厚生年金保険法 第12条(適用除外)
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、第九条及び第十条第一項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。
- 一臨時に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)であつて、次に掲げるもの。ただし、イに掲げる者にあつては一月を超え、ロに掲げる者にあつては定めた期間を超え、引き続き使用されるに至つた場合を除く。
- 一日々雇い入れられる者
- 二二月以内の期間を定めて使用される者であつて、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの
- 二所在地が一定しない事業所に使用される者
- 三季節的業務に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)。ただし、継続して四月を超えて使用されるべき場合は、この限りでない。
- 四臨時的事業の事業所に使用される者。ただし、継続して六月を超えて使用されるべき場合は、この限りでない。
- 五事業所に使用される者であつて、その一週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者(当該事業所に使用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業所に使用される者にあつては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該者と同種の業務に従事する当該通常の労働者。以下この号において単に「通常の労働者」という。)の一週間の所定労働時間の四分の三未満である短時間労働者(一週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短い者をいう。以下この号において同じ。)又はその一月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の一月間の所定労働日数の四分の三未満である短時間労働者に該当し、かつ、イ又はロのいずれかの要件に該当するもの
- 一一週間の所定労働時間が二十時間未満であること。
- 二学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第五十条に規定する高等学校の生徒、同法第八十三条に規定する大学の学生その他の厚生労働省令で定める者であること。
この条文の基本情報
適用除外とは何ですか?
定義適用除外とは、厚生年金保険法第12条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する者は、第九条及び第十条第一項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第12条(適用除外)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第12条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、第九条及び第十条第一項の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。」で始まります。
- 厚生年金保険法第12条は第一節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第12条の前の条は厚生年金保険法第11条です。
- 厚生年金保険法第12条の次の条は厚生年金保険法第13条です。
- 厚生年金保険法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法12条は、臨時に使用される者や通常の労働者の4分の3未満で働く短時間労働者など五類型を被保険者から除外する。ただし一定期間を超えて使用されれば除外は解ける。
Q · パートで働いているのですが、厚生年金には結局入れるのですか、入れないのですか?
契約書の所定労働時間と勤め先の規模で決まる
厚生年金保険法12条は、9条・10条1項の原則に対する五つの適用除外を定めます。日雇いは1月を超えて引き続き使用されれば除外が解け、季節的業務は当初から継続して4月を超えて使用されるべき場合に初日から被保険者となります。短時間労働者は通常の労働者の4分の3未満であることが除外の入口であり、4分の3以上働いていれば賃金額や学生かどうかを問わず強制加入です。判定材料は実際の労働実績ではなく、契約書に記載された所定労働時間および所定労働日数です。
解説
同じ現場で同じ時間だけ働いても、契約書の一行の違いで、老後に受け取る年金が生涯で数百万円変わる。厚生年金保険法12条は、9条・10条1項が定めた「適用事業所に使用される70歳未満の者は被保険者になる」という原則に、五つの穴を開ける条文である。日雇いなどの臨時に使用される者、所在地が一定しない事業所(興行や露天など)に使用される者、季節的業務、臨時的事業の事業所、そして通常の労働者の4分の3未満しか働かない短時間労働者。厄介なのは、穴ごとに「ただし」が付き、しかも基準が号によって違うことだ。日雇いは1月を超えて「引き続き使用されるに至った」時点で穴から出る(結果で決まる)。一方、季節的業務は当初から4月超が「予定されていた」かどうかで決まる(見込みで決まる)。結果基準と見込み基準が同じ条文に同居している。あなたが加入できるかどうかは、働いた実績ではなく、契約を結んだ瞬間の書面に書かれている。
法的な位置づけ
厚生年金保険法12条は適用除外を定める規定であり、9条および10条1項により被保険者となるべき者のうち、臨時に使用される者、所在地が一定しない事業所に使用される者、季節的業務に使用される者、臨時的事業の事業所に使用される者、通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者を、各号の但書に該当する場合を除いて保険関係の外に置く。
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金の適用除外とは?
適用事業所で働いていても被保険者としない扱いのことです。厚生年金保険法12条が、臨時に使用される者、所在地が一定しない事業所、季節的業務、臨時的事業、4分の3未満の短時間労働者という五類型を定めています。
Q2日雇いはいつから厚生年金に入りますか?
1月を超えて引き続き使用されるに至った時点です。12条1号イの但書により、届出の有無にかかわらず法律上当然に被保険者となります。当初の予定ではなく、実際に使用され続けた結果で決まる点が特徴です。
Q3海の家など季節的な仕事は厚生年金に入れますか?
当初から継続して4月を超えて使用されるべき場合は初日から被保険者です。逆に当初3か月の契約を後から延長し通算4月を超えても、12条3号の適用除外のままとなります。
Q4夜間部の学生でもアルバイトで厚生年金に入りますか?
入ります。5号ハの学生から夜間部・通信制・定時制・休学中の者は除かれるため、週20時間以上かつ月額8.8万円以上などの要件を満たせば加入対象です(最新の改正状況をご確認ください)。
Q5週20時間未満なら絶対に加入できませんか?
違います。5号は通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者だけを対象とする除外規定です。4分の3以上働いていれば、週20時間の要件を見るまでもなく強制加入となります。
Q6所在地が一定しない事業所とは何ですか?
巡業する興行や露天商など、事業所の所在地が固定していない事業をいいます。12条2号に当たり、他の号と違って但書が置かれていないため、使用期間が長くなっても適用除外のままです。
Q7厚生年金に入れないと将来の年金はどうなりますか?
国民年金の第1号被保険者または第3号被保険者として基礎年金のみを積み上げることになります。報酬比例部分が付かないため、老齢だけでなく障害・遺族の給付水準も下がります。
Q8適用除外かどうかの判定は誰がしますか?
一次的には事業主が契約内容に基づいて判断しますが、資格の有無は要件を満たした日に法律上当然に決まります。争いがある場合は年金事務所への確認請求(法31条)で是正を求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1結局「106万円の壁」って何なんですか? 年収で決まるんですよね?
年収ではなく月額で決まる。12条5号ロの月額8.8万円(×12か月で約106万円)が語源だが、判定に使うのは所定内賃金であり、通勤手当・残業代・賞与・臨時の手当は算入しない。実務のポイント:会社が「年収が106万を超えたので加入」と言ってきたら、算定内訳を出させる。通勤手当を入れて計算している例が実際にあり、外せば壁の内側に戻ることがある(最新の改正状況をご確認ください)
Q2会社が厚生年金に入れてくれないんですが、泣き寝入りですか?
違う。被保険者資格は要件を満たした日に法律上当然に発生し(法13条)、事業主の届出(法27条)は確認手続にすぎない。納得できないなら年金事務所に資格の確認請求ができる(法31条)。実務のポイント:確認請求の前に、まず匿名で年金事務所に事実関係だけ相談すると、職権調査という形で事業所に照会が入ることがある。名前を出さずに動かせる段階が一つ挟まっていることを、会社側は教えてくれない
Q32か月契約を繰り返せば、ずっと社会保険に入らずに済みますか?
済まない。令和2年改正(2022年10月施行)により、2月以内の期間を定めた契約でも、当初からその期間を超えて使用されることが見込まれる場合は初日から被保険者となる。実務のポイント:この「見込み」は契約書の文言ではなく、同種の職務での更新実績で判断される。過去に同じポジションで更新を重ねた社員が一人でもいれば、契約書をいくら短く書いても遡及加入の対象になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「週20時間未満だから自分は入れない」と考えている人が多いが、問いの立て方が逆である。5号は、そもそも通常の労働者の4分の3未満しか働いていない人だけを対象にした除外規定だ。4分の3以上(週40時間の職場なら週30時間以上)働いていれば、月給が8万円でも学生でも勤め先が10人でも強制加入になる。まず自分が4分の3基準のどちら側にいるかを先に確認しないと、後の要件をいくら数えても答えは出ない
- 「学生は加入対象外」という知識は広く知られているが、その例外の広さが知られていない。5号ハの学生から外れるのは夜間部・通信制・定時制、そして休学中の者である。つまり働きながら学ぶ層はほぼ加入対象側に立つ。学生証を見せられただけで一律に適用除外としている職場は、その時点で誤った運用をしている
- あなたから見れば「会社が厚生年金に入れてくれない」だが、法律から見れば被保険者資格は事業主の届出によって発生するものではなく、要件を満たした日に法律上当然に発生する(法13条)。届出(法27条)は資格を確認するための手続にすぎない。この落差を知らない人は「会社が入れてくれなかったのだから仕方ない」と諦め、知っている人は自分がすでに被保険者である前提で確認請求(法31条)に進む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 12条:9条・10条1項の原則に対する適用除外を五類型で列挙する | 9条:適用事業所に使用される70歳未満の者を当然に被保険者とする原則 10条1項:適用事業所以外の事業所に使用される者が厚生労働大臣の認可を受けて加入する任意単独加入 |
| 対象者の決まり方 | 契約書上の所定労働時間・所定労働日数・雇用期間・事業所の被保険者総数で判定される | 適用事業所に使用されている事実と70歳未満であることで判定される 本人の申出と認可という意思手続によって決まる |
| 除外・資格喪失が動く場面 | 1号イは1月超、1号ロは定めた期間超、3号は4月超、4号は6月超で除外が解ける(2号には但書がない) | 70歳到達または適用事業所での使用終了により資格喪失 認可の取消しにより資格喪失 |
| 実務で争いになる点 | 契約書と実態の乖離、4分の3基準の当てはめ、月額8.8万円の算定範囲 | 適用事業所該当性(業種・使用人数)の判断 事業主の同意が得られるかどうか |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は事業所の従業員数を基準に強制加入と任意加入を分ける構造で、日本のように就労量(4分の3基準)で線を引く発想は薄い。部分工時労働者も原則として加保対象に取り込まれる点が日本と対照的
韓国も日雇い・短期・所定労働時間の少ない労働者を事業場加入者から除外する構造を持ち、除外の閾値が政令で機動的に動く点まで日本と類似する
ドイツは労働時間ではなく賃金額(geringfügige Beschäftigung=Minijob)で線を引く。本人が申し出れば任意で年金保険に加入できる opt-in が用意されている点が、日本に対応制度のない差分
米国は労働時間ではなく雇用の種類(家事使用人、農業労働、一部の公務員、学生の学内雇用など)を列挙して Social Security の対象外とする方式。短時間であること自体は除外事由にならない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海の家で6月から10月まで働いたら、厚生年金に入れるのか? 答えは契約書次第である。最初から5か月の契約なら初日から被保険者、当初3か月の契約を現場都合で延長した場合は通算4か月を超えても3号の適用除外のままになる。同じ労働、同じ賃金、違うのは契約を結んだ日の紙一枚だけだ
- パート25人の所定労働時間を全員19.5時間に揃えている飲食チェーンの店長。店舗を増やして厚生年金の被保険者総数が51人を超えた月から、5号の企業規模要件(平成24年改正法附則17条)が働き出し、週20時間以上・月額8.8万円以上で働いていた数人が一斉に加入対象になる。年金事務所の調査で発覚すれば遡及は最大2年、退職済み従業員の自己負担分は事実上回収できず会社が被る
- 建設現場の日雇い。31日目の朝、何の手続もしていないのに被保険者になっている。1号イの但書は、あなたの意思とも会社の届出とも無関係に作動する
- 退職後にねんきん定期便を取り寄せたら、3年前の勤務先の記録が空白だった。保険料の徴収権の時効は2年(法92条1項)。今から動いて取り戻せるのは直近2年分が原則で、迷っているうちに毎月1か月分ずつ静かに消えていく
- 友人が「自分は学生だから社会保険は関係ない」と言っている。だが5号ハの学生から夜間部・通信制・定時制・休学中は外れる。友人が昼間部でなければ、週20時間以上・月額8.8万円以上で働いた時点で加入対象であり、外されているなら会社側の判定ミスである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 雇用契約書と直近3か月の給与明細を並べ、週の所定労働時間、月の所定労働日数、通勤手当と残業代を除いた所定内賃金を書き出す2. 職場の厚生年金被保険者総数を確認、51人以上かが5号の分水嶺(最新の改正状況をご確認ください) 3. 4分の3以上なら他の要件を問わず強制加入なので、法9条・13条を示して届出(法27条)を求める4. 応じないなら年金事務所へ資格の確認請求(法31条)。徴収権の時効は2年なので、迷っている時間がそのまま遡及額を削る
訴えられた側:1. 全パートの契約書を4分の3基準で棚卸し、契約と実態の乖離を確認する。年金事務所の調査は契約書ではなく出勤簿とタイムカードを見る2. 2月以内の契約の反復更新は、当初から更新が見込まれると判断されれば初日から加入扱いになりうる3. 未届が判明したら自主的に遡及届出、最大2年分の保険料を試算する。退職済み従業員の自己負担分は事実上回収不能で会社が全額被る前提で見積もる4. 隠して調査で出るより自主申告の方が、追徴と信用毀損の総額は小さい
時効(請求できる期限):保険料の徴収権および還付請求権の消滅時効は2年(厚生年金保険法92条1項、起算点は各月の保険料の納期限の翌日)。資格の遡及訂正も原則2年が限度。ただし事業主が給与から保険料相当額を控除していた記録がある場合は、厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律により2年を超える期間の記録訂正が認められることがある
学説
通説:12条の適用除外は事務処理上の便宜に基づく政策的例外であり、要件は限定的に解釈すべきとされる。とりわけ5号の4分の3基準は契約上の所定労働時間を出発点としつつ、契約と実態が常態的に乖離する場合には実態に基づいて判定するのが行政実務の扱いである
有力説:適用除外の存在自体が低年金・無年金を構造的に生むため、企業規模要件や賃金要件は段階的に撤廃すべきとする見解。平成24年以降の改正はおおむねこの方向で推移している
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)年金機能強化法、平成28年(2016年)10月施行 5号(短時間労働者に係る適用除外)を新設。昭和55年内かんによる行政指導基準にすぎなかった4分の3基準を初めて法律に明記し、あわせて週20時間以上・月額8.8万円以上・学生でないこと等を満たす短時間労働者を被保険者に取り込んだ
- 令和2年(2020年)年金制度改正法 5号の企業規模要件を段階的に引き下げ(2022年10月に101人以上、2024年10月に51人以上)、勤務期間要件(1年以上の使用見込み)を撤廃。1号ロについても、2月以内の契約で当初から更新等が見込まれる場合は初日から被保険者とする扱いに改めた
- 令和7年(2025年)年金制度改正法 短時間労働者への適用拡大をさらに進め、企業規模要件の段階的撤廃および賃金要件の見直しが決定された。施行時期は段階的であり、判定基準は年度ごとに動く(最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:厚生年金保険法の全部改正により現行法が成立し、臨時に使用される者・所在地が一定しない事業所・季節的業務・臨時的事業という適用除外の基本構造が置かれた
- 2.平成24年(2012年) 改正:年金機能強化法により5号(短時間労働者に係る適用除外)を新設(平成28年10月施行)。昭和55年内かんの行政指導基準にすぎなかった4分の3基準を初めて法律に明記した
- 3.令和2年(2020年) 改正:年金制度改正法により5号の企業規模要件を段階的に引き下げ(2022年10月に101人以上、2024年10月に51人以上)、勤務期間要件を撤廃。1号ロについても当初から期間を超える使用が見込まれる場合は初日から被保険者とする扱いに改めた
- 4.令和7年(2025年) 改正:短時間労働者への適用拡大をさらに進め、企業規模要件の段階的撤廃および賃金要件の見直しが決定された。施行時期は段階的であり判定基準は年度ごとに動く(最新の改正状況をご確認ください)
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