国民健康保険法 第24条の4(仮理事)
クイックジャンプ
理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、仮理事を選任しなければならない。
この条文の基本情報
仮理事とは何ですか?
定義仮理事とは、国民健康保険法第24条の4に定められた規定で、「理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、仮理事を選任しなければならな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第24条の4(仮理事)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第24条の4の条文原文は「理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、仮理事を選任しなければならな…」で始まります。
- 国民健康保険法第24条の4は第二節 管理に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第24条の4の前の条は国民健康保険法第24条の3です。
- 国民健康保険法第24条の4の次の条は国民健康保険法第24条の5です。
- 国民健康保険法第24条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第24条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第24条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/24_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法24条の4は、組合の理事が欠け、事務の遅滞により損害が生じるおそれがあるとき、都道府県知事が利害関係人の請求又は職権で仮理事を選任しなければならないと定める。
Q · 国保組合の理事が欠けて手続が止まったら、次の理事が決まるまで待つしかないんですか?
待つ必要はなく、知事に仮理事の選任を請求できます
国民健康保険法24条の4により、組合の理事が欠け、事務の遅滞によって損害を生ずるおそれがあるときは、都道府県知事は利害関係人の請求により又は職権で仮理事を選任しなければなりません。条文は「できる」ではなく「しなければならない」と定めるため、二要件を満たす限り知事に様子を見るという選択肢はありません。請求権者は組合員に限られず、組合に債権を持つ業者や給付を待つ被保険者も利害関係人として請求できます。
解説
国民健康保険組合の理事が辞任・死亡・解任で欠けたとき、組合の事務は止まる。給付の支給決定も、業者への支払も、代表者の判断が要る案件はすべて凍結する。ここで多くの人は「組合が次の理事を選ぶまで待つしかない」と考える。違う。本条は都道府県知事に仮理事を選任する義務を課している。「できる」ではなく「しなければならない」。しかも発動ルートは二本ある。知事の職権と、利害関係人の請求だ。あなたが組合員であれ、組合に売掛金を持つ業者であれ、給付を待つ被保険者であれ、利害関係人として知事に請求できる。要件は二つだけ。理事が欠けていること、そして事務の遅滞で損害が生じるおそれがあること。この二つが揃えば、知事に「様子を見る」という選択肢はない。組合の内部事情には手が出せないと思っていた外部の人間が、行政庁を動かす引き金に手をかけられる。それがこの一文の正体である。
法的な位置づけ
国民健康保険法24条の4は、国民健康保険組合における仮理事の選任を定める規定である。理事が欠けたこと、及び事務の遅滞により損害を生ずるおそれがあることという二要件が満たされた場合、都道府県知事は利害関係人の請求により又は職権で、正規の理事が選任されるまでの暫定機関として仮理事を選任する義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.理事の欠員を公示情報で確認する 組合の登記事項証明書を取得し、代表権を持つ者が誰で、いつから空白なのかを客観的資料で押さえる。組合への電話での聞き取りだけでは、後に請求要件の疎明資料にならない
- 2.損害を生ずるおそれを数値化する 未処理の申請件数、滞留日数、支払期日を過ぎた債権額を一枚の表にまとめる。「組合が困っている」ではなく「遅滞により自分に損害が生じるおそれ」を示すことが二つ目の要件の核心になる
- 3.都道府県知事あてに書面で選任を請求する 組合所在地を管轄する都道府県の国民健康保険担当課に、国民健康保険法24条の4に基づく仮理事選任請求書を提出する。必ず書面で出し、受付日を記録に残す。口頭相談で済ませると放置期間の起点が消える
- 4.相当期間の経過後、不作為を争う 要件を満たすのに応答がない場合、不作為についての審査請求(行政不服審査法3条)や不作為の違法確認訴訟(行政事件訴訟法3条5項)を検討する。受付日の記録がここで効いてくる
よくある質問 AI による整理
Q1仮理事とは何ですか?
正規の理事が欠けた法人で、正式な理事が選任されるまでの間、理事の職務を行う暫定的な機関です。国保組合では都道府県知事が選任します。
Q2国民健康保険組合とは何ですか?
医師・歯科医師・建設業など同種の事業や業務に従事する者が組織する、国民健康保険の保険者となる法人です。市町村国保とは別の運営主体になります。
Q3仮理事の選任はどこに請求しますか?
組合の所在地を管轄する都道府県の国民健康保険担当課です。国保組合の設立認可権者が知事であることと対応しています。書面で提出し受付日を控えます。
Q4利害関係人とは誰のことですか?
条文に定義はありませんが、組合員、被保険者、組合に債権を持つ取引業者など、事務の遅滞によって法律上の不利益を受けうる者が広く含まれると解されます。
Q5仮理事の選任請求に期限はありますか?
本条に固有の期限や時効の定めはありません。ただし「損害を生ずるおそれ」が要件であるため、放置するほど請求の実益と立証力が失われていきます。
Q6仮理事はいつまで職務を行いますか?
条文上の任期はなく、正規の理事が選任されるまでの暫定機関です。組合が正式な理事を選任した時点で、仮理事の職務は終了すると解されています。
Q7理事が欠けている間、組合の給付はどうなりますか?
代表権を持つ者の決裁が必要な案件は事実上停止します。給付の支給決定、契約締結、支払のいずれも滞り、その損害は組合ではなく待たされる側に溜まります。
Q8仮理事の選任は登記が必要ですか?
代表権を持つ以上、組合等登記令に基づく登記が必要と解されます。登記のない仮理事名義の行為は、後日取引相手から効力を争われる余地が残ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1理事が一人辞めただけでも、仮理事を頼めるんですか?
「理事が欠けた」は規約上の定数を満たさなくなった状態を含むと一般に解されるが、一人の欠員で直ちに要件を満たすかは実務上の判断が分かれている。決め手はもう一つの要件、「事務の遅滞により損害を生ずるおそれ」の方だ。実務のポイント:担当課が見るのは欠員の人数ではなく止まっている案件の中身。「理事が1名欠けた」より「この決裁が止まり給付が何件滞留しているか」を書いた請求の方が通りやすい。
Q2知事が請求を無視したら、こちらは何もできないんですか?
要件を満たすのに選任しないのは違法な不作為になりうる。行政不服審査法3条の不作為についての審査請求、行政事件訴訟法3条5項の不作為の違法確認訴訟が使える。ただし本条の「請求」が行政手続法上の「申請」にあたるかは解釈が分かれ、申請型義務付け訴訟まで届くかは争いになる。実務のポイント:だから請求は必ず書面で出し受付日を残す。口頭相談で終えると、何日放置されたのかを立証する起点自体が消える。
Q3仮理事って、正式な理事と同じことができるんですか?
仮理事は正規の理事が選任されるまでの暫定機関で、その権限は原則として理事と同一と解されている。組合を代表して契約も決裁もできる。ただし暫定という性質上、組織の根幹を変える行為まで当然に含むかは議論の余地がある。実務のポイント:代表権を持つ以上、登記が要る。登記のない仮理事名義の契約は、後日取引相手から効力を争われる余地が残る。選任されたら登記完了まで見届ける。
間違えやすい点 AI による整理
- 「理事が欠けた」とは理事が全員いなくなった状態だと思われがちだが、規約上の定数を満たさなくなった状態を含むと一般に解されている。ただし何人欠ければ「欠けた」といえるかは定数と決議要件次第で、実務上の判断は分かれている。全滅を待つ必要はない
- 知事が選任することは条文を読めば分かる。だが見落とされているのは、それが「しなければならない」という覊束的な義務(要件が揃えば役所に判断の余地がない形の義務)だという点だ。要件を満たす限り、知事に「組合の自主性に任せる」という逃げ道はない。この一語の重みを知っているかどうかで、行政窓口での交渉の強さが変わる
- あなたから見れば「組合の理事が誰であろうと自分には関係ない」。だが法律から見れば、代表権を持つ者が不在の法人は、契約も支払も給付決定もできない停止状態にある。その停止期間に発生する損害は組合ではなくあなたの側に溜まっていく。この落差に気付かないまま数か月が過ぎる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動事由 | 国保法24条の4:理事が欠け、かつ事務の遅滞で損害のおそれ | 国保法24条の3:理事と組合の利益が相反する事項(現行効力は要確認) 一般社団法人法75条2項:役員が欠けた場合で必要があると認めるとき |
| 選任する機関 | 都道府県知事(行政庁) | 組合の機関または監督庁による特別代理人の選任 裁判所 |
| 義務か裁量か | 「選任しなければならない」=要件充足で覊束的義務 | 条文の文言により異なる(要確認) 「選任することができる」=裁判所の裁量 |
| 役目の終期 | 正規の理事が選任されるまでの暫定機関 | 当該利益相反事項の処理が終わるまで 新たな役員が就任するまで |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では董事會が職権を行使できない場合、利害関係人の申立てにより法院が臨時管理人を選任する。選任権者が行政庁ではなく法院である点が日本の国保組合と異なる
韓国民法63条は「理事が欠けたことにより損害が生じるおそれがあるときは、法院は利害関係人又は検事の請求により臨時理事を選任しなければならない」と定め、日本の旧民法56条とほぼ同一の構文を保っている
ドイツでは理事会の必要な構成員が欠けた場合、急迫の事情があるときに関係人の申立てにより区裁判所が応急的に選任する。日本の仮理事制度の原型に位置づけられる
米国では取締役の行き詰まり(deadlock)等の場合に衡平法裁判所が custodian または receiver を選任する。行政庁による選任ではなく裁判所の衡平法上の救済として構成される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 高額療養費の支給申請を出して40日、組合から何の連絡もない。問い合わせると「理事長が急逝し、理事が定数を割ったので決裁できない」と言われた。次の組合会まであと2か月、待てば給付は3か月遅れる。知事に仮理事の選任を請求すれば、その2か月を飛ばせる可能性がある
- もし、組合の理事が役員報酬の不正をめぐって一斉に辞任したら、その組合の債務は誰が払うのか。契約も支払も代表者不在で凍結する。売掛金を抱えた医療機器業者にとって、仮理事選任の請求は債権回収の第一歩になる
- あなたが組合の事務局長で、理事の欠員を「そのうち埋まる」と放置している。その間に給付決定が遅れ、組合員から損害賠償を求められた。知事への上申を怠ったこと自体が、組織としての落ち度に数えられうる
- 知事に仮理事選任を請求したのに、県の担当課から「組合の自治の問題なので内部で解決してください」と返された。ここで引き下がるかどうかが分岐点になる。要件を満たす限り知事に裁量はなく、放置は違法な不作為として争う余地がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 理事の欠員が事実か確認する。組合の登記事項証明書を取れば、代表権を持つ者が誰で、いつから空白かが公示情報として分かる2. 自分に生じている、または生じそうな損害を数値化する。未処理の申請件数、滞留日数、支払期日を過ぎた債権額3. 都道府県の国保担当課宛に、本条に基づく仮理事選任の請求を書面で提出し、受付日を控える4. 相当期間を過ぎても応答がなければ、不作為についての審査請求(行政不服審査法3条)や不作為の違法確認訴訟(行政事件訴訟法3条5項)を検討する
訴えられた側:1. 組合事務局側であれば、欠員発生日、止まっている決裁案件、次回組合会の予定を時系列で整理し、自力で補充できる見込みを示す2. 補充が間に合わないなら、外部からの請求を待たず自ら知事に上申する。放置期間が長いほど、後の損害賠償で組織の落ち度が問われる3. 都道府県側であれば、二要件(欠員と損害のおそれ)の充足を個別に検討し、不充足なら理由を書面で示す。「組合の自治だから」という一般論での拒否は、後に不作為として争われる余地を残す
時効(請求できる期限):本条に固有の請求期限や時効はない。ただし「事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれ」という要件の性質上、遅れるほど請求の実益が失われる。不作為の違法確認訴訟(行政事件訴訟法3条5項)に出訴期間の定めはないが、不作為についての審査請求は「相当の期間」の経過が前提となる。選任を怠ったことによる損害賠償は、国家賠償法1条により請求し、同法4条を介して民法724条の期間制限(損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年)に服する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:「理事が欠けた」とは理事の全員不在に限らず、規約所定の定数を満たさなくなった状態を含むと解されている。もっとも何人の欠員で要件を満たすかは定数と決議要件次第であり、実務上は残るもう一つの要件である「事務の遅滞による損害のおそれ」の充足度が判断の実質的な決め手になる。
通説:仮理事は正規の理事が選任されるまでの暫定機関であり、その権限は原則として理事と同一と解される。代表権を有する以上、選任後は登記を要すると解され、登記を欠く仮理事名義の取引は後に効力を争われる余地が残る。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)前後(要検証) 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の制定に伴い民法の法人一般規定(仮理事を含む)が削除され、各特別法が独自に理事・仮理事の規定を持つ必要が生じた。本条もその整備の流れに位置する条文と解されるが、新設年次・新設か改正かの区別・条文番号の異動は官報および法令沿革での確認を要する
改正の年表
- 1.昭和33年(1958年) 制定:国民健康保険法(昭和33年法律第192号)が制定され、国民健康保険組合の機関に関する規定群が置かれた。本条が制定当初から存在したか、後の改正で追加されたかは官報および法令沿革での確認を要する
- 2.平成18年(2006年)前後(要検証) 改正:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の制定に伴い民法の法人一般規定(仮理事を含む)が削除され、仮理事制度は各特別法の中に分散して存続することとなった。本条もその整備の流れに位置づけられると解されるが、条文番号の異動を含め法令沿革での確認を要する
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める