厚生年金保険法 第20条(標準報酬月額)
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- 標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、次の等級区分(次項の規定により等級区分の改定が行われたときは、改定後の等級区分)によつて定める。
- 2.毎年三月三十一日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の百分の二百に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の九月一日から、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十条第一項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。
この条文の基本情報
標準報酬月額とは何ですか?
定義標準報酬月額とは、厚生年金保険法第20条に定められた規定で、「標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、次の等級区分(次項の規定により等級区分の改定が行われたときは、改定後の等級区分)によつて定める。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第20条(標準報酬月額)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第20条の条文原文は「標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、次の等級区分(次項の規定により等級区分の改定が行われたときは、改定後の等級区分)によつて定める。」で始まります。
- 厚生年金保険法第20条は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第20条の前の条は厚生年金保険法第19条です。
- 厚生年金保険法第20条の次の条は厚生年金保険法第21条です。
- 厚生年金保険法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法20条は、標準報酬月額を報酬月額に基づく等級区分で定めると規定する。実際の給与額ではなく等級表上の額が保険料と年金額の基礎となり、最高等級には上限がある。
Q · 厚生年金の保険料って、実際の給料からそのまま計算されているんですか?
実際の月給ではなく、等級表に丸めた額で決まります
厚生年金保険法20条1項により、保険料と年金額の基礎になるのは実際の報酬額そのものではなく、報酬月額を等級区分に当てはめた「標準報酬月額」です。そのため月給が数万円違っても同じ等級に丸められて同額を負担することがあり、最高等級には上限があるため、上限を超える部分は保険料にも将来の年金額にも反映されません。同条2項は、全被保険者の平均額の2倍が最高等級を超える状態が継続する場合に、健康保険法の等級区分を参酌して政令で上位等級を追加できると定めています。
解説
給与明細の「厚生年金保険料」欄にある数字は、あなたの実際の月給から直接計算されたものではない。20条が定めるのは、報酬月額を等級表(現行32等級)に置き換え、等級ごとの決め打ちの額を保険料と年金額の土台にする仕組みだ。月給31万円の人も33万円の人も、同じ等級に丸められて同額を払うことがある。そして最高等級は第32級の65万円で頭打ちになる。つまり月収200万円の役員も、月収65万円の課長も、厚生年金の保険料と将来受け取る老齢厚生年金の報酬比例部分は同じである。2項は、この上限が実態から離れすぎたときに政令で等級を追加できる非常口だ。令和2年(2020年)9月の第32級追加は、その非常口が実際に開いた結果である。保険料も、老齢年金も、障害厚生年金も、離婚時の年金分割も、すべてこの一枚の表の上であなたがどこに立つかで決まる。
法的な位置づけ
標準報酬月額とは、厚生年金保険の保険料および年金額の算定基礎とするため、被保険者の報酬月額を等級区分に当てはめて定めた額をいう。厚生年金保険法20条1項が根拠であり、実際の報酬額そのものではなく等級表上の固定額が用いられる。同条2項は、平均額の2倍が最高等級を超える状態が継続する場合に、政令で上位等級を追加する改定手続を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1標準報酬月額とは何ですか?
報酬月額を等級区分に当てはめて定めた額で、厚生年金の保険料と年金額の算定基礎になります(厚生年金保険法20条1項)。実際の給与額そのものではありません。
Q2標準報酬月額はどこで確認できますか?
ねんきんネットまたはねんきん定期便で、月別の標準報酬月額の記録を確認できます。給与明細の控除額と一件ずつ突き合わせるのが確実です。
Q3標準報酬月額はいつ決まりますか?
毎年の定時決定(21条)で4月から6月の報酬平均により決まり、その年の9月から翌年8月まで適用されます。算定基礎届の提出期限は毎年7月10日です。
Q4随時改定はどんなときに行われますか?
昇給や降給など固定的賃金の変動があり、変動後3か月の平均で2等級以上動いたとき、4か月目から改定されます(23条)。事業主の月額変更届が起点です。
Q5標準報酬月額に通勤手当は含まれますか?
通勤手当は労務の対償として支払われる報酬に含まれ、算定の基礎に入るのが原則です。現物給与の扱いを含め、就業規則と給与規程で判定基準を統一しておく必要があります。
Q6賞与は標準報酬月額に含まれますか?
含まれません。賞与は標準賞与額として別枠で計算されます。月給を抑えて賞与に配分する報酬設計では標準報酬月額が低く出るため、将来の年金額も低くなります。
Q7育児休業から復帰して給料が下がったら保険料も下がりますか?
自動では下がりません。育児休業等終了時改定(23条の2)は本人の申出が起点です。3歳未満の子を養育中なら、養育期間の特例(26条)も併せて申し出てください。
Q8健康保険と厚生年金で等級が違うのはなぜですか?
等級区分がそれぞれ別に定められ、健康保険のほうが等級数が多く上限も高いためです。厚生年金20条2項は健康保険法の等級区分を参酌して改定する構造になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q14月から6月は残業しない方が得って本当ですか?
その3か月の報酬平均で9月からの等級が決まる(21条の定時決定)ので、保険料の面では確かに上がります。ただし上がった等級は老齢厚生年金の報酬比例部分にも反映されるため、単純な損得ではありません。実務のポイント:賞与は標準賞与額として別枠(1回150万円が上限、24条の4)で計算されます。月給を抑えて賞与に寄せる報酬設計の会社では、標準報酬月額が低く出る分、将来の年金も低く出ます。転職時の年収比較では、この配分まで見る人はほとんどいない
Q2月給が100万円あっても、年金は65万円の人と同じなんですか?
厚生年金の標準報酬月額は第32級の65万円が上限なので、それを超える部分は保険料も年金額も反映されません(20条1項)。健康保険は等級数が多く上限が高いため、同じ給料でも健保と厚年で等級が食い違います。実務のポイント:20条2項は政令で上限等級を追加できる仕組みで、令和2年9月の第32級追加はこれが動いた実例です。上限は今後さらに段階的に引き上げられる方向で制度改正が進んでいます(最新の改正状況をご確認ください)。役員報酬の設計をする側は、この改定時期を見て組み替えている
Q3会社が実際の給料より低く届け出ていたら、どうなりますか?
保険料は安くなりますが、その分だけ将来の老齢厚生年金も障害・遺族厚生年金も低くなります。事業主には届出義務があり、判明すれば遡って徴収されます(92条の時効は2年)。実務のポイント:ねんきんネットでは月別の標準報酬月額が確認でき、給与明細と一件ずつ突き合わせられます。2年の時効を過ぎた分は保険料としては追徴できませんが、年金記録の訂正請求という別ルートがあり、給与明細やタイムカードなどの資料があれば記録だけ訂正されるケースがある。捨てずに残しておいた明細が、二十年後に効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「4月から6月に残業すると保険料が上がる」ことは広く知られているが、その深刻度と両面性は理解されていない。上がった標準報酬月額は保険料を1年間押し上げると同時に、老齢厚生年金の報酬比例部分にも生涯反映される。単純な損ではなく、長生きすれば取り返す構造になっている。避けるべきなのは「上がること」ではなく「知らないまま決まること」だ
- 「どうすれば標準報酬月額を下げられるか」という問いの立て方そのものが半分間違っている。下げれば保険料は減るが、老齢年金も障害厚生年金も遺族厚生年金も同時に減る。正しい問いは「保険料だけ下げて年金額を守れる場面はどこか」であり、その答えが3歳未満の子を養育する期間の特例(26条)である
- 手続は会社がやってくれるものだと思われているが、法律の側から見ると起点が本人にある制度が混じっている。育児休業等終了時改定(23条の2)と養育期間の特例(26条)は本人の申出が要件だ。会社が案内義務を果たさなければ誰も動かず、失った分は原則2年しか遡れない。この落差が、静かに数十万円単位の差を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 20条:報酬月額を等級区分に当てはめるルール本体 | 21条:毎年の定時決定(決め直しの時期と算定方法) 23条:随時改定(期中の変動に対応した見直し) |
| 発動タイミング | 常時(すべての決定・改定の前提となる算定基準) | 毎年7月(4月〜6月の報酬平均、同年9月から適用) 固定的賃金の変動後3か月で2等級以上動いたとき |
| 手続の起点 | 法定の等級区分および2項に基づく政令改定 | 事業主が提出する算定基礎届(期限7月10日) 事業主が提出する月額変更届 |
| 本人への影響 | 保険料・老齢・障害・遺族厚生年金・年金分割の基礎額を確定 | 同年9月から翌年8月までの保険料水準が固定される 変動から4か月目以降の保険料が上下する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も実額ではなく分級表上の月投保薪資を保険料と給付の基礎とする点で同型。上限が実勢賃金に追いつかない問題も日本と共通する
韓国も基準所得月額の上限・下限を設け、毎年の平均所得変動率に連動して自動改定する仕組みを採る。改定を政令に委ねる日本の20条2項と機能が近い
ドイツは賃金の実額を基礎としつつ保険料算定上限を置く方式で、日本のような等級区分への丸めは行わない。上限は毎年の賃金動向に連動して改定される
米国も OASDI に賃金上限を設け、平均賃金指数に応じて毎年自動調整する。等級区分はなく実額ベースで上限まで課税される点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし4月から6月の3か月だけ繁忙期で残業代が月8万円増えたら、どうなるか。その3か月の平均報酬で9月からの1年間の等級が決まる(21条の定時決定)。算定基礎届の提出期限は毎年7月10日、会社の給与担当と話せるのはそれまでの数週間しかない
- あなたが人事担当で、社員が時短勤務に切り替わったのに随時改定(23条)の届出を出し忘れた。社員は下がった給料のまま高い等級の保険料を払い続ける。数年後に気付いた社員から説明を求められるのは、会社とあなたの部署だ
- 離婚が決まった。年金分割で分けられるのは「年金額」ではなく、この標準報酬月額の記録そのものである。請求できるのは離婚成立から2年以内
- 育休から復帰して時短勤務、手取りは3割減った。会社からは何の案内もない。あなたが申出をしない限り、育児休業等終了時改定(23条の2)も養育期間の特例(26条)も一ミリも動かない
取るべき行動
被害を受けた側:1. ねんきんネットまたはねんきん定期便で、月別の標準報酬月額の記録を実際の給与額と突き合わせる2. 実態より低い等級で記録されていれば会社に是正を求め、応じなければ年金事務所へ相談、年金記録の訂正請求も検討する3. 時短・降給で報酬が下がったのに等級が変わっていなければ、随時改定(23条)の届出状況を会社に確認する4. 3歳未満の子を養育中なら養育特例(26条)の申出を最優先で出す、遡及は原則2年まで
訴えられた側:1. 事業主側は、定時決定(21条)の算定基礎届を毎年7月10日までに提出、報酬の範囲(通勤手当・residence以外の現物給与を含む)の判定基準を就業規則と給与規程で統一する2. 昇給・降給から3か月経過時点で2等級以上の変動がないか毎月チェックし、随時改定(23条)の漏れを防ぐ3. 育児休業等終了時改定と養育特例は本人申出が起点のため、復職面談で書面案内する運用を作る4. 過少届出が判明した場合、遡及した保険料の追徴は原則2年(92条)だが、労使折半分の回収可否と説明責任は別問題として先に整理する
時効(請求できる期限):保険料を徴収する権利および還付を受ける権利は2年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)。定時決定の算定基礎届は毎年7月10日まで、その結果は同年9月から翌年8月まで適用される。養育期間の特例(26条)の申出は、申出日の前月までの2年間しか遡及しない。離婚時の年金分割の請求は離婚成立日の翌日から2年以内(78条の2)。ただし年金記録そのものの訂正請求には別の手続があり、2年の壁を超えて認められる場合がある
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)10月(要検証) 短時間労働者への適用拡大に伴い、下限側に第1級88,000円の等級が追加され、等級数が31になったとされる。法改正によるものか政令改定によるものかを含め人的検証が必要
- 令和2年(2020年)9月(要検証) 20条2項の手続により、最高等級の上に第32級650,000円が追加された。2項が実際に起動した代表例であるが、根拠政令の番号は要確認
- 令和7年(2025年)改正(要検証) 最高等級の標準報酬月額を段階的に引き上げる方向で制度改正が行われている。施行時期と最終的な上限額は最新の官報および厚生労働省公表資料で確認が必要
改正の年表
- 1.平成28年(2016年)10月(要検証) 改正:短時間労働者への適用拡大に伴い、下限側に等級が追加されたとされる。法改正によるものか政令改定によるものかを含め、官報での人的検証が必要
- 2.令和2年(2020年)9月(要検証) 改正:20条2項の手続により最高等級の上に等級が追加されたとされる。2項が実際に起動した代表例であるが、根拠政令の番号は要確認
- 3.令和7年(2025年)改正(要検証) 改正:最高等級の標準報酬月額を段階的に引き上げる方向で制度改正が行われている。施行時期と最終的な上限額は最新の官報および厚生労働省公表資料で確認が必要
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