厚生年金保険法 第50条の2
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- 障害の程度が障害等級の一級又は二級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、受給権者によつて生計を維持しているその者の六十五歳未満の配偶者があるときは、前条の規定にかかわらず、同条に定める額に加給年金額を加算した額とする。
- 2.前項に規定する加給年金額は、二十二万四千七百円に改定率を乗じて得た額(その額に五十円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十円以上百円未満の端数が生じたときは、これを百円に切り上げるものとする。)とする。
- 3.受給権者がその権利を取得した日の翌日以後にその者によつて生計を維持しているその者の六十五歳未満の配偶者を有するに至つたことにより第一項に規定する加給年金額を加算することとなつたときは、当該配偶者を有するに至つた日の属する月の翌月から、障害厚生年金の額を改定する。
- 4.第四十四条第四項(第五号から第十号までを除く。)の規定は、第一項の規定によりその額が加算された障害厚生年金について準用する。
- 5.第一項又は前項において準用する第四十四条第四項第二号の規定の適用上、障害厚生年金の受給権者によつて生計を維持していること又はその者による生計維持の状態がやんだことの認定に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第50条の2は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第50条の2の条文原文は「障害の程度が障害等級の一級又は二級に該当する者に支給する障害厚生年金の額は、受給権者によつて生計を維持しているその者の六十五歳未満の配偶者があるときは、前条の規…」で始まります。
- 厚生年金保険法第50条の2は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第50条の2の前の条は厚生年金保険法第50条です。
- 厚生年金保険法第50条の2の次の条は厚生年金保険法第51条です。
- 厚生年金保険法第50条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第50条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第50条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/50_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法50条の2は、障害等級一級・二級の障害厚生年金に、生計維持する65歳未満の配偶者がいる場合の加給年金額の加算を定める。三級は対象外である。
Q · 障害厚生年金に配偶者の加算が付くのは、どんなときですか?
一級・二級で65歳未満の配偶者を生計維持しているときです
厚生年金保険法50条の2第1項により、障害等級一級または二級の障害厚生年金には、受給権者が生計を維持する65歳未満の配偶者があるとき、加給年金額が加算されます。額は22万4700円に改定率を乗じた額(同条2項)です。三級には加算されません。受給権取得日の翌日以後に配偶者を有するに至った場合も、その日の属する月の翌月から額が改定されます(同条3項)。ただし届出をしなければ実際の支給額は動きません。
解説
障害厚生年金の決定通知を手にしたら、金額の前にまず等級欄を見てほしい。一級と二級には、六十五歳未満の配偶者を生計維持していれば加給年金額が上乗せされる。年額は二十二万四千七百円に毎年の改定率を掛けた額で、近年は二十三万円台で推移している(最新の改正状況をご確認ください)。三級には一円も付かない。しかも三級には障害基礎年金もない。等級認定の一段階が、世帯の年収を百万円単位で動かす断層がここに走っている。さらに押さえておくべきは、第三項の存在だ。かつては年金をもらい始めた後に結婚しても加算はゼロだったが、二〇一一年四月以降は、受給権取得後に配偶者を持つに至った場合も、その日の属する月の翌月から額が改定される。ただしこの加算は自動では動かない。届出をして初めて口座の数字が変わる。
法的な位置づけ
厚生年金保険法50条の2は、障害厚生年金の加給年金額を定める規定である。障害等級一級または二級に該当する受給権者が生計を維持する65歳未満の配偶者を有する場合に、前条の障害厚生年金の額へ22万4700円に改定率を乗じた額を加算する。受給権取得日の翌日以後に配偶者を有するに至った場合も、その日の属する月の翌月から額を改定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.年金証書・決定通知書で等級と加算欄を確認 障害厚生年金の年金証書と支給額の内訳を開き、障害等級が一級・二級か、加給年金額の行に金額が入っているかを確認する。三級であれば50条の2の対象外である
- 2.配偶者の年齢・収入で要件を判定 配偶者が65歳未満か、生計維持関係にあるかを確認する。実務上の生計維持認定は配偶者の年収850万円未満(所得655万5000円未満)が目安とされ、事実婚も厚生年金保険法3条2項により対象になる
- 3.加給年金額加算開始事由該当届を提出 要件を満たすのに加算されていない場合、年金事務所へ加給年金額加算開始事由該当届を提出する。受給権取得後の婚姻でも50条の2第3項により、配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から額が改定される
- 4.支給額変更通知書で反映を確認 届出後に届く支給額変更通知書で、加給年金額が加算開始月から反映されているかを検算する。反映されていなければ理由(年齢、生計維持、配偶者の老齢厚生年金)を年金事務所で特定する
- 5.対象外なら別ルートを検討 三級で加算対象外の場合は、症状が重くなった時点で額改定請求(厚生年金保険法52条)により二級以上への改定を求める道がある。決定に不服なら、処分を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求する
よくある質問 AI による整理
Q1加給年金額とは何ですか?
年金受給者が生計を維持する家族がいる場合に本体額へ上乗せされる加算です。障害厚生年金では厚生年金保険法50条の2が根拠で、対象は65歳未満の配偶者に限られます。
Q2障害厚生年金の加給年金額はいくらですか?
条文上は22万4700円に改定率を乗じた額です(50条の2第2項)。改定率は毎年度見直されるため、実額は年金振込通知書または年金事務所で最新額をご確認ください。
Q3加給年金額はいつまでもらえますか?
対象配偶者が65歳に達した月をもって終了します。それ以外にも、離婚、死亡、生計維持の終了、配偶者が老齢厚生年金を受けられるようになった場合などに止まります。
Q4事実婚でも加給年金額の対象になりますか?
なります。厚生年金保険法3条2項が、婚姻の届出をしていなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある者を配偶者に含めています。住民票の続柄や家計の実態が認定材料です。
Q5加給年金額の届出はどこに出しますか?
お近くの年金事務所または街角の年金相談センターです。加給年金額加算開始事由該当届に、戸籍謄本、世帯全員の住民票、配偶者の所得証明を添えて提出します。
Q6配偶者が老齢厚生年金をもらうと加算は止まりますか?
配偶者が厚生年金の加入期間20年以上等で老齢厚生年金を受けられる場合、加給年金額は支給停止になります。令和4年4月以降はその老齢厚生年金が全額停止でも止まります。
Q7障害厚生年金に子どもの加算は付きますか?
50条の2の対象は配偶者だけです。子の加算は障害基礎年金側(国民年金法33条の2)が担うため、二級以上であれば基礎年金の加算として受け取ることになります。
Q8加給年金額は何年前まで遡って請求できますか?
年金給付を受ける権利の消滅時効は5年(厚生年金保険法92条)です。届出が遅れても直近5年分は遡れますが、それより前の分は消滅します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1三級だと配偶者の加算はまったくもらえないんですか?
もらえない。五十条の二第一項が対象を障害等級の一級または二級に限っているためだ。三級は障害基礎年金も出ないので、二級との年間差額は加算分と合わせて百万円を超えることが多い。実務のポイント:等級は固定ではない。症状が重くなれば額改定請求(厚生年金保険法五十二条)で二級に上がる道があり、上がれば加給年金額も同時に付く。三級のまま何年も放置している人が最も多く取りこぼしている。
Q2年金をもらい始めてから結婚したんですが、今さら増えますか?
増える。五十条の二第三項が、受給権取得日の翌日以後に生計維持する六十五歳未満の配偶者を持つに至った場合を明文で拾っており、婚姻した日の属する月の翌月から額が改定される。実務のポイント:年金事務所から案内は来ない。届出を出した月からではなく事由発生月の翌月から権利が立つので、数年放置していても五年分は取り戻せる。気付いた日に電話するかどうかで数十万円が変わる。
Q3妻が働いているんですが、いくらまでなら対象になりますか?
生計維持の認定は政令に委ねられており(五十条の二第五項)、実務では配偶者の年収が八百五十万円未満、または所得六百五十五万五千円未満であることが基準とされる。実務のポイント:この八百五十万円という線は極めて高く、共働き世帯の大半は問題なく通る。「働いているから無理だろう」と自己判断して届出を出さない人が非常に多い。一時的に超えても、おおむね近い将来に下回る見込みがあれば認められる余地がある。
Q4老齢年金の加給年金と同じ金額だと思っていいですか?
違う。障害厚生年金の加給年金額は二十二万四千七百円に改定率を乗じた額のみ(第二項)で、老齢厚生年金に付く受給権者の生年月日に応じた特別加算がない。合計額は老齢側の半分程度になる。実務のポイント:さらに障害側は、対象配偶者が六十五歳になっても振替加算に引き継がれない。老齢側と同じ感覚で老後設計を組むと、配偶者の六十五歳を境に年二十万円台の穴が空いたまま埋まらない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「加給年金額はいくらか」を調べ始めた時点で、問いの立て方がずれている場合がある。先に確かめるべきは、自分の等級に加算の窓口がそもそも開いているかどうかだ。三級の受給権者がどれだけ額を調べても答えはゼロ。順序を逆にすると、額改定請求(厚生年金保険法五十二条)という本来打つべき手を見落とす
- 配偶者が六十五歳になれば加算が終わることは多くの人が知っている。知られていないのは、その後に受け皿がないことだ。老齢厚生年金の加給年金額であれば、対象配偶者が六十五歳に達したとき振替加算という形で配偶者本人の老齢基礎年金に上乗せが移る。だが障害厚生年金の加給年金額は、実務上その振替加算に結びつかない。ある月を境に年二十万円台が消えて、そのまま戻らない
- 「籍を入れていないから自分には関係ない」と判断して調べるのをやめた人がいる。厚生年金保険法三条二項は、婚姻の届出をしていなくても事実上婚姻関係と同様の事情にある者を配偶者に含める。住民票の続柄記載や家計の実態が認定材料になる。関係ないと思って調べなかった側だけが、毎月分を取りこぼしている
- 同じ「加給年金額」という言葉でも、老齢厚生年金に付くものと障害厚生年金に付くものは別物である。老齢側には受給権者の生年月日に応じた特別加算があり、合計額は障害側の倍近くになる。ネットで見た金額をそのまま自分の障害年金に当てはめると、数字が合わずに年金事務所へ抗議しに行くことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる家族 | 厚年50条の2:65歳未満の配偶者のみ(一級・二級限定) | 厚年44条:老齢厚生年金の配偶者・子 国年33条の2:障害基礎年金の子のみ |
| 加算額の構成 | 22万4700円 × 改定率(特別加算なし) | 配偶者加給年金額+受給権者の生年月日に応じた特別加算 第1子・第2子と第3子以降で単価が異なる |
| 終了事由 | 配偶者が65歳到達、生計維持の終了、離婚・死亡、配偶者の老齢厚生年金受給 | 同様に65歳到達等。ただし配偶者側は振替加算へ移行 子が18歳到達年度末(障害の子は20歳) |
| 65歳到達後の受け皿 | 振替加算に結びつかず、加算が消えたまま | 配偶者本人の老齢基礎年金へ振替加算として移行 受け皿なし(子の年齢到達で終了) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の労保失能年金にも眷属補助があり、要件を満たす配偶者・子1人につき失能年金額の25%、最大50%を加算する。日本の定額加算に対し台湾は定率加算で、子も対象に含む点が異なる
韓国は障害年金・老齢年金・遺族年金に共通の부양가족연금액を定め、配偶者と一定の子・父母を対象とする。障害年金の等級による加算の有無という日本型の断層は設けていない
ドイツの稼得能力減少年金には配偶者加算に相当する給付がなく、世帯の生活保障は基礎保障(SGB XII / Grundsicherung)で受け止める設計。加算を年金内部に持たない点で日本と対照的
米国 SSDI は障害被保険者の記録に基づく配偶者給付を認めるが、原則62歳以上または一定年齢の子を養育する配偶者が対象。日本が65歳未満に限るのと年齢要件の向きが逆になっている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- うつ病で二級の障害厚生年金が決定した。通知書の金額を電卓で確認すると、想定より二十万円ほど多い。理由は加給年金額。妻がパート勤務で年収百二十万円だから生計維持が認められた。もし妻が六十五歳を超えていれば、この二十数万円は最初から存在しなかった
- もし、年金をもらい始めてから三年後に結婚したとしたら、加給年金額は付くのか。答えは付く。二〇一一年四月からは受給権取得日の翌日以後に配偶者を持つに至った場合も対象になった。ただし年金事務所から連絡は来ない。加算開始事由該当届を自分で出さない限り、婚姻届を出した月の翌月分からの権利が眠ったままになる
- 妻が長年フルタイムで働いてきて、厚生年金の加入期間が二十年を超えた。妻が自分の老齢厚生年金を受けられるようになった瞬間、あなたの加給年金額は支給停止になる。令和四年四月からは、その老齢厚生年金が在職老齢年金の仕組みで全額止まっていても、加給年金額のほうは止まる
- 三級と二級の境目で不服申立てを考えている。審査請求の期限は決定を知った日の翌日から三か月。残り三週間しかない。争っている実質額は等級表の一行ではなく、障害基礎年金と加給年金額を合わせた年間百万円超の差である
- 婚姻届は出していないが、十年同居して住民票の続柄は「妻(未届)」。この人は加給年金額の対象になる。厚生年金保険法三条二項が事実婚を配偶者に含めているからだ
取るべき行動
被害を受けた側:受給する側に立つなら、一、決定通知で等級と加給年金額の記載を確認する。二、六十五歳未満の配偶者がいるのに記載がなければ、加給年金額加算開始事由該当届を年金事務所へ提出する。三、添付は戸籍謄本、世帯全員の住民票、配偶者の所得証明。事実婚なら同居実態を示す資料を厚めに。四、三級で加算対象外なら、症状が重くなった時点で額改定請求(厚生年金保険法五十二条)を検討する。
訴えられた側:加算を否定された、または過払いとして返還を求められた側なら、一、否定の理由が生計維持の不認定か、配偶者の年齢か、等級かを特定する。二、生計維持は年収八百五十万円未満が基準で、一時的な超過は将来の見込みで判断される余地がある。三、配偶者の老齢厚生年金を理由とする支給停止なら、令和四年四月以降の取扱い変更が絡んでいないか確認する。四、不服があれば社会保険審査官への審査請求へ進む。
時効(請求できる期限):年金給付を受ける権利の消滅時効は五年(厚生年金保険法九十二条)。届出が遅れても五年分は遡って受け取れるが、それより前は消える。加算は配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から発生し、配偶者が六十五歳に達した月をもって終了する。決定に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から三か月以内。
学説
通説:公的年金は被保険者個人の拠出に対応する個人単位の給付を原則とするが、稼得能力を喪失した被保険者が扶養家族を抱える場合には同額の給付でも生活水準の低下幅が大きい。50条の2の加給年金額は、この差を補う世帯単位の例外的調整であり、配偶者が自ら基礎年金を得るまでの橋渡しに用途を限定する趣旨と解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成十六年(二〇〇四年)年金制度改正 加給年金額の表記が固定額から「二十二万四千七百円に改定率を乗じて得た額」へ改正され、マクロ経済スライドを含む改定率方式に組み込まれた。端数処理も五十円単位で明文化
- 平成二十三年(二〇一一年)四月一日施行 受給権取得日の翌日以後に生計維持する六十五歳未満の配偶者を有するに至った場合にも加算する第三項が設けられ、受給開始後の婚姻が救済対象となった。従来は受給権発生時点の配偶者しか対象にならなかった
- 令和四年(二〇二二年)四月 配偶者が老齢厚生年金を受けられる場合の加給年金額支給停止について、当該老齢厚生年金が全額支給停止であっても停止する取扱いへ改正(厚生年金保険法四十六条側の改正だが本条の加算額に直結する)
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:加給年金額の表記が固定額から「22万4700円に改定率を乗じて得た額」へ改められ、マクロ経済スライドを含む改定率方式に組み込まれた。50円単位の端数処理も明文化
- 2.平成23年(2011年) 新設:第3項を新設。受給権取得日の翌日以後に生計維持する65歳未満の配偶者を有するに至った場合も、その日の属する月の翌月から額を改定することとし、受給開始後の婚姻を救済対象に加えた
- 3.令和4年(2022年) 改正:配偶者が老齢厚生年金を受けられる場合の加給年金額の支給停止について、当該老齢厚生年金が在職老齢年金の仕組みで全額支給停止であっても加給年金額は停止する取扱いに改められた(厚生年金保険法46条側の改正だが本条の加算額に直結)
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