厚生年金保険法 第28条の4(訂正請求に対する措置)
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- 厚生労働大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をする旨を決定しなければならない。
- 2.厚生労働大臣は、前項の規定による決定をする場合を除き、訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をしない旨を決定しなければならない。
- 3.厚生労働大臣は、前二項の規定による決定をしようとするときは、あらかじめ、社会保障審議会に諮問しなければならない。
この条文の基本情報
訂正請求に対する措置とは何ですか?
定義訂正請求に対する措置とは、厚生年金保険法第28条の4に定められた規定で、「厚生労働大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をする旨を決定しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第28条の4(訂正請求に対する措置)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第28条の4の条文原文は「厚生労働大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をする旨を決定しなければならない。」で始まります。
- 厚生年金保険法第28条の4は第四節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第28条の4の前の条は厚生年金保険法第28条の3です。
- 厚生年金保険法第28条の4の次の条は厚生年金保険法第29条です。
- 厚生年金保険法第28条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第28条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第28条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/28_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法28条の4は、年金記録の訂正請求に対し、厚生労働大臣が訂正するかしないかを必ず決定し、その前に社会保障審議会へ諮問することを義務づける規定である。
Q · 年金記録の訂正をお願いしたら、役所はちゃんと答えてくれるんですか?
必ず決定が出ます。訂正か不訂正かを大臣が判断します
厚生年金保険法28条の4により、厚生労働大臣は訂正請求に理由があれば訂正する旨を、それ以外は訂正しない旨を決定しなければなりません。放置や口頭回答で終わらせることはできず、決定の前には社会保障審議会への諮問が義務づけられています(実務では地方厚生局に置かれた地方年金記録訂正審議会が調査審議します)。決定は行政処分であるため、不訂正であっても審査請求や取消訴訟の道が残り、通知書には不服申立ての方法を示した教示欄が付きます。
解説
ねんきん定期便の加入期間が、記憶より二年短い。多くの人はここで諦めるか、年金事務所の窓口で口頭の相談をして終わる。だが厚生年金保険法は、記録の書き換えを「お願い」ではなく「請求」として制度化している。28条の4は、その請求を受けた厚生労働大臣に、訂正するかしないかのどちらかを必ず決定せよと命じる条文である。しかも決定の前に社会保障審議会への諮問が義務づけられている(実務では地方厚生局に置かれた地方年金記録訂正審議会が調査審議する運用)。担当者の胸三寸で握り潰せない構造になっている、ということだ。そして出てくるのは「回答」ではなく行政処分としての決定である。だから不服申立ての道が開き、通知書には不服申立て方法を書いた教示欄が付く。あなたが握っているのは苦情窓口の整理券ではなく、審級のある正規のルートの入口である。
法的な位置づけ
厚生年金保険法28条の4は、厚生年金保険原簿の訂正請求に対する処理を定める規定である。厚生労働大臣は、請求に理由があると認めるときは訂正する旨を、それ以外の場合は訂正しない旨を決定しなければならず、いずれの決定についても、あらかじめ社会保障審議会に諮問することを要する。同法28条の2が定める訂正請求権に対応する応答義務規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.記録のずれを年月単位で特定する ねんきんネットまたはねんきん定期便で全期間の加入記録を出力し、記憶や職歴と食い違う期間を「何年何月から何年何月まで」の単位で書き出す。勤務先名・事業所所在地・当時の給与額もあわせて整理する
- 2.第三者機関が保管する客観記録から証拠を集める 手元の給与明細より先に、ハローワークの雇用保険被保険者記録、市区町村の課税記録、源泉徴収票、社宅や寮の入退去記録を取りにいく。本人の記憶より、業務上作成された第三者の記録が審議会の心証を動かす
- 3.年金事務所に訂正請求書を提出する 年金記録訂正請求書に、特定した期間と収集した証拠を添えて年金事務所へ提出する。請求自体に期間の制限はないため、数十年前の記録でも受け付けられる。提出控えは必ず保管する
- 4.決定通知書は理由欄と教示欄から読む 届いた決定通知書は、結論より先に理由欄(どの事実が認定されなかったか)と教示欄(不服申立ての宛先と期間)を読む。理由欄は次に埋めるべき証拠の穴を示す採点表として機能する
- 5.不訂正なら審査請求と再請求を比較して選ぶ 審査請求は原則として処分を知った日の翌日から三か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は六か月(行政事件訴訟法14条)で締め切られる。一方、新資料を添えた訂正請求のやり直しには期限がない。理由欄で指摘された穴を埋められるなら、再請求の方が早いことが多い
よくある質問 AI による整理
Q1年金記録の訂正請求とは何ですか?
厚生年金保険原簿の記録が事実と違うと考えるときに、記録の書き換えを求める法定の請求です。厚生年金保険法28条の2が請求権を、28条の4が大臣の決定義務を定めています。
Q2年金記録の訂正請求はどこに出しますか?
最寄りの年金事務所に訂正請求書を提出します。提出後は地方厚生局に置かれた地方年金記録訂正審議会が調査審議し、厚生労働大臣が訂正・不訂正の決定を行う流れです。
Q3年金記録訂正審議会は何をするところですか?
訂正請求の内容を第三者の立場から調査審議する機関です。28条の4第3項が決定前の諮問を義務づけているため、担当者の判断だけで請求を処理できない構造になっています。
Q4年金記録の訂正請求はどれくらい時間がかかりますか?
法律上、決定までの期限は定められていません。実務では調査審議に数か月から一年程度かかることがあります。一方、決定後の不服申立ては原則三か月で締め切られます。
Q5年金記録の訂正請求に費用はかかりますか?
請求自体に手数料はかかりません。証明書類の取得実費のみです。社会保険労務士や弁護士に依頼する場合は別途報酬が発生しますが、本人だけでも請求できます。
Q6亡くなった人の年金記録も訂正できますか?
遺族厚生年金の額に直結するため実務上の重要論点ですが、死亡後の請求の取扱いは運用によります。手続の可否と必要書類は、必ず年金事務所に事前確認してください。
Q7国民年金の記録も同じ手続きで訂正できますか?
国民年金原簿には国民年金法に並行する訂正請求の規定があります。厚生年金期間と国民年金期間の両方にずれがある場合は、対象期間ごとに整理して請求します。
Q8会社が保険料を納めていなかった期間は年金に反映されますか?
被保険者であった事実が認められれば記録は訂正され、給付に反映されます。保険料の徴収権は二年で時効消滅しますが(同法92条)、記録訂正による給付は全期間分が対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証拠が何も残ってないんですけど、それでも請求できますか?
できます。訂正請求は記録が事実でないと思料するときに認められる権利(厚生年金保険法28条の2)で、証拠が完全であることは請求の要件ではありません。審議会は雇用保険記録、課税記録、社宅の入退去記録、同僚の証言などの周辺事情を総合して判断します。実務のポイント:最も効くのはハローワークが保管する雇用保険の被保険者記録です。本人の記憶より、第三者が業務上作成した客観記録が心証を動かす
Q2訂正が認められたら、昔の分の年金もさかのぼってもらえるんですか?
もらえます。年金を受ける権利は原則五年で時効消滅しますが(厚生年金保険法92条)、記録訂正によって増える分は「厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律」により、時効で消えた期間分も含めて支払われます。実務のポイント:この特例を知らず「どうせ五年分でしょう」と請求自体を諦める人が多い。数十年分が一括で支給された例は現に存在する
Q3訂正しないという決定が来ました。もう終わりですか?
終わりません。28条の4の決定は行政処分なので、行政不服審査法に基づく審査請求(原則三か月、同法18条)と取消訴訟(行政事件訴訟法14条、六か月)の道が開きます。さらに新資料が見つかれば訂正請求自体をやり直せます。実務のポイント:実務では、争うより新証拠を足した再請求の方が通りやすい。決定の理由欄は、どの事実が認定されなかったかを教えてくれる採点表として読む
間違えやすい点 AI による整理
- 「訂正が認められれば過去の分ももらえる」ことは知っていても、その全額性の意味が理解されていない。年金を受ける権利は原則五年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)が、記録訂正による増額分は年金時効特例法によって時効で消えた分まで支払われる。五年分と全期間分では、桁が変わる
- 「いつまでに請求すればいいですか」という問いの立て方自体が的外れである。訂正請求そのものには期間の制限がなく、四十年前の記録でも請求できる。期限が走るのは、訂正しないという決定を受け取ってから不服を申し立てる側だ。急ぐべき場面と急がなくてよい場面を取り違えると、急ぐべき方を落とす
- 本人から見れば「記録の修正のお願い」だが、法律から見れば申請に対する行政処分の手続である。だからこそ諮問が義務づけられ、理由を示した決定が出され、不服申立ての教示が付く。窓口の親切な対応を期待して口頭相談で済ませた人は、この処分性という武器を一度も抜かないまま終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何をする条文か | 28条の4:訂正請求に対する大臣の決定義務と審議会諮問 | 28条の2:訂正請求権そのものの発生規定 31条:被保険者資格の得喪の確認請求 |
| 動かす対象 | 厚生年金保険原簿の記載内容そのもの | 原簿の記載内容(請求できる地位) 資格取得・喪失の有無という法的地位 |
| 行政の応答形式 | 訂正・不訂正いずれかの決定(行政処分)+事前諮問が必須 | 請求の受理(応答は28条の4による) 確認処分(諮問の義務づけはない) |
| 不服があるときの経路 | 審査請求(原則三か月)・取消訴訟のほか、新資料での再請求も可能 | 28条の4の決定を待って争う 90条の不服申立て経路 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は投保年資・投保薪資の争いを爭議審議手続で処理する。日本のように「原簿訂正請求への決定義務」を条文で独立させてはおらず、争議審議と行政救済が一体化している点が異なる
韓国は加入者資格や基準所得月額の確認処分と審査請求で記録是正を行う。第三者審議会への事前諮問を法律上義務づける点は日本に特徴的
社会保険経弁機構による記録管理と、記録に関する争議の処理経路を定める。個別の記録訂正請求権として独立条文化されてはいない
ドイツは保険口座(Versicherungskonto)の清算手続で記録を確定し、Vormerkungsbescheid という処分で争訟可能にする。記録確定を処分として構成する点は日本の28条の4と発想が近い
フランスは職歴記録(relevé de carrière)の訂正を各年金機関に請求し、拒否に対して機関内の異議申立委員会を経由する。第三者諮問の義務づけ方が日本と異なる
米国は earnings record の訂正に原則として時間制限(time limitation)を設け、一定期間経過後の記録を確定的なものとして扱う。請求期間に制限を置かない日本と正反対の設計
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 請求してから半年、何の音沙汰もない。これは放置されているのか? 28条の4は決定そのものを義務づけるが、いつまでに決定せよという期限は書かれていない。審議会の調査審議に数か月から一年かかることは珍しくない。ところが決定が届いた後の不服申立ては原則三か月で締め切られる。長い沈黙のあとに、突然短い時計が動き出す
- 二十年前に退職した元従業員の記録訂正請求について、年金事務所からあなたの会社に照会が届いた。標準報酬月額が実際の給与より低く届け出られていた疑いである。訂正が認められれば保険料の追徴だが、保険料の徴収権の時効は二年(厚生年金保険法92条)。会社が払うのは二年分、元従業員の年金は全期間分が回復する。この非対称を知らずに反射的に「記録がないので不明」と回答すると、後で隠蔽の疑いを持たれる
- 父が亡くなり、遺族厚生年金の手続で加入記録を初めて見た。昭和五十年代の三年分が消えている。本人が亡くなった後の訂正請求の取扱いは実務上の運用によるため、年金事務所への確認が要る。遺族年金の額に直結するので、放置は生涯で数百万円の差になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. ねんきんネットまたはねんきん定期便で全期間の記録を出し、記憶とずれる期間を年月単位で特定する2. 証拠を外部機関から集める。ハローワークの雇用保険被保険者記録、市区町村の課税記録、源泉徴収票、社宅や寮の入退去記録、同僚の陳述3. 年金事務所に訂正請求書を提出(期間制限なし) 4. 決定通知が届いたら理由欄と教示欄を先に読む5. 不訂正なら、不服申立てと新資料を添えた再請求の二本を比較して選ぶ
訴えられた側:1. 事業主として照会を受けたら、賃金台帳・出勤簿・雇用保険の届出控えを保存年限にかかわらず総ざらいする2. 記録がないことと事実がなかったことは別物なので、「不明」と「なかった」を書き分ける3. 訂正が認められた場合の保険料追徴は徴収権の時効二年の範囲(厚生年金保険法92条) 4. 過去の届出が実際の給与と食い違う場合、故意の低額届出は別の法的責任に波及しうるため、回答前に社会保険労務士または弁護士に相談する
時効(請求できる期限):訂正請求自体に期間の制限はなく、何十年前の記録でも請求できる。期限が走るのは決定後で、審査請求は原則として処分があったことを知った日の翌日から三か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から六か月(行政事件訴訟法14条)。不服申立ての宛先と期間は、決定通知書の教示欄で必ず確認すること(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:28条の4の決定は、申請に対する応答としての行政処分であり、不訂正決定には理由の提示が求められ、審査請求および取消訴訟による事後的な争訟が可能であると解されている。決定前の審議会諮問は、行政庁の単独判断を抑制する手続的統制として位置づけられる
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)公布、平成27年(2015年)3月1日施行 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律により新設。従来は総務省の年金記録確認第三者委員会によるあっせん方式で処理されていた年金記録問題を、厚生労働大臣が決定を行う法定手続へ移行させ、決定前の審議会諮問を義務づけた
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律により新設。従来は総務省の年金記録確認第三者委員会によるあっせん方式で処理されていた年金記録問題を、厚生労働大臣が決定を行う法定手続へ移行させた
- 2.平成27年(2015年) 改正:平成27年3月1日に施行され、訂正請求から諮問・決定に至る一連の手続が稼働。決定に処分性が明確に与えられたことで、不服申立ての経路が制度上確定した
- 厚生年金保険法 第28条訂正の対象となる厚生年金保険原簿の根拠
- 厚生年金保険法 第28条の2本条の前提となる訂正請求権の発生規定
- 厚生年金保険法 第31条資格の得喪の確認請求、記録是正の別ルート
- 厚生年金保険法 第90条資格・標準報酬に関する処分の不服申立て経路
- 厚生年金保険法 第92条給付を受ける権利五年・保険料徴収権二年の時効
- 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 第1条記録訂正による増額分を時効消滅分まで支給(通称 年金時効特例法)
- 行政手続法 第8条不訂正決定への理由提示義務(適用関係は要確認)
- 国民年金法 第14条の2国民年金原簿の訂正請求に関する並行規定(現行効力を要確認)
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