厚生年金保険法 第18条の2(異なる被保険者の種別に係る資格の得喪)
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- 第二号厚生年金被保険者、第三号厚生年金被保険者又は第四号厚生年金被保険者は、第十三条の規定にかかわらず、同時に、第一号厚生年金被保険者の資格を取得しない。
- 2.第一号厚生年金被保険者が同時に第二号厚生年金被保険者、第三号厚生年金被保険者又は第四号厚生年金被保険者の資格を有するに至つたときは、その日に、当該第一号厚生年金被保険者の資格を喪失する。
この条文の基本情報
異なる被保険者の種別に係る資格の得喪とは何ですか?
定義異なる被保険者の種別に係る資格の得喪とは、厚生年金保険法第18条の2に定められた規定で、「第二号厚生年金被保険者、第三号厚生年金被保険者又は第四号厚生年金被保険者は、第十三条の規定にかかわらず、同時に、第一号厚生年金被保険者の資格を取得しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第18条の2(異なる被保険者の種別に係る資格の得喪)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第18条の2の条文原文は「第二号厚生年金被保険者、第三号厚生年金被保険者又は第四号厚生年金被保険者は、第十三条の規定にかかわらず、同時に、第一号厚生年金被保険者の資格を取得しない。」で始まります。
- 厚生年金保険法第18条の2は第一節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第18条の2の前の条は厚生年金保険法第18条です。
- 厚生年金保険法第18条の2の次の条は厚生年金保険法第19条です。
- 厚生年金保険法第18条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第18条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第18条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/18_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法18条の2は種別重複を禁じ、公務員共済・私学共済の加入者は同時に第一号厚生年金被保険者になれない。第一号だった人が共済の資格を得た日に、第一号の資格を喪失する。
Q · 公務員や私立学校の教職員が、副業先の会社で厚生年金に入ることはできますか?
できません。共済の加入者は第一号の資格を取得しません
厚生年金保険法18条の2第1項により、第二号(国家公務員共済)・第三号(地方公務員共済)・第四号(私学共済)厚生年金被保険者は、同時に第一号厚生年金被保険者の資格を取得しません。会社が資格取得届を提出しても、事実に反するものとして是正されます。逆に第一号だった人が公務員等の資格を得たときは、退職していなくてもその日に第一号の資格を喪失します(同条2項)。結果として、兼業先の報酬は標準報酬月額の対象外となり、将来の年金額にも反映されません。
解説
市役所に勤めながら、週末だけ知人の会社で役員報酬を受け取る。この働き方をしている人は、その会社で厚生年金に加入できない。2015年10月の被用者年金一元化により、共済年金は厚生年金へ統合され、加入者は第一号(民間の被用者、実施機関は日本年金機構)、第二号(国家公務員共済)、第三号(地方公務員共済)、第四号(私学共済)の四種別に整理された。本条が定めるのは、その四本の配線が決して交わらないという一点である。第二号から第四号の者は、同時に第一号の資格を取得しない。逆に第一号だった者が公務員や私立学校教職員の資格を得たときは、会社を退職していなくても、その日に第一号を喪失する。給与が二本続いていても、厚生年金の側では一本に絞られる。手取りにも将来の年金額にも直結する切り替えなのに、給与明細の社会保険欄を眺めているだけでは、この分岐は見えない。
法的な位置づけ
厚生年金保険法18条の2は、厚生年金被保険者の種別重複を禁止する規定である。第二号から第四号厚生年金被保険者は、13条の資格取得原則にかかわらず同時に第一号の資格を取得せず、第一号が第二号から第四号の資格を取得した場合は、その日に第一号の資格を喪失する。保険料の徴収と記録管理を単一の実施機関に集約する機能を担う。
手順
- 1.自分の種別と実施機関を特定する 共済組合員証・加入者証の交付元を確認し、第二号(国家公務員共済)、第三号(地方公務員共済)、第四号(私学共済)のいずれかを特定する。この一枚が本条の適用関係を決める起点になる
- 2.兼業先の人事へ書面で種別を通知し、届出を止める 兼業先の人事担当へ加入者証の写しを添えて現在の種別を伝え、資格取得届を提出しないよう先に止める。提出後の取消は保険料の還付手続と記録訂正を伴うため、事前の一往復が最も安価
- 3.既に控除されていれば控除開始月を確定し是正を申し出る 給与明細で厚生年金保険料の控除開始月を特定し、兼業先を通じて年金事務所へ資格取得の取消と保険料の是正を申し出る。還付を受ける権利は納付日から2年で時効消滅するため、月単位で回収可能額が減る
- 4.兼業報酬が年金に反映されない前提で報酬設計を組み直す 兼業先の報酬は標準報酬月額の対象外となり、将来の年金額に反映されない。労使双方の保険料負担が発生しない前提で報酬総額を再設計し、欠落する給付分を別の制度で補うかを検討する(加入可否は種別ごとに異なるため要確認)
よくある質問 AI による整理
Q1厚生年金の種別とは何ですか?
2015年10月の被用者年金一元化で整理された第一号(民間被用者)、第二号(国家公務員共済)、第三号(地方公務員共済)、第四号(私学共済)の四区分です。実施機関がそれぞれ異なります。
Q2厚生年金 種別重複 いつから禁止されたのですか?
平成24年法律第63号による被用者年金一元化に伴い新設され、2015年10月1日に施行されました。それ以前は共済年金と厚生年金が別制度でした。
Q3公務員の副業で社会保険に加入させられるのは違法ですか?
厚生年金については本条により第一号の資格が発生せず、届出は事実に反するものとして是正されます。健康保険の適用関係は健康保険法が別に定めるため、同一視できません。
Q4誤って納めた厚生年金保険料は返してもらえますか?
還付を受ける権利は2年で時効消滅します(厚生年金保険法92条1項)。起算点は納付日であり発覚日ではないため、遡って全額戻るとは限りません。
Q5資格取得届はいつまでに出す必要がありますか?
資格の得喪に関する届出は、原則として事実発生日から5日以内です(厚生年金保険法施行規則)。種別変更の場合も同様に速やかな処理が必要です。
Q6自分がどの種別か調べる方法は?
共済組合員証・加入者証の交付元がそのまま実施機関です。国家公務員共済組合なら第二号、地方公務員共済組合なら第三号、日本私立学校振興・共済事業団なら第四号にあたります。
Q7在籍出向で公務員になったら会社の厚生年金はどうなりますか?
会社に在籍したままでも、公務員共済の資格を得た日に第一号の資格を喪失します(本条2項)。退職日基準で処理すると控除停止が遅れ、返還処理が発生します。
Q8複数の会社で働く場合も種別重複になりますか?
同じ第一号どうしの複数事業所勤務は重複ではなく、報酬を合算して保険料を計算する二以上事業所勤務の仕組みが適用されます。本条が禁じるのは種別をまたぐ重複です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公務員なんですが、副業で入った会社から「社会保険に加入させます」と言われました。従っていいんですか?
共済組合の組合員(第二号または第三号厚生年金被保険者)である以上、本条1項により第一号の資格は取得しません。会社が届出をしても事実に反するものとして是正されます。健康保険の適用関係は健康保険法が別に定めるため、厚生年金の結論をそのまま流用しないこと。実務のポイント:会社の担当者は悪意ではなく、単に一元化後の四種別を知らないだけの場合がほとんどである。加入者証の写しを最初に見せると、この話は5分で終わる
Q2月の途中で公務員になったら、その月の厚生年金保険料はどっちに払うんですか?
本条2項により、新しい種別の資格を得たその日に第一号を喪失します。被保険者期間の計算は厚生年金保険法19条によるため、原則としてその月は変更後の種別の月として扱われ、保険料も変更後の実施機関へ納めることになります。実務のポイント:給与計算側は「退職日の翌日喪失」という通常ルール(同法14条)で動いているため、退職を伴わない種別変更では控除停止が一か月ずれる事故が起きやすい。切替日を給与担当に文書で伝えておく
Q3兼業先の報酬が年金に反映されないなら、その分は結局どこにも積み上がらないんですか?
厚生年金の記録には積み上がりません。本条により第一号の資格が生じない以上、その報酬は標準報酬月額の対象外です。年金額に乗るのは、加入している種別の側で受ける給与のみです。実務のポイント:兼業を認める側の組織が「本業の報酬を抑えて兼業側で上乗せする」設計を提案してくることがあるが、それは将来の年金原資を削る配分である。総額が同じでも、どちら側に寄せるかで生涯受給額は変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「二か所で働けば、二か所とも厚生年金に加入して年金が増える」と考える人は多い。同じ第一号どうしの複数事業所勤務なら報酬を合算して保険料を計算する仕組みがあるが、種別をまたぐ場合は話が別で、本条により第一号の資格自体が発生しない。合算されるどころか、その報酬は年金の計算基礎に一切入らない
- 種別重複の禁止を「事務処理上の整理にすぎない」と受け止めている人が少なくないが、深刻さの中身は保険料と給付の両方にある。兼業先の報酬に保険料がかからないのは目先の得だが、その分は生涯にわたって受け取る年金額から永久に欠落する。得と損が別々の時点に現れるため、損の側は実感されにくい
- 「加入させるかどうかは会社と本人の話し合いで決められる」という前提そのものが誤っている。被保険者資格は当事者の意思ではなく法律上の要件で自動的に決まり、事業主の届出は事実を報告する行為にすぎない。合意で加入させても、その届出は事実に反するものとして是正される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 18条の2:種別重複の禁止(第一号と第二号〜第四号の同時保有を排除) | 13条:資格取得の時期(適用事業所に使用された日に取得) 14条:資格喪失の時期(退職日の翌日等に喪失) |
| 適用の場面 | 共済加入者が民間で働く場合、または第一号が公務員等になった場合 | 民間の適用事業所に新たに使用されたすべての場合 退職・死亡・適用除外に該当した場合 |
| 喪失日の起算 | 第二号〜第四号の資格を有するに至った当日(退職を要しない) | — 退職日の翌日(原則) |
| 実務上の帰結 | 兼業先の報酬は標準報酬月額の対象外、年金額に反映されない | 資格取得届の提出義務が生じる 資格喪失届と保険料控除停止の処理が必要 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は公教人員保険と労工保険が制度として分立し、公教人員保険の被保険者は同一期間に他の社会保険へ重複加保することが認められない。日本の一元化と異なり、統合ではなく分立のまま重複を排除する構造
韓国は公務員年金・私立学校教職員年金の適用者を国民年金の加入対象から除外する方式を採る。日本のように単一の厚生年金へ統合したうえで種別を分けるのではなく、制度そのものを別建てにしている
中国も企業職工と機関事業単位の養老保険が分立していたが、2014年の並軌改革で制度設計を接近させた。重複加入は認められず、就業形態により帰属先が決まる点は共通
ドイツは官吏(Beamte)に固有の Beamtenversorgung があるため、法定年金保険(gesetzliche Rentenversicherung)については versicherungsfrei とされる。重複禁止ではなく適用除外という立法技術を用いる
フランスは公務員を SRE や CNRACL といった régimes spéciaux が担い、régime général とは別建て。近年の年金改革で制度統合が議論されてきたが、職域別分立の枠組みは維持されている
米国では CSRS が適用される連邦公務員は Social Security の適用対象外とされてきた。1987年以降採用の FERS 適用者は Social Security に加入するため、採用年次で帰属が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県庁職員として働きながら、地元 NPO の理事に就き月15万円の報酬を受ける。NPO 側の事務局長は「常勤扱いだから社会保険に入れます」と言う。だが本人が地方公務員共済の組合員(第三号厚生年金被保険者)である限り、第一号の資格は取得できない。加入手続を進めれば、後で取消と保険料の返還処理が発生し、両者の信頼関係にひびが入る
- もし、民間企業に在籍したまま自治体の常勤職に就いたら、元の会社の厚生年金はどうなるのか。答えは「その日に喪失」。退職日でも月末でもなく、新しい資格を得たその日である。会社の給与計算担当が月末まで従来どおり保険料を控除し続けると、返還すべき控除額が積み上がる
- 私立大学の准教授(私学共済=第四号)が、研究成果を事業化したスタートアップの取締役を兼務する。会社側は役員報酬60万円で社会保険に加入させるつもりでいた。厚生年金は加入不可。この報酬は将来の年金額に一円も反映されない
- 人事担当のあなたのもとに、入社予定者から「今も公務員共済に入っています」と申告があった。資格取得届を出すべきか、出さざるべきか。判断を誤ったまま提出すれば、あなたの手続ミスとして記録に残る
- 年金事務所から、3年前の資格取得を取り消す旨の通知が届いた。過大に納めた保険料のうち、返還を受けられるのは2年分まで。残りは会社と本人が分け合って被る。あと数か月動くのが遅ければ、返還枠はさらに削られていた
取るべき行動
被害を受けた側:兼業する被保険者本人の立場なら、1. 自分の種別を特定する。共済組合員証・加入者証の交付元がそのまま実施機関である2. 兼業先の人事に種別を書面で伝え、資格取得届を提出しないよう先に止める3. すでに保険料が控除されていれば、控除開始月を明細で確定し、兼業先経由で年金事務所へ是正を申し出る。還付は2年で時効4. 兼業先の報酬が年金に反映されない前提で、その分をどう補うか(企業型・個人型の年金制度など、加入可否は種別ごとに異なるため要確認)を別途組み立てる
訴えられた側:届出義務を負う事業主の立場なら、1. 雇入れ時に他制度への加入有無を確認する運用を先に作る2. 誤って資格取得届を出した場合は、放置せず自ら訂正届を提出する。行政の調査で発覚するのと自主的な訂正とでは、その後の指導の重さが違う3. 本人負担分として控除した保険料は会社の収入ではない。返還先と金額を明細ベースで再計算し、退職者にも連絡先を追う4. 在籍出向で公務員等の資格を得た社員がいる場合、その日で厚生年金の控除を止める処理が抜けていないか給与マスタを点検する
時効(請求できる期限):資格の得喪に関する届出は、原則として事実が発生した日から5日以内(厚生年金保険法施行規則)。誤納・過納となった保険料の還付を受ける権利、および保険料を徴収する権利は2年で時効消滅する(厚生年金保険法92条1項)。起算点は納付日であり、発覚日ではない。保険給付を受ける権利の時効は別枠で5年(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)公布、平成27年(2015年10月1日)施行 被用者年金制度の一元化(公的年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律、平成24年法律第63号)により新設。共済年金を厚生年金へ統合し、被保険者を第一号から第四号の四種別に整理したうえで、種別間の資格重複を禁止する調整規定として置かれた
改正の年表
- 1.平成24年(2012年)公布・平成27年(2015年10月1日)施行 新設:公的年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号)により新設。共済年金を厚生年金へ統合し、被保険者を第一号から第四号の四種別に整理したうえで、種別間の資格重複を禁止する調整規定として置かれた
- 厚生年金保険法 第2条の5第一号から第四号の種別と実施機関の定義
- 厚生年金保険法 第13条資格取得の時期、本条1項が明示的に排除する原則
- 厚生年金保険法 第14条資格喪失の時期、本条2項が特則を置く原則
- 厚生年金保険法 第18条資格の得喪は実施機関の確認により効力を生ずる
- 厚生年金保険法 第19条被保険者期間の計算、種別変更月の帰属処理
- 国家公務員共済組合法 第2条第二号厚生年金被保険者となる組合員の範囲を画定
- 地方公務員等の共済組合に関する法律 第2条第三号厚生年金被保険者となる組合員の範囲を画定(通称 地方公務員等共済組合法)
- 私立学校教職員共済法 第14条第四号厚生年金被保険者となる加入者資格(現行効力を要確認)
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