要点厚生年金保険法 31 条は、被保険者または被保険者であった者がいつでも資格の確認を請求できると定める。請求に係る事実がないときは却下され、その処分は審査請求で争える。
Q · 辞めた会社の厚生年金の記録が抜けていたら、会社に頼むしかないんですか?
会社が動かなくても、本人が国に確認請求できます
厚生年金保険法 31 条により、被保険者または被保険者であった者は、いつでも厚生労働大臣(実際の窓口は年金事務所)に資格の取得・喪失の確認を請求できます。会社の協力も、会社が存続していることも要件ではありません。請求に係る事実がないと判断されれば却下処分が出ますが、その処分は同法 90 条の審査請求で争えます。なお保険料の徴収権は 2 年で時効消滅するため(同法 92 条)、請求日が時効完成の前か後かで給付の可否が分かれます(同法 75 条ただし書)。
ねんきん定期便の加入履歴に、確かに働いていた会社の名前がない。あるいは、月給三十万円だったはずの時期の標準報酬月額が十八万円で記録されている。こういうとき、多くの人は元の会社に電話して、担当者が辞めていて話が進まず、そこで止まる。だが厚生年金保険法が本人の手元に置いている道具は、もっと強い。31条は、被保険者本人、そして過去に被保険者だった者が、いつでも、資格の取得と喪失について厚生労働大臣に確認を請求できると定める。会社の届出を待つ必要はなく、退職から何十年経っていてもよい。そして請求に係る事実がないと判断されたときは、役所は却下しなければならない。この却下は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、不服申立ての対象になる。認められれば記録が直り、却下されれば争う土俵に上がれる。どちらに転んでも前に進む構造になっている。
厚生年金保険法 31 条は、被保険者資格の確認請求権を定める規定である。被保険者または被保険者であった者は、期間の制限なく、厚生労働大臣に対して同法 18 条 1 項の確認を請求することができる。請求に係る事実がないと認められる場合、厚生労働大臣は当該請求を却下しなければならない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
被保険者資格の取得・喪失を国に確認させる手続です。厚生年金保険法 31 条が根拠で、請求できるのは本人(現在または過去の被保険者)に限られ、期間の制限はありません。
まず抜けている事業所と期間を特定し、在籍と保険料天引きを示す資料を集めたうえで、年金事務所へ書面で 31 条の確認請求を提出します。提出日が後の給付判断の分岐点になります。
確認請求自体に期限はなく、条文が「いつでも」と定めています。ただし保険料の徴収権は 2 年で時効消滅するため(同法 92 条)、請求日と時効の前後関係が給付の可否を左右します。
適用要件を満たす労働者について届出をしないことは事業主の義務違反にあたり、罰則の対象となりえます。加入の可否は会社の方針ではなく、法律上の効果として決まります。
請求書のほか、在籍と保険料控除を裏づける資料が要になります。給与明細、源泉徴収票、雇用契約書、給与振込の記帳、タイムカードの写しなどを時系列で揃えて添付します。
却下は行政処分なので、そこから争えます。処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に社会保険審査官へ審査請求でき(同法 90 条)、判断の理由も書面で示されます。
請求の相手方は厚生労働大臣ですが、実際の受付事務は日本年金機構の年金事務所が担います。窓口でも郵送でも、受付の控えを必ず保管してください。
確認が認められれば、資格の取得日に遡って被保険者であったことになります。事業所には遡及分の保険料が請求され、事業主負担分と本人負担分の双方が対象になります。
なりません。相談は行政処分を生まないため、認める・却下するという判断が文書で出ず、審査請求(同法90条)の対象も発生しません。書面で31条の請求をして初めて、争える形の結論が出ます。業界裏話ヒント:窓口で「証拠が弱いので難しいですね」と言われて帰るのが最も多い負け方です。「では確認請求として書面で受理してください」と伝えれば受理を拒めません。まず処分をもらうことが目的だと割り切る
無駄ではありません。2年は保険料を徴収する権利の時効(同法92条)であって、資格の確認自体に期限はありません。さらに給与から保険料が控除されていた事実が認められれば、厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律により、時効消滅した期間も年金額に反映される道が残っています。業界裏話ヒント:この特例の鍵は天引きされていた証拠です。給与明細一枚、源泉徴収票、給与振込の記帳。捨てる前に必ずスキャンしておく
31条の確認は資格の取得と喪失についての手続です。標準報酬の記録の誤りは、2015年から始まった訂正請求(同法28条の2以下)または事業主の訂正届のルートになります。入口を間違えると内容を見てもらえないまま時間だけが過ぎます。業界裏話ヒント:訂正請求には保険料徴収権の2年の壁がかかりません。かつて年金記録確認第三者委員会が担っていた救済が法定手続に格上げされたもので、古い記録ほどこちらの窓口が効く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる事項 | 31 条:被保険者資格の取得・喪失の確認 | — |
| 動かす主体 | 被保険者本人または被保険者であった者 | — |
| 期間の制限 | 請求自体は「いつでも」。ただし保険料徴収権の 2 年時効(92 条)と交差する | — |
| 拒まれたときの争い方 | 却下処分(31 条 2 項)→ 審査請求(90 条)→ 再審査請求 → 取消訴訟 | — |
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