厚生年金保険法 第57条(障害手当金の額)
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障害手当金の額は、第五十条第一項の規定の例により計算した額の百分の二百に相当する額とする。ただし、その額が同条第三項に定める額に二を乗じて得た額に満たないときは、当該額とする。
この条文の基本情報
障害手当金の額とは何ですか?
定義障害手当金の額とは、厚生年金保険法第57条に定められた規定で、「障害手当金の額は、第五十条第一項の規定の例により計算した額の百分の二百に相当する額とする。ただし、その額が同条第三項に定める額に二を乗じて得た額に満たないときは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第57条(障害手当金の額)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第57条の条文原文は「障害手当金の額は、第五十条第一項の規定の例により計算した額の百分の二百に相当する額とする。ただし、その額が同条第三項に定める額に二を乗じて得た額に満たないときは…」で始まります。
- 厚生年金保険法第57条は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第57条の前の条は厚生年金保険法第56条です。
- 厚生年金保険法第57条の次の条は厚生年金保険法第58条です。
- 厚生年金保険法第57条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第57条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第57条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/57
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法57条は、障害手当金の額を同法50条1項の例により計算した額の200%と定める。ただし50条3項の額の2倍に満たないときは、その額まで引き上げられる。
Q · 障害手当金って、結局いくらもらえるんですか?
障害厚生年金3級の年額の2倍が一時金として支給されます
厚生年金保険法57条により、障害手当金の額は同法50条1項の規定の例により計算した額の100分の200、つまり障害厚生年金3級の年額の2年分に相当します。50条1項の300月みなしがそのまま引き継がれるため、被保険者期間が2年でも300月(25年)として計算されます。また算定額が50条3項の最低保障額の2倍に満たないときは、その額まで引き上げられます(57条ただし書)。一時金であるため、受給後に同一傷病で年金へ移行することは実務上ほぼできません。
解説
条文を読んでも金額は一円も出てこない。第五十条第一項の規定の例により計算した額の百分の二百、それだけである。翻訳すればこうなる。障害厚生年金3級の年額をまず計算し、それを2倍する。3級が年60万円なら一時金は約120万円。しかも第五十条第一項の「被保険者期間が300月に満たないときは300月とする」という底上げがそのまま引き継がれるため、22歳で入社して2年目に事故に遭ったあなたでも、25年働いたものとして額が組まれる。ただし書の最低保障も同じく2倍だ。だがあなたが本当に読み取るべきは、2倍という数字の性格である。3級の年金なら毎年入り続けるものが、手当金では2年分で打ち切りになる。診断書の「傷病が治ったかどうか」の欄がどう書かれるかで、あなたの生涯受取額は2年分か数十年分かに分岐する。57条は金額の条文の顔をした、分岐点の条文である。
法的な位置づけ
厚生年金保険法第57条は、障害手当金の額の算定方法を定める規定である。障害手当金の額は、同法第50条第1項の規定の例により計算した額の100分の200に相当する額とされ、被保険者期間が300月に満たないときは300月とみなす取扱いが引き継がれる。算定額が同条第3項に定める額に2を乗じて得た額に満たないときは、当該額が支給される。
手順
- 1.初診日を確定し、証明資料を先に確保する 受診状況等証明書を取得し、初診の医療機関のカルテが残っているうちに初診日の証拠を押さえる。診療録の法定保存期間は5年のため、支給要件の5年と重なって「期限直前には資料が消えている」状態になりやすい
- 2.症状固定日が初診日から5年以内に収まるか逆算する 支給要件は初診日から起算して5年を経過する日までに傷病が治った(症状固定した)ことである(55条1項)。カレンダー上で初診日+5年を出し、診断書取得と請求書提出に必要な期間を差し引いて動く
- 3.労災の障害補償給付との併給制限を確認する 当該傷病について労働者災害補償保険法による障害補償給付を受ける権利があるときは、障害手当金は支給されない(56条)。労災申請中・認定済みの場合は、二重取りを前提にした生活設計を先に外す
- 4.診断書を依頼する前に、3級年金か手当金かを決める 診断書の「傷病が治ったかどうか」欄の記載で、手当金(一時金)か3級年金(継続給付)かに分岐する。医師にはその欄が受給形態を左右することを伝えたうえで、医学的判断を仰ぐ。記載後の訂正依頼はまず通らない
- 5.額を概算し、最低保障額の2倍と比較する 年金事務所で標準報酬と被保険者期間を照会し、50条1項の例(300月みなし込み)で年額を算出して2倍する。その額が50条3項の額の2倍を下回るなら、57条ただし書で下限まで引き上げられる
よくある質問 AI による整理
Q1障害手当金とは何ですか?
障害等級3級に至らない程度の障害が残り、初診日から5年以内に傷病が治った場合に支給される一時金です。額の計算は厚生年金保険法57条が定め、支給要件は55条にあります。
Q2障害手当金の計算方法は?
まず50条1項の例で報酬比例の年額(3級年金相当額)を計算し、それを2倍します。被保険者期間が300月未満なら300月とみなされ、結果が50条3項の額の2倍を下回れば、その額まで引き上げられます。
Q3障害基礎年金にも障害手当金のような一時金はありますか?
国民年金には障害手当金に相当する一時金型の給付がありません。厚生年金の被保険者期間中に初診日があることが前提のため、自営業者やフリーランス期間中の傷病は対象外になります。
Q4障害手当金はいつまでに請求すればいいですか?
支給要件は初診日から起算して5年を経過する日までに傷病が治ったことです(55条1項)。請求権自体の時効は権利取得日の翌日から5年(92条1項)。起算点が違う二つの5年がある点に注意が必要です。
Q5退職して厚生年金をやめた後でも障害手当金は請求できますか?
初診日に厚生年金の被保険者であったことが要件なので、その後に退職していても請求できます。判断されるのは請求時点の資格ではなく初診日時点の資格です。初診日の証明確保が最優先になります。
Q6障害手当金の対象になる障害の程度はどこで決まりますか?
程度は政令で定められ、実務上は国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(厚生労働省年金局長通知)で判断されます。条文本体には具体的な障害の一覧は書かれていません。
Q7障害手当金が不支給になったら異議は言えますか?
社会保険審査官への審査請求、次いで社会保険審査会への再審査請求ができます。まず決定通知書の理由欄を読み、争点が症状固定日か、障害程度か、併給制限かを切り分けることが出発点です。
Q8障害手当金を受け取ると障害者手帳はどうなりますか?
別制度なので影響しません。障害者手帳は身体障害者福祉法等に基づく制度で、厚生年金の障害認定とは基準も窓口も異なります。手帳が非該当でも障害手当金の対象になることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q13級の年金と障害手当金、結局どっちが得なんですか?
手当金は3級年金の2年分に相当する一時金(法57条)。3級年金を3年以上受け続けられるなら年金のほうが総額で上回る。しかも3級年金は症状が重くなれば2級へ改定される道が残る。実務のポイント:この分岐は本人の希望ではなく診断書の「傷病が治ったかどうか」欄で決まる。医師はそこが受給形態を左右すると知らずに書いていることが多く、依頼時に用途を伝えるかどうかで結果が変わる
Q2障害手当金に税金はかかりますか?
かかりません。保険給付として受けた金銭を標準に租税その他の公課を課すことはできない(法41条2項、老齢厚生年金は除く)。確定申告も不要で、翌年の住民税や保育料の算定にも入らない。実務のポイント:ただし健康保険の被扶養者認定における収入判定は税法とは別物で、一時金の扱いは保険者ごとに運用が分かれている。扶養に入っている人は、受給前に保険者へ照会しておくと後の資格喪失トラブルを防げる
Q3手当金をもらったあとに悪化したら、年金に切り替えられますか?
原則として難しい。手当金は傷病が治った(症状固定した)ことを前提に支給されるため(法55条1項)、同一傷病での事後重症請求は実務上ほぼ認められない。新たな初診日が立つ再発と評価できるかが唯一の突破口で、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:進行性の疾患や、数年後に人工関節などの再手術が見込まれるケースでは、手当金を急いで請求しない選択が有利に働く場合がある
Q4加入して数年しかないのに、まとまった額が出るのはなぜですか?
第五十条第一項に、被保険者期間が300月に満たないときは300月とみなす規定があり、57条はその計算例をそのまま使うため。さらに額が第五十条第三項の最低保障額の2倍に満たなければ、その額まで引き上げられる(法57条ただし書)。実務のポイント:この二段構えの底上げがあるため、若年で加入期間が短い人ほど請求の費用対効果が高い。加入が短いから無駄だと自己判断で諦めるのが、最も損をする行動
間違えやすい点 AI による整理
- 障害手当金が一時金であることは、多くの人が知っている。だが深刻なのは金額の少なさではない。受け取った時点でその傷病は「治った」と公的に確定し、以後症状が悪化しても同一傷病で年金へ乗り換えることが実務上ほぼ閉ざされる点にある。扉が閉まることこそが本質である。なお、明らかな再発と評価できる事案の取扱いについては、実務上、解釈が分かれている
- 「障害手当金はいくらもらえるのか」を最初に調べる人が大半だが、問いの立て方そのものがずれている。57条は額の中身を第五十条第一項に丸投げしており、金額はあなたの標準報酬と被保険者期間で自動的に決まる。先に決着させるべきは額ではなく、自分の傷病が「治った」のかどうかだ。そこが定まらない限り、57条の計算式は起動すらしない
- 厚生年金の加入期間が短いから雀の涙だろう、と請求自体を諦める人がいる。実際は逆で、第五十条第一項の300月みなしにより加入2年でも25年分として計算され、さらに最低保障額の2倍という下限が57条ただし書で設けられている。若く、加入期間が短い人ほど、この二段構えの底上げで実額が跳ね上がる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 給付の形式 | 厚年法57条:一時金(一回限りの清算) | 厚年法50条・47条:障害厚生年金3級(継続給付) 労災保険法15条:障害補償給付(等級により年金または一時金) |
| 額の算定 | 50条1項の例による額の100分の200、下限は50条3項の額の2倍 | 50条1項の例による額(300月みなし+3項の最低保障) 給付基礎日額を基準に障害等級ごとの日数で算定 |
| 将来の悪化への対応 | 傷病が治ったことが前提のため、同一傷病での年金移行は実務上ほぼ閉じる | 症状悪化により2級・1級への額改定請求が可能 再発が認められれば再度の療養補償等の余地がある |
| 課税・併給 | 公課禁止(41条2項)。労災の障害補償給付の権利があれば不支給(56条) | 公課禁止(41条2項)。労災側が調整される関係 非課税。厚年の障害手当金を排除する側に立つ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も失能等級に応じて一次金と年金を分ける設計を採り、軽度等級は一次金で清算する。日本の障害手当金と発想が近い一方、台湾は職災と普通事故で給付を明確に区分している
韓国は障害年金を等級制で運用するが、軽度障害を一時金で清算する日本の障害手当金に完全対応する給付の位置づけは異なる。산업재해보상보험法との併給調整がある点は日本と共通
ドイツは稼得能力減少年金を部分・全部の二段階で運用し、軽度障害を一時金で買い取る仕組みを置かない。将来の悪化リスクを制度側が抱え続ける設計で、日本の57条と正反対の選択
米国は「実質的な稼得活動ができるか」の一元的判定で、該当すれば月額給付、非該当なら無給付という全か無かの構造。中間層を一時金で救う日本型の緩衝装置がない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 初診日から4年11か月目に主治医が「これ以上は良くならない」と言ったら、何が起きるか? 障害手当金は初診日から起算して5年を経過する日までに傷病が治った(症状固定した)場合しか対象にならない(法55条1項)。残り1か月で診断書と初診日の証明を揃えられるかどうかが、約120万円と0円の分かれ目になる。年金事務所は期限が迫っていることを向こうから教えてはくれない
- 工場で指を切断し、労災の障害補償一時金が下りた。同じケガで厚生年金からも障害手当金が出るはずだと思って請求したが、不支給。当該傷病について労働者災害補償保険法による障害補償給付を受ける権利を有するときは、障害手当金は支給されない(法56条)。労災が下りて安心した人ほど、この併給制限を知らないまま二重取りを前提に生活設計をしてしまう
- あなたが中小企業の人事担当だとする。従業員が休日のスポーツで手指の可動域を失い、本人は「3級には届かないと言われた」と諦めて復職してきた。ここで障害手当金という制度が別枠で存在することを伝えられるかどうか。伝えなくても会社に法的責任はない。だからこそ、この情報は職場で共有されないまま消えていく
- 交通事故で片眼の視力が大きく落ちた。3級不該当でも障害手当金の対象になりうる。ただし加害者から同一の事由で損害賠償を受けていると、その価額の限度で保険給付が行われないことがある(法40条2項)
- 年収400万円前後、厚生年金加入3年の30歳。報酬比例額を300月みなしで計算しても年50万円台にしかならず、第五十条第三項の最低保障額を下回る。この場合、57条ただし書が働いて最低保障額の2倍、概算で120万円台が支給される(金額は年度ごとに改定されるため、最新の改正状況をご確認ください)。加入期間が短い人ほど、この二重の底上げの恩恵が大きい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 初診日を先に固定する。受診状況等証明書を取り、カルテ廃棄の前に確保2. 症状固定日が初診日から5年以内に収まるか逆算(法55条1項) 3. 労災の障害補償給付を受ける権利がないか確認、あれば手当金は不支給(法56条) 4. 3級の年金と手当金のどちらを狙うかを、診断書依頼の前に決める5. 額は第五十条第一項の例で計算されるため、標準報酬と加入月数を年金事務所で照会し、最低保障額の2倍と比較する
訴えられた側:不支給決定や減額を受けた側の手順。1. 決定通知書の理由欄を読み、争点が症状固定日か、障害程度か、併給制限かを切り分ける2. 障害程度が争点なら障害認定基準の該当項目と診断書の記載のずれを洗い出し、医師に補正を依頼3. 決定に不服なら社会保険審査官への審査請求(決定を知った日の翌日から3か月以内)、次いで再審査請求4. 症状固定日が争われている場合、通院実績とリハビリ終了時期の記録が最重要証拠になる
時効(請求できる期限):支給要件は、初診日から起算して5年を経過する日までにその傷病が治ったこと(法55条1項)。請求権自体の消滅時効は、権利を取得した時(症状固定日)の翌日から5年(法92条1項)。この二つの5年は起算点が異なるため、片方だけ見て安心すると取り返しがつかない。不支給決定への審査請求は決定を知った日の翌日から3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・実務:障害手当金は、障害等級3級に至らない軽度障害について、傷病が治ったことを条件に将来分をまとめて清算する一時金と理解されている。継続給付である障害厚生年金とは制度目的が異なり、両者は択一の関係に立つ
実務上の議論:障害手当金の受給後に同一傷病が悪化した場合の取扱いについては、新たな初診日が立つ再発と評価できるかをめぐって解釈が分かれている。事後重症請求は原則として認められないとする運用が一般的である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:厚生年金保険法の全部改正(昭和29年法律第115号)により現行法体系が成立し、障害等級に至らない軽度障害への一時金として障害手当金が制度化された
- 2.昭和60年(1985年) 改正:基礎年金制度の導入に伴う大改正により、厚生年金は基礎年金に上乗せする報酬比例部分として再構成された。障害給付の体系も再編され、障害手当金は3級に至らない障害への一時金として位置づけが整理された
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