要点厚生年金保険法20条は、標準報酬月額を報酬月額に基づく等級区分で定めると規定する。実際の給与額ではなく等級表上の額が保険料と年金額の基礎となり、最高等級には上限がある。
Q · 厚生年金の保険料って、実際の給料からそのまま計算されているんですか?
実際の月給ではなく、等級表に丸めた額で決まります
厚生年金保険法20条1項により、保険料と年金額の基礎になるのは実際の報酬額そのものではなく、報酬月額を等級区分に当てはめた「標準報酬月額」です。そのため月給が数万円違っても同じ等級に丸められて同額を負担することがあり、最高等級には上限があるため、上限を超える部分は保険料にも将来の年金額にも反映されません。同条2項は、全被保険者の平均額の2倍が最高等級を超える状態が継続する場合に、健康保険法の等級区分を参酌して政令で上位等級を追加できると定めています。
給与明細の「厚生年金保険料」欄にある数字は、あなたの実際の月給から直接計算されたものではない。20条が定めるのは、報酬月額を等級表(現行32等級)に置き換え、等級ごとの決め打ちの額を保険料と年金額の土台にする仕組みだ。月給31万円の人も33万円の人も、同じ等級に丸められて同額を払うことがある。そして最高等級は第32級の65万円で頭打ちになる。つまり月収200万円の役員も、月収65万円の課長も、厚生年金の保険料と将来受け取る老齢厚生年金の報酬比例部分は同じである。2項は、この上限が実態から離れすぎたときに政令で等級を追加できる非常口だ。令和2年(2020年)9月の第32級追加は、その非常口が実際に開いた結果である。保険料も、老齢年金も、障害厚生年金も、離婚時の年金分割も、すべてこの一枚の表の上であなたがどこに立つかで決まる。
標準報酬月額とは、厚生年金保険の保険料および年金額の算定基礎とするため、被保険者の報酬月額を等級区分に当てはめて定めた額をいう。厚生年金保険法20条1項が根拠であり、実際の報酬額そのものではなく等級表上の固定額が用いられる。同条2項は、平均額の2倍が最高等級を超える状態が継続する場合に、政令で上位等級を追加する改定手続を定める。
報酬月額を等級区分に当てはめて定めた額で、厚生年金の保険料と年金額の算定基礎になります(厚生年金保険法20条1項)。実際の給与額そのものではありません。
ねんきんネットまたはねんきん定期便で、月別の標準報酬月額の記録を確認できます。給与明細の控除額と一件ずつ突き合わせるのが確実です。
毎年の定時決定(21条)で4月から6月の報酬平均により決まり、その年の9月から翌年8月まで適用されます。算定基礎届の提出期限は毎年7月10日です。
昇給や降給など固定的賃金の変動があり、変動後3か月の平均で2等級以上動いたとき、4か月目から改定されます(23条)。事業主の月額変更届が起点です。
通勤手当は労務の対償として支払われる報酬に含まれ、算定の基礎に入るのが原則です。現物給与の扱いを含め、就業規則と給与規程で判定基準を統一しておく必要があります。
含まれません。賞与は標準賞与額として別枠で計算されます。月給を抑えて賞与に配分する報酬設計では標準報酬月額が低く出るため、将来の年金額も低くなります。
自動では下がりません。育児休業等終了時改定(23条の2)は本人の申出が起点です。3歳未満の子を養育中なら、養育期間の特例(26条)も併せて申し出てください。
等級区分がそれぞれ別に定められ、健康保険のほうが等級数が多く上限も高いためです。厚生年金20条2項は健康保険法の等級区分を参酌して改定する構造になっています。
その3か月の報酬平均で9月からの等級が決まる(21条の定時決定)ので、保険料の面では確かに上がります。ただし上がった等級は老齢厚生年金の報酬比例部分にも反映されるため、単純な損得ではありません。業界裏話ヒント:賞与は標準賞与額として別枠(1回150万円が上限、24条の4)で計算されます。月給を抑えて賞与に寄せる報酬設計の会社では、標準報酬月額が低く出る分、将来の年金も低く出ます。転職時の年収比較では、この配分まで見る人はほとんどいない
厚生年金の標準報酬月額は第32級の65万円が上限なので、それを超える部分は保険料も年金額も反映されません(20条1項)。健康保険は等級数が多く上限が高いため、同じ給料でも健保と厚年で等級が食い違います。業界裏話ヒント:20条2項は政令で上限等級を追加できる仕組みで、令和2年9月の第32級追加はこれが動いた実例です。上限は今後さらに段階的に引き上げられる方向で制度改正が進んでいます(最新の改正状況をご確認ください)。役員報酬の設計をする側は、この改定時期を見て組み替えている
保険料は安くなりますが、その分だけ将来の老齢厚生年金も障害・遺族厚生年金も低くなります。事業主には届出義務があり、判明すれば遡って徴収されます(92条の時効は2年)。業界裏話ヒント:ねんきんネットでは月別の標準報酬月額が確認でき、給与明細と一件ずつ突き合わせられます。2年の時効を過ぎた分は保険料としては追徴できませんが、年金記録の訂正請求という別ルートがあり、給与明細やタイムカードなどの資料があれば記録だけ訂正されるケースがある。捨てずに残しておいた明細が、二十年後に効く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 20条:報酬月額を等級区分に当てはめるルール本体 | — |
| 発動タイミング | 常時(すべての決定・改定の前提となる算定基準) | — |
| 手続の起点 | 法定の等級区分および2項に基づく政令改定 | — |
| 本人への影響 | 保険料・老齢・障害・遺族厚生年金・年金分割の基礎額を確定 | — |
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