要点厚生年金保険法43条は、老齢厚生年金の額を平均標準報酬額×1000分の5.481×被保険者期間の月数で算出すると定め、65歳以上の在職者は毎年10月分から額が改定される。
Q · 自分の厚生年金っていくらになるのか、計算式で決まってるんですか?
平均標準報酬額×0.005481×加入月数で決まります
厚生年金保険法43条1項により、老齢厚生年金の額は、被保険者であった全期間の平均標準報酬額に1000分の5.481を乗じ、これに被保険者期間の月数を乗じて算出します。平均標準報酬額37万円で480か月加入なら年約97万円、月約8万円が目安です。65歳以降も加入して働く場合は、同条2項の在職定時改定により毎年9月1日に被保険者であればその年の10月分から増額され、退職した場合は同条3項により資格喪失から1か月を経過して初めて改定されます。
老齢厚生年金の額は、たった一本の掛け算で決まる。平均標準報酬額 × 1000分の5.481 × 被保険者期間の月数。これが43条1項の正体である。平均標準報酬額とは、あなたが働いた全期間の標準報酬月額と標準賞与額を、再評価率という係数で現在の価値に引き直したうえで平均した額を指す。つまり効いてくるのは退職直前の給料ではなく、20代の安月給まで含んだ生涯平均だ。そして多くの人が見落とすのが2項と3項という時間の仕掛けである。65歳以降も厚生年金に加入して働き続けると、毎年9月1日時点で在職していれば、その年の10月分から年金額が増える(在職定時改定、2022年4月開始)。退職した場合は資格を喪失した日から1か月を経過して初めて改定される。1か月以内に再就職して被保険者に戻れば、この改定は走らない。あなたが選ぶ退職日、再雇用までの空白、賞与の設計。そのすべてがこの式の変数として、死ぬまでの受取額に効き続ける。
厚生年金保険法43条は老齢厚生年金の額の算定方法を定める規定である。1項は平均標準報酬額に給付乗率1000分の5.481と被保険者期間の月数を乗じる算式を置き、2項は基準日である毎年9月1日に被保険者である受給権者についての在職定時改定を、3項は資格喪失後1か月経過による退職時改定を規定する。
被保険者期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額に再評価率を乗じた総額を、被保険者期間の月数で除して得た額です(43条1項)。退職直前の給料ではなく生涯平均が使われます。
2022年4月からです。65歳以上70歳未満で在職中の受給権者は、毎年9月1日に被保険者であれば、その年の10月分から年金額が増額改定されます(43条2項)。
43条1項の給付乗率です。2003年4月の総報酬制導入で賞与を算定基礎に加える代わりに、従来の1000分の7.125から引き下げられました。
増えます。資格喪失日は退職日の翌日で、喪失した月は被保険者期間に算入されません(19条)。9月30日退職なら9月分が算入され、29日退職なら消えます。
賞与を含まない平均標準報酬月額に乗率1000分の7.125を乗じて別計算し、それ以降の期間分と合算します。附則の経過措置による二段階計算です。
増えません。70歳で被保険者資格を失うため保険料負担はなくなりますが、在職定時改定の対象外となり、43条の計算基礎となる月数も増えません。
分割の対象は標準報酬の記録そのものです。分割後の記録で平均標準報酬額が再計算され、43条の算定基礎が書き換わります。請求期限は原則として離婚等の日の翌日から2年です。
年金事務所への訂正申立てで記録が是正されれば43条の計算基礎が増えます。増額分は年金時効特例法により、5年より前の分も支給されます。
43条1項の式に自分の数字を入れれば概算できます。平均標準報酬額37万円で40年(480か月)なら、37万 × 0.005481 × 480 で年約97万円、月約8万円。これに老齢基礎年金(国民年金法27条)が上乗せされます。業界裏話ヒント:ここでいう標準報酬には通勤手当も含まれます。交通費の高い人はその分だけ将来の年金も多い。非課税だからと軽く見ている手当が、実は式の分子に入っている
減るのではなく止まります。46条の在職老齢年金で、基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準額を超えると、超過分の半額が支給停止されます(基準額は改定されるため最新の改正状況をご確認ください)。止まるのは報酬比例部分だけで、老齢基礎年金は止まりません。業界裏話ヒント:繰下げ待機中でも、在職老齢年金で停止される部分は増額の対象外です。「働きながら繰り下げれば全額84%増」は誤解
漏れではなく、43条3項の設計です。資格を喪失した日から1か月を経過して初めて改定され、改定は経過した日の属する月からとなります。1か月以内に再就職して被保険者に戻ると、退職改定は走りません。業界裏話ヒント:定年再雇用で1日も空けない設計は保険料の節約にはなりますが、退職改定のタイミングを消します。空白を空ける選択が使えるかは、健康保険が無保険になるリスクと天秤にかけて決める
平成15年(2003年)4月以降の賞与は標準賞与額として反映されます(43条1項)。それ以前の期間は月給のみが対象で、乗率も1000分の7.125として附則の経過措置で別計算されます。標準賞与額の上限は1回150万円。業界裏話ヒント:年4回以上支給される賞与は賞与ではなく報酬として標準報酬月額に算入されます。支給回数の設計次第で、保険料も将来の年金額も変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 43条:老齢厚生年金の額そのものを算定する式 | — |
| 額を動かす変数 | 平均標準報酬額と被保険者期間の月数 | — |
| 65歳以降も働いた場合 | 2項の在職定時改定で毎年10月分から増額 | — |
| 元に戻る/終わる条件 | 退職して1か月経過すると3項の退職時改定 | — |
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