要点厚生年金保険法52条は、障害厚生年金の額改定を定める。受給権者は障害の程度が増進したときに額改定を請求できるが、原則として前回の診査から一年の経過が必要となる。
Q · 障害が重くなったら、障害厚生年金の額は自動で上がるんですか?
上がりません。自分で額改定請求を出す必要があります
厚生年金保険法52条1項の職権改定は、実施機関が診査したときにしか動きません。実務上は障害状態確認届の提出時期に限られるため、悪化した時点で額を上げたいなら2項の額改定請求を自分から起こす必要があります。ただし3項により、受給権を取得した日または前回の診査を受けた日から一年を経過するまでは請求できません。人工透析の開始など厚生労働省令が定める明らかな増進に当たれば、この待機は不要です。改定後の額は、改定が行われた月の翌月分から支給されます。
障害厚生年金は、いったん決まった等級のまま固定される給付ではない。52条は改定ルートを二本用意している。一本は実施機関(日本年金機構や共済組合)が職権で診査して等級を変える道、もう一本はあなた自身が額の改定を請求する道だ。問題は、前者を待っていても大半の場合は何も起きないことである。障害状態確認届の提出時期でもない限り、あなたの症状が重くなったことを役所が知る手段はない。だから2項の請求権が実質的な生命線になる。ただし3項が壁を置く。受給権を取得した日、または実施機関の診査を受けた日から一年を経過しないと請求できない。例外は、厚生労働省令が列挙する「明らかに増進した」状態(人工透析の開始、人工肛門の造設など)に当たる場合だけだ。そして4項には、多くの受給者が存在すら知らない扉がある。後から発症した別の傷病が単独では1級にも2級にも届かなくても、既存の障害と併合して程度が増したなら、65歳に達する日の前日までは改定を請求できる。
厚生年金保険法52条は、障害厚生年金の額の改定に関する規定である。実施機関は障害の程度を診査して従前と異なる等級に該当すると認めるときは額を改定でき、受給権者は障害の程度が増進したことによる額改定を請求できる。請求には原則として受給権取得日または診査日から一年の経過を要し、併合改定の請求は65歳に達する日の前日までである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
改定が行われた月の翌月分からです(52条6項)。請求した月にさかのぼって支給されるわけではないため、請求が遅れた分は取り戻せません。
障害給付額改定請求書と、現在の障害の状態を記載した診断書が基本です。年金証書、傷病によっては検査成績表やレントゲン写真等の添付を求められます。
有期認定の受給者に定期的に送られる更新用の診断書です。これに基づく実施機関の診査が52条1項の職権改定の実質的な作動タイミングになります。
額は据え置かれ、その診査を受けた日から新たに一年の待機期間が始まります(52条3項)。準備不足の請求は次の一年を自分で塞ぐ結果になります。
厚生労働省令が定める明らかな増進に該当すれば、一年待機を待たずに額改定請求ができます。ただし実務上は透析導入後一定期間の経過が求められる扱いです。
あります。52条1項の職権診査は増額専用ではなく、従前以外の等級に該当すると認められれば引き下げもされます。等級不該当なら54条の支給停止もあり得ます。
請求自体は無料ですが、医師に依頼する診断書の作成料が自己負担です。却下されても返金されないため、請求時期の見極めが費用面でも重要になります。
障害厚生年金の額が報酬比例部分の1.0倍から1.25倍相当に変わるうえ、要件を満たせば障害基礎年金2級も併給され、受給総額が大きく変わります。
上がりません。52条1項の職権改定は実施機関の診査があって初めて動き、実務上は障害状態確認届の提出時期に限られます。悪化した時点で額を動かしたいなら2項の額改定請求を自分で起こす必要があります。業界裏話ヒント:更新の診断書は現症日が指定されており、その一日の状態しか写しません。悪化のピークが更新月とずれていると、実態より軽い等級で数年固定されます
原則は本当です。3項が、受給権取得日または実施機関の診査を受けた日から一年を経過するまで請求を封じています。ただし厚生労働省令が列挙する明らかな増進(人工透析の開始、人工肛門の造設など)に当たれば待機は不要です。業界裏話ヒント:請求して却下されると、その診査日から新しい一年が始まります。準備が整う前に出した一枚が、次の一年を自分で閉じてしまう
経路が三つに分かれます。新しい傷病が単独で2級以上なら48条の併合認定、単独では軽くても既存障害と併せて重くなるなら52条4項のその他障害による改定、後の傷病で初めて2級以上になる型なら47条の3の基準障害です。業界裏話ヒント:48条の併合認定では従前の受給権が消えて新しい受給権に置き換わりますが、52条4項なら既存の受給権を維持したまま額だけ動かせる。どちらに乗るかで支給開始月の扱いが変わります
3級のみの障害厚生年金受給者(同一事由の障害基礎年金の受給権がない人)は、7項により65歳以上では1項から3項の改定が適用されません。障害基礎年金の受給権が併存していれば65歳以降も道は残ります。業界裏話ヒント:4項のその他障害請求の締切も65歳に達する日の前日、つまり誕生日の二日前。3級で受給している人にとって、この日が事実上の最終ラインになります
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|---|---|---|
| 使う場面 | 52条2項・4項:既存の障害が悪化、または後発傷病を併合して程度が増進 | — |
| 既存の受給権 | 維持されたまま額だけ改定される | — |
| 時間的制約 | 2項は原則一年待機(3項)、4項は65歳に達する日の前日まで | — |
| 支給開始 | 改定が行われた月の翌月分から(6項) | — |
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