被保険者又は被保険者であつた者が、自己の故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となつた事故を生ぜしめ、若しくはその障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、保険給付の全部又は一部を行なわないことができる。
要点厚生年金保険法 73 条の 2 は、故意の犯罪行為、重大な過失、正当な理由のない療養指示不服従により障害や死亡を招いた場合に、保険給付の全部又は一部を行わないことができる裁量規定である。
Q · 自分の過失で事故に遭った場合、障害厚生年金は本当にもらえなくなるのですか?
重大な過失等なら制限されうるが、裁量処分なので争える
厚生年金保険法 73 条の 2 は、故意の犯罪行為、重大な過失、正当な理由のない療養指示不服従によって障害・死亡やその原因事故を生じさせ、あるいは障害を増進させ回復を妨げた場合に、保険給付の全部又は一部を行わないことができると定めます。語尾は「行わない」ではなく「行わないことができる」であり、不支給は自動的に確定せず実施機関の裁量です。したがって、制限の要否(前提事実の認定)と制限の程度(全部か一部か)の双方を、同法 90 条の審査請求で争う余地が残ります。
年金は保険料さえ納めていれば何があっても出る。そう信じている人ほど、この一条で足をすくわれる。厚生年金保険法 73 条の 2 は、被保険者が(1)自己の故意の犯罪行為、(2)重大な過失、(3)正当な理由のない療養指示への不服従、このいずれかによって障害や死亡を招いた場合、あるいは障害を悪化させ回復を妨げた場合に、保険給付の全部または一部を行わないことができると定める。注目すべきは語尾だ。「行わない」ではなく「行わないことができる」。不支給は自動的に確定するのではなく、実施機関(日本年金機構・厚生労働大臣)の裁量である。裁量ということは、全部止めるか一部にとどめるか、そもそも制限を課すかどうかに判断の幅がある。そして裁量処分である以上、その判断は審査請求で争える。あなたが握るべきは、これが禁止規定ではなく裁量規定だという一点だ。
厚生年金保険法 73 条の 2 は、保険事故の自己招致等に対する給付制限を定める。被保険者又は被保険者であった者の故意の犯罪行為、重大な過失、正当な理由のない療養指示不服従により障害若しくは死亡又はその原因事故が生じ、あるいは障害が増進し回復が妨げられた場合に、実施機関は保険給付の全部又は一部を行わないことができる。同法 73 条の絶対的不支給と対をなす裁量規定である。
厚生年金保険法 73 条の 2 に基づき、故意の犯罪行為・重大な過失・正当な理由のない療養指示不服従で障害や死亡を招いた場合に、保険給付の全部又は一部を行わないことができる仕組みです。
無免許運転は故意の犯罪行為に当たり、73 条の 2 の射程に入ります。ただし全額不支給が当然に決まるわけではなく、犯罪行為と障害との因果関係の強さ、制限の程度が争点になります。
なりません。条文は「全部又は一部を行わないことができる」と定めるだけで、減額幅の基準は書かれていません。全部不支給か一部制限かは実施機関の裁量判断です。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に社会保険審査官へ審査請求します(厚生年金保険法 90 条)。通知書の理由欄で、三つの制限事由のどれが使われたかを先に特定してください。
正当な理由なく療養指示に従わず障害を増進させた、又は回復を妨げた場合は給付制限の対象になりえます。副作用や経済的困難など、従えなかった正当な理由があれば主張できます。
決定通知書の理由欄と不服申立ての教示欄を確認します。制限が障害全体に及ぶのか、増悪部分に限定されているのかで、争う範囲と組み立てが変わります。
本条自体に期限はありません。年金給付を受ける権利の消滅時効は 5 年(厚生年金保険法 92 条)です。制限が心配でも請求を諦めず、時効内に手続することが前提になります。
自己判断での治療中断は「療養に関する指示に従わないこと」と評価されうるため、悪化した部分について制限が検討される余地があります。症状による判断力低下等は正当な理由になりえます。
単なる不注意では制限されない。73 条の 2 が要求するのは「重大な過失」であり、著しい注意欠如が必要になる。速度超過や信号無視、飲酒が絡むと評価は変わる。業界裏話ヒント:実務では全部不支給よりも一部制限にとどまる例が少なくない。「全額出るか、ゼロか」の二択で考えて請求自体を諦める人が、結果的に最も損をしている
自殺は日本の刑法上の犯罪ではない。73 条の 2 が制限事由とするのは「故意の犯罪行為」であり、自殺はこれに当たらないため、自殺を理由に遺族厚生年金が不支給になることは原則ない(同法 58 条、73 条の 2)。業界裏話ヒント:この思い込みで請求せずに終わる遺族が実際にいる。条文が制限しているのは犯罪行為と重大な過失であって、死を選んだ意思そのものではない
事案ごとの裁量判断なので、事情が変われば見直しの余地はある。特に「療養指示不服従による増悪」を理由とする制限は、指示に従った後の状態を反映させるため、額改定請求(厚生年金保険法 52 条)や診断書の再提出が手掛かりになる。業界裏話ヒント:制限が「増悪部分」に限定されているのか障害全体に及んでいるのかを通知書で必ず確認する。前者なら、その部分だけを切り離して争える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の性質 | 同法 73 条の 2:全部又は一部を行わないことが「できる」裁量規定 | — |
| 主観的要件 | 故意の犯罪行為、重大な過失、正当な理由のない療養指示不服従 | — |
| 制限の幅 | 全部不支給から一部制限まで幅があり、条文に減額基準の定めなし | — |
| 争い方 | 制限の要否と程度を分けて審査請求(同法 90 条)、裁量権の逸脱・濫用を主張 | — |
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