厚生年金保険法 第89条の2(適用除外)
クイックジャンプ
第二号厚生年金被保険者、第三号厚生年金被保険者及び第四号厚生年金被保険者に係る保険料その他この法律の規定による徴収金については、前二条の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
適用除外とは何ですか?
定義適用除外とは、厚生年金保険法第89条の2に定められた規定で、「第二号厚生年金被保険者、第三号厚生年金被保険者及び第四号厚生年金被保険者に係る保険料その他この法律の規定による徴収金については、前二条の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第89条の2(適用除外)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第89条の2の条文原文は「第二号厚生年金被保険者、第三号厚生年金被保険者及び第四号厚生年金被保険者に係る保険料その他この法律の規定による徴収金については、前二条の規定は、適用しない。」で始まります。
- 厚生年金保険法第89条の2は第五章に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第89条の2の前の条は厚生年金保険法第89条です。
- 厚生年金保険法第89条の2の次の条は厚生年金保険法第90条です。
- 厚生年金保険法第89条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第89条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第89条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/89_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法89条の2は、第二号から第四号厚生年金被保険者に係る保険料等について、先取特権の順位(88条)と国税徴収の例による徴収(89条)を適用しないと定める。
Q · 公務員や私学の先生の年金保険料は、厚生年金保険法の徴収ルールで取り立てられるの?
いいえ。共済分の徴収根拠は各共済法にあります
厚生年金保険法89条の2により、第二号(国家公務員)・第三号(地方公務員)・第四号(私立学校教職員)厚生年金被保険者に係る保険料その他の徴収金には、先取特権の順位を定める88条と、国税徴収の例により徴収すると定める89条が適用されません。2015年10月の被用者年金一元化で制度は厚生年金に統合されましたが、実際に保険料を徴収するのは日本年金機構ではなく各共済組合や日本私立学校振興・共済事業団であり、その根拠条文は各共済法の側にあります。督促や滞納処分の通知が届いたら、まず根拠法令欄を確認することが出発点になります。
解説
厚生年金は2015年10月1日に一本化された。公務員共済も私学共済も、制度としては厚生年金に吸収されている。だが吸収されたのは「制度」であって「金を取り立てる配管」ではない。本条が短い一文で告げているのはそれだけだ。第二号(国家公務員)、第三号(地方公務員)、第四号(私学教職員)に係る保険料その他の徴収金には、直前の二か条、つまり先取特権の順位を国税・地方税の次に置く88条と、国税徴収の例により徴収すると定める89条が適用されない。これらの人の保険料を集めるのは日本年金機構ではなく、各共済組合や日本私立学校振興・共済事業団であり、その権限と手続は各共済法の側に置かれたままである。あなたが公務員や私学教職員、あるいはその事業主側なら、保険料の取立てをめぐる根拠を厚生年金保険法だけで追っていくと、必ず途中で線が切れる。切れた先の続きは、別の法律の棚にある。
法的な位置づけ
厚生年金保険法89条の2は徴収規定の適用除外を定める規定であり、第二号から第四号厚生年金被保険者に係る保険料その他の徴収金には、先取特権の順位を定める同法88条および国税徴収の例による徴収を定める同法89条を適用しない旨を規定する。被用者年金一元化後も、公務員共済・私学共済に係る徴収の権限と手続を各共済法の側に留保する機能を担う。
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金保険法89条の2とは何ですか?
公務員・私学教職員(第二号から第四号厚生年金被保険者)の保険料等について、先取特権の順位を定める88条と国税徴収の例による徴収を定める89条を適用しないとする適用除外規定です。
Q2第二号厚生年金被保険者とは誰のことですか?
国家公務員共済組合の組合員である厚生年金被保険者を指します。第三号は地方公務員共済、第四号は私立学校教職員共済の加入者で、区分の定義は厚生年金保険法2条の5にあります。
Q3共済組合の保険料は誰が徴収するのですか?
日本年金機構ではなく、国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・日本私立学校振興・共済事業団といった各実施機関が徴収します。根拠条文も厚生年金保険法ではなく各共済法にあります。
Q4先取特権の順位が適用されないとどうなりますか?
破産や差押えが競合したときの回収順位を決める根拠が、厚生年金保険法88条ではなく各共済法の規定になります。法人の経営破綻時に債権者の並び順を調べる棚が変わるということです。
Q5厚生年金の保険料の時効は何年ですか?
保険料その他の徴収金を徴収する権利は2年で時効消滅します(厚生年金保険法92条)。督促により時効は更新されるため、督促状の日付が実務上の起点になります。
Q6私学共済の掛金を滞納するとどうなりますか?
督促の後に滞納処分へ進む点は民間と似ていますが、根拠は厚生年金保険法89条ではなく各共済法の徴収規定です。処分庁も不服申立ての経路も異なるため、通知の教示欄の確認が先です。
Q7転職して第一号になったら徴収ルールは変わりますか?
変わります。第一号厚生年金被保険者になった期間分は88条・89条が適用され、日本年金機構が徴収します。転職日を境に、同じ厚生年金でも根拠法が切り替わります。
Q8厚生年金保険法89条の「国税徴収の例により徴収する」とは?
税金の滞納処分と同じ手続で保険料を強制徴収できるという意味です。ただし89条の2により、第二号から第四号に係る保険料にはこの規定が及びません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一元化されたのに、なんで公務員だけ徴収のルールが別なんですか?
一元化されたのは給付水準と被保険者資格の枠組みであり、保険料の徴収実務は各共済組合や私学事業団に残されたためである。本条が前二条(88条の先取特権の順位、89条の国税徴収の例)を外しているのは、その権限配分をそのまま条文にした結果だ。実務のポイント:実務では「どの実施機関か」を先に確定させないと、照会先も不服申立て先も外す。年金機構に電話しても共済分の答えは返ってこない
Q2共済の掛金を滞納したら、税金と同じように差し押さえられるんですか?
差押えという手段自体は存在する。ただし根拠は厚生年金保険法89条ではなく各共済法の徴収規定であり、本条がその適用を明文で外している。手続の外形が似ていても、処分庁と不服申立ての経路は別物である。実務のポイント:通知が来たらまず処分庁を確認する。反論書を年金機構宛に出してしまい、申立期間だけを食いつぶす事故が現実に起きている
Q3私は普通の会社員です。この条文、読む意味ありますか?
転職や出向で第一号と第二号から第四号の間を行き来する人には直接効いてくる。区分が変われば徴収の根拠法も変わり、過去分の追納や還付の照会先も変わる(区分の定義は厚生年金保険法2条の5)。実務のポイント:公務員から民間、私学から民間へ移った人の未納・過納の照会は、期間ごとに窓口が分かれる。一度の照会で全部片付くと思って動くと、必ず一往復多くなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「一元化されたのだから厚生年金保険法を読めばいい」という前提そのものが誤っている。一元化されたのは給付と被保険者資格の枠組みであって、費用の徴収と実施機関の権限は各共済法に残された。問いを「厚生年金保険法のどこに書いてあるか」から「どの実施機関の法律に書いてあるか」へ立て直さない限り、条文はいつまでも見つからない
- 適用除外の条文は「例外だから重要度が低い」と読み飛ばされやすい。だが外されているものの一つが88条の先取特権の順位であるという事実の重さに、多くの人が気付いていない。先取特権の順位は、破産や差押えが競合したとき誰が先に回収できるかを決める。順位の根拠が別の法律に移るということは、学校法人が経営破綻しかけたとき、債権者の並び順を決める条文が別の棚にあるということだ
- 第二号から第四号という区分は加入者本人の属性の話だと受け取られがちだが、あなたの側から見た区分と、法律の側から見た機能は一致しない。この条文が実際に動かしているのは、保険料を請求してくる主体とその主体が使える手続の配分である。変わるのはあなたの立場ではなく、あなたに向かってくる側の武器である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる被保険者 | 89条の2:第二号から第四号(公務員・私学教職員) | 88条:第一号(民間被用者)に適用される先取特権の順位 89条:第一号に適用される国税徴収の例による徴収 |
| 条文の機能 | 前二条の適用を外す除外規定 | 国税・地方税に次ぐ先取特権の順位を付与 滞納処分の手続を国税徴収の例に接続 |
| 徴収する主体 | 各共済組合・日本私立学校振興・共済事業団 | 日本年金機構(厚生労働大臣の権限に係る事務) 日本年金機構(厚生労働大臣の権限に係る事務) |
| 根拠を探す場所 | 各共済各法の費用・徴収に関する規定 | 厚生年金保険法本体 厚生年金保険法本体+国税徴収法 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公務人員・私立学校教職員の保険を労工保険と別建てで維持しており、日本のように制度を統合したうえで徴収だけ分離するという構造は採っていない
韓国も公務員・私学教職員の年金を国民年金と別制度のまま運用し、掛金の徴収主体も各年金公団に分かれている。制度統合を経ていない点が日本と異なる
ドイツは官吏(Beamte)を法定年金保険の適用除外とし、税財源の恩給制度に置く。そもそも同一制度に統合していないため、徴収規定の適用除外という条文技術を必要としない
米国連邦公務員は FERS により社会保障と併存する仕組みを持つが、掛金の徴収は人事管理機関の系統で行われ、社会保障税の徴収系統とは別建てである
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 私立学校を運営する法人で資金繰りが悪化し、共済掛金の納付が二か月遅れた。事業団から督促が届き、指定期限まであと十日。ここで厚生年金保険法89条の「国税徴収の例により徴収する」を読み込んで反論を組み立てても、あなたの案件には直結しない。本条がその適用をあらかじめ外しているからだ。読む法律を間違えたまま期限を迎えるのが、いちばん高くつく
- 共済組合から差押えの通知を受けた学校法人の担当者。「国税徴収の例で来ているのか」と反射的に思う。だが厚生年金保険法89条は、あなたに関する限り最初から適用されない条文である
- もし国家公務員が退職して民間企業に移ったら、保険料の徴収ルールはどうなるのか。第二号厚生年金被保険者から第一号厚生年金被保険者に変わった瞬間、本条の適用除外が外れ、88条・89条の世界に戻る。同じ一人の人間の、同じ厚生年金の保険料でありながら、徴収の根拠法が転職日を境に切り替わる
- 年金相談の窓口で「共済加入期間の分は当機構では扱えません」と言われた友人が、たらい回しにされたと怒って電話してきた。制度は一元化されたはずなのに、なぜ窓口だけ分かれているのか。その答えの一片が、この一か条に書いてある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた通知の根拠法令欄を確認する。厚生年金保険法88条・89条が挙げられていたら、本条により第二号から第四号に係る保険料には適用されないことを指摘し、根拠の再提示を求める2. 実際の根拠となる共済各法の条文と処分庁を特定する3. 不服申立ての宛先と期間は根拠法によって変わるため、通知末尾の教示欄を最優先で読む4. 期間内であれば審査請求へ。争点は金額ではなく手続の根拠そのものになりうる
訴えられた側:1. 滞納しているのが第一号に係る保険料か、第二号から第四号に係るものかをまず切り分ける。徴収主体が日本年金機構か共済組合等かで、分割納付の交渉窓口も裁量の幅も違う2. 共済側であれば厚生年金保険法88条・89条は適用されないため、先取特権の順位や滞納処分の根拠は各共済法で確認する3. 交渉は督促状の指定期限より前に始める。期限を過ぎて滞納処分の段階に入ると、条件交渉の余地は急速に狭まる
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし保険料その他の徴収金を徴収する権利は2年で時効消滅する(厚生年金保険法92条。督促により時効は更新される)。処分に対する不服申立ては、原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内だが、社会保険の処分は社会保険審査官への審査請求という個別の経路があり、根拠法によって宛先も異なるため、通知の教示欄の記載を優先すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)公布、平成27年(2015年)10月1日施行 被用者年金制度の一元化に伴い新設。国家公務員共済・地方公務員共済・私学共済の加入者を第二号から第四号厚生年金被保険者として厚生年金に統合する一方、これらに係る保険料その他の徴収金については先取特権の順位(88条)と国税徴収の例による徴収(89条)を適用しないこととし、徴収の実務と権限を各実施機関の側に残した
改正の年表
- 1.平成24年(2012年)公布・平成27年(2015年)10月1日施行 新設:被用者年金制度の一元化に伴い新設。国家公務員共済・地方公務員共済・私学共済の加入者を第二号から第四号厚生年金被保険者として厚生年金に統合する一方、これらに係る保険料その他の徴収金については88条・89条を適用しないこととし、徴収の実務と権限を各実施機関の側に残した
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める