厚生年金保険法 第48条(障害厚生年金の併給の調整)
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- 障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の一級又は二級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。以下この条、次条、第五十二条第四項、第五十二条の二及び第五十四条第二項ただし書において同じ。)の受給権者に対して更に障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給する。
- 2.障害厚生年金の受給権者が前項の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金の受給権を取得したときは、従前の障害厚生年金の受給権は、消滅する。
この条文の基本情報
障害厚生年金の併給の調整とは何ですか?
定義障害厚生年金の併給の調整とは、厚生年金保険法第48条に定められた規定で、「障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の一級又は二級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第48条(障害厚生年金の併給の調整)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第48条の条文原文は「障害厚生年金(その権利を取得した当時から引き続き障害等級の一級又は二級に該当しない程度の障害の状態にある受給権者に係るものを除く。」で始まります。
- 厚生年金保険法第48条は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第48条の前の条は厚生年金保険法第47条の3です。
- 厚生年金保険法第48条の次の条は厚生年金保険法第49条です。
- 厚生年金保険法第48条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第48条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第48条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/48
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法48条は、障害厚生年金の受給権者に別の障害が加わった場合、前後を併合した等級で新たに1本の年金を支給し、従前の受給権は消滅すると定める。
Q · 障害年金をもらっている人にもう1つ障害が加わったら、年金は2本になるんですか?
年金は2本にならず、併合した等級で1本に置き換わる
なりません。厚生年金保険法48条1項は、障害厚生年金の受給権者に更に障害厚生年金の支給事由が生じたとき、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給すると定めます。そして2項で従前の障害厚生年金の受給権は消滅します。つまり増えるのは本数ではなく等級です。ただし1項の括弧書きにより、権利取得当時から引き続き1級2級に該当しない受給権者(ずっと3級の人)は対象外となり、47条の3の基準障害のルートを検討することになります。
解説
障害年金をもらっている人に別の障害が加わったら年金は2本になる、と思っている人はほぼ全員はずれる。厚生年金保険法48条が命じているのは足し算ではなく、置き換えだ。1項で前後の障害を「併合した障害の程度」により等級を判定し直し、新しい障害厚生年金を1本だけ出す。そして2項で、従前の受給権はその瞬間に消滅する。手元の年金証書は効力を失い、別の証書が届く。ここで効いてくるのが1項の長い括弧書きである。権利を取得したときからずっと3級のままだった人は、この条文がいう「障害厚生年金」から除外される。つまり同じ「2つ目の障害」でも、あなたが一度でも1級か2級を経験しているかどうかで、通る条文も、出す請求書も、増える金額も変わる。括弧の中に、あなたの年金額が隠れている。
法的な位置づけ
厚生年金保険法48条は障害の併合認定を定める規定であり、障害厚生年金の受給権者に更に障害厚生年金の支給事由が生じた場合、前後の障害を併合した障害の程度による障害厚生年金を支給し(1項)、従前の受給権を消滅させる(2項)。権利取得当時から引き続き1級2級に該当しない受給権者は、1項の括弧書きにより対象から除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.新しい障害の単独等級を主治医に確認する 2つ目の傷病について、単独で障害等級の何級相当かを主治医に確認する。単独で3級以上に届けば48条の併合認定、届かなければ52条のその他障害による額改定という分岐がここで決まる。判断材料は障害認定基準の併合等認定基準
- 2.2つ目の障害の初診日と被保険者資格を照合する 2つ目の障害の初診日において厚生年金の被保険者であったかを被保険者記録で確認する。ここで厚生年金の被保険者でなければ障害厚生年金の支給事由が生じず、48条のレールに乗らない。転職の谷間の空白期間は特に慎重に確認する
- 3.従前の年金の内訳を控えてから請求する 48条2項で従前の受給権は消滅するため、請求前に現在の年金証書・支給額通知から加給年金額の有無、支給停止事由(労災との調整など)を1行ずつ控える。年金事務所で併合後の試算を依頼する。試算はこちらから頼まない限り出てこない
- 4.障害認定日を過ぎたら速やかに請求する 2つ目の障害の障害認定日(原則、初診日から1年6か月経過日)より前の請求は時期尚早で却下される。認定日を過ぎたら速やかに認定日請求を行う。遡及できるのは5年(厚生年金保険法92条)で、遅れるほど古い月分から順に失われる
- 5.決定通知を照合し、不服なら3か月以内に審査請求する 届いた決定通知の等級と支給額の内訳を、請求前に控えた従前の内訳と1行ずつ照合する。等級が想定より低い場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求する。請求書だけ先に出して期限を止め、意見書は後から補充する
よくある質問 AI による整理
Q1併合認定とは何ですか?
複数の障害を個別に評価せず、前後の障害を一体として併合した程度で等級を判定する仕組みです。厚生年金保険法48条1項が根拠で、障害基礎年金側は国民年金法31条が対応します。
Q2併合認定されると年金証書はどうなりますか?
従前の受給権が48条2項で消滅するため、手元の年金証書は効力を失い、新しい年金証書が日本年金機構から届きます。年金コードや支給額の内訳も変わります。
Q32つ目の障害の初診日に厚生年金に入っていないとどうなりますか?
障害厚生年金の支給事由が生じないため48条の併合認定に乗りません。国民年金の被保険者であれば障害基礎年金側での検討になり、退職から再就職までの空白期間が結論を分けます。
Q4障害基礎年金も一緒に併合されますか?
はい。国民年金法31条が同じ併合認定を定めており、厚生年金側の併合と連動します。3級から2級に上がると障害基礎年金が新たに発生する点が金額面の分岐です。
Q5併合の等級はどうやって決まるのですか?
厚生労働省年金局長通知「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」の併合等認定基準に従って判定されます。各障害の活動制限を数値化した表に基づき、併合後の等級が導かれます。
Q6併合認定の請求はいつまでにすればいいですか?
併合認定自体に固有の期限はありませんが、保険給付を受ける権利は5年で時効消滅します(厚生年金保険法92条)。各月分の支給日が起算点で、遅れるほど古い月から失われます。
Q7ずっと3級のまま受給している人はどの条文ですか?
48条1項の括弧書きで対象外となり、47条の3の基準障害による障害厚生年金を検討します。国民年金法30条の3の障害基礎年金も同時に視野に入れる必要があります。
Q8併合認定で加給年金額はどうなりますか?
新しい年金で改めて判定されるため、当然に引き継がれるわけではありません。配偶者の年齢・収入などの対象者要件を切替時点で満たすかが再確認されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1障害が2つになったら、年金も2本もらえるんじゃないんですか?
もらえない。厚生年金保険法48条1項は前後の障害を併合した程度で新しい障害厚生年金を1本出し、2項で従前の受給権を消滅させる。障害基礎年金側も国民年金法31条が同じ併合認定を定めている。実務のポイント:金額が跳ねるのは本数ではなく等級。3級から2級に上がると障害基礎年金が新たに発生するため、増額幅は年間で数十万円単位になる
Q2新しい障害が軽くて、単独では3級にも届かない場合はどうなりますか?
48条は動かない。48条の併合認定は、新しい障害が単独で障害厚生年金の支給事由になる場合の規定だからである。単独で等級に届かない障害は「その他障害」として、厚生年金保険法52条の額改定の中で既存の等級を引き上げる方向に使う。実務のポイント:どちらのルートかで出す書類も遡及の可否も変わる。窓口で先に「併合ですか、その他障害ですか」と確認すると話が速い
Q3いまの年金が消えて、新しい年金の方が少なくなることはありますか?
理屈の上ではありうる。従前の受給権は48条2項で消滅し、新しい年金は新しい障害に係る記録で計算し直されるからである。実務上は従前額との比較調整が行われるが、配偶者加給年金額の対象者要件など、そのまま引き継がれない部分もある。実務のポイント:請求前に年金事務所で併合後の試算を出してもらうこと。試算は頼めば出してくれるが、こちらから頼まない限り出てこない
Q4不支給とか、思っていたより低い等級の決定が来たら、もう終わりですか?
終わらない。決定に不服があれば社会保険審査官へ審査請求し、その決定にも不服なら社会保険審査会へ再審査請求できる(厚生年金保険法90条)。期限は原則として審査請求が3か月、再審査請求が2か月である。実務のポイント:期限内に請求書だけ先に出して期限を止め、診断書や意見書は後から補充する運用が通る。完璧な書類を揃えてから出そうとして期限を落とす人が一番多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「障害が増えれば年金も増える、つまり2本になる」と考えている人が多いが、48条2項は従前の受給権を明確に消滅させる。増えるのは本数ではなく等級であり、等級が上がらなければ2つ目の障害を負っても金額はほとんど動かないこともある
- 従前の受給権が消滅することまでは知っていても、その消滅が何をリセットするかまでは知られていない。新しい年金は新しい障害に係る記録で計算し直され、配偶者加給年金額の対象者要件や支給停止の状況も改めて判定される。「等級が上がったのに手取りが思ったほど増えない」という相談の大半は、ここで起きている
- 「2つ目の障害も年金の対象になりますか」という問いの立て方そのものが誤っている。分岐を決めるのは、新しい障害が単独で障害厚生年金の支給事由になる程度かどうかだ。単独で等級に届けば48条の併合認定、届かなければ52条のその他障害による額改定。問うべきは「新しい障害は単独で何級か」である
- あなたから見れば自分は「障害厚生年金をもらっている人」だが、48条から見ると、権利取得時から引き続き3級のままの人は、そもそもこの条文がいう障害厚生年金の受給権者ではない。この定義のずれに気付かないまま「併合してください」と窓口で言い続けると、本来使えた47条の3のルートに何年も乗り遅れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動する場面 | 48条:新しい障害が単独で障害厚生年金の支給事由になる | 47条の3:ずっと3級の人に後発障害が加わり、併せて初めて1級2級 52条:新しい障害が単独では等級に届かない(その他障害) |
| 従前の受給権 | 2項で消滅し、新しい年金1本に置き換わる | 基準障害による新たな受給権が発生する 受給権はそのまま、額(等級)だけが改定される |
| 括弧書きによる除外 | 権利取得当時から引き続き1級2級に該当しない受給権者は対象外 | まさにその除外された3級受給者の受け皿 除外規定はなく、3級受給者も利用しうる |
| 障害基礎年金への波及 | 国民年金法31条の併合認定と連動、2級以上なら新たに発生 | 国民年金法30条の3と連動 厚生年金側の額改定にとどまる場合が多い |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も複数・加重した失能について個別加算ではなく合併して等級を認定する発想を採る。ただし年金化された失能年金と一時金の選択構造があり、日本の2階建て併合とは金額波及の経路が異なる
韓国も後発障害が生じた場合に等級を再判定する仕組みを持つが、国民年金一元化の構造上、日本のような厚生年金・基礎年金の二重併合という連動は生じにくい
ドイツは障害を部位ごとの等級表で併合するのではなく、残存する稼得能力(1日3時間未満か6時間未満か)で全部・一部の稼得能力減少年金を判定する。複数障害は最初から総合評価に溶け込む
米国の SSDI は等級制ではなく『実質的稼得活動が可能か』の二値判断だが、単独では基準を満たさない複数の障害を combined effect として総合考慮する点で、日本の併合・その他障害の発想と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、2級の障害厚生年金を受けながら働いていて、今度はまったく別の病気で人工透析が始まったらどうなる? 透析は単独でも重い等級に相当しうる。48条1項が動き、前後を併合した等級で新しい年金1本に置き換わる。従前の受給権は2項で消滅し、日本年金機構から新しい年金証書が届く。増えるのは本数ではなく等級である
- 3級のうつ病で受給中、今度は聴力にも障害が出た。48条1項の括弧書きで、あなたは対象外になる。探すべき条文は47条の3だ
- 2つ目の障害の障害認定日を過ぎてから2年、通院と生活に追われて請求を後回しにしている。年金を受ける権利は支分権について5年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)。あと3年で、最初の月分から順に溶け始める。診断書の作成依頼だけでも今週動かさないと間に合わない
- 親の年金を管理しているあなたのもとに、切替後の新しい年金証書と支給額の通知が届いた。従前の年金に付いていた配偶者加給年金額や、労災との調整による支給停止が新しい年金でどう扱われたのか、通知の内訳を1行ずつ照合する。金額が想定より低いなら、そこが争点になる
- かつて2級だったが症状が軽快して3級に下がり、いまは支給停止と紙一重。ここで別の障害が加わった場合、あなたは48条の括弧書きから除外されない。除外されるのは「権利を取得した当時から引き続き」1級2級に該当しない人だけだからだ。過去に2級だった記録が、いまのあなたの請求ルートを決めている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 新しい障害が単独で何級相当かを主治医に確認する。ここで48条の併合認定か52条のその他障害による額改定かが分かれる2. 2つ目の障害の初診日に厚生年金の被保険者だったかを被保険者記録で確認する3. 障害認定日を過ぎたら速やかに認定日請求。遡及は5年で切れる4. 従前の年金の加給年金額と支給停止の有無を控えてから請求し、切替後の通知と1行ずつ照合する
訴えられた側:1. 併合後の等級が想定より低いなら、決定通知の等級と併合判定の内訳を確認する。根拠は障害認定基準の併合等認定基準2. 3か月以内に審査請求を出し、まず期限を止める3. 併合前の各障害の等級認定を個別に検証する。片方が1級違うだけで併合後の結論が変わる4. 家族が代行するなら、従前の支給停止事由が新しい年金に引き継がれるかを事前に確認する
時効(請求できる期限):48条の併合認定自体に固有の期限はないが、保険給付を受ける権利は5年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)。起算点は各月分の支給日であり、請求が遅れるほど古い月から順に失われる。2つ目の障害の障害認定日は原則として初診日から1年6か月経過日。決定に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:48条は、同一人に対する二重の所得保障を避けるという保険財政上の規律(2項の受給権消滅)と、障害の重なりによる生活困難の実質的補償(1項の併合した程度による判定)とを、等級の上昇という一本の物差しで調和させた規定と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 改正:厚生年金保険法の全部改正により現行法体系が成立。障害給付の等級制度と、複数障害が生じた場合の併合の枠組みが整備された
- 2.昭和60年(1985年) 改正:基礎年金制度の導入により障害基礎年金と障害厚生年金の2階建て構造となり、本条の併合認定は国民年金法31条の併合認定と連動する仕組みとなった。3級には障害基礎年金が伴わないという構造も、本条1項括弧書きの前提となっている
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