厚生年金保険法 第10条
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- 適用事業所以外の事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生労働大臣の認可を受けて、厚生年金保険の被保険者となることができる。
- 2.前項の認可を受けるには、その事業所の事業主の同意を得なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第10条は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第10条の条文原文は「適用事業所以外の事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生労働大臣の認可を受けて、厚生年金保険の被保険者となることができる。」で始まります。
- 厚生年金保険法第10条は第一節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第10条の前の条は厚生年金保険法第9条です。
- 厚生年金保険法第10条の次の条は厚生年金保険法第11条です。
- 厚生年金保険法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法10条は、適用事業所以外の事業所で働く70歳未満の者が、事業主の同意を得て厚生労働大臣の認可を受ければ、個人単位で厚生年金の被保険者になれると定める。
Q · 社会保険がない小さな職場でも、自分だけ厚生年金に入れますか?
事業主が同意すれば、あなた一人でも入れます
厚生年金保険法10条により、適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の人は、厚生労働大臣の認可を受けて厚生年金保険の被保険者になれます。認可の前提は、その事業所の事業主の同意です(2項)。同意が得られれば保険料は事業主と被保険者の折半で(82条1項)、納付義務は事業主が負います。資格取得は認可の日からで遡及しないため(13条)、申請が遅れた期間は取り戻せません。
解説
従業員四人の町工場、個人経営の食堂、農家の手伝い。こうした職場で働く人は「うちは社会保険がないから」と言われ、国民年金だけで老後を迎える前提に置かれている。だが10条を読むと景色が変わる。適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者は、厚生労働大臣の認可を受ければ、たった一人でも厚生年金の被保険者になれる。条件はひとつ、その事業所の事業主の同意(2項)だ。同意さえ取れれば保険料は事業主と折半(82条1項)、納付義務も事業主側に乗る。さらに厚生年金の被保険者になった瞬間、あなたは国民年金の第2号被保険者に切り替わり、扶養する配偶者は第3号となって国民年金保険料がゼロになる。動くのは社長のハンコ一つ。ただ、それを頼めると知らなかっただけである。
法的な位置づけ
厚生年金保険法10条は任意単独被保険者を定める規定であり、適用事業所に該当しない事業所に使用される70歳未満の者が、事業主の同意を得たうえで厚生労働大臣の認可を受け、個人単位で厚生年金保険の被保険者となることを認める。適用事業所における当然被保険者(9条)および事業所単位の任意適用(6条3項)に対する補完的な加入経路として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勤務先が適用事業所かどうかを確認 法人なら人数を問わず強制適用、個人事業所は業種と常時使用する従業員数で判断する。日本年金機構の事業所検索や管轄年金事務所への照会で、勤務先が適用事業所として登録されているかを先に確定させる
- 2.事業主の負担額を試算して同意を求める 適用事業所でなければ、事業主に同意の中身を数字で示す。保険料は折半(82条1項)、納付義務は事業主(同条2項)、資格取得届などの事務が発生する。標準報酬月額に保険料率を掛けた半額を月額で提示すると判断が早い
- 3.同意が取れた月のうちに認可申請を提出 事業所の所在地を管轄する年金事務所へ、任意単独被保険者としての資格取得の認可申請を行う。認可は遡及せず資格取得は認可の日からとなるため(13条)、提出が翌月にずれた分の被保険者期間は永久に回復できない
- 4.国民年金の種別変更と配偶者の第3号手続を確認 認可により国民年金の第1号被保険者から第2号被保険者へ切り替わる。扶養する配偶者がいる場合は第3号被保険者の届出を行い、世帯全体の保険料負担がどう変わるかを確認する
- 5.健康保険は連動しないことを前提に医療保険を点検 10条は年金のみの制度であり、健康保険には任意単独加入がない。国民健康保険のままとなるため、傷病手当金や出産手当金が付かない前提で、民間保険や貯蓄でどこまで補うかを別途決めておく
よくある質問 AI による整理
Q1任意単独被保険者とは何ですか?
適用事業所以外の事業所で働く70歳未満の人が、事業主の同意と厚生労働大臣の認可を得て、個人単位で厚生年金に加入する制度です。根拠は厚生年金保険法10条です。
Q2従業員5人未満の会社でも厚生年金に入れますか?
入れます。個人事業所で常時使用する従業員が5人未満だと強制適用の対象外ですが、10条の認可を受ければ本人一人だけ被保険者になれます。必要なのは事業主の同意です。
Q3自分の職場が適用事業所かどうか調べる方法は?
法人であれば人数を問わず強制適用です。個人事業所は業種と常時使用する従業員数で判断します。日本年金機構の事業所検索や年金事務所への照会で加入状況を確認できます。
Q4任意単独被保険者の申請はどこにしますか?
事業所の所在地を管轄する年金事務所に、資格取得の認可申請を行います。事業主の同意を得ていることが前提で、認可の日から被保険者資格が発生します(13条)。
Q5任意適用事業所と任意単独被保険者の違いは?
任意適用事業所(6条3項)は事業所ごと加入し従業員の2分の1以上の同意が要ります。10条は個人単位で、事業主の同意だけで足り、同僚の意向は関係ありません。
Q6厚生年金に入れば健康保険にも入れますか?
入れません。健康保険法には任意単独加入に相当する制度がなく、事業所単位の任意適用しかありません。10条で加入しても医療保険は国民健康保険のままです。
Q770歳を過ぎたらもう加入できませんか?
10条の対象は70歳未満に限られます。ただし受給資格期間を満たさない人には高齢任意加入被保険者の制度が別にあり、こちらも事業主の同意が関係します。
Q8加入すると配偶者の国民年金保険料はどうなりますか?
あなたが厚生年金の被保険者になると国民年金の第2号被保険者となり、扶養する配偶者は第3号被保険者となって国民年金保険料の負担が消えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社長が同意してくれなかったら、もう打つ手はないんですか?
2項の同意は必須要件なので、同意がなければ認可されない。ただし別ルートがある。同僚も加入を望むなら、従業員の2分の1以上の同意を得て事業所ごと任意適用事業所にする道(6条3項)だ。実務のポイント:事業主が渋る理由の大半は「事務が面倒」であって保険料ではない。年金事務所の職員が届出書類の書き方を無料で指導してくれることを伝えると、態度が変わる例は多い
Q2保険料は全部自分で払うことになるんですよね?
違う。任意単独被保険者でも保険料は事業主と被保険者の折半であり(82条1項)、納付義務は事業主が負う(同条2項)。全額自己負担の国民年金の任意加入とは構造が異なる。実務のポイント:「事業主負担分もあなたが出すなら同意する」と持ちかけられる例が実際にあるが、法定の負担割合は当事者の合意で変えられない。賃金調整という形での事実上の転嫁については実務上、解釈が分かれている
Q3一度入ったら、途中でやめられないんですか?
やめられる。任意単独被保険者は厚生労働大臣の認可を受けて資格を喪失できる(11条)。資格取得と違い、喪失の申請に事業主の同意は要求されていない。実務のポイント:やめた瞬間に国民年金の第1号被保険者に戻り、扶養していた配偶者の第3号資格も同時に消える。世帯全体で保険料が増える計算になるので、やめる判断は自分一人の損得では決められない
Q440代後半から入っても、もう手遅れじゃないですか?
手遅れではない。70歳未満なら加入でき(1項)、加入期間に応じて老齢厚生年金の報酬比例部分が積み上がるほか、在職中の障害・死亡に対して障害厚生年金・遺族厚生年金の対象になる。実務のポイント:見落とされがちなのは障害厚生年金の3級と障害手当金で、国民年金だけの人にはこの層が存在しない。老後より先に、働けなくなったときの落差の方が大きい
間違えやすい点 AI による整理
- 「うちの職場は社会保険に入っていないから、自分は厚生年金に入れない」。この問いの立て方そのものが誤っている。厚生年金には事業所単位の適用(6条)と、個人単位の任意加入(10条)という別系統の入口がある。事業所が適用事業所でないことは、あなた個人が入れないことを意味しない。混同したまま何十年も国民年金だけで過ごす人が非常に多い
- 「事業主の同意が要る」ことは知っていても、事業主にとって同意が何を意味するかを知らない人が多い。同意は気持ちの問題ではなく、保険料の半額負担(82条1項)と、あなたの分も含めた納付義務(同条2項)、資格取得届などの事務を引き受けるという意味である。この中身を理解して交渉に臨む人と、「お願いします」だけで頼む人では、成功率がまるで違う
- あなたから見れば「厚生年金に入る」という一つの手続だが、法律から見ると連鎖が起きている。国民年金の第1号被保険者から第2号被保険者へ切り替わり(国民年金法7条1項2号)、扶養する配偶者は第3号になって保険料が消える。ところが健康保険には任意単独加入に相当する制度がなく、健康保険だけは国民健康保険のまま取り残される。この片側だけがつながる構造を知らずに「社会保険に入れた」と思い込むと、医療費や傷病手当金の期待が外れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 加入の単位 | 10条:個人単位(本人だけが被保険者になる) | 6条3項:事業所単位(任意適用事業所になる) 9条:事業所単位(適用事業所の使用者は当然に被保険者) |
| 必要な同意 | 事業主の同意のみ(2項)。同僚の意向は無関係 | 従業員の2分の1以上の同意 + 事業主の申請 同意不要(法律上当然に資格が発生) |
| 資格の発生時期 | 厚生労働大臣の認可の日から(13条)、遡及しない | 認可の日から事業所が適用事業所となる 適用事業所に使用されるに至った日から |
| 保険料 | 事業主と折半、納付義務は事業主(82条) | 事業主と折半、納付義務は事業主(82条) 事業主と折半、納付義務は事業主(82条) |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も、強制投保単位に該当しない小規模事業単位の受僱者について、雇主の同意を条件に準用加保を認める。事業主の同意を関門に置く構造は日本の10条とほぼ同型
韓国は国民年金を一本の制度として設計し、사업장가입자に該当しない者を임의가입자として受け入れる。事業主の同意を要件とせず、個人の申請で完結する点が日本と異なる
用人単位を通じて基本養老保険に加入していない非全日制従業者・柔軟就業者に任意加入を認める。ただし保険料は原則本人負担で、日本のような労使折半は生じない
強制加入に該当しない者が任意で法定年金保険に加入できる。事業主の同意は不要で保険料は原則全額本人負担となり、日本の10条のように事業主負担を引き込む設計ではない
米国の社会保障は原則として就労者を広く強制カバーし、任意適用は主として州・地方政府職員に対する協定の形で残る。個人単位で使用者の同意を得て加入する日本型の制度は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 個人経営の理容室で12年働いてきた。求人票にも雇用契約書にも社会保険の記載はなく、国民年金を自分で払い続けている。この店は従業員3名の個人事業所なので適用事業所ではないが、10条の認可を取れば、あなた一人が厚生年金に入れる。厚生年金の被保険者期間は将来の老齢厚生年金(報酬比例部分)と、万一のときの障害厚生年金・遺族厚生年金の土台になる。国民年金だけの人には障害基礎年金しか出ない、この差は生涯で数百万円規模になる
- もし、あなたが従業員4人の農業法人ではない個人農家の従業員だったとしたら? 事業所単位で厚生年金に入る道(任意適用事業所、6条3項)は、従業員の2分の1以上の同意が要る。同僚が「保険料を引かれたくない」と反対すれば潰れる。だが10条の任意単独被保険者なら、必要なのは事業主の同意だけで、同僚の意向は関係ない。同じ目的に、ハードルの違う二本の道がある
- あなたが小さな飲食店を営む個人事業主で、長年働いてくれた従業員から「厚生年金に入りたいので同意してほしい」と言われた。同意すれば保険料の半額負担(82条1項)と納付義務(同条2項)が発生する。断ることもできるが、その理由を説明できないと、人が辞める理由になる。数字を出して、賃上げと厚生年金加入のどちらが自社と本人にとって効率が良いかを比べる場面である
- 60歳。年金事務所で「受給資格期間があと8か月足りない」と言われた。今の職場は個人経営の4人の事業所。あと10年、70歳になるまでは10条で加入できる。認可は遡らないので、申請が1か月遅れれば1か月分が永久に消える
- 転職先の面接。「うちは個人事業だから社会保険は入れないよ」と社長に言われた。ここで「10条の任意単独被保険者なら、社長の同意だけで私一人が入れます。御社の負担は保険料の半額です」と返せるかどうか。入社前の交渉テーブルが、この制度を持ち出せる唯一で最良のタイミングになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 勤務先が適用事業所か確認(法人なら強制適用、個人事業所は業種と常時使用する従業員数で判断)。日本年金機構の事業所検索で加入状況を確認できる2. 適用事業所でなければ、事業主に半額負担と納付義務の中身を数字で示して同意を求める3. 同意が得られたら、事業所所在地を管轄する年金事務所へ資格取得の認可申請を行う4. 認可は遡らないので、同意が取れた月のうちに提出する5. 健康保険は連動しないため、医療保険の扱いを別に確認しておく
訴えられた側:1. 同意すると保険料の半額負担(82条1項)、本人負担分も含めた納付義務(同条2項)、届出事務が発生する。まず月額の実負担を試算する2. 全額を本人に負担させる合意は法定の負担割合を変えるものではなく、賃金からの控除方法をめぐる有効性には争いがある。安易に約束しない3. 複数名が希望するなら、任意適用事業所(6条3項)にまとめる方が事務は一本化できる。ただし対象者全員が強制加入になる点を比較する4. 同意しない判断も適法である。その場合は、理由と代替の処遇を本人に説明しておく
時効(請求できる期限):申請そのものに法定の期限はない。ただし加入できるのは70歳未満の間に限られ(1項)、資格取得は認可の日からで遡及しない(厚生年金保険法13条)ため、遅れた期間は回復できない。保険料その他の徴収金の徴収権および還付請求権は2年で時効消滅する(同法92条)
学説
通説:10条の任意単独被保険者は、事業所規模や業種によって強制適用の外に置かれた被用者の年金保障を補うための例外的加入経路と解される。本人の申請、事業主の同意、大臣の認可という三段構成は、事業主に法定の保険料負担を一方的に課さないための調整装置として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正、平成14年(2002年)施行 被保険者の年齢上限を65歳未満から70歳未満へ引き上げた改正に伴い、本条1項の対象年齢も70歳未満となった。改正年次と施行日は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 改正:厚生年金保険法の全部改正(昭和29年法律第115号)により現行法体系が成立し、適用事業所以外の事業所に使用される者の任意単独加入の枠組みが置かれた
- 2.平成12年(2000年) 改正:被保険者の年齢上限を65歳未満から70歳未満へ引き上げる改正に伴い、本条1項の対象年齢も70歳未満となった。改正年次と施行日は人的検証を要する
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