要点厚生年金保険法 54 条は、障害等級に該当しなくなった間の障害厚生年金の支給停止を定める。停止されるのは支払いのみで、受給権は 53 条の失権事由に当たるまで存続する。
Q · 障害厚生年金が「支給停止」になったら、もう受給権はなくなったということですか?
止まるのは支払いだけで、受給権は消えていない
厚生年金保険法 54 条 2 項は、障害等級に該当する程度の障害の状態でなくなった「間」の支給停止を定めるだけで、受給権を消滅させる規定ではありません。失権するのは同法 53 条の要件を満たしたときです。症状が再び悪化して等級に該当すれば支給は復活しますが、自動ではなく、診断書を添えた支給停止事由消滅届の提出が必要です。また 1 項は、労働基準法 77 条の障害補償を受ける権利を取得したときの 6 年間の停止を定めています。
「支給を停止する」という四文字が届いても、それは受給権が消えたという意味ではない。ここが 54 条の最大の勘所である。2 項は、障害の状態が障害等級(厚生年金は 1 級から 3 級)に該当しなくなった「間」だけ支給を止めると書いている。止めるだけで、権利そのものは 53 条の失権事由に当たらない限り生き続ける。体調が再び悪化して 3 級以上に戻れば、支給は復活しうる。ただし復活は自動ではない。あなたが診断書を添えた「支給停止事由消滅届」を出して初めて審査が動く。さらに 2 項ただし書には、存在すら知られていない救済ルートがある。停止中の人が新たな病気や怪我をし、その初診日に被保険者であったなら、元の障害と新しい障害(その他障害)を併合した程度が 1 級か 2 級に達したとき、停止が解ける。使えるのは 65 歳に達する日の前日までである。
厚生年金保険法 54 条は、障害厚生年金の支給停止を定める規定である。労働基準法 77 条の障害補償を受ける権利を取得した場合の 6 年間の停止と、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった間の停止を規定し、後者には新たな傷病によるその他障害との併合により停止が解除される例外を置く。
AI 輔助整理,以條文原文為準
支給停止の原因がなくなったことを届け出て、年金の支払再開を求める書類です。障害年金では医師の診断書を添えて年金事務所に提出し、これを出さない限り審査は始まりません。
障害の状態が再び障害等級に該当したときです(54 条 2 項)。ただし解除は自動ではなく、診断書を添えた支給停止事由消滅届の提出が前提になります。
支給停止の決定は通知されます。通知には理由が記載されるため、障害認定基準のどの項目で等級不該当と判断されたかを確認し、控えを必ず保管してください。
社会保険審査官への審査請求ができます。決定があったことを知った日の翌日から 3 か月以内が期限で、争点は診断書の記載内容であることが多いです。
年金給付を受ける権利の時効は 5 年です(厚生年金保険法 92 条)。届出が遅れた期間はそのまま受け取れない月数になるため、支給停止の解除は早いほど有利です。
障害の状態が 3 級にも該当しなくなったときです。厚生年金の障害等級は 1 級から 3 級で、3 級を下回ると 54 条 2 項により該当しない間の支給が停止されます。
受給者ごとに概ね 1 年から 5 年の周期が定められ、指定された月までに診断書を提出します。ここで等級不該当と判断されると 54 条 2 項の支給停止に至ります。
連動しません。障害者手帳と障害年金は根拠法も認定基準も別の制度です。手帳の等級が維持されていても、年金側で等級不該当となれば支給は停止されます。
止まっているだけで、受給権そのものは残っています。54 条 2 項は「その障害の状態に該当しない間」の支給停止を定めるにすぎず、権利が消えるのは 53 条の失権事由に当たったときだけです。業界裏話ヒント:再開は自動ではありません。診断書を添えた支給停止事由消滅届を出して初めて審査が動きます。年金機構があなたの体調を見張っているわけではないので、届出をしない限り、状態が重くなっていても停止は続きます
止まるのは労働基準法 77 条による使用者の障害補償を受ける権利を取得した場合です(54 条 1 項)。労災保険から障害補償給付が出るときは労働基準法 84 条 1 項で使用者の補償責任が免除されるため、この 6 年停止が実際に発動する場面はごく限られます。業界裏話ヒント:労災保険の年金と厚生年金の障害給付が重なるときは、労災保険側の年金が調整率で減額される仕組みです。減っているのがどちらなのか、支給決定通知で必ず確認してください
条件付きで復活します。54 条 2 項ただし書は、新たな傷病の初診日に被保険者であり、その障害認定日以後 65 歳に達する日の前日までに、元の障害とその他障害を併合した程度が 1 級または 2 級に至ったときに停止を解くと定めます。3 項により保険料納付要件(47 条 1 項ただし書)も準用されます。業界裏話ヒント:退職後に発病すると初診日に被保険者でないため、この道は最初から閉じています。在職中に気になる症状があるかどうかが、後から効いてきます
日常生活の実態を医師に正確に伝えることが最優先です。障害等級の該当性は障害認定基準に沿って判断され、診断書の日常生活能力に関する記載が実質的な決め手になります。業界裏話ヒント:診察時間は短く、医師はあなたの自宅での様子を見ていません。調子の悪い日の具体例(服薬の飲み忘れ、外出できなかった日数、家事を誰が代わったか)を書いたメモを渡す人と渡さない人では、同じ症状でも診断書の中身が変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の効果 | 54 条:支払いを止めるだけ(受給権は存続) | — |
| 発動事由 | 労基法 77 条の障害補償を受ける権利の取得(1 項)/障害等級に該当しなくなったこと(2 項) | — |
| 回復の可否 | 再び等級に該当すれば支給停止事由消滅届で復活しうる | — |
| 本人が取るべき行動 | 診断書を添えた支給停止事由消滅届の提出、その他障害の初診日と納付要件の確認 | — |
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