厚生年金保険法 第9条(被保険者)
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適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。
この条文の基本情報
被保険者とは何ですか?
定義被保険者とは、厚生年金保険法第9条に定められた規定で、「適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第9条(被保険者)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第9条の条文原文は「適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。」で始まります。
- 厚生年金保険法第9条は第一節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第9条の前の条は厚生年金保険法第8条の3です。
- 厚生年金保険法第9条の次の条は厚生年金保険法第10条です。
- 厚生年金保険法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法9条は、適用事業所に使用される七十歳未満の者を厚生年金保険の被保険者と定める。強制加入であり、事業主の届出がなくても資格は発生する。
Q · 会社が社会保険の手続きをしていなかったら、自分は厚生年金に入っていないことになるんですか?
いいえ、要件を満たせば法律上すでに被保険者です
厚生年金保険法9条は、適用事業所に使用される七十歳未満の者を厚生年金保険の被保険者とすると定めています。事業主の届出(同法27条)は既に発生した資格を国に報告する手続にすぎず、資格発生の条件ではありません。したがって届出漏れがあっても、労働時間などの要件を満たしていれば被保険者資格は法律上存在します。本人は同法31条により、いつでも資格の得喪について確認請求ができます。
解説
「厚生年金は会社が入れてくれるもの」と思っているなら、条文はまったく逆のことを言っている。厚生年金保険法9条は「適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする」と定める。「被保険者とすることができる」でも「加入を申し込める」でもない。適用事業所で働いている70歳未満なら、あなたは法律上すでに被保険者である。会社が届出をしていなくても、あなたが同意していなくても、給与から保険料が引かれていなくても、被保険者資格は事実として発生している。これを強制加入と呼ぶ。だからこそ、勤め先が「うちは社会保険に入っていないから」と言った瞬間、それは加入していない事実の説明ではなく、法律違反の自白になる。そして被保険者資格は遡って確認を請求できる。あなたの老後の年金額と、万一のときの障害厚生年金の受給資格が、この一文にぶら下がっている。
法的な位置づけ
厚生年金保険法9条は、厚生年金保険の当然被保険者の範囲を定める規定である。適用事業所に使用される七十歳未満の者は、本人の申込や事業主の届出の有無にかかわらず、法律上当然に被保険者となる。任意加入ではなく強制加入であり、資格の取得時期および喪失時期は同法13条、14条により定まる。
手順
- 1.自分の被保険者記録を取得して空白を特定する ねんきんネットまたは年金事務所の窓口で被保険者記録照会票を取得し、実際の勤務期間と一年単位で突き合わせる。厚生年金の記録がない期間、国民年金だけになっている期間を洗い出す
- 2.勤務実態を示す証拠を確保する 雇用契約書、給与明細、タイムカード、シフト表、業務メールを手元にコピーする。労働時間が正社員の4分の3以上であったこと、または適用拡大の要件を満たしていたことが資格認定の核心になる。在職中に集めるのが最も確実
- 3.年金事務所に被保険者資格の確認請求を行う 厚生年金保険法31条に基づき、本人から資格の得喪の確認を請求する。事業主の同意も届出も不要。請求書に勤務期間と証拠資料を添付し、いつからいつまで適用事業所に使用されていたかを時系列で示す
- 4.事業主が是正しない場合は調査を求める 会社が資格取得届を提出しない場合、日本年金機構に事業所調査を求める。並行して、未加入期間に自己負担した国民年金保険料および国民健康保険料の扱いも年金事務所と市区町村に相談する
- 5.事業主側は自主的な資格取得届で被害を最小化する 未加入に気付いた事業主は、調査で発覚する前に資格取得届を提出する。遡及徴収は原則として過去2年分だが、従業員負担分の回収は実務上困難なため、事業主が一括で負担する前提の資金計画を先に立てる
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金の被保険者とは何ですか?
適用事業所に使用される七十歳未満の者を指します(厚生年金保険法9条)。申込や同意は不要で、要件を満たせば法律上当然に被保険者となります。
Q2適用事業所とは何ですか?
厚生年金保険が強制的に適用される事業所です。法人は原則すべて該当し、個人事業でも法定業種で常時5人以上を使用する場合は該当します(同法6条)。
Q3社会保険未加入の会社は違法ですか?
適用事業所であれば違法です。事業主には資格取得届の提出義務があり(同法27条)、届出を怠れば日本年金機構の調査対象となり遡及徴収を受けます。
Q4厚生年金は遡って加入できますか?
できます。資格確認請求(同法31条)に期間制限はなく、過去に遡って資格の有無を確認できます。ただし保険料の徴収権は2年で時効消滅します(同法92条)。
Q5厚生年金に入りたくないと断れますか?
断れません。強制保険であり本人の同意は要件ではありません。労使が加入しないと合意しても、その合意に法的効力はありません。
Q6社会保険未加入だと障害年金はもらえませんか?
厚生年金の被保険者期間中でなければ障害厚生年金の対象になりません。国民年金の障害基礎年金のみとなり、3級相当では支給されない点が最大のリスクです。
Q7個人事業主のところで働く従業員も厚生年金に入りますか?
その事業所が適用事業所に該当すれば入ります。事業主本人は原則対象外ですが、使用される従業員は9条により被保険者となります。
Q8厚生年金の保険料は誰が払いますか?
事業主と被保険者の労使折半です。事業主が被保険者負担分を給与から控除し、全額をまとめて納付する義務を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が社会保険に入ってくれないんですが、自分から役所に言えるんですか?
言える。厚生年金保険法31条により、被保険者または被保険者であった者は、いつでも資格の得喪について確認を請求できる。事業主の同意も届出も不要である。実務のポイント:年金事務所に相談する際、勤務実態を示す資料(タイムカード、シフト表、給与明細)を先に揃えて持ち込むと、調査の着手が早い。口頭の申告だけだと事実確認に時間がかかり、その間に会社側の資料が消える
Q270歳になったら、働いていても厚生年金は終わりですか?
9条の被保険者資格は70歳到達で失われる。ただし老齢年金の受給資格期間を満たしていない場合、高齢任意加入被保険者として加入を続ける道がある(同法 附則)。在職中の年金支給調整(在職老齢年金)も別枠で続く。実務のポイント:受給資格期間があと数か月足りないケースは実際に多い。70歳が近い人は、事前に年金事務所で受給資格期間を確認しておくこと。誕生日を過ぎてから気付くと、空白期間の分だけ受給額が減る
Q3アルバイトやパートでも加入させられるって本当ですか?
本当である。正社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3以上であれば原則として適用対象になり、さらに一定規模の企業では週20時間以上などの要件で適用が拡大されている(適用拡大の要件は改正が続いているため、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:シフトを4分の3のわずか下に調整して加入を回避する運用があるが、実際の勤務時間が恒常的に基準を超えていれば実態で判断される。契約書上の時間ではなく、タイムカードが物を言う
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が加入手続きをして初めて被保険者になる」という理解は、原因と結果が逆である。9条は要件を満たせば当然に被保険者となると定めており、事業主の届出は資格発生の条件ではなく、既に発生した資格を国に報告する手続きにすぎない。だから届出漏れがあっても、あなたの資格は法律上存在している
- 未加入の問題を「会社が保険料をケチっている」というお金の話だと捉えている人は多いが、深刻さの度合いを見誤っている。厚生年金の被保険者期間中に病気や事故で障害状態になった場合、障害厚生年金(3級や障害手当金を含む)が支給されうる。未加入のまま障害を負えば、国民年金の障害基礎年金しか道がなく、しかも3級相当では一円も出ない。失うのは老後の上乗せではなく、明日の生活保障そのものである
- 「自分は加入したくないから加入しない」と選べると考えている人がいるが、その問いの立て方自体が成り立たない。厚生年金は強制保険であり、本人の同意も申込も要件ではない。労使が合意して加入しないと決めても、その合意に法的効力はない。選択の余地があるのは適用事業所かどうか、労働時間が基準を満たすかどうかという事実の側であって、意思の側ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が決めていること | 9条:誰が被保険者になるか(資格の人的範囲) | 13条・14条:いつ資格を取得し、いつ失うか(時期) 27条:事業主が届け出る義務(手続) |
| 資格発生との関係 | 要件を満たせば当然に発生(届出は不要) | 発生した資格の始期・終期を確定させる 既に発生した資格を国に報告するだけ |
| 違反・不履行の効果 | 適用逃れをしても資格の存在は否定されない | 取得日を誤ると年金加入月数がずれる 届出懈怠は調査・遡及徴収の対象 |
| 本人が使える武器 | 9条の要件充足を主張して資格を争う | 実際の入社日・退職日を証拠で立証 31条の確認請求で届出義務違反を可視化 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も雇用される労働者の強制加保を採用し、事業主に投保義務を課す。ただし老後所得保障は労保の老年給付と労退の個人口座に二層化されており、日本の厚生年金のような単一の報酬比例年金とは設計が異なる
韓国は事業場加入者と地域加入者を単一の国民年金法の中で並立させる。日本のように被用者年金と国民年金を別法で構成せず、一本の法律に統合している点が最大の相違
ドイツも被用者の強制加入を原則とするが、一定額以下の軽微雇用(Minijob)に免除の枠を設ける。日本の4分の3基準・適用拡大要件に相当する境界線の引き方が異なる
米国は税法(FICA)を通じて被用者と自営業者を一体的に強制適用し、給与税の徴収と受給資格の記録が一元化されている。日本のような事業所単位の適用事業所概念は用いない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 入社時に「うちは社保なしなんで、その分お給料に上乗せしてます」と言われて納得した。だが適用事業所であれば、その説明に法的な効力はない。あなたは9条により被保険者であり、会社が届出義務を怠っているだけである。国民年金と国民健康保険を自腹で払い続けた分は、本来なら会社が半分負担するはずだった
- 週30時間のパートで働く55歳。「パートだから厚生年金は関係ない」と思っていたが、労働時間が正社員の4分の3以上なら適用対象になる。さらに一定規模の企業では週20時間以上でも適用が拡大されている(適用拡大の要件は改正が続いているため、最新の状況をご確認ください)。この境界線の内側か外側かで、将来の年金額が生涯で数百万円変わる
- もし、あなたが69歳11か月で働いていたとしたら? 翌月には70歳になり、9条の被保険者資格を失う。ただし受給資格期間が足りない人のために高齢任意加入という別の道がある。誕生日を過ぎてから気付くと、手続きの空白期間が生まれる
- 経営者側の視点。従業員5名の個人事業で、資金繰りが苦しく社会保険の加入届を出していない。日本年金機構の調査が入れば、過去2年分の保険料を遡って徴収される。従業員負担分も含めて、事業主が一括で立て替える羽目になることが多い。数百万円が一度に飛ぶ
- 退職した元従業員から「在職中の厚生年金記録がない」と年金事務所経由で連絡が来た。あと数週間で調査の回答期限。過去の賃金台帳とタイムカードを引っ張り出さなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. ねんきんネットまたは年金事務所で被保険者記録を取得し、実際の勤務期間と突き合わせて空白を特定する2. 雇用契約書、給与明細、タイムカード、シフト表を確保する。労働時間が基準を満たしていた証拠が資格認定の核心になる3. 年金事務所に被保険者資格の確認請求を行う(厚生年金保険法31条)。事業主が届出をしていなくても本人から請求できる4. 会社が是正に応じない場合は日本年金機構の調査を求める。並行して、未加入により自己負担した国民年金保険料の扱いも相談する
訴えられた側:1. 事業主側であれば、まず適用事業所に該当するか、対象者の労働時間が基準を満たすかを客観資料で確認する2. 該当するなら速やかに資格取得届を提出する。自主的な届出は調査による発覚より扱いが軽くなる3. 遡及徴収は原則として過去2年分(保険料の徴収権の消滅時効)。従業員負担分の回収は実務上困難なことが多いため、資金計画を先に立てる4. 労働時間や請負契約かどうかで争う余地がある場合は、社会保険労務士に実態を整理させたうえで主張する
時効(請求できる期限):保険料を徴収する権利は2年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)。ただし被保険者資格の確認請求そのものに期間制限はなく、過去に遡って資格の有無を確認できる(同法31条)。起算点は各月の保険料の納期限
学説
通説:9条の被保険者資格は法定要件の充足により当然に発生する形成的効果であり、事業主の届出および保険者の確認は既発生の資格を明確化する確認的行為にとどまる。したがって届出懈怠期間についても資格は存在し、31条の確認請求により遡って確定される。
実務上の有力な理解:使用関係の有無および労働時間要件の充足は、契約類型の名称ではなく実態により判断される。業務委託契約の形式をとっていても、指揮命令関係と常用的な就労実態があれば適用対象と扱われうる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和16年(1941年) 新設:労働者年金保険法が制定され、工場等の男子労働者を対象とする被用者年金制度が創設。被用者の強制加入という基本構造がこの時点で確立する
- 2.昭和19年(1944年) 改正:厚生年金保険法に名称変更。適用対象が事務職員および女子労働者へ拡大され、被保険者の人的範囲が大きく広がる
- 3.昭和29年(1954年) 改正:全部改正により現行の厚生年金保険法が成立。定額部分と報酬比例部分からなる給付体系が整備され、被保険者資格に関する規定も現在の構造に整理される
- 4.平成14年(2002年) 改正:被保険者の年齢上限が65歳未満から70歳未満に引き上げられ、現行の「七十歳未満」の文言となる。高齢期の就労実態に合わせた適用範囲の拡大
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