要点厚生年金保険法 90 条は、年金の資格・標準報酬・保険給付に関する処分に不服がある者が社会保険審査官へ審査請求し、決定に不服なら社会保険審査会へ再審査請求できると定める。
Q · 年金の決定に納得できないとき、いきなり裁判を起こせるんですか?
まず社会保険審査官への審査請求から始めます
厚生年金保険法 90 条 1 項により、資格・標準報酬・保険給付に関する処分に不服がある者は、まず社会保険審査官へ審査請求し、その決定に不服があれば社会保険審査会へ再審査請求できます。同法 91 条の 3 は取消訴訟を審査官の決定後に限る前置の仕組みを置いています(現行効力は要確認)。3 項により二か月決定がなければ棄却とみなして先へ進め、4 項により審査請求は時効の完成猶予及び更新について裁判上の請求とみなされます。
年金事務所や日本年金機構から届く決定通知の末尾には、必ず小さな字で「この処分に不服があるときは、社会保険審査官に対して審査請求をすることができる」と書かれている。ほとんどの人はそこを読まない。だが厚生年金保険法 90 条が用意しているのは、単なる苦情窓口ではない。資格、標準報酬、保険給付という三種類の処分について、社会保険審査官への審査請求、次いで社会保険審査会への再審査請求という二段構えの救済路が法定されている。しかもこの条文には、一般にはほとんど知られていない仕掛けが二つ埋まっている。ひとつは 3 項、審査請求から二か月返事が来なければ棄却されたものとみなして次へ進める権利。もうひとつは 4 項、審査請求を出した時点でそれが裁判上の請求とみなされ、五年で消えるはずの年金受給権の時効の進行が止まること。紙一枚に、それだけの力が乗っている。
厚生年金保険法 90 条は、公的年金の処分に対する不服申立ての手続を定める規定であり、被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分について、社会保険審査官への審査請求と社会保険審査会への再審査請求という二段階の争訟ルートを法定する。記録訂正に関する決定は 1 項ただし書によりこのルートから除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
厚生年金保険法 90 条 1 項に基づき、資格・標準報酬・保険給付に関する処分に不服がある人が、社会保険審査官へ処分の見直しを求める手続です。裁判の前段階にあたります。
処分があったことを知った日の翌日から起算して三か月以内です(社会保険審査官及び社会保険審査会法 4 条)。一日でも過ぎると内容の当否を判断されず却下されます。
審査官の決定書謄本が送付された日の翌日から起算して二か月以内に、社会保険審査会へ申し立てます。期間経過後は決定が確定し、争う道が閉じます。
争えますが順番があります。厚生年金保険法 91 条の 3 により、取消訴訟は社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起できません(現行効力を要確認)。出訴は決定を知った日から六か月以内です。
できます。遡及した被保険者資格の認定や標準報酬の是正は 90 条 1 項の処分にあたり、不利益を受ける事業主も審査請求人になれます。争点は資格の存否や報酬の範囲です。
できません。28 条の 4 の記録訂正に関する決定は 90 条 1 項ただし書で除外されています。記録そのものを直す訂正請求という別ルートを使います。
90 条 2 項により、国家公務員共済組合審査会、地方公務員共済組合審査会、日本私立学校振興・共済事業団の共済審査会など、実施機関ごとに定められた審査会へ申し立てます。
止まります。90 条 4 項により審査請求・再審査請求は時効の完成猶予及び更新について裁判上の請求とみなされ、五年の消滅時効(92 条)の完成が猶予されます。
本人で出せます。90 条 1 項の審査請求は社会保険審査官及び社会保険審査会法に基づく手続で、書式は地方厚生局や年金事務所で入手でき、費用はかかりません。代理は弁護士のほか社会保険労務士も行えます。業界裏話ヒント:障害年金の審査請求で実際に結論を動かすのは法律論より医証です。診断書の日常生活能力の判定欄が実態より軽く書かれていないか、主治医と一緒に点検してから出すかどうかで結果が変わります
逆です。3 項は「棄却したものとみなすことができる」と書かれており、みなすかどうかを選ぶのは審査請求人の側です。使えば審査官の決定を待たずに社会保険審査会への再審査請求へ進めます。業界裏話ヒント:審理が長引く案件は、審査官段階で覆る見込みが薄いことも少なくありません。停滞が続くなら早めに審査会へ土俵を移し、訴訟までの全体スケジュールを自分で設計する方が、証拠の鮮度を保てます
5 項が正面から封じています。資格や標準報酬に関する処分が確定した後は、その不服を給付に関する処分への不服の理由にできません。残る道は記録そのものを直す訂正請求(28 条の 4)ですが、これは 1 項ただし書で社会保険審査官のルートから外れています。業界裏話ヒント:訂正請求では給与明細、預金通帳の振込記録、源泉徴収票といった当時の実額を示す私的資料が決め手になります。会社が廃業していても、あなたの手元の紙が証拠になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 争う対象 | 90 条:資格・標準報酬・保険給付に関する処分そのもの | — |
| 申立先 | 社会保険審査官(次いで社会保険審査会) | — |
| 期間の制約 | 処分を知った日の翌日から三か月、再審査請求は決定書送付の翌日から二か月 | — |
| 時効との関係 | 4 項により裁判上の請求とみなされ 92 条の五年時効の完成が猶予される | — |
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