要点厚生年金保険法 14 条は、死亡や退職などの事由が生じた日の翌日に被保険者資格を喪失すると定める。ただし 70 歳到達のみはその日に喪失し、保険料は喪失月の前月分まで徴収される。
Q · 厚生年金の資格って、退職した日に無くなるんじゃないんですか?
退職日ではなく、その翌日に資格を失います
厚生年金保険法 14 条により、資格喪失日は退職した日ではなくその翌日です。3 月 31 日退職なら喪失日は 4 月 1 日、3 月 30 日退職なら喪失日は 3 月 31 日となります。被保険者期間は喪失月の前月まで算入されるため(同法 19 条 1 項)、月末退職ならその月の保険料が発生し、月末前日退職なら発生しません。ただし 70 歳到達だけは翌日ではなくその日に喪失し、その到達日は誕生日ではなく誕生日の前日です。
退職届の日付を「3月30日にしませんか」と総務が言ってきたら、その一日は会社にとって社会保険料一か月分だ。厚生年金の資格は、退職した日ではなく「その翌日」に喪失する(14条2号)。3月31日退職なら喪失日は4月1日、保険料は喪失月の前月である3月分まで徴収される(19条1項)。3月30日退職なら喪失日は3月31日、3月分は徴収されない。会社は労使折半の負担を丸ごと浮かせ、あなたは厚生年金の加入期間を一か月失い、しかもその月は国民年金保険料を自腹で払う側に回る。同じ「翌日」の構造は死亡にも働く。ただし70歳到達だけは翌日ではなく「その日」に喪失し(5号)、しかも70歳に達する日は誕生日ではなく誕生日の前日である。誰もが人生で一度は通る条文なのに、この一日の非対称性を知って退職日を決めている人はほとんどいない。
厚生年金保険法 14 条は、被保険者資格の喪失時期を定める規定である。死亡、使用関係の終了、任意適用に関する認可、適用除外該当の各事由については当該事実が生じた日の翌日に、70 歳到達については当該到達日に資格を喪失する。喪失日は被保険者期間の算入範囲および保険料徴収の終期を画する基準日となる。
死亡・退職・適用除外該当などの事由が生じた日の翌日です(厚生年金保険法 14 条)。3 月 31 日退職なら喪失日は 4 月 1 日、3 月 30 日退職なら 3 月 31 日になります。
事業主は事実の発生から 5 日以内に提出する必要があります(同法 27 条、同法施行規則 22 条)。遅延すると保険料の遡及精算や、退職者の保険証失効時期の混乱を招きます。
同じ構造です。健康保険法 36 条も退職日の翌日喪失を定めており、退職時は両制度の資格が同じ日に消えます。ただし 70 歳・75 歳の年齢基準は制度ごとに異なります。
必要です。厚生年金の資格を失うと国民年金の第 1 号被保険者へ種別変更されます(国民年金法 7 条)。市区町村への届出が遅れると、記録上の空白月が残ります。
資格取得月と喪失月が同一の「同月得喪」でも原則 1 か月分が発生しますが、その月に国民年金の被保険者となった場合は厚生年金保険料が還付される取扱いがあります(同法 19 条)。
できます。厚生年金保険原簿の記録訂正請求(同法 28 条の 2)に期限はなく、何十年前の喪失日の誤りでも争えます。まずねんきんネットや年金事務所で記録を確認してください。
資格喪失日以後は使えません。喪失日は保険証の失効日でもあるため、返却前に受診すると医療費の返還を求められます。任意継続や国民健康保険への切替を先に検討してください。
法人の代表者・役員も報酬を受けて使用される者として被保険者となり、使用関係が終了した日の翌日に喪失します(同法 14 条 2 号)。無報酬化した場合の扱いは実態判断になります。
違う。資格喪失は退職日の翌日(14条2号)、保険料は喪失月の前月分まで(19条1項)。31日退職なら喪失は翌月1日となりその月の保険料が発生し、30日退職なら発生しない。業界裏話ヒント:会社が前日退職を勧める本当の理由は、会社負担分も同時に消えるからだ。しかもあなたはその月、国民年金保険料を自分で納める側になる。総務はその後半を説明しないことが多い
保険料負担は終わる。70歳到達日に、翌日ではなくその日で資格喪失する(14条5号)。しかも到達日は誕生日ではなく前日だ(年齢計算ニ関スル法律)。ただし働き続ける限り70歳以上被用者として報酬が届け出られ、在職老齢年金の支給停止判定は続く。業界裏話ヒント:4月1日生まれと4月2日生まれで喪失月が一か月ずれる。3月分の保険料の有無が誕生日で決まる
通常の随時改定では反映は4か月目からだが、60歳以上で退職後に継続して再雇用される場合、いったん資格喪失(14条2号)と同日の資格取得(13条)として届け出る取扱いが認められ、翌月から新しい標準報酬月額になる。業界裏話ヒント:この同日得喪は事業主が届け出て初めて動く。年金事務所から案内は来ない。再雇用契約を結ぶその場で言えるかどうかで半年分の手取りが変わる
事業主の届出義務は事実発生から5日以内(同法施行規則22条)だが、履行されない場合、被保険者または被保険者であった者は、いつでも年金事務所に資格の得喪の確認を請求できる(同法31条)。業界裏話ヒント:本人から確認請求ができるという事実はほとんど周知されていない。会社と揉めて手続きが止まったとき、行政に直接動いてもらう道が条文に用意されている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 定める内容 | 14 条:資格喪失の時期(原則は事実発生日の翌日) | — |
| 基準日のずれ | 退職日の翌日(70 歳到達のみその日) | — |
| 退職日設計への影響 | 月末退職か前日退職かで喪失月が変わる | — |
| 実務で誤りやすい点 | 退職日=喪失日と誤記して届出される | — |
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