二以上の船舶の船舶所有者が同一である場合には、当該二以上の船舶は、一の適用事業所とする。この場合において、当該二以上の船舶は、第六条の適用事業所でないものとみなす。
要点厚生年金保険法 8 条の 3 は、同一の船舶所有者が二以上の船舶を有する場合、それらを一の適用事業所とすると定める。陸上事業所の一括と違い大臣の承認は不要で、法律上当然に一括される。
Q · 同じ会社の船を乗り換えたら、年金の資格は一度切れるんですか?
同じ船主の船なら乗り継いでも資格の得喪は起きません
厚生年金保険法 8 条の 3 により、二以上の船舶の船舶所有者が同一であれば、それらの船舶は一の適用事業所として扱われます。さらに同条後段で、当該船舶は同法第 6 条の適用事業所でないものとみなされるため、船舶ごとに適用事業所が成立する余地自体がありません。したがって同一船舶所有者の船舶間で配乗替えがあっても、被保険者資格の喪失も取得も発生せず、被保険者期間は途切れずに継続します。逆に、ねんきん定期便に船舶ごとの資格取得日が並んでいる場合は、本条どおりに処理されていない可能性を疑うべきです。
船を乗り換えることは、厚生年金の世界では転職ではない。同じ船舶所有者が持つ船なら、何隻あろうと法律上は一つの適用事業所として扱われる。しかも陸上と決定的に違う点がある。陸上の会社が二つの事業所を一つにまとめるには厚生労働大臣の承認が要る(第8条の2)のに対し、船は本条により当然に一括される。申請も承認も要らない。さらに二文目が効いている。一括された船は第6条の適用事業所でないとみなされるので、船ごとに事業所番号が振られる余地そのものが消える。あなたがA丸からB丸へ配乗されても、資格喪失も資格取得も発生せず、被保険者期間は一本の線でつながったままだ。だからこそ、ねんきん定期便に船ごとの資格取得日が並んでいたら、それは異常のサインである。誰かが本条のとおりに処理していない。
厚生年金保険法第 8 条の 3 は、船舶に係る適用事業所の一括を定める規定であり、二以上の船舶の船舶所有者が同一である場合に、それらの船舶を一の適用事業所として扱う。あわせて当該船舶は同法第 6 条の適用事業所でないものとみなされるため、船舶ごとに適用事業所が成立する余地はなく、同一船舶所有者の船舶間の配乗替えでは被保険者資格の得喪が生じない。
同一の船舶所有者に属する二以上の船舶を、まとめて一つの適用事業所として扱う仕組みです。厚生年金保険法 8 条の 3 が根拠で、申請も承認も要りません。
条件は「二以上の船舶」と「船舶所有者が同一であること」の二つだけです。船種、航路、船籍港、乗組員の数は要件になっていません。
ありません。本条後段で一括された船舶は第 6 条の適用事業所でないとみなされるため、船舶ごとに適用事業所が成立する余地自体がありません。
同一船主の船を乗り継いだだけなら取得は一度しか起きないはずです。複数並ぶ場合は、事業主が配乗替えを喪失・取得として届け出た可能性があります。
登記上の所有者に限りません。船員法 5 条により、船舶を借り入れて船員を使用する者や船舶管理人も船舶所有者として扱われます。判断基準は誰が船員を使用しているかです。
船員を使用する主体が既存の船舶と同一なら不要です。新造船は本条により既存の適用事業所に当然に含まれ、別個の適用事業所にはなりません。
被保険者資格の確認請求(厚年法 31 条)に期限はなく、退職後何十年経っても請求できます。ただし保険料の徴収権は 2 年で時効消滅します(同法 92 条)。
徴収はできなくても記録訂正の道は残ります。給与から控除されていた証拠があれば、年金記録の特例法に基づく訂正請求の対象になりうるためです。
同じ船舶所有者の船の間なら、原則として何も起きない。本条により二以上の船舶は最初から一つの適用事業所なので、資格喪失も取得も発生しないからだ。手続が要るのは雇用主そのものが変わる場合である。業界裏話ヒント:船員手帳の乗船履歴は、後年に記録訂正を求めるときの一級証拠になる。退職時に会社に預けたままにせず、必ず手元に戻して保管する
要らない。第8条の2の陸上事業所の一括は厚生労働大臣の承認が要件だが、本条の船舶の一括は申請も承認もなく法律上当然に生じる。だから「承認を取っていないから船ごとに処理した」という説明は通らない。業界裏話ヒント:この差は、船が移動し寄港地が固定しないため、事業所の所在地という概念がそもそも成り立たないことに由来する
厚生年金である点は同じだが、船員は第3種被保険者として扱われ、昭和61年3月以前の期間は3分の4倍、昭和61年4月から平成3年3月までの期間は5分の6倍で計算される特例がある(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:この特例は第3種被保険者期間が何か月あるかで効くので、本条の一括処理が崩れて数か月抜けると、そのまま特例分の目減りとして跳ね返る
関係する。船員保険の職務外年金部門は昭和61年4月に厚生年金保険へ統合され、平成22年(2010年)には職務上の年金部門も移された。現在の船員保険は主に医療部門を担い、年金の本体は厚生年金である。業界裏話ヒント:この統合の履歴があるため、古い期間の記録が船員保険側の台帳に残っていることがある。厚生年金の照会で見つからなくても、そこで終わりではない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 一括の成立要件 | 8 条の 3:船舶所有者が同一であること。申請も承認も不要で法律上当然に成立 | — |
| 単位の捉え方 | 人的単位(誰が船員を使用しているか) | — |
| 適用事業所としての地位 | 第 6 条の適用事業所でないものとみなされる | — |
| 被保険者資格への影響 | 同一船主の船舶間の配乗替えでは得喪が生じない | — |
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