厚生年金保険法 第50条(障害厚生年金の額)
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- 障害厚生年金の額は、第四十三条第一項の規定の例により計算した額とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が三百に満たないときは、これを三百とする。
- 2.障害の程度が障害等級の一級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、前項の規定にかかわらず、同項に定める額の百分の百二十五に相当する額とする。
- 3.障害厚生年金の給付事由となつた障害について国民年金法による障害基礎年金を受けることができない場合において、障害厚生年金の額が国民年金法第三十三条第一項に規定する障害基礎年金の額に四分の三を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)に満たないときは、前二項の規定にかかわらず、当該額をこれらの項に定める額とする。
- 4.第四十八条第一項の規定による障害厚生年金の額は、その額が同条第二項の規定により消滅した障害厚生年金の額より低額であるときは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、従前の障害厚生年金の額に相当する額とする。
この条文の基本情報
障害厚生年金の額とは何ですか?
定義障害厚生年金の額とは、厚生年金保険法第50条に定められた規定で、「障害厚生年金の額は、第四十三条第一項の規定の例により計算した額とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第50条(障害厚生年金の額)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第50条の条文原文は「障害厚生年金の額は、第四十三条第一項の規定の例により計算した額とする。」で始まります。
- 厚生年金保険法第50条は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第50条の前の条は厚生年金保険法第49条です。
- 厚生年金保険法第50条の次の条は厚生年金保険法第50条の2です。
- 厚生年金保険法第50条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第50条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第50条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/50
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法50条は、障害厚生年金の額を報酬比例で計算し、被保険者期間の月数が300に満たないときは300とみなすと定める。1級は125パーセントに加重され、3級には最低保障が置かれる。
Q · 加入して数か月で障害を負った場合、障害厚生年金はいくらになりますか?
加入が短くても300月加入したものとして計算されます
厚生年金保険法50条1項は、障害厚生年金の額を同法43条1項の報酬比例方式で計算したうえで、計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは300とみなすと定めています。加入3か月でも25年加入した扱いで額が決まります。さらに2項により障害等級1級は1項の額の125パーセント、3項により障害基礎年金を受けられない場合(3級など)は国民年金法33条1項の障害基礎年金の額の4分の3が最低保障となります。
解説
入社4か月目、通勤中の事故で右手を失った人がいる。その人の障害厚生年金は、加入4か月分ではなく、300か月(25年)加入したものとして計算される。50条1項後段の「これを三百とする」、たった一文がその正体だ。若い人ほど加入期間が短いから年金は雀の涙、という直感は、障害年金では完全に裏切られる。さらに2項、障害等級1級なら額は125%に跳ね上がる。3項は、3級のように障害基礎年金が一切出ないケースのために、障害基礎年金2級の額の4分の3という底板を敷いている。つまりあなたが握るべき数字は三つ。300月みなし、1級125%、3級最低保障。この三つを持っているかどうかで、年金事務所から届いた決定通知の金額を検算できるか、等級を争う価値があるかを自分で判断できるかが決まる。
法的な位置づけ
厚生年金保険法50条は、障害厚生年金の額の算定方法を定める規定である。額は同法43条1項の報酬比例方式により計算され、計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは300とみなされる。障害等級1級には125パーセントの加重が、障害基礎年金を受けられない場合には障害基礎年金額の4分の3という最低保障が置かれる。
手順
- 1.初診日を特定し受診状況等証明書を確保する 最初にかかった医療機関を洗い出し、受診状況等証明書を取得する。カルテの保存期間を過ぎると取得できなくなるため最優先で動く。初診日が厚生年金の被保険者期間内にあることが47条の入口要件であり、50条の300月みなしを使う前提になる
- 2.障害認定日を確定する 原則として初診日から1年6か月を経過した日(それ以前に症状が固定した場合はその日)が障害認定日。50条の額計算に算入される被保険者期間は認定日の属する月までである(51条)ため、この日付が計算の締切線になる
- 3.等級を左右する診断書を医師に依頼する 診断書の日常生活能力の判定欄・程度欄、就労時の配慮内容が等級を決める。1級に該当すれば50条2項で125パーセントになるため、依頼前に記載してほしい事実を具体的に整理して医師に伝える
- 4.請求書を提出し決定通知を待つ 年金請求書一式を年金事務所へ提出する。遡及請求を含める場合は92条の5年時効を意識し、準備完了を待たず先に請求する判断も検討する
- 5.決定通知書を50条で検算する 通知書の等級・被保険者期間月数・平均標準報酬額を分解し、月数が300未満のまま計算されていないか、1級なら125パーセントが乗っているか、3級なら3項の最低保障を下回っていないかを確認する。ずれがあれば審査請求または記録訂正を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1障害厚生年金の300月みなしとは?
厚生年金保険法50条1項後段の規定で、額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは300とみなす仕組みです。加入3か月でも25年加入した扱いで計算されます。
Q2障害厚生年金1級はいくら増える?
50条2項により、1級は1項で計算した額の125パーセントになります。障害基礎年金も1級は2級の125パーセントのため、合計でも1.25倍が上限の目安です。
Q3障害厚生年金3級の最低保障額はいくら?
50条3項により、国民年金法33条1項の障害基礎年金(2級)の額に4分の3を乗じた額が下限です。金額は年度の改定率で変動するため、最新額を確認してください。
Q4障害厚生年金 いつから計算対象になる?
計算に入るのは障害認定日の属する月までの被保険者期間です(51条)。認定日より後にどれだけ働いても、その障害厚生年金の額自体は増えません。
Q5障害厚生年金と障害基礎年金の違いは?
障害基礎年金は国民年金法に基づく定額給付で1級・2級のみ、障害厚生年金は報酬比例で3級まであります。3級は障害基礎年金が出ないため50条3項の最低保障が働きます。
Q6額改定請求はいつからできる?
52条に基づく額改定請求は、原則として受給権取得日または直近の診査日から1年経過後に可能です。明らかな増進が認められる場合の例外運用もあります。
Q7障害厚生年金の遡及請求は何年分もらえる?
年金を受ける権利は5年で時効消滅します(厚生年金保険法92条1項)。遡って受け取れるのは請求日から5年分までで、それ以前の分は消滅します。
Q8初診日が証明できないとどうなる?
初診日に厚生年金の被保険者だったことが47条の入口要件です。証明できないと障害厚生年金の土俵に上がれず、50条1項の300月みなしも使えません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1働きながらでも障害厚生年金ってもらえるんですか?
もらえます。50条は額を平均標準報酬額と被保険者期間月数で計算するだけで、就労の有無を要件にしていません。ただし等級認定の診断書には就労状況欄があり、特に精神障害では就労実績が日常生活能力ありの方向に働きます。実務のポイント:精神の障害に係る等級判定ガイドラインは、就労していても職場の援助や配慮を受けているかを個別に評価すると明示しています。備考欄に配慮の中身を書いてもらえるかで結論が変わる
Q23級だと障害基礎年金がゼロだと聞きました。厚生年金だけで足りるんですか?
3級は障害基礎年金が出ないため、50条3項が最低保障を置いています。国民年金法33条1項の障害基礎年金(2級)の額の4分の3が下限で、令和7年度でおよそ62万円台です(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:3級には配偶者の加給年金が付きません(50条の2)。2級と3級の差は等級一段分ではなく、扶養家族がいる人ほど実額の断崖になります
Q3加入して1年もたっていないんですが、それでも計算してもらえるんですか?
されます。50条1項後段が、被保険者期間の月数が300に満たないときは300とみなすと定めているためで、加入3か月でも25年加入した扱いです。実務のポイント:みなしの対象は障害認定日の属する月までの期間で、認定日より後の期間は算入されません(51条)。認定日後にどれだけ働いても、その障害厚生年金の額は増えません。増やす道は等級改定(52条)か別傷病での新たな受給権だけです
Q4決まった金額が思ったより低いんですが、計算間違いを疑ってもいいんでしょうか?
検算する権利があります。50条1項は43条1項の例により計算するので、平均標準報酬額と被保険者期間月数が分かれば自分で試算でき、記録はねんきんネットや年金事務所で確認できます。実務のポイント:厚生年金の記録漏れは今も出てきます。短期勤務や社名変更のあった事業所は記録が繋がっていないことがあり、訂正すると平均標準報酬額が動く。300月みなしが効く人でも、報酬の側は動かせます
間違えやすい点 AI による整理
- 300月みなしの存在は知っていても、その前提の危うさを知らない人が多い。みなしが働くのは初診日に厚生年金の被保険者だった場合に限られる(47条)。退職後に初めて病院へ行った人は障害基礎年金の土俵しかなく、3級相当なら1円も出ない。効いているのは制度の寛大さではなく、初診日というたった1日がどちら側にあるかだ
- 「障害年金はいくらもらえますか」という問いの立て方自体が順番を誤っている。額は等級と平均標準報酬額と300月みなしで機械的に決まり、交渉の余地はない。あなたが動かせるのは額ではなく、等級認定に使う診断書の記載内容と初診日の証明である。金額を尋ねる前に、診断書の日常生活能力の判定欄を見るべきだ
- 1級は2級の2倍と思われがちだが、厚生年金部分は125%(50条2項)、障害基礎年金も1級は2級の125%(国民年金法33条2項)で、合計しても1.25倍にしかならない。実額が大きく開くのは等級より家族構成の側で、配偶者の加給年金は1級2級にのみ加算され(50条の2)、3級には付かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 50条:障害厚生年金の額そのものを決める(300月みなし・1級125%・3級最低保障) | 47条:支給要件と障害等級(初診日・保険料納付要件という入口) 52条:障害の程度の変動による額の改定(決定後に額を動かす手段) |
| 動かせるもの | 動かせない。等級・平均標準報酬額・月数から機械的に決まる | 初診日の証明と診断書の記載で結論が変わる 悪化の裏付け(受診歴・診断書)で等級を上げられる |
| 3級の扱い | 3項の最低保障(障害基礎年金額の4分の3)が働く | 3級も支給対象(障害基礎年金は1級・2級のみ) 3級から2級への改定請求が実額の断崖を埋める鍵 |
| 家族への加算 | 50条自体に配偶者加算はない | 50条の2:配偶者加給年金額は1級・2級のみ、3級には付かない 51条:障害認定日の属する月後の期間は算入しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も失能年金に最低保障額を置く点は日本3項と同趣旨。ただし日本の300月みなしのように「加入月数そのものを擬制する」方式ではなく、最低保障額の下支えで処理する設計
韓国は国民年金に一元化されており、障害年金額は基本年金額に等級別の率(1級100%、2級80%、3級60%)を乗じる方式。日本のような300月みなしではなく等級別率で調整する
ドイツの稼得能力減少年金では、受障時から一定年齢までの期間を拠出があったものとみなす Zurechnungszeit が置かれる。日本の300月みなしと発想が最も近い制度
米国 SSDI は受障時年齢に応じて必要な稼得クレジット数を逓減させ、若年受障者を救う。日本のように計算月数を一律300に引き上げる方式とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新卒入社から半年、うつ病で休職しそのまま復職できなかったとしたら、年金はいくら出る? 加入6か月でも計算の基礎は300月。ただし分水嶺は初診日で、退職して国民年金に切り替えた後に初めて受診すると、厚生年金の障害給付そのものが土俵に上がらない
- 2級で受給していたが症状が悪化し、1級に該当する状態になった。額改定請求(52条)が通れば、50条2項で厚生年金部分は125%になる。請求しない限り遡って直してはくれず、放置した月数はそのまま消える
- 3級で決定通知が届いた。障害基礎年金はゼロ、厚生年金だけ。ここで効く底板が3項の最低保障である
- 障害認定日から時間が経ち、遡及請求の準備が終わらない。年金を受ける権利は5年で時効(92条)にかかるため、遡れるのは5年分まで。準備が1か月遅れるたび、過去の1か月分が静かに消えていく
- あなたが会社の総務担当で、休職中の従業員から相談を受けた。傷病手当金は通算1年6か月、その切れ目を埋めるのが障害厚生年金だ。初診日を証明する受診状況等証明書は、カルテの保存期間が過ぎると取れなくなる。証明の一枚を逃すと、300月みなしという最大の仕掛けを使う入口ごと閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 何より先に初診日を固定する。最初にかかった医療機関で受診状況等証明書を取得、カルテ保存期間が過ぎる前が勝負2. その日に厚生年金の被保険者だったかを年金記録で確認(47条の入口) 3. 診断書は等級を決める書面と理解し、日常生活能力の判定・程度欄と就労時の配慮内容を医師に具体的に書いてもらう4. 決定後は50条1項の300月みなしと平均標準報酬額で自分で検算、3級なら3項の最低保障を下回っていないか確認する
訴えられた側:額が想定より低い、または後日「障害状態不該当」で支給停止された側の手順。1. 決定通知書の等級・被保険者期間月数・平均標準報酬額を分解し、どの数字が原因かを特定2. 記録漏れが疑われるなら被保険者記録の開示と訂正を先に請求3. 争うなら社会保険審査官へ審査請求、認められなければ社会保険審査会へ再審査請求、その先が取消訴訟4. 並行して現在の症状で新たな診断書を揃え、額改定請求(52条)の道も同時に確保する
時効(請求できる期限):年金を受ける権利は支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅(厚生年金保険法92条1項)。遡及して受け取れるのは請求日から5年分まで。障害認定日は原則として初診日から1年6か月を経過した日(それ以前に症状が固定した場合はその日)。決定に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:50条1項後段の300月みなしは、拠出実績に比例するという報酬比例年金の原則に対する例外であり、若年受障者の給付水準を確保するための政策的擬制と理解されている。2項の加重と3項の最低保障も同じ生活保障的配慮の現れとされる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和60年(1985年)改正 基礎年金制度の創設に伴い障害給付の体系が再編され、障害厚生年金として報酬比例部分を支給する現行の枠組みが整備された。改正回数と各項の新設時期は要人的検証
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)が全部改正の形で制定され、報酬比例による障害給付の枠組みが整備された。各項の詳細な成立時期は要検証
- 2.昭和60年(1985年) 改正:基礎年金制度の創設に伴い障害給付の体系が再編され、1階の障害基礎年金と2階の障害厚生年金という現行の二階建て構造が成立した。3項の最低保障は障害基礎年金が支給されない3級を拾う位置づけとなった
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