厚生年金保険法 第3条(用語の定義)
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- この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
- 一保険料納付済期間国民年金法第五条第一項に規定する保険料納付済期間をいう。
- 二保険料免除期間国民年金法第五条第二項に規定する保険料免除期間をいう。
- 三報酬賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受ける全てのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
- 四賞与賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。
- 2.この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。
この条文の基本情報
用語の定義とは何ですか?
定義用語の定義とは、厚生年金保険法第3条に定められた規定で、「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第3条(用語の定義)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第3条の条文原文は「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。」で始まります。
- 厚生年金保険法第3条は第一章 総則に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第3条の前の条は厚生年金保険法第2条の5です。
- 厚生年金保険法第3条の次の条は厚生年金保険法第4〜5条です。
- 厚生年金保険法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法3条は、報酬を「名称を問わず労働の対償として受ける全てのもの」と定義し、臨時のものと三月を超える間隔で受けるものを除く。除かれた後者は賞与となる。
Q · 給料についている手当も、全部が厚生年金の計算に入るんですか?
名前が手当でも、労働の対償なら報酬に入ります
厚生年金保険法3条1項3号は、報酬を「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもの」と定義します。名称ではなく労働の対償かどうかで判定するため、住宅手当・皆勤手当・通勤手当も原則として報酬に含まれ、標準報酬月額に反映されます。ただし但書により、臨時に受けるものと三月を超える期間ごとに受けるものは報酬から除かれ、後者は同項4号の賞与として標準賞与額の対象になります。
解説
毎月の給与明細に載る「報酬」という二文字が、あなたの一生の年金額を決めている。厚生年金保険法3条1項3号は、名称が何であれ、労働者が労働の対償として受ける全てのものを報酬と定義する。基本給だけではない。通勤手当も、住宅手当も、皆勤手当も、原則としてここに入る。だから会社が「これは手当だから年金には関係ない」と説明したとしても、それは誤りである可能性が高い。ただし但書に例外がある。臨時に受けるもの、そして三月を超える期間ごとに受けるもの、この二つは報酬から外れる。外れた後者は4号で「賞与」として別枠になり、賞与にも保険料がかかる。さらに2項は、婚姻届を出していない事実婚のパートナーも「配偶者」「夫」「妻」に含めると宣言する。この一文があるかないかで、遺族厚生年金が受け取れるかどうかが分かれる。定義条文は退屈に見えるが、あなたの老後と、あなたの死後に残される人の生活が、ここで規定されている。
法的な位置づけ
厚生年金保険法3条は、同法の基本用語を定義する規定である。1項3号は報酬を、名称を問わず労働者が労働の対償として受ける一切のものと定め、臨時のものおよび三月を超える期間ごとに受けるものを除外する。4号は後者を賞与と定義し、2項は事実上婚姻関係と同様の事情にある者を配偶者に含めると規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金保険法の「報酬」とは何ですか?
3条1項3号が定める概念で、賃金・給料・手当など名称を問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのものを指します。臨時のものと三月を超える間隔で受けるものは除かれます。
Q2賞与を年4回にすると社会保険料はどうなりますか?
支給間隔が三月以内になると4号の賞与ではなく3号の報酬に当たり、標準報酬月額の算定に組み込まれます。結果として毎月の保険料が上がる可能性があります。
Q3社宅や食事の現物支給も報酬に入りますか?
労働の対償であれば現物給与も報酬に含まれます。金額は都道府県ごとに定められた現物給与価額により換算され、標準報酬月額に反映されます。
Q4出張旅費は報酬に含まれますか?
業務のために立て替えた費用の実費弁償は労働の対償ではないため、原則として報酬に当たりません。実費を超える定額支給部分は報酬と判断される余地があります。
Q5標準報酬月額はいつ決まりますか?
資格取得時の決定のほか、毎年一定時期の報酬を基礎とする定時決定、報酬が大きく変動したときの随時改定があります。算定の入口となる報酬の範囲を決めるのが3条です。
Q6役員報酬も厚生年金の報酬になりますか?
法人から労務の対償として定期的に受ける役員報酬は、被保険者資格がある限り報酬として取り扱われます。名称が役員報酬でも判定基準は労働の対償性です。
Q7保険料を払い過ぎていたら何年前まで戻せますか?
保険料の徴収権および還付請求権の消滅時効は2年です(厚生年金保険法92条)。誤った報酬算定の訂正も実務上この2年の壁に突き当たります。
Q8健康保険と厚生年金で報酬の定義は同じですか?
健康保険法3条もほぼ同一の報酬定義を置いており、実務上は一体で運用されます。ただし標準報酬の等級区分や上限額は制度ごとに異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1通勤手当って実費なのに、なんで年金の計算に入るんですか?
3条1項3号が「いかなる名称であるかを問わず、労働の対償として受ける全てのもの」と定めているためである。通勤手当は実務上、労働の対償に含まれる扱いが定着している。実務のポイント:現物給与も報酬に含まれる。社宅や食事の提供は都道府県ごとの現物給与価額表で金額換算され、標準報酬に反映される。この表の存在を知らずに社宅制度を設計している中小企業は多い
Q2ボーナスからも厚生年金が引かれるのは、いつからそうなったんですか?
2003年4月の総報酬制導入からである。それ以前は賞与に低率の特別保険料しかかからず、年金額にも反映されなかった。現在は3条1項4号の賞与として標準賞与額が定められ、給付にも反映される。実務のポイント:標準賞与額には1回あたりの上限(現行150万円)がある。高額賞与の一部は保険料もかからないが、年金額にも反映されない。役員報酬の設計でここを見ている顧問税理士は多い(最新の改正状況をご確認ください)
Q3籍を入れていないパートナーでも、本当に遺族年金がもらえるんですか?
3条2項が事実婚を配偶者に含めているため、制度上は可能である。ただし「事実上婚姻関係と同様の事情」の立証が必要で、同居の事実に加え、生計同一性と婚姻意思が問われる。実務のポイント:重婚的内縁(戸籍上の配偶者が別にいる場合)でも、法律上の婚姻が形骸化していれば内縁配偶者が優先された裁決例がある。諦める前に社会保険労務士か弁護士に相談する価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 通勤手当は実費だから報酬に入らない、と信じている人は多い。だが実務上、通勤手当は労働の対償として報酬に含まれる扱いが定着している。実費弁償として除外されるのは出張旅費など個別の業務経費であり、通勤定期代とは扱いが異なる。「手当」という名前は判定の役に立たない
- 報酬に含まれるかどうかを「損か得か」で考えている時点で、問いの立て方が間違っている。報酬が増えれば保険料は増えるが、同時に将来の老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金の額も増える。短期のキャッシュフローと長期の受給権を同じ天秤に乗せるのが正しい設計であり、目先の手取りだけを見ると判断を誤る
- 事実婚でも遺族年金が出ると聞いて安心してしまう人がいるが、深刻さの理解が足りない。2項は「事実上婚姻関係と同様の事情」を要求しており、同居していただけでは足りない。生計同一性と婚姻意思の双方を、亡くなった後に遺された側が立証しなければならない。生前に何を残しておくかで結果が変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 定義する対象 | 厚年法3条:報酬(3号)と賞与(4号)の範囲そのもの | 厚年法20条:報酬月額を等級に当てはめた標準報酬月額 厚年法24条の4:賞与額を基礎とする標準賞与額 |
| 判定の基準 | 名称を問わず労働の対償か、支給間隔が三月を超えるか | 報酬月額を等級表に当てはめる(区分は法定) 支給された賞与額の千円未満切捨てと上限適用 |
| 誤りが生む影響 | 算入・除外の誤りが標準報酬と標準賞与の双方を歪める | 等級誤りにより毎月の保険料と年金額がずれる 上限超過分は保険料も給付も反映されない |
| 確認すべき資料 | 賃金規程・手当の支給根拠・支給実績の間隔 | 報酬月額算定基礎届の控えと等級表 賞与支払届と賞与支給実績 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は月投保薪資という等級表方式で、日本の標準報酬月額と発想が近い。ただし報酬の入口定義は労基法の工資概念に依存し、社会保険法典内で独立の定義を置く日本とは構造が異なる
韓国も所得・基準所得月額を定義規定で置き、賃金比例拠出を採る。被用者と地域加入者を一本の制度で扱う点が日本の厚生年金・国民年金の二階建てと異なる
ドイツも名称や支給形態を問わず雇用に起因する全ての収入を Arbeitsentgelt とし、日本の3条3号とほぼ同一の実質判断方式を採る。一時金(Einmalzahlung)の扱いに関する規律が別途置かれている
米国は social security の課税基礎を wages として列挙除外方式で定義し、年間の課税上限(wage base)を設ける。定義規定を税法側に置く点が、社会保険法典内に置く日独と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 毎月の給与から引かれる厚生年金保険料が、去年より急に上がった。よく見ると、四月に住宅手当が新設されていた。手当も報酬に含まれるため標準報酬月額が上がり、保険料も上がった。ただし将来の年金額も同時に上がっている。損したと感じるかどうかは、この構造を知っているかで変わる
- 会社が「賞与の支給回数を年4回に変えます」と言い出したら、何が起きる? 支給間隔が三月以内になると、それは4号の賞与ではなく3号の報酬に化ける。標準報酬月額の計算に組み込まれ、毎月の保険料が上がる。会社側が保険料負担を調整するために回数をいじる事例は実在する
- 十五年間、婚姻届を出さずに一緒に暮らしてきたパートナーが亡くなった。戸籍上は他人である。だが3条2項により、事実上婚姻関係と同様の事情にあれば遺族厚生年金の対象になりうる。証明の勝負になるのは、住民票の続柄、健康保険の被扶養者記録、家計の共同性を示す通帳
- 経理担当のあなたが、出張の実費精算を報酬に含めて算定基礎届を提出してしまった。実費弁償は労働の対償ではないため報酬に当たらない。過大な保険料を労使双方が払い続けたことになる。年金事務所への訂正届を出せる期間は限られており、気付いた日から動かないと取り戻せない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 直近の給与明細と算定基礎届の控えを突き合わせ、どの手当が報酬に算入されているか確認する2. 実費弁償にすぎない出張旅費などが混入していないか、逆に手当が漏れていないかを洗う3. 疑問があれば会社の担当者に根拠を書面で求め、回答が曖昧なら管轄の年金事務所に照会する4. 誤りが判明したら訂正届の提出を会社に求める。会社が動かない場合は年金事務所へ直接申し出る
訴えられた側:1. 事業主側で算定誤りを指摘されたら、まず対象の手当が労働の対償か実費弁償かを支給規程で確認する2. 賞与の支給回数が年4回以上になっていないか、就業規則と実際の支給実績の両方を点検する3. 遡及訂正が必要な場合、対象者全員分の差額と労使折半の負担を試算し、従業員への説明資料を先に用意する4. 判断が分かれる手当は年金事務所に事前照会し、回答を記録に残す
時効(請求できる期限):保険料の徴収権および還付請求権の消滅時効は2年(厚生年金保険法92条)。年金給付を受ける権利の時効は5年(同法92条)。誤った標準報酬の訂正も、原則としてこの2年の壁に突き当たるため、気付いた月のうちに動くこと(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:3条1項3号の報酬該当性は、給付の名称ではなく労働の対償性という実質で判断される。恩恵的給付や実費弁償は対償性を欠くため除外されるが、就業規則等により支給が制度化され経常的に支払われるものは、名称のいかんを問わず報酬に含まれると解される。
労基法賃金概念との異同に関する議論:労働基準法11条の賃金と厚年法3条の報酬は「労働の対償」という中核を共有するが、厚年法は三月を超える間隔の給付を報酬から切り出し賞与として別建てにする点で範囲が異なる。両概念を同一視すると算定基礎届の誤りにつながるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)総報酬制導入 賞与を保険料および給付の算定基礎に本格的に組み込む制度改正が行われ、報酬と賞与の区分が現在の枠組みに近づいた。具体的な条文文言の改正時期と「新設」か「改正」かの区別は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 改正:厚生年金保険法の全部改正により現行法が成立し、用語定義規定が置かれた。個々の号の文言がその後どの時点で現在の形になったかは人的検証が必要
- 2.平成15年(2003年) 改正:総報酬制の導入により、賞与が保険料および給付の算定基礎に本格的に組み込まれ、報酬と賞与を分ける現行の枠組みが定着した。条文文言の具体的な改正時期は要確認
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