厚生年金保険法 第31条(確認の請求)
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- 被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、第十八条第一項の規定による確認を請求することができる。
- 2.厚生労働大臣は、前項の規定による請求があつた場合において、その請求に係る事実がないと認めるときは、その請求を却下しなければならない。
この条文の基本情報
確認の請求とは何ですか?
定義確認の請求とは、厚生年金保険法第31条に定められた規定で、「被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、第十八条第一項の規定による確認を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第31条(確認の請求)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第31条の条文原文は「被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、第十八条第一項の規定による確認を請求することができる。」で始まります。
- 厚生年金保険法第31条は第四節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第31条の前の条は厚生年金保険法第30条です。
- 厚生年金保険法第31条の次の条は厚生年金保険法第31条の2です。
- 厚生年金保険法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法31条は、被保険者または被保険者であった者がいつでも資格の確認を請求できると定める。請求に係る事実がないときは却下され、その処分は審査請求で争える。
Q · 辞めた会社の厚生年金の記録が抜けていたら、会社に頼むしかないんですか?
会社が動かなくても、本人が国に確認請求できます
厚生年金保険法31条により、被保険者または被保険者であった者は、いつでも厚生労働大臣(実際の窓口は年金事務所)に資格の取得・喪失の確認を請求できます。会社の協力も、会社が存続していることも要件ではありません。請求に係る事実がないと判断されれば却下処分が出ますが、その処分は同法90条の審査請求で争えます。なお保険料の徴収権は2年で時効消滅するため(同法92条)、請求日が時効完成の前か後かで給付の可否が分かれます(同法75条ただし書)。
解説
ねんきん定期便の加入履歴に、確かに働いていた会社の名前がない。あるいは、月給三十万円だったはずの時期の標準報酬月額が十八万円で記録されている。こういうとき、多くの人は元の会社に電話して、担当者が辞めていて話が進まず、そこで止まる。だが厚生年金保険法が本人の手元に置いている道具は、もっと強い。31条は、被保険者本人、そして過去に被保険者だった者が、いつでも、資格の取得と喪失について厚生労働大臣に確認を請求できると定める。会社の届出を待つ必要はなく、退職から何十年経っていてもよい。そして請求に係る事実がないと判断されたときは、役所は却下しなければならない。この却下は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、不服申立ての対象になる。認められれば記録が直り、却下されれば争う土俵に上がれる。どちらに転んでも前に進む構造になっている。
法的な位置づけ
厚生年金保険法31条は、被保険者資格の確認請求権を定める規定である。被保険者または被保険者であった者は、期間の制限なく、厚生労働大臣に対して同法18条1項の確認を請求することができる。請求に係る事実がないと認められる場合、厚生労働大臣は当該請求を却下しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.加入履歴を全期間分そろえて欠落を特定する ねんきんネットまたはねんきん定期便で全期間の加入履歴を出力し、履歴書・職務経歴と一行ずつ突き合わせる。抜けている事業所名と期間(年月単位)を一覧化する
- 2.在籍と保険料天引きの証拠を集める 給与明細、源泉徴収票、雇用契約書、給与振込の通帳記帳、タイムカードや社員証の写しを集める。特に保険料が給与から控除されていた事実を示す資料は、時効消滅期間の救済ルートで鍵になる
- 3.年金事務所へ書面で確認請求を提出する 口頭相談ではなく、厚生年金保険法31条1項の確認請求として書面で提出する。窓口で「確認請求として書面で受理してください」と明示し、受付の控えを必ず保管する。この提出日が75条ただし書の分岐点になる
- 4.却下された場合は3か月以内に審査請求する 却下処分を受けたら、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求する(同法90条)。決定に不服なら再審査請求、さらに取消訴訟へ進む
- 5.標準報酬の誤りは訂正請求の窓口へ振り分ける 資格の取得・喪失ではなく標準報酬月額の記録が誤っている場合は、31条ではなく訂正請求(同法28条の2以下)が入口になる。入口を間違えると内容審査に入らないまま時間だけが過ぎる
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金の確認請求とは何ですか?
被保険者資格の取得・喪失を国に確認させる手続です。厚生年金保険法31条が根拠で、請求できるのは本人(現在または過去の被保険者)に限られ、期間の制限はありません。
Q2年金記録が抜けているときはどうすればいいですか?
まず抜けている事業所と期間を特定し、在籍と保険料天引きを示す資料を集めたうえで、年金事務所へ書面で31条の確認請求を提出します。提出日が後の給付判断の分岐点になります。
Q3厚生年金の確認請求に期限はありますか?
確認請求自体に期限はなく、条文が「いつでも」と定めています。ただし保険料の徴収権は2年で時効消滅するため(同法92条)、請求日と時効の前後関係が給付の可否を左右します。
Q4会社が厚生年金に入れてくれないのは違法ですか?
適用要件を満たす労働者について届出をしないことは事業主の義務違反にあたり、罰則の対象となりえます。加入の可否は会社の方針ではなく、法律上の効果として決まります。
Q5確認請求にはどんな書類が必要ですか?
請求書のほか、在籍と保険料控除を裏づける資料が要になります。給与明細、源泉徴収票、雇用契約書、給与振込の記帳、タイムカードの写しなどを時系列で揃えて添付します。
Q6確認請求が却下されたらどうなりますか?
却下は行政処分なので、そこから争えます。処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求でき(同法90条)、判断の理由も書面で示されます。
Q7確認請求はどこに提出しますか?
請求の相手方は厚生労働大臣ですが、実際の受付事務は日本年金機構の年金事務所が担います。窓口でも郵送でも、受付の控えを必ず保管してください。
Q8厚生年金は遡って加入できますか?
確認が認められれば、資格の取得日に遡って被保険者であったことになります。事業所には遡及分の保険料が請求され、事業主負担分と本人負担分の双方が対象になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1年金事務所に電話で相談したんですが、それで確認請求したことになりますか?
なりません。相談は行政処分を生まないため、認める・却下するという判断が文書で出ず、審査請求(同法90条)の対象も発生しません。書面で31条の請求をして初めて、争える形の結論が出ます。実務のポイント:窓口で「証拠が弱いので難しいですね」と言われて帰るのが最も多い負け方です。「では確認請求として書面で受理してください」と伝えれば受理を拒めません。まず処分をもらうことが目的だと割り切る
Q2もう二年以上前の話です。今さら請求しても無駄じゃないですか?
無駄ではありません。2年は保険料を徴収する権利の時効(同法92条)であって、資格の確認自体に期限はありません。さらに給与から保険料が控除されていた事実が認められれば、厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律により、時効消滅した期間も年金額に反映される道が残っています。実務のポイント:この特例の鍵は天引きされていた証拠です。給与明細一枚、源泉徴収票、給与振込の記帳。捨てる前に必ずスキャンしておく
Q3標準報酬月額が実際の給料よりかなり低く登録されていました。これも31条ですか?
31条の確認は資格の取得と喪失についての手続です。標準報酬の記録の誤りは、2015年から始まった訂正請求(同法28条の2以下)または事業主の訂正届のルートになります。入口を間違えると内容を見てもらえないまま時間だけが過ぎます。実務のポイント:訂正請求には保険料徴収権の2年の壁がかかりません。かつて年金記録確認第三者委員会が担っていた救済が法定手続に格上げされたもので、古い記録ほどこちらの窓口が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が入れてくれなかったのだから、会社と交渉するしかない」という問いの立て方そのものが間違っている。31条が相手取るのは会社ではなく国(厚生労働大臣、実際の窓口は日本年金機構の年金事務所)である。会社が非協力的でも、倒産していても、請求は成立する
- 「保険料は二年で時効」という知識自体は広く知られているが、その深刻度が知られていない。75条ただし書は、徴収権が時効消滅する前に届出または31条の確認請求があった場合に限り、その期間の保険給付を行うと定める。つまり請求日が時効の前か後かという一日単位の差が、その期間分の年金を一生受け取れるかどうかを決める
- あなたから見れば「年金事務所に相談に行った」だが、法律から見れば何も起きていない。口頭の相談は行政処分を生まないため、却下も認容も存在せず、不服申立ての対象すら発生しない。この落差のまま数年が過ぎ、時効だけが進む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる事項 | 31条:被保険者資格の取得・喪失の確認 | 27条:事業主による資格取得・喪失等の届出 28条の2以下:年金記録(標準報酬等)の訂正請求 |
| 動かす主体 | 被保険者本人または被保険者であった者 | 事業主(会社) 本人(事業主による訂正届のルートもある) |
| 期間の制限 | 請求自体は「いつでも」。ただし保険料徴収権の2年時効(92条)と交差する | 事実発生後、規則の定める期日までに届出義務 保険料徴収権の2年時効の壁がかからない設計 |
| 拒まれたときの争い方 | 却下処分(31条2項)→ 審査請求(90条)→ 再審査請求 → 取消訴訟 | 届出義務違反として調査・遡及適用・罰則の対象 訂正しない旨の決定に対する不服申立て |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も強制投保と投保單位の申報義務を軸に組み立てられており、未加保・投保薪資の誤りは勞保局への争議審議で争う。本人が国に対して記録の確認を求める構造という点で日本31条と機能が重なる
韓国も加入者資格の取得・喪失と事業所の届出義務を法定し、記録の是正手続を国民年金公団に対して行う。具体的な条番号は要検証
ドイツは就労関係が被用者(社会保険加入義務あり)か自営かを年金保険当局に確認させる手続を用意する。争点が資格の有無である点で日本31条と近いが、ドイツは将来に向けた地位確定の色が濃い
米国は収入記録の訂正について原則3年3か月15日の期間制限を置きつつ、雇用主の記録誤りなど一定の場合に例外を認める。期間制限の設計思想が日本の2年時効と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 三年前に辞めた会社の分が、ねんきん定期便から丸ごと消えていたらどうなる? 保険料を徴収する権利は二年で時効にかかる(厚生年金保険法92条)。あなたが確認請求の書面を出すのが今月なのか半年後なのかで、その期間が将来の年金額に乗るかどうかが分かれる(同法75条ただし書)。この締切を役所から通知してくれる制度は存在しない
- 従業員から「年金事務所に確認請求を出しました」と告げられた経営者の側。数日のうちに事業所調査の連絡が入り、遡及適用と事業主負担分の一括納付が現実の数字として見えてくる。届出義務違反の罰則規定まで同時に視界に入る
- 勤めていた会社が倒産して十年。事業所も当時の社長も、もう存在しない。それでも確認請求はでき、手元に残った給与明細一枚が証拠として機能する
- 週三十時間働いているのに「うちはパートさんを社会保険に入れない方針で」と言われ続けてきた。適用要件を満たしているかどうかは、会社の方針でも本人の希望でもなく法律上の効果として決まる。31条の確認請求は、過去に遡ってその効果を国に確認させるための手続である
- 定年まであと一年、老後資金の計算を始めた段階で、二十代に働いた四年分の記録が抜けていることに気付いた。請求主体は本人に限られるため、本人が動けるうちに出しておかないと、将来の遺族厚生年金の額にまでその欠落が残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. ねんきんネットまたはねんきん定期便で全期間の加入履歴を出し、抜けている事業所と期間を特定する2. 給与明細、源泉徴収票、雇用契約書、給与振込の記帳、タイムカードの写しなど、在籍と保険料天引きを示す資料を集める3. 年金事務所へ書面で31条の確認請求を提出し、受付の控えを必ず保管する(提出日が75条ただし書の分岐点になる) 4. 却下されたら、処分を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(同法90条) 5. 標準報酬月額の誤りは31条ではなく訂正請求(同法28条の2以下)の窓口へ
訴えられた側:1. 従業員から確認請求が出た、または事業所調査の連絡が来た段階で、賃金台帳・出勤簿・雇用契約書を時系列で整理する2. 適用要件(労働時間・日数、事業所の適用区分)を期間ごとに実際に判定し、争う部分と認める部分を分ける3. 遡及適用となる場合、保険料は事業主負担分と本人負担分の両方が事業所へ請求される点を資金繰りに織り込む4. 正当な理由なく届出をしなかった場合は罰則の対象となりうる(同法102条、拘禁刑または罰金。最新の改正状況をご確認ください)。指摘を待つより自主的な届出のほうが評価される場面は多い
時効(請求できる期限):確認請求そのものに期限はない(条文が明示する「いつでも」)。ただし保険料を徴収する権利は2年で時効消滅し(同法92条)、その完成前に届出または確認請求があったかどうかで給付の可否が分かれる(同法75条ただし書)。却下処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(社会保険審査官及び社会保険審査会法4条)、再審査請求は決定書謄本の送付から2か月、取消訴訟は裁決を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:18条1項の確認は、既に法律上発生している資格の得喪を公権的に明らかにする確認行為であり、確認によって初めて資格が生じるものではないと解される。31条はこの確認を本人の側から起動させる請求権を定めた規定と位置づけられる
実務上の理解:口頭の相談は行政処分を生まないため、31条の請求は書面によることが実質的な前提となる。処分の存在が審査請求・取消訴訟の入口を形成するという点で、書面性は権利救済の構造そのものに関わる
改正沿革 AI による整理
- 社会保険庁廃止に伴う権限主体の変更(年次要検証) 社会保険庁の廃止と日本年金機構の設立により、確認請求の相手方が社会保険庁長官から厚生労働大臣へ改められ、実際の受付事務は日本年金機構(年金事務所)が担う体制となった。改正法の年次と施行日は要検証
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 改正:厚生年金保険法の全面改正により現行法が成立。労働者年金保険法(1941年)以来の被用者年金制度を再編し、資格の確認と本人の確認請求の枠組みが現在の形に整理された
- 2.平成21〜22年(2009〜2010年) 改正:社会保険庁の廃止と日本年金機構の設立に伴い、確認請求の相手方が社会保険庁長官から厚生労働大臣に改められ、実際の受付事務は年金事務所が担う体制となった
- 厚生年金保険法 第18条資格の得喪は確認によって効力を生ずる
- 厚生年金保険法 第27条事業主の届出義務、本条と並ぶ確認の端緒
- 厚生年金保険法 第28条の2年金記録の訂正請求、標準報酬の誤りの窓口
- 厚生年金保険法 第75条徴収権時効と給付の関係、請求日が分岐点
- 厚生年金保険法 第90条却下処分に対する審査請求と再審査請求
- 厚生年金保険法 第92条保険料徴収権の二年消滅時効
- 社会保険審査官及び社会保険審査会法 第4条審査請求期間三か月の起算点を定める
- 厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律 第1条天引き済み期間の給付特例(現行効力を要確認)
- 行政事件訴訟法 第14条却下処分の取消訴訟の出訴期間
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