厚生年金保険法 第78条の2(離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例)
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- 第一号改定者(被保険者又は被保険者であつた者であつて、第七十八条の六第一項第一号及び第二項第一号の規定により標準報酬が改定されるものをいう。以下同じ。)又は第二号改定者(第一号改定者の配偶者であつた者であつて、同条第一項第二号及び第二項第二号の規定により標準報酬が改定され、又は決定されるものをいう。以下同じ。)は、離婚等(離婚(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者について、当該事情が解消した場合を除く。)、婚姻の取消しその他厚生労働省令で定める事由をいう。以下この章において同じ。)をした場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、実施機関に対し、当該離婚等について対象期間(婚姻期間その他の厚生労働省令で定める期間をいう。以下同じ。)に係る被保険者期間の標準報酬(第一号改定者及び第二号改定者(以下これらの者を「当事者」という。)の標準報酬をいう。以下この章において同じ。)の改定又は決定を請求することができる。ただし、当該離婚等をしたときから五年を経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当するときは、この限りでない。
- 一当事者が標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合(当該改定又は決定後の当事者の次条第一項に規定する対象期間標準報酬総額の合計額に対する第二号改定者の対象期間標準報酬総額の割合をいう。以下同じ。)について合意しているとき。
- 二次項の規定により家庭裁判所が請求すべき按分割合を定めたとき。
- 2.前項の規定による標準報酬の改定又は決定の請求(以下「標準報酬改定請求」という。)について、同項第一号の当事者の合意のための協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者の一方の申立てにより、家庭裁判所は、当該対象期間における保険料納付に対する当事者の寄与の程度その他一切の事情を考慮して、請求すべき按分割合を定めることができる。
- 3.標準報酬改定請求は、当事者が標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合について合意している旨が記載された公正証書の謄本の添付その他の厚生労働省令で定める方法によりしなければならない。
この条文の基本情報
離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例とは何ですか?
定義離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例とは、厚生年金保険法第78条の2に定められた規定で、「第一号改定者(被保険者又は被保険者であつた者であつて、第七十八条の六第一項第一号及び第二項第一号の規定により標準報酬が改定されるものをいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第78条の2(離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第78条の2の条文原文は「第一号改定者(被保険者又は被保険者であつた者であつて、第七十八条の六第一項第一号及び第二項第一号の規定により標準報酬が改定されるものをいう。」で始まります。
- 厚生年金保険法第78条の2は第三章の二に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第78条の2の前の条は厚生年金保険法第78条です。
- 厚生年金保険法第78条の2の次の条は厚生年金保険法第78条の3です。
- 厚生年金保険法第78条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/78_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法78条の2は、離婚等をした当事者が婚姻期間中の厚生年金の標準報酬の改定を請求できる合意分割を定める。按分割合の合意か家庭裁判所の決定が必要で、離婚等から5年で請求できなくなる。
Q · 離婚したら相手の厚生年金を分けてもらえるって本当?いつまでに手続すればいいの?
婚姻期間中の厚生年金記録を分割でき、期限は離婚等から5年
厚生年金保険法78条の2により、離婚等をした当事者は、婚姻期間中の標準報酬の改定・決定(合意分割)を実施機関に請求できます。請求には、按分割合についての当事者の合意(1項1号)か、家庭裁判所が定めた按分割合(同項2号・2項)が必要です。相手が同意しなくても、一方の申立てで家庭裁判所が按分割合を定められます。ただし離婚等をしたときから5年を経過すると請求できません。合意は公正証書の謄本の添付その他厚生労働省令で定める方法によることが必要です(3項)。
解説
離婚のとき、夫婦で分けるものは預金と家と車だけだと思っていないだろうか。厚生年金保険法78条の2は、婚姻期間中に積み上がった厚生年金の記録そのものを、二人で分け直す権利をあなたに与えている。分けるのは「今もらっている年金額」ではなく「標準報酬」、つまり将来の年金額を計算する土台の記録だ。専業主婦(主夫)として夫(妻)を支えた期間、あなた自身の記録はほぼ空欄のまま積み上がっていない。合意分割はその空欄に、相手の記録の一部を移す手続である。上限は2分の1、これは法律上動かせない天井だ。そして本条には冷酷な期限がある。離婚等をしたときから5年。この5年を1日でも過ぎたら、どれだけ正当な言い分があっても請求権は消える。相手が拒んでも家庭裁判所が按分割合を決められる(2項)ので、「相手が同意しないから無理」という理由で諦める必要はない。諦める理由になるのは、期限切れだけだ。
法的な位置づけ
厚生年金保険法78条の2が定める離婚時の合意分割とは、離婚等をした第一号改定者と第二号改定者が、対象期間に係る被保険者期間の標準報酬について改定または決定を実施機関に請求する制度である。請求には按分割合の合意または家庭裁判所の決定を要し、離婚等から5年の期間制限が置かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.年金分割のための情報通知書を請求する 年金事務所または各共済の実施機関に「年金分割のための情報通知書」を請求する。婚姻期間中の双方の標準報酬総額と、請求できる按分割合の範囲が数字で判明する。交渉に入る前にこの数字を握っておくことで、感覚の議論を数字の議論に変えられる
- 2.按分割合について相手と協議する 情報通知書の数字を前提に、按分割合について相手と協議する。上限は2分の1と法定されているため、他の条件と引き換えに大きく譲る合理性は乏しい。実務では2分の1とされる例が多い
- 3.合意を法定の方式で書面化する 合意できたら、標準報酬の改定・決定を請求すること及び按分割合について合意した旨を、公正証書の謄本の添付その他厚生労働省令で定める方法により書面化する(3項)。私署証書に公証人の認証を受ける方法もある。方式を外すと請求自体が受理されない
- 4.協議が調わなければ家庭裁判所へ申し立てる 協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、当事者の一方の申立てにより家庭裁判所に按分割合を定める審判または調停を申し立てる(2項)。相手が強硬なほど、早期に裁判所の手続に乗せた方が5年の期限に間に合いやすい
- 5.実施機関に標準報酬改定請求を行う 合意書面または審判書が整ったら、実施機関に標準報酬改定請求を行う。この最後の請求まで到達して初めて記録が改定される。合意や審判だけでは年金額は1円も変わらない。離婚等から5年以内にここまで到達する必要がある
よくある質問 AI による整理
Q1離婚時の年金分割とは何ですか?
婚姻期間中に積み上がった厚生年金の標準報酬記録を当事者間で分け直す制度です。厚生年金保険法78条の2が根拠で、分けるのは受給額そのものではなく将来の年金額を計算する土台の記録です。
Q2年金分割の請求はいつまでにすればいいですか?
離婚等をしたときから5年です(78条の2第1項ただし書)。この期間内に実施機関への標準報酬改定請求まで到達する必要があります。期限の細目は厚生労働省令に定めがあるため年金事務所に確認してください。
Q3相手が同意しなくても年金分割はできますか?
できます。協議が調わないとき、または協議できないときは、当事者の一方の申立てにより家庭裁判所が按分割合を定められます(78条の2第2項)。相手の同意は請求の絶対条件ではありません。
Q4年金分割の按分割合はどう決まりますか?
当事者の合意によるのが原則で、合意できなければ家庭裁判所が保険料納付に対する寄与の程度その他一切の事情を考慮して定めます。上限は2分の1です(78条の3)。
Q5事実婚の解消でも年金分割できますか?
合意分割はできません。78条の2第1項の括弧書きが、事実上婚姻関係と同様の事情が解消した場合を「離婚等」から除いています。第3号被保険者期間については3号分割(78条の13以下)が別途あります。
Q6年金分割の合意は口約束でも有効ですか?
無効です。3項により、合意した旨が記載された公正証書の謄本の添付その他厚生労働省令で定める方法によらなければ標準報酬改定請求はできません。口頭の約束だけでは記録は動きません。
Q7国民年金(老齢基礎年金)も分割の対象ですか?
対象外です。本条が分割するのは厚生年金の標準報酬記録に限られます。老齢基礎年金部分や婚姻期間外の記録は分割されないため、想定より増額幅が小さくなることがあります。
Q8年金分割のための情報通知書はどこでもらえますか?
年金事務所(共済の場合は各実施機関)に請求します。婚姻期間中の双方の標準報酬総額と按分割合の範囲が数字で示されるため、交渉や審判申立ての前提資料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1夫の年金の半分がもらえるって聞いたんですが、本当ですか?
正確には違う。分けるのは婚姻期間中の厚生年金の標準報酬記録であり、按分割合の上限が2分の1である(78条の2、78条の3)。老齢基礎年金は対象外、婚姻期間外も対象外。実務のポイント:先に年金事務所で情報通知書を取れば、分割した場合の増額幅がおおよそ見える。想像より小さいと分かれば、交渉のエネルギーを財産分与側へ配分し直せる
Q2元夫が絶対に判子を押さないと言っています。もう無理ですか?
無理ではない。2項により、協議が調わないときまたは協議できないときは、当事者の一方の申立てで家庭裁判所が按分割合を定められる。相手の同意は必須要件ではない。実務のポイント:この2項の存在を知らないまま「相手が応じないから」と諦めて5年を過ごす人が実際にいる。相手が強硬なほど、早く家庭裁判所の手続に乗せた方が結果的に速い
Q3離婚してもう4年半経ちました。今からでも間に合いますか?
1項ただし書の5年を過ぎていなければ手続の余地はある。ただし合意書面の作成や家庭裁判所の審判には時間がかかるため、残り期間で実施機関への請求まで到達できるかが問題になる。実務のポイント:協議での合意を待っている時間が最も危険。期限が近いなら合意交渉と並行して家庭裁判所への申立てを検討し、年金事務所に残り期間の扱いを直接確認する(最新の改正状況をご確認ください)
Q4事実婚を解消した場合も分割できますか?
合意分割はできない。1項の括弧書きが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者についてその事情が解消した場合を「離婚等」から明示的に除いている。実務のポイント:ただし事実婚期間に相手の被扶養配偶者として第3号被保険者だった期間があれば、3号分割(78条の13以下)という別ルートが残る。合意分割で門前払いされても、そこで終わりと決めつけない
間違えやすい点 AI による整理
- 「年金分割は相手の同意がないとできない」という理解は、1項1号だけを読んだ結果の誤解である。2号と2項をあわせて読めば、協議が調わないときは家庭裁判所が按分割合を定められる。相手の拒否は手続を遅らせる要因ではあっても、権利を消滅させる要因ではない
- 「年金の半分をもらえる」という言い方は、問いの立て方そのものがずれている。分割の対象は婚姻期間中の厚生年金の標準報酬記録であって、相手が受け取る年金額全体ではない。国民年金(老齢基礎年金)部分は対象外、婚姻期間外も対象外。上限2分の1という数字だけが独り歩きし、実際の増額幅が想像より小さくて落胆する人は多い
- 5年の期限を「知ってはいる」人でも、その深刻度を理解していないことが多い。この5年は、時効の完成猶予や更新で伸ばせる一般の債権とは性質が違う。離婚時に感情的に消耗し、生活再建に追われ、気付いたら5年が過ぎていた。そのとき失われるのは一度の請求ではなく、その後20年から30年にわたって毎月受け取れたはずの差額の総額である
- 「離婚届を出す前に決めておかないと手遅れ」と焦る人がいるが、順序は逆でもよい。離婚成立後に請求することも、離婚後に家庭裁判所へ按分割合の審判を申し立てることもできる。焦って不利な按分割合に合意するより、離婚後に情報通知書の数字を見てから動く方が冷静な判断ができる場合がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる期間・被保険者 | 78条の2(合意分割):対象期間(婚姻期間その他省令で定める期間)に係る被保険者期間の標準報酬 | 78条の13以下(3号分割):第3号被保険者であった期間に係る標準報酬 78条の3:対象期間標準報酬総額と按分割合の上限2分の1の算定枠組み |
| 相手の同意の要否 | 合意が原則。調わなければ家庭裁判所が按分割合を定める(2項) | 相手の同意不要(第3号被保険者からの請求で2分の1に分割) 同意の問題ではなく、割合の上限を画する規定 |
| 事実婚の解消への適用 | 適用外。1項括弧書きが事実婚関係の解消を「離婚等」から除く | 第3号被保険者期間があれば適用の余地がある別ルート — |
| 請求の方式・期限 | 離婚等から5年(1項ただし書)/公正証書の謄本の添付その他省令の方法(3項) | 同章の枠組みで別途省令が定める請求手続 本条の請求を受けた改定・決定の効果は78条の6 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾には離婚時の年金分割制度そのものが存在せず、労工保険の老齢給付や退職金は婚後財産の清算枠組みで評価される。記録を分割する日本型とは技術的構成が根本的に異なる
韓国は婚姻期間5年以上等の要件を満たす離婚配偶者に分割年金の受給権を認める構成。記録を改定する日本型と異なり、受給権そのものを分割する設計とされる
ドイツは離婚時に婚姻期間中に取得した年金期待権を原則として職権で半分ずつ調整する(Versorgungsausgleich)。当事者の請求を要する日本と異なり、離婚手続内で裁判所が職権的に処理する点が最大の相違
フランスは年金権の分割制度を持たず、離婚後の生活水準の格差を補償給付(prestation compensatoire)で調整する。年金の見込額は補償給付額の算定要素として考慮される
米国は州の離婚裁判所が発する QDRO により私的年金プランの給付を分割する。社会保障(Social Security)については婚姻10年以上の元配偶者に独自の受給資格が認められる別枠の仕組みがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 結婚20年、あなたはパート勤務で夫は会社員。離婚時に「財産分与は預金の半分でいい」と言われて署名した。だが年金記録の分割はまったく別枠の手続で、財産分与の話し合いに含まれていない。年金事務所に「年金分割のための情報通知書」を請求すると、婚姻期間中の標準報酬総額の差が数字で出てくる。その数字を見てから、分割を請求するかどうかを決められる
- 相手が「年金分割だけは絶対に応じない」と突っぱねている。ここで諦める人が多いが、2項がある。協議が調わなければ、当事者の一方の申立てで家庭裁判所が按分割合を定める。相手の同意は請求の前提条件ではない
- 離婚から4年10か月。あと2か月で5年の期限が来る。合意も裁判所の決定もまだない。この段階で必要なのは、期限内に家庭裁判所へ審判の申立てをすること。ただし期限の起算点と例外の扱いは厚生労働省令に細かく定められているため、年金事務所と弁護士に同時に確認する
- 事実婚を解消した場合はどうなる? 1項の括弧書きは、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者について、その事情が解消した場合を「離婚等」から除いている。つまり合意分割の対象外だ。事実婚に対応するのは第3号被保険者期間の3号分割(78条の13以下)であり、制度が別建てになっている
- 友人から「年金の半分がもらえるって本当?」と相談された。ここで正確に答えられるかが分かれ目になる。半分になるのは婚姻期間中の厚生年金記録の按分割合の上限であって、相手の年金額の半分でも、老齢基礎年金部分でも、婚姻前後の期間でもない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 年金事務所(または各共済の実施機関)で「年金分割のための情報通知書」を請求する。婚姻期間中の双方の標準報酬総額と按分割合の範囲が判明する2. 相手と協議し、按分割合について合意できるなら、公正証書の謄本または公証人の認証を受けた私署証書など、3項および厚生労働省令が定める方法で書面化する3. 協議が調わない、または協議自体ができないときは、家庭裁判所に按分割合を定める審判または調停を申し立てる(2項) 4. 合意または審判が整ったら、実施機関に標準報酬改定請求を行う。この最後の請求まで到達して初めて記録が動く。合意しただけでは年金は1円も変わらない
訴えられた側:1. 分割される側でも、上限は2分の1で法定されている。相手の要求がそれを超えるなら応じる義務はない2. 対象は婚姻期間中の厚生年金記録に限られる。婚姻前・離婚後の期間や老齢基礎年金部分を含む請求には、対象期間の範囲を確認して反論する3. 2項の審判では、保険料納付に対する当事者の寄与の程度その他一切の事情が考慮される。分割割合を争う具体的事情があるなら、審判手続の中で主張する4. 実務上、按分割合は2分の1とされる例が多い。争う実益とコストを弁護士と冷静に試算する
時効(請求できる期限):離婚等をしたときから5年(1項ただし書)。この期間内に実施機関への標準報酬改定請求まで到達する必要がある。期間経過後の例外的取扱いその他の細目は厚生労働省令に定めがあるため、期限が迫っている場合は年金事務所に直接確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(制度趣旨):本条の合意分割は、厚生年金の保険料拠出が被保険者本人の記録として積み上がる仕組みと、婚姻期間中の双方の実質的協力との乖離を、記録そのものの分割によって是正する制度と理解されている。財産分与(民法768条)とは別個の公法上の請求権と位置づけるのが一般的である。
実務的理解(期間制限の性質):1項ただし書の5年は、一般債権の消滅時効と異なり、完成猶予・更新の枠組みが当然には及ばないものとして実務上運用されている。細目は厚生労働省令に委ねられているため、期限が接近している事案では実施機関への直接確認が不可欠とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)年金制度改正で新設、平成19年(2007年)4月1日施行 離婚時の厚生年金の合意分割制度を創設。婚姻期間中の標準報酬を当事者の合意または家庭裁判所の定める按分割合により改定できることとした。以後、被用者年金一元化(平成27年)に伴い「実施機関」への文言整備等が行われているが、改正回数と各改正の内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:年金制度改正により離婚時の厚生年金の合意分割制度を創設。婚姻期間中の標準報酬を当事者の合意または家庭裁判所の定める按分割合により改定できることとした。施行は平成19年(2007年)4月1日
- 2.平成27年(2015年) 改正:被用者年金一元化に伴い、共済年金を含む制度横断的な運用のため「実施機関」への文言整備等が行われた。個別の改正回数および各改正の詳細な内容は人的検証が必要
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