被保険者又は被保険者であつた者が、故意に、障害又はその直接の原因となつた事故を生ぜしめたときは、当該障害を支給事由とする障害厚生年金又は障害手当金は、支給しない。
要点厚生年金保険法 73 条は、被保険者等が故意に障害またはその直接の原因となった事故を生じさせたとき、障害厚生年金・障害手当金を支給しないと定める。過失は含まれない。
Q · 自分が原因でケガや障害が残ったら、障害厚生年金はもらえないんですか?
故意なら不支給。過失や判断能力を欠く状態の行為は別です。
厚生年金保険法 73 条が不支給とするのは、被保険者等が「故意に」障害またはその直接の原因となった事故を生ぜしめた場合に限られます。条文に「過失」の文字はなく、不注意や無謀な行為による障害は本条では止まりません。また、精神疾患により行為の是非を弁別する能力を欠いていた状態での自傷行為は、法的な意味での故意と評価されない余地があります。不支給決定は行政処分であり、社会保険審査官への審査請求から争うことができます。
厚生年金の障害給付には、誰も教えてくれない「入口の門番」がいる。それがこの 73 条だ。条文は「被保険者又は被保険者であつた者が、故意に、障害又はその直接の原因となつた事故を生ぜしめたとき」は障害厚生年金も障害手当金も支給しないと定める。ここで注目すべきは、書かれている言葉より「書かれていない言葉」である。故意はダメだが、過失は書いていない。重大な過失であっても、この条文では止まらない。自分の不注意で階段から落ちて後遺障害が残っても、飲酒運転で自損事故を起こしても、73 条は発動しない。あなたが押さえるべき線はもう一本ある。「障害そのものを故意に生ぜしめた」だけでなく「その直接の原因となつた事故」を故意に起こした場合も含まれる。つまり狙いは怪我でなく別のところにあったが、自ら事故を仕組んだ、という構図でも支給は止まる。この「故意」の一語をめぐって、実務では自殺未遂後の障害をどう扱うかという極めて重い判断が積み重なっている。
厚生年金保険法 73 条は、被保険者または被保険者であった者が故意に障害またはその直接の原因となった事故を生じさせた場合に、当該障害を支給事由とする障害厚生年金および障害手当金を支給しない旨を定める給付制限規定である。過失により生じた障害は本条の射程に含まれない。
故意に障害またはその直接の原因となった事故を生じさせた場合、障害厚生年金と障害手当金を支給しないと定める給付制限規定です。対象は故意に限られます。
初診日要件・保険料納付要件・障害等級の不該当が主な理由です。加えて 73 条の故意による給付制限、73 条の 2 の犯罪行為等による制限が働く場合があります。
故意は結果や事故を意図して生じさせること、重大な過失は著しい不注意です。73 条の文言は故意のみで、重大な過失による障害は本条では不支給になりません。
73 条は故意による障害を全面的に不支給とする規定、73 条の 2 は故意の犯罪行為や重大な過失等を理由に給付の全部または一部を制限する規定です。射程が異なります。
本条自体に期限はありません。障害給付の支分権は 5 年で時効消滅します(厚生年金保険法 92 条)。請求自体は要件を満たせば後からでも可能です。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に社会保険審査官へ審査請求します。窓口での口頭説明ではなく、書面の決定通知が起算点になります。
あります。国民年金法 69 条等に故意による障害の給付制限が置かれています。会社員から自営業へ移っても、制度をまたいで同じ考え方が適用されます。
相手の反撃という第三者の行為が介在する場合、障害の「直接の原因」を自ら生ぜしめたと評価できるかは単純ではなく、争う余地が残ります。事実経緯の整理が要です。
絶対ではない。73 条が排除するのは『故意』であり、精神疾患により是非弁別能力を欠く状態での行為は法的な故意と評価されない余地がある。うつ病等の傷病名と行為当時の病状の記録が鍵になる。業界裏話ヒント:障害年金を専門に扱う社会保険労務士は、この論点で救急搬送記録と直近の外来カルテを最優先で集める。決定後に書いてもらう診断書より、行為当時の記録の方が説得力が桁違いに高い
本条の『故意』は障害またはその直接の原因たる事故を意図的に生ぜしめたことを指す。飲酒運転は極めて重い過失や違法行為ではあるが、事故そのものを意図したわけではないため 73 条の適用は原則想定されにくい。業界裏話ヒント:ただし別枠で、故意の犯罪行為や重大過失を理由とする給付の一部制限規定が社会保険各法に置かれている。73 条だけを見て安心せず、給付制限規定を横断で確認するのが実務家の視線
社会保険審査官への審査請求、次に社会保険審査会への再審査請求、その先に処分の取消訴訟という三段構えがある。行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)である以上、争う道は制度上用意されている。業界裏話ヒント:窓口で『無理ですね』と言われるのは職員の見解であって処分ではない。書面の決定通知を受け取ってから初めて時計が動く。口頭で諦めさせられて帰るのが、最も多い取りこぼしのパターン
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制限の対象となる行為 | 厚年法 73 条:故意に障害またはその直接の原因となった事故を生ぜしめたこと | — |
| 対象となる給付 | 障害厚生年金・障害手当金 | — |
| 効果 | 当該障害を支給事由とする給付を支給しない(全面排除) | — |
| 適用される制度 | 厚生年金(会社員・公務員等の被用者) | — |
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