障害厚生年金の受給権者が、故意若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、第五十二条第一項の規定による改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、同項の規定による改定を行うことができる。
要点厚生年金保険法 74 条は、故意・重大な過失・正当な理由のない療養指示不履行で障害を悪化させた場合、実施機関が額改定を行わない、又は軽い等級として改定できると定める裁量規定である。
Q · 障害が重くなったのに、障害厚生年金が増額されないことってあるんですか?
あります。ただし裁量規定なので争う余地は残ります
厚生年金保険法 74 条により、故意、重大な過失、又は正当な理由のない療養指示不履行で障害を増進させ、又は回復を妨げた場合、実施機関は 52 条 1 項の額改定を行わないことができます。さらに、現に該当する障害等級以下の等級に該当するものとして改定することも文言上可能です。ただし条文は「行うことができる」という裁量規定であり、要件も「重大な」過失、「正当な理由がなくて」と絞られています。副作用や経済的事情を診療録に残せているかが結論を左右します。
薬の副作用がつらくて自己判断で服用をやめた。仕事が続かず通院を半年あけた。その間に症状は重くなり、等級が上がるはずだと額改定を請求する。ところが増額されない。その根拠が厚生年金保険法 74 条だ。故意、重大な過失、または正当な理由なく療養に関する指示に従わないことで障害を悪化させた、もしくは回復を妨げたと判断されると、実施機関は 52 条 1 項の額改定を行わないことができる。条文はさらにもう一段用意している。現に該当する等級以下の等級に該当するものとして改定する、つまり実際の重さより軽い等級として扱う改定も文言上は可能である。ただし全体が「できる」で終わっている点を見落としてはならない。自動的に発動する減額装置ではなく、実施機関の裁量規定である。裁量である以上、あなたが「正当な理由」を記録として持っているかどうかが、そのまま結論を動かす。
厚生年金保険法 74 条は、障害厚生年金の額改定に関する給付制限規定である。受給権者が故意、重大な過失、又は正当な理由のない療養指示の不履行により障害の程度を増進させ、又は回復を妨げた場合、実施機関は 52 条 1 項による額改定を行わないこと、又は現に該当する障害等級以下の等級として改定することができる。効果は裁量に委ねられている。
障害厚生年金の額改定を制限する規定です。故意、重大な過失、正当な理由のない療養指示不履行で障害を増進させた場合、実施機関は 52 条 1 項の額改定を行わないことができます。
あります。厚生年金保険法 74 条の要件に当たると判断されると額改定が行われません。さらに現に該当する等級以下の等級として改定される可能性も条文上は残されています。
74 条が触るのは額の改定であって、すでに発生している受給権そのものではありません。支給の全部または一部を行わない場面は 73 条など別の条文が受け持ちます。
受給権取得日または直近の診査日から 1 年を経過した後が原則です(厚生年金保険法 52 条 3 項)。障害の程度が増進したことが明らかな場合には例外があります。
74 条は現に該当する障害等級以下の等級に該当するものとして改定できると定めており、実際の状態より軽い等級として扱う改定が文言上は可能です。運用の幅は解釈が分かれる論点です。
条文は「正当な理由がなくて」と限定しており、経済的困窮は正当な理由たりうる事情です。自立支援医療や高額療養費の相談記録が残っていれば説明の裏づけになります。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に社会保険審査官へ審査請求、決定書謄本の送付を受けた日の翌日から 2 か月以内に社会保険審査会へ再審査請求します。
通院再開の付き添いに加え、中断していた理由を主治医に説明して診療録へ残してもらうことが重要です。数年後の額改定の可否は当時の記録に左右されます。
なりうる。条文は「正当な理由がなくて療養に関する指示に従わない」場合に限定しており(厚生年金保険法 74 条)、副作用の重さ、主治医への相談の有無、代替治療を探したかどうかで判断が分かれる。実務上、評価の幅がある論点である。業界裏話ヒント:判断材料はほぼ診療録に集約される。中断した「その時」に理由を伝えて記載してもらった人と、数年後に口頭で説明する人とでは、同じ事情でも結論が変わる
諦める必要はない。保険給付に関する処分に不服があれば社会保険審査官へ審査請求でき(厚生年金保険法 90 条)、その決定にも不服なら社会保険審査会へ再審査請求できる。業界裏話ヒント:74 条は「行うことができる」という裁量規定である。だから「私の障害は重い」と繰り返すより、裁量の前提となった事実認定(本当に指示不履行だったのか、悪化との因果があるのか)を崩す方が筋がよい。この違いを意識できるかどうかで、書面の中身がまるごと変わる
別建てである。本条が制限するのは障害厚生年金の額改定(厚生年金保険法 52 条 1 項)であり、障害基礎年金の額改定については国民年金法に別の規定がある(国民年金法 69 条、現行効力を要確認)。業界裏話ヒント:1 級・2 級は基礎と厚生の二階建て、3 級は厚生年金のみである。3 級から 2 級に上がると基礎年金が上乗せされるため、改定を止められたときの実損額は等級の境目で桁が変わる。どの境目に立っているかを先に把握しておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の対象 | 74 条:52 条 1 項による障害厚生年金の額改定 | — |
| 主観要件 | 故意、重大な過失、又は正当な理由のない療養指示不履行 | — |
| 効果の性質 | 改定を行わない、又は現に該当する等級以下の等級として改定(裁量) | — |
| 争い方の軸 | 指示不履行の有無・正当な理由・悪化との因果、裁量の前提事実 | — |
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