要点厚生年金保険法 55 条は、初診日に被保険者だった者が初診日から 5 年以内に傷病が治った日に政令所定の障害状態にある場合、一時金である障害手当金を支給すると定める。
Q · 障害年金の等級に該当しないと言われたら、もう何ももらえないんですか?
3 級に届かない障害でも一時金が出る可能性があります
厚生年金保険法 55 条は、障害厚生年金の等級に達しない障害のために障害手当金という一時金を用意しています。要件は、傷病の初診日に厚生年金の被保険者であったこと、初診日から 5 年を経過する日までの間にその傷病が治った(症状が固定した)こと、治った日に政令で定める程度の障害の状態にあること、そして 47 条 1 項ただし書の保険料納付要件を満たすことの四つです。ただし他の年金の受給権者や、同一傷病で労災の障害補償を受ける権利がある場合は、56 条により支給されません。
指を一本失った。片目の視力が大きく落ちた。それでも「障害厚生年金の3級には届きません」と年金事務所で言われて、そこで話が終わったと思っている人は、55条を読んでいない。厚生年金には、3級より軽い障害のために一時金の枠が別に用意されている。障害手当金である。条件は四つ。初診日に厚生年金の被保険者だったこと、その初診日から5年以内にその傷病が「治った」こと、治った日に政令(厚生年金保険法施行令の別表)で定める程度の障害が残っていること、そして保険料の納付要件(47条1項ただし書の準用)を満たすこと。多くの人が足を取られるのは「治った」の意味だ。年金の世界の「治った」は完治ではなく、これ以上治療しても良くならない状態、つまり症状固定を指す。治療を続けている限り、あなたはこの一時金の対象にならない。そして国民年金しかない自営業者の足元には、この枠自体が存在しない。
障害手当金は、厚生年金保険法 55 条が定める一時金形式の保険給付である。傷病の初診日に被保険者であった者について、初診日から 5 年を経過する日までの間にその傷病が治った日において、政令で定める程度の障害の状態にあることを支給要件とし、障害厚生年金の等級に達しない程度の障害を対象とする。国民年金には対応する一時金の枠が存在しない。
厚生年金保険法 55 条に基づく一時金で、障害厚生年金の等級に達しない障害が対象です。初診日に被保険者であり、初診日から 5 年以内に症状が固定したことが要件になります。
原則として医療機関が作成する受診状況等証明書で証明します。カルテが破棄されている場合は、お薬手帳、健康保険の給付記録、紹介状、診察券など別ルートの資料を組み合わせます。
年金制度でいう「治った日」は完治ではなく、これ以上治療を続けても改善が見込めない状態を指します。治療継続中は 55 条の要件がまだ発生していません。
もらえません。55 条は初診日に厚生年金の被保険者であったことを要件としており、国民年金のみの加入者には対応する一時金の枠が国民年金法に存在しません。
同一の傷病で労働者災害補償保険法の障害補償を受ける権利がある場合、56 条により障害手当金は支給されません。労災の認定状況を先に確認する必要があります。
厚生年金保険法 41 条 2 項は、老齢厚生年金を除く保険給付として支給された金銭を標準とする課税を禁じています。障害手当金はこの非課税の対象に含まれます。
厚生年金保険法 92 条により、保険給付を受ける権利は支給事由が生じた日の翌日から 5 年で時効消滅します。加えて治った日自体が初診日から 5 年以内である必要があります。
障害厚生年金にある事後重症(47 条の 2)のような救済経路が一時金にはありません。症状が本当に固定しているかを請求前に主治医と確認しておく必要があります。
57条で、障害厚生年金の額の計算の例により算出した額の2倍の一時金と定められています。被保険者期間が短くても一定月数として計算する仕組みと最低保障額があり、額は年度ごとに改定されます(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:この一時金には、障害厚生年金にある事後重症(47条の2)のような後から救う道がない。受け取った後に悪化しても戻れないため、本当に固定した障害なのかを請求前に主治医と詰めておくかどうかで、その後の10年が変わる
できません。55条は「傷病の治つた日」に一定の障害の状態にあることを支給要件にしているので、治療継続中はまだ要件が発生していません。治療中に検討する先は障害厚生年金(47条以下)の側です。業界裏話ヒント:年金制度の「治った」は完治ではなく症状固定を指す。診断書の記載が一時金か年金かの分岐を作るため、主治医にこの用語の意味を正確に伝えられるかが実務上の分かれ目になる
終わりではありません。不支給決定は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので、社会保険審査官への審査請求ができます。期間は処分を知った日の翌日から3か月以内、その決定にも不服なら社会保険審査会へ再審査請求です。業界裏話ヒント:争点の多くは障害の重さそのものではなく、初診日の認定と診断書の記載不足にある。同じ事実関係でも、受診状況等証明書と診断書を整え直して結論が変わる例は珍しくない
もらえる可能性があります。55条が被保険者であることを求めているのは初診日の時点であって、治った日ではありません。初診日に厚生年金の被保険者であれば、退職後に固定しても、初診日から5年以内なら対象になり得ます。業界裏話ヒント:逆に、在職中に我慢して受診せず退職後に初めて病院へ行くと、初診日に被保険者でないため入口ごと閉じる。体調に不安があるうちの一度の受診が、そのまま権利の保全になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 給付の形態 | 55 条:一時金(障害手当金、57 条で障害厚生年金額の 2 倍) | — |
| 障害の程度 | 3 級に達しない、政令で定める程度の障害 | — |
| 治った日(症状固定)の要否 | 必要。初診日から 5 年以内に治ったことが要件 | — |
| 悪化時の救済 | なし。受給後に悪化しても遡る経路がない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。