要点厚生年金保険法 18 条の 2 は種別重複を禁じ、公務員共済・私学共済の加入者は同時に第一号厚生年金被保険者になれない。第一号だった人が共済の資格を得た日に、第一号の資格を喪失する。
Q · 公務員や私立学校の教職員が、副業先の会社で厚生年金に入ることはできますか?
できません。共済の加入者は第一号の資格を取得しません
厚生年金保険法 18 条の 2 第 1 項により、第二号(国家公務員共済)・第三号(地方公務員共済)・第四号(私学共済)厚生年金被保険者は、同時に第一号厚生年金被保険者の資格を取得しません。会社が資格取得届を提出しても、事実に反するものとして是正されます。逆に第一号だった人が公務員等の資格を得たときは、退職していなくてもその日に第一号の資格を喪失します(同条 2 項)。結果として、兼業先の報酬は標準報酬月額の対象外となり、将来の年金額にも反映されません。
市役所に勤めながら、週末だけ知人の会社で役員報酬を受け取る。この働き方をしている人は、その会社で厚生年金に加入できない。2015年10月の被用者年金一元化により、共済年金は厚生年金へ統合され、加入者は第一号(民間の被用者、実施機関は日本年金機構)、第二号(国家公務員共済)、第三号(地方公務員共済)、第四号(私学共済)の四種別に整理された。本条が定めるのは、その四本の配線が決して交わらないという一点である。第二号から第四号の者は、同時に第一号の資格を取得しない。逆に第一号だった者が公務員や私立学校教職員の資格を得たときは、会社を退職していなくても、その日に第一号を喪失する。給与が二本続いていても、厚生年金の側では一本に絞られる。手取りにも将来の年金額にも直結する切り替えなのに、給与明細の社会保険欄を眺めているだけでは、この分岐は見えない。
厚生年金保険法 18 条の 2 は、厚生年金被保険者の種別重複を禁止する規定である。第二号から第四号厚生年金被保険者は、13 条の資格取得原則にかかわらず同時に第一号の資格を取得せず、第一号が第二号から第四号の資格を取得した場合は、その日に第一号の資格を喪失する。保険料の徴収と記録管理を単一の実施機関に集約する機能を担う。
2015 年 10 月の被用者年金一元化で整理された第一号(民間被用者)、第二号(国家公務員共済)、第三号(地方公務員共済)、第四号(私学共済)の四区分です。実施機関がそれぞれ異なります。
平成 24 年法律第 63 号による被用者年金一元化に伴い新設され、2015 年 10 月 1 日に施行されました。それ以前は共済年金と厚生年金が別制度でした。
厚生年金については本条により第一号の資格が発生せず、届出は事実に反するものとして是正されます。健康保険の適用関係は健康保険法が別に定めるため、同一視できません。
還付を受ける権利は 2 年で時効消滅します(厚生年金保険法 92 条 1 項)。起算点は納付日であり発覚日ではないため、遡って全額戻るとは限りません。
資格の得喪に関する届出は、原則として事実発生日から 5 日以内です(厚生年金保険法施行規則)。種別変更の場合も同様に速やかな処理が必要です。
共済組合員証・加入者証の交付元がそのまま実施機関です。国家公務員共済組合なら第二号、地方公務員共済組合なら第三号、日本私立学校振興・共済事業団なら第四号にあたります。
会社に在籍したままでも、公務員共済の資格を得た日に第一号の資格を喪失します(本条 2 項)。退職日基準で処理すると控除停止が遅れ、返還処理が発生します。
同じ第一号どうしの複数事業所勤務は重複ではなく、報酬を合算して保険料を計算する二以上事業所勤務の仕組みが適用されます。本条が禁じるのは種別をまたぐ重複です。
共済組合の組合員(第二号または第三号厚生年金被保険者)である以上、本条 1 項により第一号の資格は取得しません。会社が届出をしても事実に反するものとして是正されます。健康保険の適用関係は健康保険法が別に定めるため、厚生年金の結論をそのまま流用しないこと。業界裏話ヒント:会社の担当者は悪意ではなく、単に一元化後の四種別を知らないだけの場合がほとんどである。加入者証の写しを最初に見せると、この話は 5 分で終わる
本条 2 項により、新しい種別の資格を得たその日に第一号を喪失します。被保険者期間の計算は厚生年金保険法 19 条によるため、原則としてその月は変更後の種別の月として扱われ、保険料も変更後の実施機関へ納めることになります。業界裏話ヒント:給与計算側は「退職日の翌日喪失」という通常ルール(同法 14 条)で動いているため、退職を伴わない種別変更では控除停止が一か月ずれる事故が起きやすい。切替日を給与担当に文書で伝えておく
厚生年金の記録には積み上がりません。本条により第一号の資格が生じない以上、その報酬は標準報酬月額の対象外です。年金額に乗るのは、加入している種別の側で受ける給与のみです。業界裏話ヒント:兼業を認める側の組織が「本業の報酬を抑えて兼業側で上乗せする」設計を提案してくることがあるが、それは将来の年金原資を削る配分である。総額が同じでも、どちら側に寄せるかで生涯受給額は変わる
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|---|---|---|
| 規律の内容 | 18 条の 2:種別重複の禁止(第一号と第二号〜第四号の同時保有を排除) | — |
| 適用の場面 | 共済加入者が民間で働く場合、または第一号が公務員等になった場合 | — |
| 喪失日の起算 | 第二号〜第四号の資格を有するに至った当日(退職を要しない) | — |
| 実務上の帰結 | 兼業先の報酬は標準報酬月額の対象外、年金額に反映されない | — |
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