保険料を徴収する権利が時効によつて消滅したときは、当該保険料に係る被保険者であつた期間に基づく保険給付は、行わない。
要点厚生年金保険法75条は、保険料の徴収権が時効消滅した期間に基づく保険給付を行わないと定める。ただし時効完成前に届出・確認の請求・訂正の請求があれば、給付は行われる。
Q · 給料から厚生年金は引かれていたのに会社が納めていなかったら、その期間の年金はもらえないの?
原則もらえないが、時効完成前に確認請求をしていれば守られる
厚生年金保険法75条は、保険料を徴収する権利が時効消滅したとき、その保険料に係る被保険者であった期間に基づく保険給付を行わないと定めます。徴収権の消滅時効は各月の納期限の翌日から2年です(92条1項)。ただし同条ただし書により、資格取得の届出(27条)、被保険者資格の確認の請求(31条1項)、年金記録の訂正の請求(28条の2第1項)のいずれかがあった後に時効が完成した場合は、給付は行われます。分かれ目は「納めたか」ではなく「時効完成の前に行政の記録に申出が残っているか」です。
給与明細に「厚生年金保険料」と書かれ、毎月天引きされている。だがその金額が本当に日本年金機構へ渡っているかは、明細を見ても分からない。事業主が納めなかった場合、保険料を徴収する権利は2年で時効消滅する(厚生年金保険法92条1項)。そして本条は、時効で徴収できなくなった保険料に対応する期間について、年金給付を行わないと宣言する。天引きされたのに、年金は増えない。ここまでが原則だ。しかし本条にはただし書がある。事業主による資格取得の届出(27条)、被保険者資格の確認請求(31条1項)、年金記録の訂正請求(28条の2第1項)のいずれかがあった後に時効が完成した場合は、給付は行われる。時効が完成する前に「この期間、確かに働いていた」と行政の記録に残しておけば、事業主の不払いのツケをあなたが背負わずに済む。動くか黙るかで、老後に受け取る額が変わる。
厚生年金保険法75条は、保険料の徴収権が時効消滅した場合における保険給付の不支給を定める規定である。同法92条1項の2年の消滅時効により徴収できなくなった保険料に対応する被保険者であった期間は、原則として保険給付の基礎とされない。ただし書は、時効完成前に届出・確認の請求・訂正の請求があった期間を例外として給付の対象に留める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
保険料の徴収権が時効消滅した期間について保険給付を行わないと定める規定です。ただし書により、時効完成前に届出・確認の請求・訂正の請求があった期間は給付の対象に残ります。
まず年金事務所またはねんきんネットで被保険者記録を月単位で照会します。抜けている期間を特定したうえで、被保険者資格の確認の請求(31条1項)を出すのが最初の一手です。
お近くの年金事務所の窓口です。口頭の「相談」では記録が残らないことがあるため、確認の請求として受け付けてほしいと明示し、受付の控えを必ず保管してください。
適用事業所であれば加入と届出は事業主の義務です(27条)。届出を怠り保険料を納付しない状態は法令違反であり、従業員は確認の請求により自ら記録の回復を求めることができます。
厚生労働大臣への訂正の請求(28条の2第1項)自体に一律の期限は設けられていません。ただし75条ただし書の救済は徴収権の時効完成前の請求を前提とするため、早期の申出が決定的です。
納付義務は事業主にあり(82条2項)、源泉控除した保険料を納めない状態が続けば督促・滞納処分の対象になります。徴収権が2年で時効消滅しても、従業員側の請求があれば給付は行われます。
資格の有無を判断するため、年金事務所が事業主に事実関係を照会することがあります。在職中の申出を迷う場合は、給与明細や雇用契約書など自ら立証できる資料を先に確保してください。
被保険者記録の照会や確認の請求の手続そのものに手数料はかかりません。ねんきんネットを使えば自宅からも確認でき、転職や退職のタイミングが最も点検しやすい時期です。
原則として、徴収権が時効消滅した期間(納期限から2年、92条1項)は本条により給付に反映されない。ただし時効完成より前に資格取得の届出(27条)や確認請求(31条1項)があれば、ただし書で給付は行われる。業界裏話ヒント:窓口で「相談」とだけ言うと記録が残らないことがある。必ず「確認請求として受け付けてほしい」と明示し、受付の控えを保管する。この一言の有無が、後から時効前の申出を証明する材料になる
事業主が消えても道は残っている。厚生労働大臣への年金記録の訂正請求(28条の2第1項)は、事業主の協力がなくても本人の資料や関係者の証言をもとに審議される。業界裏話ヒント:同僚の証言、社員名簿、給与明細のコピー、当時の社内報や写真まで判断材料になる。決定的な一枚がなくても、断片の積み重ねで認められた事例は多い。証拠が薄いという自己判断で請求を出さないことが、最大の損失になる
各月の保険料ごとに、その納期限の翌日から2年である(92条1項)。つまり時効は一括ではなく月単位で順次完成し、古い月から静かに消えていく。業界裏話ヒント:この月送りの構造のため、発見から手続きまでの1か月の遅れが、そのまま1か月分の記録の消失に直結する。まず全期間についてまとめて確認請求を出し、細かい立証は後から積み上げる。順序を逆にすると間に合わない
厚生年金保険料の納付義務者は事業主であり(82条2項)、従業員が個人で遡って納付し期間を回復する制度は原則として存在しない。救済の入口は本条ただし書の届出・確認請求・訂正請求に限られる。業界裏話ヒント:国民年金の任意加入や追納とは制度がまったく別物である。ネット上の「後から払えばいい」という助言は国民年金の話であることが多く、厚生年金にそのまま当てはめると貴重な2年を空費する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 75条:徴収権が時効消滅した期間の保険給付を行わない(ただし書で救済) | — |
| 誰が動く条文か | 行政(給付の可否の判断基準) | — |
| 時間軸での位置 | 時効完成後の効果を決める | — |
| 怠った場合の帰結 | 当該期間が年金額に反映されない | — |
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