さい
韓国も加入期間を月単位で計算し、資格取得月・喪失月の扱いを条文で定める。日本法を参照した設計であり、月末退職/月中退職で加入月数が変動する実務課題も共通する
ドイツも保険料納付期間を暦月(Kalendermonat)単位で把握する。ただし年金額は納付額に応じた報酬点数(Entgeltpunkte)で決まるため、1か月の欠落が額に与える影響は日本より連続的
米国は月ではなく四半期(quarter of coverage)単位で、年間の稼得額が基準額に達すれば最大4クレジットを付与する。退職日の日付ではなく年収で判定されるため、日本のような「1日ずれで1か月消える」問題は生じにくい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 転職が決まり、人事から「月末より30日付の退職のほうが手続きが楽」と言われた。素直に従うと、その月の厚生年金被保険者期間が1か月消える。同時に、その月は国民年金1号か配偶者の3号として自分で手当てしないと未納月になる。人事の都合とあなたの年金記録は一致しない
- 同一グループ内で3月に転籍し、公務員共済(第2号厚生年金被保険者)から民間(第1号厚生年金被保険者)へ移った。5項により、その月は変更後の種別の月として扱われる。種別ごとに期間が集計されるため、後年の年金額計算で「どちらの種別に何か月あるか」が効いてくる
- もし入社した月の途中で会社を辞め、その月のうちに再就職しなかったとしたら? 2項によりその1か月は被保険者期間に算入され、保険料も1か月分徴収される。「たった数日しか働いていないのに1か月分引かれた」という給与明細の謎の正体がこれである
- ねんきん定期便の加入月数が、自分の記憶より2か月少ない。あと数年で受給開始、確認できる時間は限られている。原因はたいてい退職月の扱いか、資格取得届の遅れ。時効の壁(保険料は2年、年金の支払いは5年)が近づく前に記録訂正を動かす必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. ねんきんネットまたはねんきん定期便で、各勤務先ごとの資格取得年月・喪失年月・加入月数を書き出す2. 自分の入退社日と突き合わせ、喪失月が「退職日の翌日が属する月」になっているか確認する3. ずれがあれば給与明細・雇用保険被保険者証・源泉徴収票・在職証明を集める4. 年金事務所に記録訂正を申し出る。事業主が届出を怠っていた場合は、事業主への確認と併せて処理される。争いがあれば社会保険審査官への審査請求も選択肢になる
訴えられた側:1. 事業主側であれば、資格取得届・喪失届の提出日と記載した資格喪失日(退職日の翌日)を再確認する2. 同一月内の入退社では、2項により保険料1か月分の納付義務が生じるため、給与控除の処理漏れがないか点検する3. 種別変更や転籍を伴う場合は5項の適用結果を記録に反映させる4. 誤りが判明したら訂正届を速やかに提出する。保険料の徴収時効は2年であり、遡及処理の可否は年数で変わる(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):保険料を徴収する権利および還付を受ける権利は2年で時効消滅(厚生年金保険法92条)。年金給付を受ける権利そのものは5年で時効にかかるが(同92条1項)、記録訂正に基づく未支給分の支払いについては、年金記録の訂正がなされた場合に時効の特例を認める制度が別途設けられている。被保険者期間の記録訂正の申立て自体に特定の期限はないが、証拠の散逸が事実上の期限として働く
学説
通説(月単位主義の趣旨):被保険者期間を月単位に固定するのは、大量の記録処理と保険料徴収を機械的に運用するための技術的要請であり、19条2項本文・但書および5項は、この画一性を保ちながら同一月内の得喪や種別変更による二重計上・脱漏を調整する規定と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:厚生年金保険法の全部改正により現行法が制定され、被保険者期間を月単位で計算する原則と、資格取得月即喪失の取扱いが条文として整備された
- 2.平成27年(2015年) 改正:被用者年金一元化により共済年金が厚生年金に統合され、第1号から第4号までの被保険者の種別が導入。これに伴い種別ごとの期間計算(4項)と同一月内の種別変更のみなし規定(5項)が適用される構造となった
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