要点厚生年金保険法 12 条は、臨時に使用される者や通常の労働者の 4 分の 3 未満で働く短時間労働者など五類型を被保険者から除外する。ただし一定期間を超えて使用されれば除外は解ける。
Q · パートで働いているのですが、厚生年金には結局入れるのですか、入れないのですか?
契約書の所定労働時間と勤め先の規模で決まる
厚生年金保険法 12 条は、9 条・10 条 1 項の原則に対する五つの適用除外を定めます。日雇いは 1 月を超えて引き続き使用されれば除外が解け、季節的業務は当初から継続して 4 月を超えて使用されるべき場合に初日から被保険者となります。短時間労働者は通常の労働者の 4 分の 3 未満であることが除外の入口であり、4 分の 3 以上働いていれば賃金額や学生かどうかを問わず強制加入です。判定材料は実際の労働実績ではなく、契約書に記載された所定労働時間および所定労働日数です。
同じ現場で同じ時間だけ働いても、契約書の一行の違いで、老後に受け取る年金が生涯で数百万円変わる。厚生年金保険法12条は、9条・10条1項が定めた「適用事業所に使用される70歳未満の者は被保険者になる」という原則に、五つの穴を開ける条文である。日雇いなどの臨時に使用される者、所在地が一定しない事業所(興行や露天など)に使用される者、季節的業務、臨時的事業の事業所、そして通常の労働者の4分の3未満しか働かない短時間労働者。厄介なのは、穴ごとに「ただし」が付き、しかも基準が号によって違うことだ。日雇いは1月を超えて「引き続き使用されるに至った」時点で穴から出る(結果で決まる)。一方、季節的業務は当初から4月超が「予定されていた」かどうかで決まる(見込みで決まる)。結果基準と見込み基準が同じ条文に同居している。あなたが加入できるかどうかは、働いた実績ではなく、契約を結んだ瞬間の書面に書かれている。
厚生年金保険法 12 条は適用除外を定める規定であり、9 条および 10 条 1 項により被保険者となるべき者のうち、臨時に使用される者、所在地が一定しない事業所に使用される者、季節的業務に使用される者、臨時的事業の事業所に使用される者、通常の労働者の 4 分の 3 未満の短時間労働者を、各号の但書に該当する場合を除いて保険関係の外に置く。
適用事業所で働いていても被保険者としない扱いのことです。厚生年金保険法 12 条が、臨時に使用される者、所在地が一定しない事業所、季節的業務、臨時的事業、4 分の 3 未満の短時間労働者という五類型を定めています。
1 月を超えて引き続き使用されるに至った時点です。12 条 1 号イの但書により、届出の有無にかかわらず法律上当然に被保険者となります。当初の予定ではなく、実際に使用され続けた結果で決まる点が特徴です。
当初から継続して 4 月を超えて使用されるべき場合は初日から被保険者です。逆に当初 3 か月の契約を後から延長し通算 4 月を超えても、12 条 3 号の適用除外のままとなります。
入ります。5 号ハの学生から夜間部・通信制・定時制・休学中の者は除かれるため、週 20 時間以上かつ月額 8.8 万円以上などの要件を満たせば加入対象です(最新の改正状況をご確認ください)。
違います。5 号は通常の労働者の 4 分の 3 未満の短時間労働者だけを対象とする除外規定です。4 分の 3 以上働いていれば、週 20 時間の要件を見るまでもなく強制加入となります。
巡業する興行や露天商など、事業所の所在地が固定していない事業をいいます。12 条 2 号に当たり、他の号と違って但書が置かれていないため、使用期間が長くなっても適用除外のままです。
国民年金の第 1 号被保険者または第 3 号被保険者として基礎年金のみを積み上げることになります。報酬比例部分が付かないため、老齢だけでなく障害・遺族の給付水準も下がります。
一次的には事業主が契約内容に基づいて判断しますが、資格の有無は要件を満たした日に法律上当然に決まります。争いがある場合は年金事務所への確認請求(法 31 条)で是正を求められます。
年収ではなく月額で決まる。12条5号ロの月額8.8万円(×12か月で約106万円)が語源だが、判定に使うのは所定内賃金であり、通勤手当・残業代・賞与・臨時の手当は算入しない。業界裏話ヒント:会社が「年収が106万を超えたので加入」と言ってきたら、算定内訳を出させる。通勤手当を入れて計算している例が実際にあり、外せば壁の内側に戻ることがある(最新の改正状況をご確認ください)
違う。被保険者資格は要件を満たした日に法律上当然に発生し(法13条)、事業主の届出(法27条)は確認手続にすぎない。納得できないなら年金事務所に資格の確認請求ができる(法31条)。業界裏話ヒント:確認請求の前に、まず匿名で年金事務所に事実関係だけ相談すると、職権調査という形で事業所に照会が入ることがある。名前を出さずに動かせる段階が一つ挟まっていることを、会社側は教えてくれない
済まない。令和2年改正(2022年10月施行)により、2月以内の期間を定めた契約でも、当初からその期間を超えて使用されることが見込まれる場合は初日から被保険者となる。業界裏話ヒント:この「見込み」は契約書の文言ではなく、同種の職務での更新実績で判断される。過去に同じポジションで更新を重ねた社員が一人でもいれば、契約書をいくら短く書いても遡及加入の対象になりうる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 12 条:9 条・10 条 1 項の原則に対する適用除外を五類型で列挙する | — |
| 対象者の決まり方 | 契約書上の所定労働時間・所定労働日数・雇用期間・事業所の被保険者総数で判定される | — |
| 除外・資格喪失が動く場面 | 1 号イは 1 月超、1 号ロは定めた期間超、3 号は 4 月超、4 号は 6 月超で除外が解ける(2 号には但書がない) | — |
| 実務で争いになる点 | 契約書と実態の乖離、4 分の 3 基準の当てはめ、月額 8.8 万円の算定範囲 | — |
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