厚生年金保険法 第81条(保険料)
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- 政府等は、厚生年金保険事業に要する費用(基礎年金拠出金を含む。)に充てるため、保険料を徴収する。
- 2.保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、徴収するものとする。
- 3.保険料額は、標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ保険料率を乗じて得た額とする。
- 4.保険料率は、次の表の上欄に掲げる月分の保険料について、それぞれ同表の下欄に定める率とする。
この条文の基本情報
保険料とは何ですか?
定義保険料とは、厚生年金保険法第81条に定められた規定で、「政府等は、厚生年金保険事業に要する費用(基礎年金拠出金を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第81条(保険料)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第81条の条文原文は「政府等は、厚生年金保険事業に要する費用(基礎年金拠出金を含む。」で始まります。
- 厚生年金保険法第81条は第五章に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第81条の前の条は厚生年金保険法第80条です。
- 厚生年金保険法第81条の次の条は厚生年金保険法第81条の2です。
- 厚生年金保険法第81条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第81条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第81条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/81
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法81条は、標準報酬月額と標準賞与額に保険料率を乗じて保険料額を算定すると定める。率は平成29年9月以降18.3%で固定され、労使折半のため本人負担は9.15%となる。
Q · 給与明細から引かれている厚生年金保険料って、どうやって決まっているんですか?
標準報酬月額と標準賞与額に18.3%を掛けた額で、本人負担はその半分です
厚生年金保険法81条3項により、保険料額は標準報酬月額および標準賞与額に保険料率を乗じて算出されます。保険料率は同条4項の表で定められ、平成29年(2017年)9月以降18.3%で固定されています。82条1項で労使折半とされるため、本人負担は実質9.15%です。また同条2項により保険料は被保険者期間の計算の基礎となる各月ごとに徴収され、日割りされません。そのため退職日が月末か月末前日かで、1か月分の保険料が動きます。
解説
給与明細の控除欄で、所得税より大きな数字が並んでいることに気付いているだろうか。厚生年金保険料である。81条は徴収の根拠であると同時に、その計算式そのものを書いている。標準報酬月額と標準賞与額に保険料率を掛ける、それだけだ。押さえるべき点は三つ。第一に、率は平成29年(2017年)9月以降18.3%で固定され、労使折半なのであなたの実負担は9.15%(82条1項)。第二に、保険料は日割りされず「月」単位で徴収される(2項)。だから退職日が月末か月末前日かで、まるまる1か月分が動く。第三に、1項の括弧書きにある基礎年金拠出金、これが会社員が国民年金保険料を別途払わなくてよい理由だ。控除額は会社が裁量で決めているのではない。全部この一条から逆算できる数字である。
法的な位置づけ
厚生年金保険法81条は、保険料の徴収根拠と算定方式を定める規定である。政府等は基礎年金拠出金を含む厚生年金保険事業に要する費用に充てるため保険料を徴収し、その額は標準報酬月額および標準賞与額に保険料率を乗じて算出される。保険料率は同条4項の表により定められ、徴収の単位は被保険者期間の計算の基礎となる各月とされる。
手順
- 1.給与明細の控除額を自分で検算する 直近の給与明細を開き、標準報酬月額に18.3%を掛けて2で割った額(本人負担分)と控除額が一致するか確かめる。賞与月は標準賞与額(1回150万円が上限)に同率を掛けて2で割る。81条3項・4項と82条1項からこの計算式がそのまま導かれる
- 2.標準報酬月額の等級が実際の報酬と合っているか確認する 9月からの標準報酬月額は原則4月・5月・6月の報酬平均で決まる(定時決定・21条)。この3か月の実支給額と届出上の等級を突き合わせる。固定的賃金が大きく変わった場合は随時改定(23条)の届出漏れがないかも確認する
- 3.ずれがあれば会社に届出内容の開示を求め、是正を依頼する 等級のずれや控除額の不一致が見つかったら、人事・総務に定時決定および随時改定の届出内容の開示を求める。徴収権・還付請求権はいずれも2年で時効にかかる(92条1項)ため、気付いた時点で速やかに動く
- 4.加入記録を照合し、必要なら年金事務所に相談する ねんきんネットで標準報酬の履歴と加入月を確認し、控除されているのに記録がない月があれば年金事務所に相談する。会社の未納が疑われる場合は、全期間の給与明細を保全してから相談する。控除の証拠が残っていれば厚生年金特例法による記録訂正の対象になりうる
- 5.退職日・育休日程・賞与回数を事前に設計する 退職日を月末にするか月末前日にするか、育児休業に月末日を含めるか同一月内14日以上を確保するか(81条の2)、賞与を年3回にするか4回以上にするかを、届出前に決めておく。決まった後では動かせない
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金保険料の納付期限はいつですか?
各月分の保険料は翌月末日までに納付します(83条1項)。納付義務者は事業主で、期限を過ぎると督促状が発せられ、延滞金(87条)が加算され、最終的には国税滞納処分の例により差押えに至ります。
Q2退職日が月末かどうかで厚生年金保険料は変わりますか?
変わります。保険料は月単位で徴収され日割りされません(81条2項)。月末退職なら資格喪失は翌月1日となり退職月の保険料が発生し、月末前日退職なら退職月は徴収されず国民年金第1号として自分で納めます。
Q3育児休業中の厚生年金保険料は免除されますか?
免除されます(81条の2)。従来は月末日を含む月が対象でしたが、令和4年(2022年)10月施行の改正により、同一月内に14日以上の育児休業を取得した場合もその月の保険料が免除されるようになりました。
Q4標準報酬月額の上限はいくらですか?
厚生年金の標準報酬月額は等級制で、上限は65万円です。これを超える報酬があっても保険料は頭打ちになるため、高所得者ほど実質的な負担率は下がります。標準賞与額は1回あたり150万円が上限です。
Q5厚生年金の保険料率18.3%はいつ固定されましたか?
平成16年(2004年)改正で保険料水準固定方式が導入され、段階的な引上げを経て平成29年(2017年)9月以降18.3%で固定されました(81条4項)。労使折半のため本人負担は9.15%です。
Q6厚生年金保険料の時効は何年ですか?
徴収権も還付請求権も2年で時効にかかります(92条1項、督促により時効更新)。標準報酬の遡及訂正も原則この2年に縛られますが、控除済みで未納付の場合は厚生年金特例法による例外の余地があります。
Q7基礎年金拠出金とは何ですか?
国民年金(基礎年金)の給付費用を各被用者年金制度が拠出する仕組みで、81条1項の括弧書きにより厚生年金保険料の使途に含まれています。会社員が国民年金保険料を別途納めなくてよいのはこのためです。
Q8会社が厚生年金保険料を滞納するとどうなりますか?
納付義務者は事業主であるため(82条2項)、督促・延滞金・国税滞納処分の例による差押えの対象は会社です。従業員は給与明細で控除の事実を証明できれば、記録訂正により受給権を守れる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1毎月引かれてる厚生年金、正直いくらが正解なんですか?
標準報酬月額に18.3%を掛けた額の半分、つまり9.15%が本人負担です(81条3項・4項、82条1項)。標準報酬月額は等級制で上限は65万円なので、それを超える高所得者は実質負担率が下がります。実務のポイント:日本年金機構が公表する都道府県別の保険料額表と自分の明細を並べれば、等級のずれが数分で分かる。会社の届出ミスは珍しくなく、指摘して直せるのは原則2年以内です
Q2会社が保険料を納めてなかったら、私の年金は消えるんですか?
納付義務者は事業主であり(82条2項)、あなたの分は給与からの控除にすぎません(84条)。給与明細などで控除の事実が確認できれば、厚生年金特例法により記録訂正と給付の道が残ります。実務のポイント:この救済は「控除されていた証拠」が全てです。退職後に明細を処分した人が最も詰む。転職のたびに最終月の明細と源泉徴収票だけはPDF化して残しておく
Q3ボーナスからも引かれるの、いつからこうなったんですか?
平成15年(2003年)4月の総報酬制導入で、賞与にも月給と同率の保険料がかかるようになりました(3項の標準賞与額)。上限は1か月あたり150万円です。実務のポイント:年4回以上支給される賞与は標準賞与額ではなく報酬として扱われ、毎月の標準報酬月額に組み込まれる。支給回数の設計次第で保険料の基礎が変わるため、賞与制度を変えるときは人事より先に社会保険労務士に見せた方がよい
Q44月から6月に残業を減らせば保険料が安くなるって本当ですか?
本当です。定時決定(21条)はこの3か月の平均報酬で9月からの1年分を決めるためです。ただし標準報酬月額が下がれば将来の報酬比例部分も同じだけ下がります。実務のポイント:繁忙期が構造的に4月から6月に来る業種には、年間平均で算定し直す保険者算定の申立てが用意されている。残業を無理に削るより、この申立ての要件に当てはまるかを先に確認する方が筋がいい
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険料が高くて損をしている」という問いの立て方自体が半分外れている。同額を事業主が負担しており(82条1項)、それはあなたの明細には現れない。さらに1項の基礎年金拠出金によって国民年金部分も同時にまかなわれる。比較の対象は「引かれた額」ではなく、自営業者が払う国民年金保険料(定額)+厚生年金相当の私的準備との合計であるべきだ
- 標準報酬月額で保険料が決まることは多くの人が知っている。だが、その標準報酬月額が原則4月・5月・6月の3か月の報酬だけで、その年の9月から翌年8月まで固定される(21条)という深刻さは知られていない。この3か月に残業や一時的な手当が偏ると、1年間高い保険料を払い続ける。逆に言えば、繁忙期が固定している業種には年間平均による保険者算定の申立てという是正ルートが用意されている
- あなたから見れば毎月自分の給与から引かれる出費だが、法律から見れば納付義務者は事業主であり(82条2項)、あなたの分は給与からの源泉控除(84条)にすぎない。この落差が効いてくるのは会社が納付を怠ったときだ。督促と滞納処分の相手はあなたではない。構造を知らないと、会社の未納を自分の落ち度のように受け止めて泣き寝入りする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を定めているか | 81条:保険料の徴収根拠と算定式(標準報酬月額・標準賞与額 × 保険料率) | 82条:労使折半と事業主の納付義務 84条:被保険者負担分の給与からの源泉控除 |
| 誰に向けられた規律か | 政府等(徴収主体)と保険料額の計算そのもの | 被保険者と事業主の負担割合、および納付義務者の特定 事業主による控除行為の適法性と方法 |
| 実務で効く場面 | 控除額の検算、標準報酬の等級確認、賞与保険料の算定 | 会社が未納のとき誰が督促・差押えを受けるかの判断 控除額が明細と合わないときの争点整理 |
| 隣接する例外規定 | 81条の2(育児休業等期間中の保険料免除)、21条(定時決定) | 83条(納付期限)、87条(延滞金) 92条(2年時効)、厚生年金特例法(控除済み未納付の記録訂正) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は老齢給付を労工保険(普通事故保険)と労工退職金の二階建てで構成する。普通事故保険料は被保険者20%・雇主70%・政府10%の三者分担で、日本の労使折半と異なり政府が直接負担する点が特徴。退職金は雇主が月提繳工資の6%以上を個人口座に拠出する確定拠出型
韓国は事業場加入者について保険料率9%を労使各4.5%で折半する。日本の18.3%と比べ料率は低いが、基準所得月額の上限も低く設定されており、給付水準も相応に抑えられている
ドイツは一般年金保険の保険料率を法定し、被用者について労使折半とする。日本と同じビスマルク型の報酬比例拠出であり、日本の厚生年金保険料の制度設計の源流にあたる
米国は社会保障税(OASDI)として被用者・雇用主各6.2%を課し、課税対象賃金には年額の上限(wage base)がある。賞与も通常の賃金と同様に課税対象となる点は日本の総報酬制と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 3月30日に辞めるか、31日に辞めるか。もし上司から退職日を選んでよいと言われたら、どちらを選ぶ? 31日退職なら資格喪失は4月1日、3月は被保険者期間に入るので3月分の保険料が発生する。30日退職なら3月分は徴収されない代わりに、3月は国民年金第1号として自分で払い、厚生年金の加入月も1か月減る。あと数日で出す退職届の日付欄が、目先の手取りと将来の受給額を同時に動かす
- あなたが5人の会社の社長で、資金繰りに詰まり、従業員から控除した保険料の納付を1か月止めた。納付期限は翌月末日(83条1項)で、遅れれば督促状が飛び、延滞金(87条)が積み上がり、最後は国税滞納処分の例による差押えに至る。従業員の給与から預かった分だけは、絶対に運転資金に回してはいけない
- 4月に転勤で残業が集中した。9月の給与明細で保険料が跳ね上がる。定時決定(21条)の対象月が4月から6月だからだ
- 妻がパートの時間を増やし、扶養を外れると言い出した。第3号被保険者から第2号になれば自分で保険料を負担するが、その分は将来の報酬比例部分として返ってくる。今の世帯手取りだけで判断すると、老後の受給差を見落とす
- 育児休業を上司に相談したら「月の途中で2週間ならいい」と返された。令和4年(2022年)10月施行の改正で、同一月内に14日以上の育休があればその月の保険料は免除される(81条の2)。開始日と終了日の設計を知らないまま合意すると、要件を1日足りずに外して数万円を捨てることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 直近の給与明細と日本年金機構の保険料額表を突き合わせ、標準報酬月額の等級が実際の報酬と合っているか検算する2. ずれていれば会社の担当者に定時決定(21条)・随時改定(23条)の届出内容の開示を求める3. ねんきんネットで加入記録と標準報酬の履歴を確認、控除されているのに記録がない月があれば年金事務所へ4. 会社の未納が疑われる場合は給与明細を全期間分保全してから相談する。控除の証拠が残っていれば厚生年金特例法による記録訂正の対象になりうる
訴えられた側:1. 資金繰りが苦しくても、従業員から控除した分の流用は絶対に避ける。納付義務者は事業主本人であり(82条2項)、最終的に国税滞納処分の例で差押えに至る2. 一時的に払えないなら滞納する前に年金事務所へ換価の猶予・納付の猶予を相談する。督促後より前の相談の方が選択肢が広い3. 4月から6月の報酬が年間実態と著しく乖離する事業なら、年間平均による保険者算定の申立てを検討4. 賞与の支給回数と月末日の育休設計を就業規則側で整理しておく
時効(請求できる期限):各月分の保険料の納付期限は翌月末日(83条1項)。保険料の徴収権および還付請求権の消滅時効は2年(92条1項、督促により時効更新)。標準報酬の遡及訂正も原則この2年に縛られるが、事業主が給与から控除しながら納付していなかった場合は、厚生年金特例法により2年を超える期間の記録訂正が認められる余地がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
立法政策(保険料水準固定方式):給付水準を先に決めて保険料を後から引き上げる方式から、保険料の上限を法律で固定し収支調整を給付側で行う方式へ反転させたのが81条4項の率の表である。現役世代に負担の予測可能性を与える代わりに、水準調整のリスクを受給側へ配分する設計と理解されている。
通説(納付義務の帰属):82条2項により保険料の納付義務者は事業主であり、被保険者負担分の給与控除(84条)は事業主が求償を実現する手段にすぎない。したがって滞納処分の相手方は事業主であって被保険者ではなく、被保険者の権利義務は控除の事実により基礎づけられると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)4月 総報酬制導入 賞与にも月給と同率の保険料を課す総報酬制へ移行し、保険料額の算定基礎に標準賞与額が加わった(改正年・条文の対応関係は人的検証が必要)
- 平成16年(2004年)年金制度改正 保険料水準固定方式を採用し、段階的引上げの後に平成29年(2017年)9月以降18.3%で固定する率の表を規定した(人的検証が必要)
- 平成24年(2012年)公布、平成27年(2015年)10月施行 被用者年金一元化 共済年金を厚生年金に統合したことに伴い、徴収主体が「政府」から「政府等」へ改められた(人的検証が必要)
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 改正:総報酬制の導入により、賞与にも月給と同率の保険料が課されることとなり、保険料額の算定基礎に標準賞与額が加わった(改正年と条文の対応関係は人的検証が必要)
- 2.平成16年(2004年) 改正:保険料水準固定方式を採用し、段階的引上げの後に平成29年(2017年)9月以降18.3%で固定する率の表を規定した(人的検証が必要)
- 3.平成24年(2012年)公布・平成27年(2015年)10月施行 改正:被用者年金一元化により共済年金を厚生年金に統合したことに伴い、徴収主体が「政府」から「政府等」へ改められた(人的検証が必要)
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