適用事業所の事業主又は第十条第二項の同意をした事業主(第百条第一項及び第四項、第百二条第二項並びに第百三条を除き、以下単に「事業主」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者(被保険者であつた七十歳以上の者であつて当該適用事業所に使用されるものとして厚生労働省令で定める要件に該当するもの(以下「七十歳以上の使用される者」という。)を含む。)の資格の取得及び喪失(七十歳以上の使用される者にあつては、厚生労働省令で定める要件に該当するに至つた日及び当該要件に該当しなくなつた日)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
要点厚生年金保険法 27 条は、事業主に被保険者の資格取得・喪失、報酬月額、賞与額の届出義務を課す。七十歳以上の使用される者も対象で、届出義務は本人ではなく事業主にある。
Q · 厚生年金の手続きって、会社と自分のどっちがやるものなんですか?
届出義務は事業主にあり、本人にはありません
厚生年金保険法 27 条により、被保険者の資格取得・喪失、報酬月額、賞与額を厚生労働大臣(実務では日本年金機構)へ届け出る義務は事業主にあります。本人に届出義務はないため、会社が届出を怠っても、誤った額で届け出ても、その誤りは本人が気付くまで年金記録に残り続けます。是正手段は同法 31 条の確認請求で、被保険者本人から年金事務所へ出せます。保険料の徴収権は原則 2 年の消滅時効(同法 92 条)にかかるため、気付いた時点で早く動く必要があります。
給与明細の「厚生年金保険料」の欄、あの金額を誰が決めているか考えたことがあるだろうか。答えは会社である。正確には、会社が厚生労働大臣(実務では日本年金機構)に届け出た「報酬月額」と「資格取得日」が、そのまま将来のあなたの年金額の計算基礎になる。厚生年金保険法 27 条は、この届出を事業主の法的義務として課している。ここに構造的な落とし穴がある。届出義務は事業主にあり、あなたにはない。つまり、会社が届出を怠っても、間違った金額で届け出ても、その不利益はあなたの年金記録に刻まれ、あなたが気付かない限り誰も直さない。しかも本条は 70 歳以上の使用される者まで対象に含めている。70 歳を過ぎて保険料を払わなくなっても、働き続けている限り会社は届出を続ける義務を負う。なぜなら在職老齢年金の支給停止計算に、その報酬額が使われるからだ。あなたの年金は、会社の事務担当者が押した一つのボタンの上に乗っている。
厚生年金保険法 27 条は、事業主の届出義務を定める規定であり、適用事業所の事業主等が、被保険者および七十歳以上の使用される者について、資格の取得・喪失の事実、報酬月額、賞与額を、厚生労働省令の定めるところにより厚生労働大臣へ届け出るべき旨を規定する。届け出られた内容は標準報酬月額の決定(同法 21 条)および将来の給付額算定の基礎となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
従業員が厚生年金の被保険者になったことを事業主が届け出る書類です。厚生年金保険法 27 条を根拠とし、事実発生から 5 日以内の提出が原則です。
資格取得届・喪失届は事実の発生から 5 日以内、賞与支払届は支払日から 5 日以内、算定基礎届は毎年 7 月 10 日までが原則の期限です。
事業主が 27 条に基づき届け出た報酬月額をもとに、厚生労働大臣が等級表に当てはめて決定します。毎年の定時決定は同法 21 条が根拠です。
誤りです。適用事業所で常用的に使用されていれば試用期間中でも資格は取得日から発生し、事業主には 27 条の届出義務が生じます。
両方が適用事業所なら「二以上事業所勤務届」を提出し、報酬を合算して標準報酬月額が決まります。保険料は報酬額に応じて按分されます。
「ねんきんネット」またはねんきん定期便で加入期間と各月の標準報酬月額を確認できます。空白月や不自然に低い月が届出漏れのサインです。
厚生年金保険法 102 条に罰則の定めがありますが、実務では保険料の遡及徴収で処理されることが大半です。徴収権の時効は原則 2 年です。
賞与額が記録に反映されず、標準賞与額に基づく将来の年金額が減ります。事業主には遡及して保険料が徴収されるリスクが残ります。
言える。届出義務は 27 条により事業主にあるが、被保険者本人は年金事務所に確認請求を出せる(厚生年金保険法 31 条)。年金事務所が事業主に照会し、事実が確認されれば職権で記録が訂正される。業界裏話ヒント:この確認請求は在職中でも可能だが、会社に「誰が請求したか」が事実上伝わることがある。退職直後に出す人が多いのはそのため。ただし退職を待つ間に 2 年の徴収時効が進む、この二律背反をどう扱うかは社会保険労務士に相談する価値がある
保険料の負担はなくなるが、会社の届出義務は続く。27 条括弧書きが「七十歳以上の使用される者」を明示的に対象に含めており、その報酬月額は在職老齢年金の支給停止額の計算に使われる。業界裏話ヒント:この届出が漏れていると、本来停止されるはずだった年金が支給され続け、後から数百万円単位の返還を求められることがある。70 歳以降も働くなら、報酬が上下したタイミングで会社が届出を出しているか確認する。返還請求は本人に来る、会社には来ない
短期的には手取りが増えるが、標準報酬月額が下がるということは、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金、さらに健康保険の傷病手当金・出産手当金の日額まで同時に下がるということである。しかも実際の報酬と異なる届出は 27 条違反になりうる。業界裏話ヒント:この提案が出てくる会社は、たいてい社会保険料の事業主負担分(労使折半なので会社も同額を払う)を減らしたいだけである。あなたのためではない。断りにくければ「住宅ローンの審査で年金記録との整合性を見られるので」と言えば、多くの場合それ以上押してこない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が動くか | 27 条:事業主が届け出る(本人に義務なし) | — |
| 対象となる情報 | 資格の取得・喪失、報酬月額、賞与額 | — |
| 起動のタイミング | 事実の発生ごと(原則 5 日以内) | — |
| 怠った場合の効果 | 保険料の遡及徴収、102 条の罰則、記録の欠落 | — |
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